JPS5934790Y2 - 原子力用機器に用いる断熱保温体 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は例えば原子力発電所における原子力圧力容器
、タービンケーシング、ポンプ、バルブおよび配管など
（この明細書では原子力用機器という）に合着包囲して
使用する原子力用機器に用いる断熱保温体に関する。

金属製外板、内板および側枠で槽底された中空箱型のパ
ネルからなる保温体は、既に公知である（例えば特開昭
４９−１０６０１２号公報参照）。

しかし、この種の保温体は内空部に絶縁材料として金属
製品が用いられているから断熱が充分でなく、また柔軟
性に欠は圧縮充填が十分行われない。

そこでこの考案は絶縁材料として耐熱性、断熱性に優れ
、クッション性があって良好な充填が得られる耐熱性繊
維材料を用いた。

しかし、繊維材料は原子力用に用いられるだけに特に放
射能を帯びた塵を発生する点が大きな欠点となる。

そこでこの考案は耐熱性繊維材料を小型にしてユニット
化し、これを表面を鏡面仕上げした金属箔で密封するこ
となく包んだのである。

次に図面に示すこの考案の１実施例によってこの考案を
説明すれば、１はこの考案に係るパネルで、金属性外板
２、内板３および合着面となる側枠４により半円筒形の
中空箱型に槽底されている。

なお側枠４には多数の透孔が設けられている。

上記中空箱型内には小型でユニット化された耐熱性繊維
材料６を主体とする断熱ユニット５が隙間のない状態で
圧縮充填されている。

なお断熱ユニット５は耐熱性繊維材料６を鏡面仕上げし
た金属箔７で密封することなく包んでいる。

耐熱繊維材料６としてはセラミックファイバー、岩綿な
ど無機繊維のブランケット、フェルトが用いられ、金属
箔としてはステンレススチール、アルミニウムなどが用
いられ、輻射による熱の伝達を小さくするため表面を鏡
面仕上げをする。

また金属箔７の縁部は相方をラップしてスポット溶接す
るか折り返しにするか、何れにしても完全密封せず断熱
ユニット５内の空気が加熱され膨張した時に外へ流出す
るようにして金属箔７の破れをなくし、長期の使用を可
能としている。

高速増殖炉では熱媒体として金属ナトリウムを使用して
おり、この金属ナトリウムは５６０℃の高温で配管の中
を流れるから、断熱ユニット５はセラミックファイバー
のブランケット、フェルトをステンレススチールの箔で
包んだ耐熱度の高いものを使用するのがよい。

以上述べたようにこの考案の原子力用機器に用いる断熱
保温体は、外装となる外板、内板および側枠が金属板で
槽底されてお・す、断熱ユニット５は金属箔７で密封さ
れず包まれているので破損せず、従って従来の断熱保温
体と同様の強度を保って耐用年数が長いのである。

特にこの考案は本来断熱性を有する耐熱性繊維材料６が
金属箔７で包まれ、その金属箔７は加熱により破れるこ
とがなく、しかも金属箔７によって耐熱性繊維材料６は
多数の透孔からのはみ出しを押えられ損傷されることが
ないから発塵は全くない。

従って放射能を帯びた塵が人体に耐着し、または吸引さ
れて人体に危害を与えることがない。

更にこの考案は熱伝導が小さく軽い耐熱性繊維材料６を
金属箔７で包んだ断熱ユニツｌ−５を用い、また側枠４
等枠部分は多数の透孔が設けであるので、金属部分が少
なく熱伝導がきわめて少なく、かつ全体が軽量で取扱い
易く安価となる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の１実方自列を示すもので、第１図は斜
視図、第２図は縦１新面図、第３図は断熱ユニットを一
部剥離して示す斜視図である。 １・・・・・・パネル、２・・・・・・外板、３・・・
・・・内板、４・・・・・・側枠、５・・・・・・断熱
ユニッＩ・、６・・・・・・耐熱性繊維材料、７・・・
・・・金属箔、８・・・・・・端枠。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 金属性外板、内板および側枠で構成された中空箱型パネ
   ルにおいて、その空間に耐熱性繊維材料を表面を鏡面仕
   上げした金属箔で密封す、ることなく包んだ断熱ユニッ
   トを隙間のない状態に圧縮充填してなる原子力用機器に
   用いる断熱保温体。