JPS5934508Y2 - 車両用ドア構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車両の乗員乗降用車両用ドア構造に関する。

車両用ドアには車両が側面から衝突力を受けた場合に車
室内の乗員を保護するためにインパクトバーが設けられ
ている。

このインパクトバーは車両ドアの側面方向の強度を増大
すると共に側面からの衝突力を吸収して乗員を保護する
ようになっている。

一方乗員の衝突時保護装置として用いられているシート
ベルト装置としては乗員拘束用ウェビングの巻取装置を
車両用ドアへ取り付げることにより車両用ドアの開閉に
応じて乗員へ自動的にウェビングを装着させる自動装着
型シートベルト装置が提案されている。

このシートベルト装置では巻取装置を車両用ドアへ取り
付けると共に乗員拘束用ウェビングの中間部を車両用ド
アに沿って車両前後方向へ屈曲させることにより乗員の
乗降性を向上させるようになっているが、このように巻
取装置を車両用ドアへ設けたり、ウェビングの中間部を
移動させるための装置を乗降用ドアへ設けるためにこれ
らの装置がドア内へ配置されるインパクトバー、ウィン
ドーレギュレーター等と干渉しないように設計する必要
が生じて車両設計及び製作時の組み付けを著しく困難と
している。

本考案は上記事実を考慮し、インパクトバー及びシート
ベルト装置の巻取装置等を極めて簡潔に配置することが
可能な車両用ドア構造を提供することが目的である。

本考案に係る車両用ドア構造はインパクトバーを車両用
ドアの前方上部から後方下部にかげて配置し、その一端
はドアヒンジへ、他端はサブラッチ係合部材へそれぞれ
固着し、サブラッチ係合部材はドア閉止時に車体へ取り
付けたラッチ受けと係合させることによりインパクトバ
ーの強度を向止し、かつインパクトバーの箱形断面内に
は乗員拘束用ウェビングの巻取装置を収容させることに
より巻取装置とインパクトバーとを極めて簡潔にドア内
へ配置できる構成としている。

以下本考案の実施例を図面に従い説明する。

第１図において車両用ドア１０はその前端部が一対のド
アヒンジ１２．１４により車両のフロントピラー１６へ
回動軒能に軸支されている。

ここにドア１０内にはインパクトバー１８が斜めに配置
されており、このインパクトバー１８の長手方向中央部
における断面形状は第２図にも示される如く矩形状空間
２０を有する略コ字状とされており、その両端部に直角
に接続されるフランジ部２２によりドア１０のインナー
パネル２４へ固着されている。

このインパクトパー１８の長手方向前端部は直角に屈曲
されると共に、ドアのインナーパネル２４を介してドア
ヒンジ１２と共線めされている。

またこのインパクトパー１８０後端部はドアのインナー
パネル２４を介してラッチ係合部材２６へ固着されてい
る。

このラッチ係合部材２６はドア１０の後方下部から突出
された逆Ｔ字状突起であり、車体のロッカーパネル２８
に設けられたラッチ受げ３０と対応している。

このラッチ受げ３０はロッカーパネル２８のドア開口面
に取り付けられており、その一部にはラッチ係合部材２
６が係合するＵ字形受は部３２を有しており、ドア１０
が閉止された場合にはラッチ係合部材２６が嵌入される
ようになっており、この結果ラッチ係合部材２６はドア
１０の閉止時においては車両内方向及び車両前後方向へ
移動することがないように配慮されている。

前記インパクトパー１８の矩形状空間２０には巻取装置
３４が固着されており、シートベルト装置の乗員拘束用
ウェビング３６の端部を付勢力により巻き取っている。

このウェビング３６は巻取装置３４から巻き出された後
にリング状のウェビングガイド３８を挿通し、図示しな
い他端が乗員の拘束部へと至るようになっている。

このウェビングガイド３８には駆動ワイヤー４０の一端
が係止されており、この駆動ワイヤー４０の中間部はイ
ンパクトパー１８の前方端部付近へ固定されたガイドピ
ン４２で巻き掛けて折り返されると共に図示しない他端
部が駆動装置へと至っている。

この駆動ワイヤー４０の図示しない他端部に設けられる
駆動装置（図示省略）は乗員の降車状態を検知して駆動
ワイヤー４０を巻き取り、また乗員の乗車状態を検出し
て駆動ワイヤー４０を巻き出すようになっている。

この乗降状態の検出は一例としてドア１０の開閉により
なされるようになっている。

すな ち、ドア１０が乗員降車時に開放された場合には
駆動ワイヤー４０が図示し々い駆動装置に巻き取られて
ウェビングガイド３８はガイドピン４２方向へ引張られ
るようになっており、このためウェビング３６の中間部
が車両前方へ大きく屈曲されてウェビング３６の中間部
はシート（図示省略）との間に乗員の乗車空間を形成し
、乗員がシートに着座した後にドア１０を閉止した場合
にはこれを検出してワイヤー４０を巻き出すことにより
再びウェビングガイド３８が巻取装置３４方向へ移動さ
れてウェビング３６の中間部が車両後方へ移動するので
乗員が自動的にウェビング３６の装着状態となるように
構成されている。

なおドアのインナーパネル２４には内外を連通ずるスリ
ットが形成されることにより駆動ワイヤー４０がドア内
外を連通ずることができるようになっている。

本実施例は上記のように構成されているのでインパクト
パー１８及び巻取装置３４が適切にドア１０内へ配置さ
れており、更にインパクトパー１８の矩形状空間２０は
自動装置型シートベルト装置の駆動ワイヤー４０の通路
として利用することができる。

更に乗員が乗車した後に車両緊急状態に陥った場合には
インパクトパー１８がその前端及び後端でドアヒンジ１
２及びラッチ係合部材２６を介して車体へ確実に支持さ
れているのでドア１００強度を確保し、また衝突時に乗
員がその慣性力によりウェビング３６へおよぼす張力は
巻取装置３４がインパクトパー１８へ固定されているこ
とによりこのインパクトパー１８及びラッチ係合部材２
６を介して車体の一部であるラッチ受げ３０へ確実に伝
達されて乗員の拘束が確保されて安全が保証できる。

なお上記実施例におけるインパクトパー１８の断面形状
はコ字状の箱形形状とされたものについて説明したが、
本考案はこれに限らず多角形の箱形断面形状を有するイ
ンパクトパーであればすべて適用可能である。

以上説明した如く本考案に係る車両用ドア構造はインパ
クトパーの前端部をドアヒンジを介して、後端部はラッ
チ係合部材を介してそれぞれ車体へ連結するのでドアの
強度を確保すると共にインパクトパーの箱形断面内へ乗
員拘束用ウェビングの巻取装置を収容するのでドア内に
おけるインパクトパーと巻取装置との配置を極めて簡潔
にすることば可能となる優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る車両用ドア構造の実施例を示す一
部断面斜視図、第２図は第１図■−■線断面図である。 １０・・・・・・ドア、 インパクトバー １２・・・・・・ドアヒンジ、１８・・・・・・２６・
・・・・・ラッチ係合部材、３０ ・−・・・ラッチ受け、 ３４・・・・・・巻取装置、 ３６・・・・・・ク エビング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車両用ドアの前方上部から後方下部にかげて配置された
   断面箱形のインパクトバーを有し、このインパクトバー
   の一端はドアヒンジへ固着され、他端にはドア閉止時に
   車体に設けられたラッチ受けと係合するサブラッチ係合
   部材を固着し、前記インパクトバーの箱形断面内には乗
   員拘束用ウェビングの巻取装置が収容されたことを特徴
   とする車両用ドア構造。