JPS5931886Y2 - 召合せ部密閉装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、内召合せ框に取付けたグレモン錠の施錠操
作と連動して召合せ部に高い気密性を得るようにした召
合せ部密閉装置に関する。

従来のグレモン錠は内召合せ框に取付けられるフック付
きハンドルと、外召合せ框に取付けられる錠受は金具と
からなるから、引違い障子の召合せ部の全長にわたって
高い気密性を確保するには、少なくとも上、中、下の３
個所にグレモン錠を取付ける必要があり、価格が高くつ
くとともに、施錠・解錠に多くの手間がかかる欠点があ
る。

また、操作ハンドルと錠受は金具は召合せ框の高さの中
央にのみ設けて、召合せ框内に上下方向に延びるロッド
を備えてハンドルの操作と連動してそのロッドを昇降さ
せ、そのロッドの上端部及び下端部に備えた引寄せ部材
を窓枠の上枠及び下枠に押し当てることにより、障子を
その押圧方向と反対方向に窓枠に引寄せて障子と窓枠と
の間の気密性を高めるようにしたものも知られているが
、召合せ部の全長にわたって高い気密性を確保すること
は困難である。

この考案は、比較的簡単な構成で、ハンドルを回転する
と召合せ部の全長にわたって一様の引寄せ効果が得られ
、従って、召合せ部の全長にわたって高い気密性を確保
することが容易にでき、しかも、構成部材に故障が生じ
た場合に、障子まで取外す必要なしに容易に修理できる
ようにした召合せ部密閉装置を提供することを目的とす
る。

次に、図面に基いてこの考案の実施例を説明する。

内召合せ框１のガラス嵌挿溝１ａの背部に戸尻方向及び
屋外方向に開放された凹部１ｂを形成し、この凹部１ｂ
に略角筒状の補助框２が長手方向に嵌挿され、図示され
ないねじによって補助框２と内召合せ框１とは実質一体
的に固着されている。

補助框２の側面（ガラス嵌挿溝１ａの背面）に座金３が
ねじ４等により固着され、その座金により、軸５が水平
軸まわりに回転自在に保持されている。

軸５は軸方向中間に設けられたフランジ６を座金３内に
嵌合することにより、軸方向に固定されている。

そして、軸の座金より外部に突出された部分は断面多角
形であり、その部分をハンドルレバー７の基端に設けら
れた断面同一形状の溝８に挿入し、止ねじ９をねじ込む
ことにより、ハンドル７と軸５が固着されている。

軸５の他端は補助框２の側面を貫通して、補助框の中空
部２ａ内に突出させである。

そして、軸５の先端部１０は軸の回転中心より偏倚させ
である。

この先端部１０には中空部２ａ内で揺動自在に備えられ
たリンク１１の一端が回転自在に連結されている。

前記中空部２ａ内にはまた、補助框２と平行に延長する
摺動板１２が昇降自在に備えられ、この摺動板に前記リ
ンク１１の他端が回転自在に連結されている。

また、摺動板１２の上端部にはアーム１３がピン１４に
より回転自在に支持されている。

アーム１３はストッパ１６とバネストッパ１７により回
転範囲を制限されており、障子を窓枠に建込んだときは
アーム１３の先端が補助框２及び召合せ框１の室内側面
より突出し、かつ、窓枠の上枠１８の障子嵌合溝１９を
形成する垂下壁２０の下端突縁２１に係止された状態を
維持するようになっている。

こうして、前記ハンドル７を例えば水平又は上向きにな
っている解錠位置から下向きの施錠位置まで回転させる
と、前記リンク１１が軸５の偏心先端部１０により第４
図に示すように一点鎖線位置から鎖線位置を経て実線位
置に移動するため摺動板１２が下動し、前記アーム１３
は傾斜状態から水平あるいは傾きがより少ない状態にな
るため、内召合せ框１が室外方向に偏倚される。

従って、障子の上框（図示せず）と上枠１８の垂下壁２
２とのいずれか一方に、他方に向かって突出する気密材
２３が既知の構造により装着されているので、上枠と障
子の間に気密効果が得られる。

さらに、摺動板１２の下端部には室内方向に面して下り
傾斜するテーパ部２４が形成してあり、前述のハンドル
７の施錠動作により摺動板１２が下降されると、そのテ
ーパ部２４が下枠２５のレール２６と当接するための、
障子の下側部が室外に偏倚される。

従って、下枠２５の立上り壁２７又は障子下框（図示せ
ず）のいずれか一方に、他方に向かって突出する気密材
２８が装着されているので、下枠と障子の間にも気密効
果が得られる。

前記摺動板１２と前記中空部２ａの軸５と反対側の壁面
との間には摺動板１２と平行に延長する可動引寄せ片２
９が挿入されている。

可動引寄せ片２９は室外側端部に折曲部３０を一体に有
し、その折曲部３０を障子の閉方向（第１図では右方向
）に向けた状態で、召合せ框の室外側壁面に形成され、
かつ、前記中空部２ａから外部に連通ずるスリット３１
より突出させて取付けてあり、また可動引寄せ片２９の
内側端部には室内方向に開口する溝３２が形成され、そ
の溝３２内に互いに反対向きの一対の板ばね３３，３３
’が設けられている。

そして、この板ばね３３，３３’により、可動引寄せ片
２９は召合せ框の室外側壁面より室外方向に常時突出す
るように付勢されている。

３４は突出量を制限するストッパであり、スリット３１
の開口縁と係止する。

可動引寄せ片２９の前記摺動板１２と対向する面は平滑
であり、その面に前記摺動板の一部が当接しており、こ
れにより、摺動板１２は召合せ框１に一体に突設された
突条縁３５，３６と前記可動引寄せ片の平滑面とに案内
されて所定の面に沿って昇降自在とされ、また、可動引
寄せ片２９は摺動板１２と補助枠の内壁面に案内されて
、所定の面に沿って室内外方向に可動とされている、。

また、前記摺動板１２と可動引寄せ片２９の対向面には
、軸５よりも上方及び下方における複数箇所、少なくと
も上下２箇所個所において対をなす楔状のガイド片３７
．３８が固着されている。

摺動板側のガイド片３７は室内方向に面して下り傾斜す
るテーパ面３７′を有し、可動引寄せ片側のガイド片３
８は室外方向に面して上り傾斜するテーパ面３８′を有
する。

各対のガイド片３７ 、３８は前記摺動板１２と可動引
寄せ片２９の間に形成される空間に、摺動板のガイド片
３７が室外側、可動引寄せ片のガイド片３８が室内側に
存在するように位置されている。

そして、前記ハンドル７が解錠位置にあるときは、各対
のガイド片３７，３８は第６図イに示すように肉薄部分
が当接し合っているため、可動引寄せ片２９は各対の板
はね３３．３３’の力により、ストッパ３４がスリット
開口縁に係止されるまで室外側に移動され、前記折曲縁
３０はもつとも室外側に位置されている。

従って、この解錠状態にある内障子を閉めると、第１図
に示すように、前記可動引寄せ片２９の折曲縁３０が外
召合せ框３９の固定係止片４０の折曲縁４１と嵌合し、
前者が後者の室外側に位置する。

次いで、前記ノ＼ンドル７を施錠位置まで回転すると、
前述されたように摺動板１２が下降し、これと同時に下
降する摺動板の各ガイド片３７が第７図口に示すように
、可動引寄せ片のガイド片３８を介して可動引寄せ片を
板ばねに抗して室内方向に移動させる。

すなわち、可動引寄せ片の折曲縁３０が外召合せ框の固
定係止片４０に室内方向の引寄せ力を与えるため、第７
図に示されているように、外召合せ框３９が内召合せ框
１に引寄せられる。

従って、外召合せ框３９に装着しである上下方向に連続
する気密材４２が内召合せ框１に密着し、また補助框２
に装着しである上下方向に連続する気密材４３が外召合
せ框３９に密着して、両召合せ框１゜３９の間にその全
長にわたって高い気密効果が得られる。

なお、内召合せ框１の室外側面に第１図の解錠状態にお
いて外召合せ框３９の係止片４０の開方向の移動を阻止
しない程度に室外方向に突出する突条４４を設けておく
ことにより、ハンドル７を施錠位置に回わして召合せ框
１，３９同志を引寄せた時において前記係止片４０の開
方向の移動を阻止して、障子をロックすることができる
。

上述の実施例において、摺動板１２はその機能上から上
下方向に延長することは当然であるが、可動引寄せ片２
９も上下方向に延長する長尺ものであるため、その全長
にわたって外召合せ框の煙返しと係合し、引寄せる。

従って、引寄せ力は大きく、堅牢に嵌合するので、召合
せ部の耐風圧強度が著しく増大される。

しかし、施錠時において内召合せ框１に密着する上下方
向に連続する気密材４２が備えられているから、可動引
寄せ片２９はハンドル回動により外召合せ框の係止片を
介して、外召合せ框のほぼ全長に対しほぼ一様の引寄せ
力が加わる限りで、短かいものでよい。

上記実施例では、ハンドル７を下方に回転しときに摺動
板１２が下降され、引寄せ片２９がガイド片３７，３８
を介して室内方向に引寄せられるように構成しであるが
、これとは逆に、ハンドルを上方に回転したときに摺動
板が上昇され、引寄せ片が室内方向に引寄せられるよう
に構成することも容易にできる。

また、上記実施例ではハンドルを復旧させたときに、ば
ね３３，３３’により引寄せ片２９を室外方向に復帰さ
せたが、他のガイド片３８を摺動片１２に、他のガイド
片３７を引寄せ片２９にそれぞれ取付けることにより、
ハンドルを復旧したときに引寄せ片を室外方展に復帰さ
せることもできる。

ハンドル７の回動と連動して昇降される摺動板１２によ
り障子を窓枠側に引寄せる手段はその機能上既知の他の
手段を用いることができる。

上述のように、この考案によれば、ハンドルの回転と連
動して昇降する摺動板、引寄せ片、摺動板の昇降と連動
して引寄せ片を少なくとも室内方向に移動させるガイド
片、ハンドルを介しての摺動板の復旧により引寄せ片を
室外方向に復帰させる手段（ばね又はガイド片）及びこ
れらを取付ける補助框よりなり、摺動板、引寄せ片及び
補助框は長手方向に連続する一本ものであるから、構成
が簡単である。

また、摺動板と引寄せ片は上下方向に長さを有し、かつ
、ガイド片はハンドルの回転軸よりも上方と下方の少な
くとも２箇所に設けられているから、ハンドルは内召合
せ框の高さ方向中央の１箇所に設けられても、ハンドル
回動時の引寄せ片の引寄せ力は外召合せ框の全長にわた
ってほぼ一様に加わり、従って、召合せ部の全長にわた
って高い気密効果が得られる。

さらに、ハンドル、軸、摺動板、ガイド片、引寄せ片及
び復帰手段は、内召合せ框に脱着自主な補助框に取付け
るので、装置に万一故障が起きても、補助框を内召合せ
框かせ取外して、容易に修理することができ、または、
故障して場合の補助框を取外し、正常な装置を組込んだ
別の補助框に交換することも可能である。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すものであり、第１図は解
錠状態にある断面図、第２図は摺動板の構成及び引寄せ
手段の一例を示す図、第３図はリンクと摺動板の連結部
を示す一部破断側面図、第４図はハンドル回転軸とリン
クと摺動板の作用を説明する図、第５図は第１図の■−
■線に沿った断面図、第６図はガイド片の作用説明図、
第７図は施錠状態にある断面図である。 １・・・・・・内召合せ框、１ ｂ−・・・・・・凹部
、２・・・・・・補助框、７・・・・・・ハンドル、１
１・・・・・・リンク、１２・・・・・・摺動板、１３
・・・・・・アーム、２９・・・・・・可動引寄せ片、
３１・・・・・・スリット、３７．３８−ガイド片。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 （イ）内召合せ框に戸尻方向及び屋外方向に開放された
   凹部を形成して、その凹部に角筒状の補助框を着脱自在
   に取付け、 （ロ）前記補助框の中空部内にはその補助框の戸尻側面
   に取付けたハンドルの回転軸に連係され、かつ、そのハ
   ンドルの回動と連動して前記中空部内を昇降される、上
   下方向に長い摺動板を備荒、 （ハ）前記補助框の中空部内側から、この框の屋外側面
   に設けたスリットを通って屋外側に延出し。 屋外側端部に内障子の閉方向に折曲された折曲部を有す
   る上下方向に長い引寄せ片を室内外方向に進退自在に前
   記補助框に設け、 に）前記摺動板と前記引寄せ片の対向面には、前記ハン
   ドルの回転軸よりも上方及び下方の少なくとも２箇所に
   おいて、前記ハンドルを介して前記摺動板を下降（又は
   上昇）させた場合に互いに当接して前記引寄せ片に室内
   方向に移動させる力を加えるガイド片を取付け、 前記摺動板又は引寄せ片に前記ハンドルを介して前記摺
   動板を上昇（又は下降）させた場合に前記引寄せ片に室
   外方向に復帰させる手段を備えてなり、 （羽 前記ハンドルを上昇（又は下降）して引寄せ片を
   室外方向に復帰させた状態で閉窓した場合に、前記折曲
   部が外召合せ框の室内側面に設けである係止片と係合し
   うろことを特徴とする召合せ部密閉装置。