JPS5931001Y2 - 蓄電池電槽 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は熱溶着にて接合して形成する蓄電池電槽に関す
るものである。

従来からポリオレフィン系樹脂により、一体成形しであ
るいは複数の分割体を接合して形成した筒状の周壁と、
鞍を有する底板とを接合して形成する蓄電池電槽の製法
が提案されている。

しかしこの種の蓄電池電槽では機械的強度面や構造上の
制約が厳しく、その接合部の強度低下が危惧され、また
熱溶着により接合したものでは、その接合部において溶
融物がはみ出し突出して邪魔になるなどの問題点があり
、このため未だ実用化に至っていないのが現状である。

本考案は上述したような欠点を無くシ、実用に十分耐え
得る蓄電池電槽を提供することを目的とするものであり
、以下その一実施例を示す図面により詳細に説明する。

第１図は本考案の一実施例を示す平面図、第２図は第１
図のＡ−Ａ線断面図、第３図は第１図のＢ−Ｂ線断面図
である。

１は周壁、２は底板、３ぽ底板２に配された鞍、４は周
壁１と接合される接合部５を有する底板２の立上り壁部
であり、該立上り壁部４の高さＣは鞍３の高さａより低
く構成されている。

また６は接合部５内側に生じた溶融はみ出し物である。

（なお外側に生じた溶融はみ出し部は切除により、ある
いは特願昭５３−１０７０６７号（特開昭５５−３３７
４２号）に示されるごとく、熱板にて溶融押圧して平坦
とする方法により、既にそのはみ出した構成が実質的に
なくなるように処置されている。

）更に７は鞍３両端に補強のための若干の接続する部分
を残して設けられた切欠部であり、接合時において溶融
はみ出し物６と鞍３とが接触して不都合が生じないよう
、周壁１および底板２の立上り壁部４と鞍３との間に間
隙が生ずるよう設けられている。

本考案による蓄電池電槽は以上のごとく周壁１と底板２
との接合部５が底板２内底面の高さｂより高い位置に設
けられているので、こわれ難いと云う利点を有している
。

すなわち周壁と底板とを底板内底面の位置で接合したも
のでは、その溶融はみ出し物は蓄電池電槽の底部に生じ
、該電槽の構造上書にはならず、また接合部を広く取る
ことができ、熱溶着作業が比較的容易であるなどの利点
もあるが、接合部が蓄電池電槽の最底部に位置するため
、落下や振動の衝撃を強く受け、また内部からの応力集
中を受ける場所でもあるので、鉄部からの破壊が極めて
生じ易いと云う欠点がある。

今、本考案による蓄電池電槽を用いた蓄電池Ａと周壁と
底板とを底板内底面の位置で接合した蓄電池電槽を用い
た蓄電池Ｂとをそれぞれ３個づつ供試して、コンクリー
ト床上に自然落下させ、その破壊する落下高さと破壊状
態を調べたところ、第１表の結果を得た。

なお蓄電池の重量はいずれも２０ ｋｇであった。

第１表より本考案による蓄・電池電槽が周壁と底板とを
底板内底面の位置で接合した蓄電池電槽に比べ強度的に
数段勝ったものであることがわかる。

本考案による蓄電池電槽はその周壁１と底板２との接合
５が鞍３の高さより低い位置にあるので、該接合部５に
生じる溶融はみ出し物６が極群の挿入の邪魔になったり
、該はみ出し物６に遊離した活物質が堆積し、極板間の
側部短絡を招くと云う恐れがない。

また本考案による蓄電池電槽では底板２の鞍３両端に切
欠部７を設けているので、熱溶着の際、該部３の端部が
邪魔とならず、また接合部の溶融も均一にできるので、
その接合力が弱まることはない 叙上、本考案は熱溶着により接合して形成する蓄電池電
槽の優れた構成を提供するものであり、その実用的価値
の極めて大きいものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す平面図、第２図、第３
図は第１図のそれぞれＡ−Ａ線断面図およびＢ−Ｂ線断
面図。 １・・・・・・周壁、２・・・・・・底板、３・・・・
・・鞍、４・・・・・・立上り壁部、５・・・・・・接
合部、６・・・・・・溶融はみ出し物、７・・・・・・
切欠部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 筒状の周壁と、鞍を有する底板とを熱溶着にて接合して
   形成する蓄電池電槽において、上端が周壁と接合される
   底板の立上り壁部の高さを鞍の高さよりも低く構成し、
   かつ底板の鞍と、周壁および底板の立上り壁部との間に
   間隙が生ずるべく、該鞍両端に切欠部を設けてなる蓄電
   池電槽。