JPS5930785B2 - 高強度合金鋼 - Google Patents

高強度合金鋼

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JPS5930785B2
JPS5930785B2 JP4179281A JP4179281A JPS5930785B2 JP S5930785 B2 JPS5930785 B2 JP S5930785B2 JP 4179281 A JP4179281 A JP 4179281A JP 4179281 A JP4179281 A JP 4179281A JP S5930785 B2 JPS5930785 B2 JP S5930785B2
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JP
Japan
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nickel
alloy
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present
toughness
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JP4179281A
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JPS57158356A (en
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行昭 浅山
和明 樋口
真樹 岡田
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、マルテンサイト状態で時効硬化できるニッ
ケル・クロム・モリブテン・チタニウム系高強度合金鋼
に関し、特に18%Ni系など高ニッケルのマルエージ
ング(Mar−aging)鋼にくらべて安価であり、
かつ強度の点でも140ゆ/mrlt以上が確保さ札ま
た従来のマルエージング鋼の難点である時効脆化を起し
にくい低コスト・高強度のマルエージング鋼を提供せん
とするものである。
マルエージング鋼は析出硬化型の超高抗張力鋼であり
、従来の中炭素低合金鋼や工具鋼のように、焼入れ・焼
もどしによるのではなく、極低炭素、高ニッケルのマル
テンサイト系合金に時効硬化元素を添加して、マルテン
サイト地で時効硬化(Mar−aging)することに
より、200kg/一級の高い強度が得られるというの
が特徴である。
このマルエージング鋼は米国において開発されたもの
で、18%Ni、20%Ni、25%Niの3系列が代
表的なものであり、これらの鋼の標準的化学成分を表1
に示す。<0.03%C <0.20%Mn+Si<
0.01(その他添加元素(0.003%B,O.O2
%Zr、(これらのマルエージング鋼は、表1に示すよ
うに、ニッケル、コバルト、モリブデンなどの高価な元
素を多く含んでおり、また鯛造に際しても真空溶解を行
う必要があるなどの理由により、素材コストの高いこと
が難点である。
ン:P(0.010%S5%Ca) 氷 この難点を排除するために開発されたのが12%N
i系のマルエージング鋼である。
この鋼の標準的化学成分は表2に示す通りである。
表2からわかるように、この鋼は高価なコバルトを含ん
でおらず、またニッケル含有量も比較的少ないので、前
述のマルエージング鋼にくらべて素材コストは相当安く
なるが、強度は150kg/RraN級であり、かなり
低くなる。
この合金では、時効処理によってNi3Ti)Ni3M
OというNiに富んだ金属間化合物をマトリックス中に
析出せしめることにより上記の強度を得ているが、これ
らの化合物が析出するとマトリックス中のニッケル含有
量が低下するために、時効処理の温度によっては脆性破
壊(時効脆化)を起しやすいという難点がある。さらに
この鋼はアルミニウムを最大0.4%含有している。こ
のタイプの合金にアルミニウムが添加されると、時効処
理により前述のNi3Ti,Ni3MOと同様のアルミ
ニウムとニッケルの金属間化合物NisAAが析出する
ため、強度は上昇するが、逆に靭性は低下する。
妃シ この様子を第1図に示す。この脆化は
前述のチタニウム、モリブデンの場合と同様に、マトリ
ックス中のニッケル含有量が低下することによるものと
思われる。以上のように、12%Niマルエージング鋼
は、前述の高ニッケル系マルエージング鋼にくらべて素
材コストは安くなるが、時効脆化を起しやすいという難
点がある。
本発明者らは、18%Ni系など高ニッケルのマルエー
ジング鋼にくらべて安価であり、かつ強度の点でも14
0kg/I4以上が確保され、また従来のマルエージン
グ鋼の難点である時効脆化を起しにくい、低コスト、高
強度のマルエージング鋼を提供すべく鋭意研究の結果、
本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によるマルエージング鋼は、表3のよ
うな標準的化学成分を有する。
前述の現在一般に使用されている12%Ni系マルエー
ジング鋼にくらべて、モリブテン含有量は同等、ニッケ
ルは少く、チタニウムとクロムは逆に多く、またアルミ
ニウムは含んでいない。
本発明合金の成分系の特徴を要約すると次の通りである
。クロムの含有量をふやしてR相(Fe− Cr−MO
化合物)の析出による強化を図るとともに、Mi3MO
の析出を押えてマトリックス中のニッケル減少による脆
化を防止している。またチタニウムをふやして、Nt3
Ttの析出による強度上昇の効果をも図っているが、こ
の場合のマトリックス中のニッケルの減少はモリブデン
をR相中に捕えてNi3MOの析出を押えることで補っ
ている。さらに、従来の12%Ni系マルエージング鋼
において意図的に含まれているアルミニウムは、本発明
合金では合金元素としては含まれておらず、これも脆化
防止に効果がある。炭素はマルエージング鋼では通常0
.03%以下に押えているが、本発明合金では0.08
%以下でよく、これは素材の溶解、製造上非常に有利で
ある。これは前述の低ニッケル含有量と相まって、素材
の低コスト化に貢献する。次に強度の点についてみると
、本発明合金は時効処理温度を適正に選ぶことにより、
140k9/一を上回る引張強さを確保することが充分
可能であり、これは従来の12%Niマルエージング鋼
にくらべて遜色はない。
以上述べたように、本発明は従来の12%Niマルエー
ジング鋼にくらべて強度的に同等であり、かつコスト、
靭性の点でそれを凌ぐ新しいマルエージング鋼である。
本発明合金は高強度、高靭性、高信頼性を必要とする航
空機、口ゲット、ミサイル等の航空・宇宙機器用部品を
中心に、高圧部品、ファスナ一、シャフト、ボルト、ば
ねなどに、板材、棒材、鍜造材などの形で用いることが
できるが、とくに口ゲットやミサイルのモータケース用
材料として適している。モータケースは通常素形材をフ
ローフオーミング(スピニング加工等)などの塑性加工
によって成形し、これを溶接組立することによりつくら
れるので、加工しやすくかつ溶接性の良好なことが要求
される。
本発明合金は溶体化処理状態で加工性がすぐれており、
また溶接も可能であるので、溶体化処理状態で成形し、
溶接後に時効処理を行うことにより、所定の性能を得る
ことができる。140ky/一程度の強度は、低合金鋼
でも充分得られるが、溶接後に焼入れ、焼もどしを行う
必要があり、この際に発生する変形を矯正するために多
額の設備投資や手間がかかる。
低合金鋼は素材費用自体は本発明合金にくらべてはるか
に安価で入手性も良いが、前述の矯正などが必要なため
加工工程が複雑となるので、トータルコストの点では加
工工程の簡単な本合金の方が結局のところ有利となる。
本発明によるマルエージンケ鋼は、前述したように次の
化学組成を有する。
ニッケル : 8〜12% クロム : 7〜11% モリブデン = 2〜4 % チタニウム =0.5〜1.2% 炭素 :0.0S%以下 残部 :鉄および不純物 ニッケルは焼入れ性、強度および靭性の向上に有効な元
素である。
第2図にはCr8%、MO3%、TiO.8%の場合の
本発明合金の切欠引張強さならびに硬さとニッケル含有
量の関係が、時効温度に関連させて示されている。切欠
引張強さはニッケル%とともに上昇し、ニッケルが10
%以上になると時効温度に関係なく一定の値となる。ま
た硬さはニッケルが9〜10%で最大となる。これらの
試験データにより本発明合金についてはニッケル含有量
は10%前後の8〜12%と定めた。クロムはニッケル
と同様にマルテンサイトの靭性を向上させるとともに、
時効処理を行った場合にはR相(Fe−Cr−MOの化
合物)を析出せしめて強度を高める作用がある。
本発明合金では高価なニッケルを一部クロムで置換える
ことと、R相の析出による強度上昇を目的として、約9
%前後の7〜11%添加している。モリブデンは時効処
理によりニッケルと結びついてNi3MOとして析出し
強度を高める働きをするが、これによりマトリックス中
のニッケル量が減少するため靭性は逆に低下する。本発
明合金ではクロム含有量をふやして脆化を起さないR相
を優先的に析出させることにより、Ni3MOの析出を
押えている。これらの特性を考慮し、本発明合金ではモ
リブデン含有量を約3%前後の2〜4%としている。チ
タニウムもモリブデンと同様に時効処理によりニッケル
と結びついてNi3TiまたはNiTiとして析出し強
度を高める働きをするので、本発明合金はチタニウムを
約0.9%の前後の0.5〜1.2%含有している。し
かしこれらの化合物が析出するとマトリックス中のニッ
ケルが減少し靭性が低下することになるので、本発明合
金ではこの点を配慮し、チタニウムを上記範囲に押えて
いる。炭素が多く含まれていると靭性を低下させること
になるので、本合金では0.08%以下に押えている。
研究の結果、マルエージング鋼の靭性は、マトリックス
中に含有されるニッケルの量に大きく依存することが確
認された。NiaMOtNiaTtなどの化合物が析出
した状態でマトリックス中に残留しているニッケルの量
は、下記式で求められるNirest値で表わすことが
できる。において、Nirest:マトリックス中のニ
ッケル量を表わす数Ni,MO,CO,Ti:合金中の 各成分の% 代表的な18%Ni系マルエージング鋼と、本発明のマ
ルエージング鋼について、各成分%を変化させた場合の
Nirest値と靭性(ここでは切欠引張強さで代表さ
せる)ならびに硬さの関係について試験した結果は第3
図に示す通りである。
Nirest値と靭性の間には明確な関係があり、Ni
rest値が10ないし20以下になると、硬さが高く
なるのに靭性は急に低くなる。したがって本発明合金の
組成は、前述の規定範囲内においてNirest値が上
記の限界値を下回らないように設定する必要がある。こ
のように靭性のコントロールを行うのが、本発明合金の
大きな特徴の一つである。本発明合金は通常の方法によ
り溶解し、熱間加工することにより製造することができ
るが、非金属介在物をとくに少くして、最高レベルの疲
労強度、靭性などを得るためには、真空溶解を行うこと
が望ましい。
本発明合金は溶体化処理したのち熱を加えて時効処理を
行うことにより、所定の強度、靭性を得ることができる
この場合、時効処理の温度を変化させることにより強度
レベルを変えることができる。本発明合金は約1050
℃で所定の時間(部品の板厚に応じて設定する)加熱し
たのち大気中で放冷することによりマルテンサイト組織
となる(溶体化処理)。
この溶体化処理ののち、加熱による時効処理を施すと硬
化し強度が上昇する。強度および靭性と時効温度の関係
を代表的な化学組成の場合について示すと、第4図の通
りである。第4図より最犬の強度が得れるのは480℃
で時効処理した場合で、引張強さは140kg/一を上
回るが、靭性(切欠引張強さ)は最も低くなる。靭性を
考慮すると、500℃以上の温度で時効処理するのが望
ましい。
【図面の簡単な説明】
第1図は、12%Ni系マルエージング鋼のアルミニウ
ムの引張強さ、衝撃値に及ぼす影響を示す図表、第2図
は、本発明合金の切欠引張強さ、硬さに及ぼすNi含有
量の影響を示す図表、第3図は、本発明合金及び18%
Ni系エルマージング鋼の,Nirest(マトリック
ス中に残留しているニッケル量)の変化に対応する硬さ
、切欠引張強さの変化を示す図表、第4図は、本発明合
金の引張強さ、切欠引張強さ(靭性)と時効温度との関
係を示す図表である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 重量比率でニッケル8〜12%、クロム7〜11%
    、モリブテン2〜4%、チタニウム0.5〜1.2%、
    炭素0.08%以下、残部が不純物および随伴元素を除
    いて鉄であることを特徴とするマルテンサイト状態で時
    効硬化できるニッケル・クロム・モリブテン・チタニウ
    ム系高強度合金鋼。
JP4179281A 1981-03-24 1981-03-24 高強度合金鋼 Expired JPS5930785B2 (ja)

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