JPS5929134B2 - 変流器一次導体 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本願の発明は、所定ターン数の巻回部を有するアイボル
ト形の一次導体ち、これに交差した環状の鉄心とよりな
る変流器における一次導体の改良に関する。

この種の変流器一次導体としては、同一出願人により既
に実願昭５１−９８７２５号として出願されている。

第１図はこの出願による変流器の一次導体を示す。巻回
部１のターン数は一例として２ターンの場合を示し、そ
の両端１ａ、Ｉｂは同心配置構成の管状導体２ａ・２ｂ
よりなる直線部に接続されている。この場合、巻回部１
は次のような構造のものである。

まず第２図に示すように、半月形断面の１次導体を。図
示の巻始め部Ａから順次Ｂ→Ｃ→Ｄ→Ｅ−■Ｆ→Ｇ→Ｈ
→Ｉと１ターンについて半回転のひねりを施した一次導
体を製作し、巻始め端Ａすなわち１ａと巻終り端Ｉすな
わちＩｂに、それぞれ第１図に示したように管状導体２
ａと２ｂを接続したものである。ここで、一次導体は上
記のように１ターン当り半回転ひねられているため、巻
回部は第３図に示すように、薄い絶縁物Ｉｃをはさんで
２個の半月形断面の導体Ｉｄ、Ｉｅを合体した１個の円
形状断面となり、周囲を絶縁物ｌｆで包囲し一体とする
ことにより、構造がきわめて強固なものとなると同時に
、導体の表面がなめらかなため、電界集中防止用のシー
ルドが不要となる等の効果を有するものとなる。しかし
、このように２ターンの導体を合体した巻回部の断面を
円形状とした場合、周囲の絶縁物１ｆは図示のように、
大地電位にある鉄心３に面する側すなわち捲回部の内側
が厚くなつてしまう。

このため巻回部の内径Ｌ１はあまり大きくとれず、従つ
て環状の鉄心３の断面積も小さくなる。よつて、鉄心３
の断面積が一定のときは巻回部１の巻回径Ｌ２を大きく
する必要があり、その結果、変流器全体の形状も大型化
することになり、重量も大、かつ価格も高価となる欠点
があつた。本発明は、この欠点を解決するもので、以下
これを説明する。

第４図は本発明の実施例を示し、一例として巻回部は２
ターンのものとする。

ここで巻回部４を構成する一次導体は、２ターンが合体
して断面が図示のように、巻回軸の方向に細長い楕円等
の長円形を形成するようにする。第５図は一次導体の断
面形状を示し、同図ａの巻回部４を構成する−次導体は
、４１，４２，４３および４４における断面が同図ｂに
示すように順次変化する。すなわち、２ターンの導体が
合体して常に巻回軸方向に長い長円形断面となるように
、１ターンについて１／２回転のひねりを加えられた断
面形状のものとする。このような断面形状にすると、第
４図に示したように導体間に薄い絶縁物４ａをはさんで
導体４ｂ，４ｃを合体すると共に周囲に絶縁層４ｄを施
し、巻回中心方向の絶縁層の厚さを十分大きくしても、
図示のように巻回部の内径Ｌ｝は導体の巻回径舅に比べ
て、第３図の場合よりもはるかに大きくすることができ
る。

よつて、鉄心３の断面積を大きくすることができ、鉄心
３の断面積を一定とすれば、第３図の場合に比べて巻回
部の巻回径を小さく、すなわち変流器全体の形状を縮小
化することができる。なお、これに使用する導体は第５
図ｂに示したように断面の形状が順次変化するものであ
るが、１ターンの導体を銅、アルミニウム等の鋳物で製
作し、直列に接続することによつて容易に２ターンの巻
回部を形成することができる。

次に、上記構造の巻回部の導体に、冷却用媒体の流通路
を設けた一例を第６図に示す。

これは巻回部５の薄い絶縁層５ａをはさんだ一次導体５
ｂｎ５ｃの周囲に絶縁層５ｄを設けると共に、一次導体
５ｂと５ｃの相対する面に凹部を設けて冷却媒体の流通
路５ｅとし、外部から絶縁油等の冷却媒体が流通しうる
ようにしたもので、このようにして一次導体の冷却を図
ることにより、一次導体を小型化することもできる。な
お、上記の各実施例はいずれも巻回部が２ターンの場合
を示したが、ターン数がｎターンの場合は、１ターンに
ついて１／ｎ回転のひねりを加えるようにし、かつｎタ
ーンの導体が合体して巻回軸方向に長い長円形断面とな
るように構成することにより、本発明の目的を達成する
ことができる。

また、これに用いる導体は１ターン中に断面形状を順次
変化させたものであるが、前述したように１ターンづつ
のものを鋳造し、直列に接続して容易に所定ターン数の
巻回部を構成することができる。さらに本発明は巻回部
が複数ターンの場合に限定されるものではなく、巻回部
が１ターンの場合にも、一次導体を巻回軸の方向に長い
長円形断面とすることにより目的を達することができる
。

以上詳述したように、本発明により巻回部の巻回径に対
して巻回部の内径を大きくとり変流器の小型化を図るこ
とができ、巻回部の一次導体内部に冷却媒体の流通路を
設けることによつて、小型化する上にさらに大きな効果
を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａ，ｂおよびｃは従来の変流器一次導体を示す平
面図正面図および底面図、第２図は同じく一次導体の構
造を示す説明図、第３図は同じく一次導体および鉄心を
示す断面図、第４図および第６図は本発明による一次導
体を用いた変流器の各実施例を示す断面図、第５図Ａ，
ｂは本発明における一次導体の１ターン中の断面形状を
示す説明図である。 ３；鉄心、４；巻回部、４ａ；絶縁層、４ｂ，４ｃ；一
次導体、４ｄ；絶縁層、５；巻回部、５ａ；絶縁層、５
ｂ，５ｃ；一次導体、５ｄ；絶縁層、５ｅ；冷却媒体流
通路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 互いに絶縁され１ターンにつき１／ｎ回転のひねり
   を加えられたｎターンの一次導体よりなる巻回部と、上
   記巻回部に交差する鉄心とを具備する変流器において、
   上記ｎターンの一次導体は合体して上記巻回部の巻回軸
   方向に長い長円形断面を構成することを特徴とする変流
   器一次導体。 ２ 特許請求の範囲第１項記載の変流器一次導体におい
   て、前記ｎターンの巻回部を、ｎ個の鋳造された１ター
   ンの一次導体を互いに直列接続して構成することを特徴
   とする変流器一次導体。 ３ 特許請求の範囲第１項記載の変流器一次導体におい
   て、前記巻回部を１ターンの一次導体により構成し、上
   記一次導体は巻回部の巻回軸の方向に長い長円形断面と
   することを特徴とする変流器一次導体。 ４ 特許請求の範囲第１項または第２項記載の変流器一
   次導体において、前記ｎターンの一次導体の互いに相対
   する面に凹部を設けて冷却媒体の流通路とし、外部より
   上記冷却媒体を流通自由とすることを特徴とする変流器
   一次導体。 ５ 特許請求の範囲第３項記載の変流器一次導体におい
   て、前記１ターンの一次導体中に冷却媒体の流通路を設
   け、外部より上記冷却媒体を流通自由としたことを特徴
   とする変流器一次導体。