JPS5928631Y2 - 小型回転電機用刷子 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、小型回転電機に用いられる刷子に係り、特に
超小型回転電機に好適な刷子の構造に関する。

従来、小型回転電機用刷子については、数多く知られて
いる。

しかし、超小型回転電機、例えば超小型テープレコーダ
ーのテープ駆動用モーター等に使用される刷子の場合は
、限られたスペースで安定した接触を持続し、安定した
作動を行なわせることは、甚だ困難である。

そして、上記超小型テープレコーダー等においては、そ
の性能を維持するために上記接触作動の安定性が非常に
重要な要件となっている。

この点従来のもの・ように、弾性体金属片をプレス加工
して、刷子として形成したり、線材をコイルスプリング
状にして刷子としたりするだけでは、モーターの回転に
伴う共振作用を防止することが出来ず、一定方向に一定
の弾力で安定した接触作動を持続するには甚だ不満足の
ものである。

そのために、上記した刷子形成部材の中間に振動防止用
緩衝部材として、モルトブレンや、ゴム等の薄片を貼着
して刷子の振動を吸収し、安定した接触作動を行なわせ
るようにしたものは、既に開発されているが、これら緩
衝部材は、接着剤によって貼着されるため、この接着剤
の固形化に伴う変化が緩衝部材に与える影響を意外に大
きくシ、折角の緩衝部材としての安定した作用効果を著
しく阻害してしまうと言う欠点を持っている。

本考案は、上記の欠点に鑑み、刷子部材に上記緩衝部材
を、接着剤を用いることなく、簡単な構造でその方法も
極めて容易な嵌着によって取付けるようにして、接着剤
の使用による不都合を兄事に解消したものである。

以下、本考案を図示の実施例に基いて説明する。

第１図は、従来の小型回転電機の緩衝部材を用いた刷子
の一例を示すもので、第２図は第１図のＸｌ−Ｘｌに沿
う断面図である。

両図において、刷子１の主体を構成する、弾性体金属片
よりなる接触子支持部材２は、その基部の一部が上方に
直角に折り曲げられて、その折曲部２ａがブラケット３
の内側に固定された取付部材３ａの上面にねじ４によっ
て固着されている。

この支持部材の自由端部の中央部分には、モルトブレン
やゴム等の薄片からなる緩衝部材５が接着剤によって貼
着されている。

そして、その先端部には、一対の白金等よりなる接触部
材６ａ、６ｂがハンダ付等によって固着されている。

上述のように構成された刷子１は、第３図に示すように
、モーター７の回転軸８に巻線９と共に一体的に設けら
れた整流子１０に圧接して、モーターの刷子として作用
する。

また上記回転軸８は、モーター７のブラケット３に固定
されたマグネツＨ８ａ、１８ｂ内に配設されていること
は周知の通りである。

このように構成された刷子１は、上述した通り、接触子
支持部材２の弾性体金属片には、その大部分に亙って緩
衝部材５が接着剤によって貼着されているので、接着剤
がその接着力を発揮し、固形化すると、この接着剤の固
形化によって緩衝部材５の弾力は劣化し、支持部材２を
安定すべき弾性力が一定せず、そのために刷子１の安定
した作用を阻害することになる。

本考案による刷子１１は、第４〜６図に示すように接触
子支持部材１２の中央部に緩衝部材１５より一回り小さ
い小判状の孔１６を設けると共に、緩衝部材１５の周面
には、その全周面に互って溝１５ ａが設けられている
。

そして上記孔１６の内周縁に上記溝１５ ａが嵌め込ま
れるようにして緩衝部材１５は、支持部材１２に嵌着さ
れる。

この場合、緩衝部材１５は、柔軟性を有することで嵌着
は容易に出来、しかも全周縁にわたる嵌着であるがらそ
の結合度も良好である。

第４〜６図において、本考案とは特に関係のない関連部
材については、第１〜３図と同様であり、その符号は、
そのま・用いてあり、その作用も変らないので説明は省
略する。

このように本考案においては、接着剤は全く使用されて
いないので従来例におけるような支障は、兄事に除去さ
れる。

第７〜９図は、上記例と同様、接触支持部材に緩衝部材
を、接着剤を用いないで嵌着する他の実施例を示すもの
で、嵌着が更に容易であり、緩衝部材が多少柔軟性に欠
けていても嵌着出来るものである。

この場合も、前例と同じ部材で同し作用のものは、同符
号で示し説明は省略する。

図において、嗣子２１の接触子支持部材２２には、先端
部中央より基部に向けて長手方向・に細幅の切欠２６が
穿れている。

一方これに嵌着される緩衝部材２５には、第７図、第９
図で示すように、その長手方向の両側面と基部側の側面
に、接触子支持部材２２の厚みに略等しい幅の溝２５
ａが穿れている。

従って、上記緩衝部材２５の先端部側の側面は第９図で
示すように工の字状に形成される。

この緩衝部材２５を上記支持部材２２に嵌着するには、
緩衝部材２５を基部側面を先にして、その溝２５ ａを
上記支持部材２２の切欠２６の両側縁にはめ合せて挿入
すれば良い。

この場合、上記溝２５ ａを、特に押拡げる必要もなく
容易に挿入出来、又上記溝２５ ａは緩衝部材２５の殆
んど全側面に互って設けられているので、嵌着による結
合は強固である。

そして結合には、前例と同様に接着剤は使用されないの
で同様の効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の刷子の一例を示す平面図、第２図は、
上記第１図のＸ、−Ｘ、に沿う断面図、第３図は、上記
第１図の刷子を取付けた状態の一例を示すモーターの平
断面図、第４図は、本考案による刷子の一例を示す平面
図、第５図は、上記第４図におけるＸ２ Ｘ２に沿う
断面図、第６図は、上記第４図の例における緩衝部材の
拡大斜視図、第７図は、本考案による刷子の他の例を示
す平面図、第８図は、上記第７図におけるＸ３ Ｘ３
に沿う断面図、第９図は、上記第７図の例における緩衝
部材の拡大斜視図である。 ２．１２．２２・・・・・・接触子支持部材、１０・・
・・・・整流子、１５゜２５・・・・・・緩衝部材、１
５ ａ 、２５ ａ・・・・・・溝、１６・・・・・・
嵌着用孔、２６・・・・・・嵌着用切欠。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 弾性体金属片よりなる接触子支持部材の基部を、ブラケ
   ットの刷子取付部に固定し、先端部に整流子と接触する
   接触子部材を固着してなる小型回転電機用の刷子におい
   て、上記支持部材の中央に緩衝部材嵌着用孔又は、切欠
   を設け、これに周面に嵌着用溝を有する共振防止用緩衝
   部材を嵌着により取付けたことを特徴とする小型回転電
   機用刷子