JPS5924484Y2 - 化粧コンクリ−トブロツク製造用型枠 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は着色コンクリートによって形成した化粧コン
クリートブロックに対し、空洞コンクノートブロック或
は充実ブロックが連結固定された化粧コンクリートブロ
ックを製造するのに適した型枠を得ようとしている。

従来の単なるコンクリートブロックに代り、表面の仕上
げが美麗なるよう例えばコンクリート板の表面にタイル
を埋付けることも試みられたが（実公昭５０−５９０３
参照）、コンクリート塑造時にタイルを乱れなく１枚ず
つ型枠に敷設することが非常に手数であるほか、製造さ
れたタイル付コンクリート板としては、コンクリート板
と１枚ずつのタイルとの連結が確実に行なわれていない
と個々のタイルの剥離等を起すおそれがあり、また外装
用などの場合タイルの欠け、割れ等を生じ易いものであ
り、しかもコスト的にもタイル付コンクリート板を用い
る場合、高くつくものであった。

そこで、この考案者においては、上記タイル付コンクリ
ート板に比し、はるかに安価で製造もし易くしかも強度
的にも優れたものとして、独特の化粧コンクリートブロ
ックを開発したが、該化粧コンクリートブロックは着色
コンクリートによって形成した板状の化粧ブロックに対
し、空洞コンクリートブロック或は充実コンクリートブ
ロックが連結固定されたものゆえ、その製造に適した型
枠が必要とされるもので、この考案では上記型枠の提供
を目的としている。

即ち、この考案による型枠の構成は、合成樹脂発泡体に
て板状の型枠を形成し、該型枠の型面側には化粧ブロッ
クの組積みパターンを形成する凹凸形状部を有し、さら
に型面側のうち化粧ブロックの上下組積み端部の一方側
には枠周他部分よりも低い落差部を形成してなることを
特徴としている。

次いで、この考案の実施態様について図を参照しながら
以下に例示する。

５０はこの考案による型枠であり、ポリスチレン発泡体
等の合成樹脂発泡体にて板状の枠に形成されている。

そして型枠５０の型面側には製造すべき化粧ブロック６
０の組積みパターンの凹凸部６１゜６２を形成するため
の凹凸形状部５２．５１を有しており、型枠５０内には
着色コンクリートを流し込みその上から空洞コンクリー
トブロック等を載せる関係上、型面の凸形状部５１は枠
外周よりも低く形成されている。

５３は突部６３形戊用の小さい凹部であって、型面のう
ち化粧ブロック６０の少なくとも上下の組積み端部のう
ち一方になる部分に形成されている。

さらに５４は落差部であり、上記凹部５３を形成した側
の端部にて枠外周を他部分よりも低く落し込んであり、
着色コンクリートを流し込んだ後に空洞コンクリートブ
ロック７０等を載せた際、着色コンクリートの余剰部が
この落差部５４へと逃げ易くしたものである。

５５．５５’は型枠５０．５０同士の嵌合用凹凸部であ
り、重ねて運搬する際には水平方向へのズレを防げるよ
うにして嵩低く多数を重ね得るようにしている（第５図
参照）。

なお、凹凸形状部５２．５１による組積みパターンは種
々のパターンで実施できる（第６図〜第８図参照）。

なお、上記型枠５０の製造方法としては、発泡性熱可塑
性樹脂粒子（ビーズ）を加熱発泡させて互に熱融着させ
た発泡体にて形成するほか、押出発泡されたシートによ
る発泡体をプレス成形等の手段にて型枠５０に形成する
ことも可能である。

上記のごとき構成の型枠５０を用いて化粧コンクリート
ブロックを製造する場合の一例を説明すると、先ず型枠
５０内に、単なる着色コンクリートか或はガラス繊維で
補強した着色コンクリート（例えば砂２に対し、自セメ
ント１の割合でこれに長さ１５ ｍｍ程度のガラス繊維
と若干の顔料を混和したもの）を流し込み、このような
着色コンクリートが未だ固化せざる段階で空洞コンクリ
ートブロック７０等を載せると、余剰の着色コンクリー
トは型枠５０の両端へは逃げず、型枠５０の一方端に形
成した落差部５４へと逃げ出ることになる。

着色コンクリートの固化にて互に連結固定させて後、両
者を型枠５０から取外せば、表面に組積みパターンの凹
凸部６１．６２を形成し、端部に突部５３を形成した着
色コンクリートによる化粧ブロック６０ができ、この化
粧ブロック６０の裏面に空洞コンクリートブロック７０
等が連結固定されて一体化した化粧コンクリートブロッ
クを提供できることになる。

上記着色コンクリートによる化粧ブロック６０はモルタ
ルによる空洞コンクリートブロック７０．７０同士の接
続を考慮して該コンクリートブロック７０よりも上下端
で長くなるよう形成される。

上記製造時に、型枠５０となる合成樹脂の発泡体として
型面側で明瞭な粒塊性のものを使用したり、組積みパタ
ーンとは別個に模様となる凹凸を形成しておくと、製造
された化粧ブロック６０の表面に発泡粒子による粒塊状
模様或は凹凸模様を有するバラエティに富んだものが得
られることになる。

なお、上記ガラス繊維に代え、他の繊維（例えばナイロ
ン繊維）を着色コンクリートに混和して使用することも
できる。

さらに補強材となる上記繊維のほかに、着色のための顔
料が混和される着色コンクリートとしては、上記したよ
うに砂と白セメントによるモルタルに近いものを使用す
るほか、これに小石が混じったコンクリート状のものを
使用する場合もある。

また、繊維で補強した着色コンクリートによる化粧ブロ
ックに対し、その裏面に連結固定されるコンクリートブ
ロックとしては、上記図示した空洞形状の場合のみか、
充実形状のもの（図示せず）を使用して実施する場合も
ある。

またこの考案の型枠使用にて製造された化粧コンクリー
トブロックはその組積みパターンに沿って、順次縦横へ
用途形状に応じて組積みするのみでよく、組積み作業時
には化粧ブロック６０の裏側に連結固定されである空洞
コンクリートブロック７０の部分で順次モルタルＭを用
いて組積み接続すればよい（第４図参照）。

特に組積み端部に突部６３が形成されであるので、必要
量を削り取る等して組積み寸法の微調整も簡単に行なえ
て綺麗なパターンで組積みが行なえる。

また製造時に、落差部５４側へ集中して出張った余剰の
着色コンクリートの製造後における取除きもし易いほか
、施工時には組積みパターンの凹部側へ位置して余剰部
分が隠れることになり、空洞コンクリートブロックも見
えない点とも相まって、組積み施工後の外観的体裁も良
好で、美麗に仕上げることができる。

さらに施工時のコーナ一部分には化粧ブイロック６０と
同質材によるコーナー用化粧ブロック３０、３０’が用
いられている。

このコーナー用化粧ブロック３０．３０’のうち３１．
３２は凹凸部、３３は肉盗みおよび配筋上至便な背部の
空間、３４は寸法調整用の突部を示している。

この考案による型枠５０を使用すると、表面に有する組
積みパターンの形成も容易になり、化粧コンクリートブ
ロックを簡単に製造できる。

特に製造時に着色コンクリートの余剰を落差部５４の利
用にて適切に処理できる至便なものである。

また型枠５０は合成樹脂発泡体にて形威されているので
、軽量で取扱い易いほか、化粧コンクリートブロックを
取出さない状態で輸送用の包装材としても使用でき、輸
送時における緩衝効果にて着色コンクリートによる化粧
ブロック部分に対する保護効果の大きいものである。

なお、この考案による型枠５０で製造された化粧コンク
リートブロックについては、着色コンクノートにて表面
に煉瓦状の組積みパターンを有する化粧ブロック６０を
形威し、該化粧ブロック６０の裏面には空洞コンクリー
トブロック７０或は充実コンクリートブロックが連結固
定されているので、着色コンクリートを繊維混和にて補
強する場合、従来のブロックに比べ、表面側は強靭な化
粧ブロック６０となり、欠け、割れ等の発生も少なく、
表面保護効果が大きく、耐震強度も高くなるほか、耐候
性にも優れることになる。

また全体として不燃性は高まり、外観的にも美麗で組積
みするだけで目地が出来上り施工が行ない易く、工費が
大巾に節約できることになる。

従って、上記製造された化粧コンクリートブロックは、
一般住宅、ブロック住宅、ビル、ホテル、旅館、スーパ
ーマーケット、ガソリンスタンド、ゴルフ場のクラブハ
ウスやティルーム、喫茶店等の内外装および各種の外柵
等に巾広く利用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案による型枠の斜視図、第２図は型枠の
使用時を示す一部切欠斜視図、第３図はこの考案型枠に
て製造された化粧コンクリートブロックの斜視図、第４
図は化粧コンクリートブロックの組積み施工時の断面図
、第５図はこの考案型枠を複数積重ねた状態の正面図、
第６図〜第８図はパターンの変更例を示す型枠の平面図
、第９図は第３図の化粧コンクリートブロックと共に施
工に使用されるコーナー用化粧ブロックの斜視図、第１
０図はブロックの組積み施工後を示す平面図、第１１図
は別なコーナー用化粧ブロックの斜視図、第１２図はブ
ロックの組積み施工後を示す斜視図である。 ５０・・・・・・型枠、５２．５１・・・・・・組積み
パターンを形成する凹凸形状部、５３・・・・・・寸法
調整用の突部を形成するための凹部、５４・・・・・・
落差部、５５．５５’・・・・・・嵌合用凹凸部、６０
・・・・・・化粧ブロック、７０・・・・・・空洞コン
クリートブロック。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 合成樹脂発泡体にて板状の型枠を形成し、該型枠の
   型面側には化粧ブロックの組積みパターンを形成する凹
   凸形状部を有し、さらに型面側のうち化粧ブロックの上
   下組積み端部の一方側には枠周他部分よりも低い落差部
   を形成してなることを特徴とする化粧コンクリートブロ
   ック製造用型枠。 ２ 型枠がポリスチレン発泡体からなる上記実用新案登
   録請求の範囲第１項記載の化粧コンクノートブロック製
   造用型枠。