JPS5924337Y2 - かくはん機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は例えば小麦粉、油脂類、砂糖、その他の材料
よりなる製菓用材料をかくはん混和して均一な製菓用生
地を練成するかくはん機で、特に下部が半円形断面にな
る横方向に延びたかくはん槽を有し、このかくはん槽の
両側の端面部をそれぞれ貫通する軸に取付けてあって互
いに逆方向に回転させるようにした１対のかくはん装置
を備え、この各かくはん装置はそれぞれかくはん槽の端
面から離れるように延びた長さの長い長かくはん部材と
長さの短い短かくはん部材を有しており、各長かくはん
部材及び各短かくはん部材の基部はかくはん槽の下部の
半円形断面となる内周面に近接して回転するようになっ
ておりかつ先端付近は先細になって回転方向と逆方向で
回転軸線に近接する方向に湾曲させてありさらに各長か
くはん部材と短かくはん部材の延びる方向を横切って断
面とした断面形状はほぼ回転方向の前方側に直線状部を
有し後方側に弧状部を有するかくはん機に関するもので
ある。

従来この種のかくはん機を使用する場合長かくはん部材
は互いに接触しないようにがくはん槽の中央に達しない
ものであってかくはん槽の長手方向の全長にわたってか
くはん部材が通過する部分が不足し長手方向の中央部に
押込まれて残留する材料は完全に混合されず練成された
生地中に一般にままこと称される小麦粉の凝集性によっ
てできた着目粒になって残り均一な製菓用生地が得られ
ないという難点があった。

このままこを消滅させようとしてさらに時間をかけてか
くはんしてもその効果は得られなく、練成した生地に悪
影響を及ぼすことになる。

又、他種のかくはん機によってもままこを消滅させるこ
とはできなかった。

その上近時一般の嗜好により生地中の油脂の比率が増加
する傾向にあるため従来のようなかくはん機では油脂類
が酸化したりかくはんにより発生する熱のため小麦粉が
変色したり変質して良好な製菓用生地を得ることが困難
である。

この考案はこのような点を解消したかくはん機を提供す
るものである。

以下図面を参照しながらこの考案の一実施例について説
明する。

図に示すこの考案の一実施例において、１０は両端の軸
部１１をフレーム１２に対して支持されておりかつ下部
を半円形断面に形成し上方はやや拡開して横方向に延び
たかくはん槽で、通常上面が水平になっているが、図示
してない電動機の駆動及び人手による操作のいずれによ
っても９０度よりやや大きい角度だけ回動させて前面側
１３をフレーム１２の当接面１５に接触させ下方へ向か
って傾斜できるようになっている。

１６．１７はこのかくはん槽１０の両側の端面部である
。

１８はかくはん槽１０の上面を取りはずし可能に覆うふ
たで、下面の周縁部にはバッキング２０が取付けてあり
かつ両側に突出させた係合部２１及びフレーム１２に設
けた締付ハンドル２２によってかくはん槽１０を密封で
きるようになっている。

２３はかくはん槽１０の周面に形成した冷却ジャケット
で、外側には断熱材２５が収容してあり、図示してない
冷凍機で冷却した不凍液が流入口２６より流入し通過し
て流出口２７から流出し循環するようになっている。

この不凍液は最低一２０°Ｃ程度にすることができる。

２８はふた１８を貫通してかくはん槽１０内へ向かって
開口した噴出口で、図示してないガスボンベからパイプ
３０を介してチッソガスをかくはん槽１０内へ噴出する
ようになっており、その圧力は例えばゲージ圧力０ 、
３ ｋｇ／Ｃ１１２程度のもので爆発等の危険性は全く
ないものである。

３１はマノメータである。

３２は減圧弁、３３はこの減圧弁とマノメータ３１の間
に取付けてあってふた１８の開閉に差支えないようにす
るための可撓性のあるパイプである。

この考案においては噴出口２８からチッソガス以外の不
活性ガスを噴出させるようにしてもよい ３５、３６はかくはん槽１０内でそれぞれ端面部１６゜
１７を回転可能に貫通する軸３７．３８に取付けてあ、
って図示してない共通の駆動用電動機により互いに矢印
で示すように逆方向で同一回転速度で回転させるように
したｌ対のかくはん装置である。

このかくはん装置３５には軸３７に取付けた取付部材４
０の両端部に取付けてあってかくはん槽１０の端面部１
６から離れるように延びた長さの長い長かくはん部材４
２と長さの短い短かくはん部材４５が対向するように配
置させてあり、かつかくはん装置３６は軸３８に取付け
た取付部材４１の両端部に取付けてあってかくはん槽１
０の端面部１７から離れるように延びた長さの長い長か
くはん部材４３と長さの短い短かくはん部材４６が対向
するように配置しである。

前記各かくはん部材４２．４３．４５゜４６の基部はか
くはん槽１０の下部の半円形断面となる内周面に近接し
て回転するようになっておりかつ先端付近は先細になっ
て回転方向と逆方向で回転軸線に近接する方向になめら
かに湾曲させである。

又、第５図に示すように前記各かくはん部材４２．４３
．４５．４６の延びる方向を横切って断面とした断面形
状はほぼ回転方向の前方側が直線状部５０で後方側が弧
状部５１になっており、かくはん槽１０の下部の内周面
に近接して回転する部分で前方側の直線状部５０のかく
はん槽１０の下部の内周面となす角度ａは９０度乃至１
２０度になるように形成してあり、かつこの部分から先
端部になるにしたがってこの角度が減少するようにねじ
りが形成しである。

前記善良かくはん部材４２．４３はそれぞれかくはん槽
１０内の下部の内周面に近接して回転する部分の長さが
長くなっており、それぞれの先端部の各端面部１６，１
７からの距離の合計は端面部１６．１７間の長さより長
くなっており、そのため長かくはん部材４２．４３の先
端部は第２図にｄで示す長さの部分が互いに食い違う位
置を通過するように一方の長かくはん部材４２の先端部
がかくはん槽１０の下部の内周面により近接して回転し
他方の長かくはん部材４３の先端部はかくはん槽１０の
下部の内周面からより離れて回転するようになっている
。

前記各短かくはん部材４５．４６は全く同一の形状及び
寸度に形成されており、その長さは例えば長かくはん部
材４２．４３の１７２程度がよく、かつかくはん槽１０
の内周面に近接して回転する部分は短くてすぐにこの内
周面から離れた位置を回転するように湾曲させであると
ともにねじりが形成しである。

前述したように構成したものにおいて、かくはん槽１０
内に製菓用材料を収容してふた１８を施し、冷却ジャケ
ット２３内へ例えば−５°Ｃ等の不凍液を循環させ、か
つ噴出口２８からチッソガスを供給した状態でかくはん
装置３５．３６を駆動してかくはんを行うものである。

この場合材料はかくはん時はぼ各かくはん部材４２．４
３．４５．４６の直線状部５０に沿ってかくはん部材の
方向に押し流されるように移動してかくはんされる。

短かくはん部材４５．４６は端面部１６．１７付近の材
料を速くほぼ中央の方向へ押すように移動させかつ回転
軸線に近い部分を良好にかくはんする作用があり、長か
くはん部材４２．４３は互いに先端部が食い違っている
ため中央付近を越えて材料を他方側へ押して移動させる
作用がありかつかくはん槽１０の内周面に近い部分を良
好にかくはんする作用がある。

又、かくはん槽１０の下部の内周面に近接して回転する
部分では内周面と直線状部５０の角度ａが９０度乃至１
２０度であるため自重により下降した材料をかき取るよ
うにしてまんべんなくかくはんすることができる。

又、試験結果によれば各かくはん部材４２．４３．４５
．４６にねじりが形成しであると中央付近へ材料を押し
流すように移動させる作用が著しく大きくなることが判
明した。

したがって完全なかくはんができてままこができなくな
るものである。

練成された製菓用生地はふた１８を開いてかくはん槽１
０を下方へ向かって傾斜させて取出すことができる。

ふた１８を開く場合チッソガスの圧力が残っていても低
圧であるため全く危険はないものである。

従来のこの種のかくはん機では長短のかくはん部材の断
面に直線状部があってもねじりが形成してなくかつかく
はん槽の下部の内周面に近接したかくはん部材の直線状
部と内周面のなす角度は鋭角であって材料をかき取る作
用がなく、中央へ移動させる作用が非常に弱いものであ
り、さらに両側の長かくはん部材として同一のものが使
用されるため先端部が離れる必要があってその間の部分
では特にままこが生じ易かった。

この考案は種々試験を行いながら前記各かくはん部材４
２．４３．４５．４６の形状を前述したように構成した
ため、ままこが生じなくなりかつ著しく均一で良質な製
菓用生地が短時間で多量に得られるようになるという効
果を有するものである。

又、この考案においてチッソガス等の不活性ガスを噴出
口２８より噴出させかつ不凍液でかくはん槽１０を冷却
するように構成したものにおいては材料中にバターやマ
ーガリン等の油脂類が多く混入していても酸化すること
なく、かつかくはんのため高温になって材料が変色や変
質をしない良好な製菓用生地が得られるという利点があ
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例においてふたを開いてかく
はん槽を回動した状態を示す斜視図、第２図はかくはん
槽のふたを除去して示す平面図、第３図はかくはん槽の
縦断側面図、第４図はその一部の拡大図、第５図はかく
はん部材の断面図である。 １０はかくはん槽、１２はフレーム、１６．１７は端面
部、１８はふた、２３は冷却ジャケット、２８は噴出口
、３５、３６はかくはん装置、３７．３８は軸、４２．
４３は長かくはん部材、４５．４６は短かくはん部材、
５０は直線状部、５１は弧状部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 下部が半円形断面になる横方向に延びたかくはん槽
   を有し、このかくはん槽の両側の端面部をそれぞれ貫通
   する軸に取付けてあって互いに逆方向に回転させるよう
   にした１対のかくはん装置を備え、この各かくはん装置
   はそれぞれかくはん槽の端面部から離れるように延びた
   長さの長い長かくはん部材と長さの短い短かくはん部材
   を有しており、各長かくはん部材及び各短かくはん部材
   の基部はかくはん槽の下部の半円形断面となる内周面に
   近接して回転するようになっておりかつ先端付近は先細
   になって回転方向と逆方向で回転軸線に近接する方向に
   なめらかに湾曲させてありさらに各長かくはん部材と短
   かくはん部材の延びる方向を横切って断面とした断面形
   状はほは゛回転方向の前方側に直線状部を有し後方側に
   弧状部を有するものにおいて、前記各長かくはん部材の
   先端部の各端面部からの長さの合計がかくはん槽の両側
   の端面部間の長さより長くなっておりかつ各長かくはん
   部材の先端部は互いに食い違う位置を通過するように一
   方がかくはん槽の下部の内周面により近接して回転しか
   つ他方はかくはん槽の下部の内周面からより離れて回転
   するようになっており、さらに前記各長かくはん部材と
   短がくはん部材はかくはん槽の下部の内周面に近接して
   通過する部分で断面形状の直線状部がかくはん槽の下部
   の内周面となす角度は９０度乃至１２０度でありこの部
   分から先端部に向かうにしたがってこの角度を減少させ
   るようにねじりが形威しであることを特徴とするかくは
   ん機。 ２ 実用新案登録請求の範囲第１項記載のかくはん機で
   あって、さらに前記かくはん槽内へ不活性ガスを送入す
   る手段と、前記かくはん槽には冷却した不凍液を循環さ
   せる手段が設けであることを特徴とするかくはん機。