JPS59229746A - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は磁気記録媒体の製造方法に関し、さらに詳し
く↓よ、磁性層表面の平滑性が良好で短波長記録特性に
優れ、かつ磁性層中の磁性粉末粒子が方向性を有せず出
力レベルの変動が小さくて信頼性の高い磁気ディスクな
どの磁気記録媒体を製造する方法に関する。

一般に、ポリエステルフィルムなどの基体上に磁性粉末
、結合剤成分、有機溶剤およびその他の必要成分からな
る磁性塗料を塗布、乾燥して磁性一層を形成した後、こ
れを円形に打ち抜いてつくられる磁気ディスクなどの磁
気記録媒体においては、円周方向に磁気記録が行われる
ため磁性層中における針状磁性粉末粒子が方向性を有せ
ず無配向であることが好ましい。

このため、従来の磁気ディスクにおいては、磁性塗料を
ベースフィルム上に塗布した後、磁場配向を全く行わな
いで乾燥するなどして磁性層中に含まれる針状磁性粉末
を無配向にすることが行われているが、この方法では針
状磁性粉末を概ね無配向にすることはできても、磁性塗
料塗布時に塗料にかかる剪断力によって磁性層中の磁性
粉末粒子がベースフィルムの長手方向に僅かに配向され
るのを防止することはできず、磁性層中における磁性粉
末粒子を充分に無配向にすることが難しい。そこで、磁
性塗料の粘度を低くするなどして磁性塗料塗布時の磁性
粉末粒子の配向をできるだけ少なくすることも試みられ
ているが、この方法では磁性粉末粒子を良好に無配向に
することができる反面、粘度の高い磁性塗料を使用する
場合のように、磁性層の表面平滑性が充分に良好になら
ず、近年特に高密度化が指向される磁気ディスクの記録
密度を充分に向上することができない。

この発明者はかかる問題を克服するため鋭意検討を行っ
た結果、ベースフィルム上に磁性塗料を塗着し、次いで
、該ベースフィルムを挾んで上下に配設され、各磁石間
で独立しかつ相隣る磁石が異極となるように複数の磁石
を配置してなる磁界発生手段の前記上下方向で各同極の
磁石が対向するように、該磁界発生手段を回転または無
端軌道で回転移動させて形成される磁場内に導入出させ
ると、このようにベースフィルムを挾んで上下に配設さ
れた多数の各対向磁石により付与される磁界によって、
塗膜中の磁性粉末粒子がたとえ長手方向に配向されてい
てもその配向方向を修正して磁性粉末粒子を塗膜面内で
水平方向に等方的に配向させることができ、その結果粘
度の高い磁性塗料を使用して一旦塗膜面内で水平な長手
方向に配向された磁性粉末粒子を塗膜面内で水平方向に
等方的に配向させることができて、磁性層の表面平滑性
を良好にすることができるとともに出力レベルの変動を
少な（することができ、短波長記録特性が良好で信頼性
の高い磁気ディスクが得られることを見いだし、この発
明をなすに至った。

以下、この発明を図面を参考にして説明する。

第１図はこの発明に係る磁気記録媒体の製造例を示した
もので、繰り出しロール１より繰り出されるベースフィ
ルム２をガイドロール３に沿って一定速度で走行させな
がら、コータ４で磁性塗料５を塗布し、その塗膜６が未
乾燥状態にある間に上下一対の配向用ロール磁石７およ
び８間に導いて塗膜６中の磁性粉末粒子を無配向にし、
その後乾燥機９に導入して完全に乾燥させたのち、巻き
取りロール１０に巻き取り、しかる後これを円形に打ち
抜いて磁気ディスクがつくられる。

ここで、配向用ロール磁石７および８は、第２図ないし
第４図に示すように、互いに隣り合う磁極が異なりかつ
ベースフィルム２を挾んで上下に対向する配向用ロール
磁石７と８の磁極が完全に対称の位置関係にあるように
部分着磁法によって着磁された多数の磁石７１および８
工を配設して構成され、第４図の磁力分布の展開図に示
すように各磁石７１或いは８１がら前後左右に矢印で示
されるような磁界がでるようにしである。さらに各ロー
ル上の磁石は斜めに配設され、ロールの左右端で磁石の
列がつながるようになっている。また、各配向用ロール
磁石７および８は、第２図に示すように矢印ＡおよびＢ
で示される方向に同一スピードで高速回転され、多数の
磁石７１および８１はベースフィルム２を挾んで必ず同
極が対向するようにしである。しかしてこのような配向
用ロール磁石７および８の高速回転により配向用ロール
磁石７および８間を走行するベースフィルム２上の塗膜
６を挾んで多数の対向磁石７１．８１が通過することに
なり、塗膜６のどの位置にも塗膜面内でベースフィルム
２の長手方向（走行方向）に平行な磁界とベースフィル
ム２の幅方向に平行な磁界とが繰り返し印可され、磁性
塗料塗布時に長手方向に配向された磁性粉末粒子の配向
方向が修正される。その結果塗膜６中の磁性粉末粒子は
無配向となり、長手方向と幅方向の角型がほぼ等しくな
ってこれを乾燥後、円形に打ち抜いてつくられる磁気デ
ィスクは円周方向での記録再生時に出力レベルが大きく
変動することもなく、電磁変換特性が向上し信頼性の高
い磁気ディスクが得られる。また、このように磁性塗料
塗布時に長手方向に配向された磁性粉末粒子の配向方向
を修正できるため、粘度の高い磁性塗料を使用しても塗
膜６中の磁性粉末粒子を塗膜面内で無配向にすることが
でき、このような粘度が高くて磁性粉末の分散性に優れ
る磁性塗料を使用することによって、磁性層の表面平滑
性を充分に良好にして短波長記録特性を充分に向上する
ことができる。

なお、この実施例では各配向用ロール磁石７および８の
周面に部分着磁法によって多数の磁石７１および８１を
配設したが、これら多数の磁石は各磁石から前後左右に
磁界がでるように配設されていれば前記実施例に限定さ
れるものではなく、たとえば各配向用ロール磁石７およ
び８の周面の各磁石７１．８１の位置に予め作製された
磁石を埋設してもよい。またロール状の配向用磁石では
なく、第４図の磁力分布の展開図と同様な配置で磁石を
埋設するかあるいは部分着磁法で着磁するなどの方法で
多数の磁石を配列したものを、ベルト状に構成して前記
ロール状の配向用磁石と同様に回転移動するようにして
もよい。このようなロール状の配向用磁石およびベルト
状の配向用磁石において配設する多数の磁石は、縦横に
真っ直ぐな市松模様状に配設してもよいが、第４図に示
すようにやや斜めに傾斜させて配設すると、塗膜中に印
可される磁界強度の変化が塗膜のどの位置でも均一にな
り、塗膜中の磁性粉末粒子の長手方向と幅方向の配向が
より均一におこなわれてより完全な無配向となるため、
やや斜めに傾斜させて各磁石から前後左右に磁界がでる
ように配向させるゐが好ましい。

このようにベースフィルムを挾んで上下に多数の磁石を
同極が対向しかつ各対向磁石から前後左右に磁界がでる
ように配設した各対向磁石間に、未乾燥の塗膜を有する
ベースフィルムを導入出させて、塗膜中の磁性粉末粒子
を無配向にする際、各磁石によって付与する磁界は、磁
性塗料の粘度の高低によって違いはあるが、２０〜２０
００エルステツドの範囲内で付与するのが好ましく、２
０工ルステツド未満の磁界では磁性塗料塗布時の長手方
向に配向された磁性粉末粒子の配向方向を充分に修正す
ることができず、２０００エルステツドより大きな磁界
では磁界分布が均一にならず、部分的に多少配向し、出
力レベルの変動を起こす場合がある。

また、前記実施例の配向用ロール磁石を用いる場合、各
配向用ロール磁石の回転速度は、その回転速度が早いほ
ど塗膜に印可される磁界の切り換えが早くなって磁性粉
末粒子をより良好に無配向にすることができるため、少
なくともベースフィルムの走行速度より早くするのが好
ましい。

磁性粉末としては、例えば、針状のｒ−Ｆｅ２０３粉末
、Ｆｅ３Ｏ４粉末、ＣＯ含有７−Ｆｅ２Ｏ３粉末、Ｃｏ
含有Ｆｅ３Ｏ４粉末、ＣｒＯ２粉末、Ｆｅ粉末、ＣＯ粉
末、Ｆｅ−Ｎｉ粉末など従来公知の磁性粉末が広く使用
され、また、結合剤樹脂としては、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル系共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレ
タン系樹脂、繊維素系樹脂、イソシアネート化合物など
従来汎用されている結合剤樹脂が広く用いられる。

有機溶剤としては、メチルイソブチルケトン、メチルエ
チルケトン、シクロヘキサノン、トルエン、酢酸エチル
、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドなどが単
独で或いは二種以上混合して使用される。

なお、磁性塗料中には通常使用されている各種添加剤、
たとえば、分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤などを
任意に添加使用してもよい。

次に、この発明の実施例について説明する。

実施例 ＣＯ含有ｒ−Ｆｅ２０３磁性粉　２７０重量部末 ＶＡＧＨ（米国Ｕ、Ｃ，Ｃ社製、　　　８０〃塩化ビニ
ル−酢酸ビニル−ビ ニルアルコール共重合体） Ｎ１４３２Ｊ　（日本ゼオン社　　　１５〃製、アクリ
ロニトリル−ブタ ジエン共重合体） コロネートしく日本ボリウレ　　　ｌＯ〃タン工業社製
、三官能性低置 子量イソシアネート化合物） ＭＳ−５００（旭カーボン社　　　３４〃製、カーボン
ブラック） α　Ｆｅ２０３粉末　　　　　　　１１〃メチルイソブ
チルケトン　　　　２００〃トルエン　　　　　　　　
　　　２００〃この組成物をボールミル中で４８時間混
合分散して磁性塗料を調製した。磁性塗料の粘度は８０
ボイズ（温度３５℃、すり速度１０２ｓｅｃ’　）であ
った。この磁性塗料を第１図に示す装置を用いて厚さ７
５μのポリエステルフィルム両面に塗布し、配向用ロー
ル磁石７および８により５００工ルステソドの磁場を加
えて無配向処理し、乾燥して乾燥厚が３μの磁性層を形
成した。しかる後円板状に打ち抜いて磁気ディスクをつ
くった。

比較例１ 実施例１において、配向用ロール磁石による無配向処理
を省き、さらに磁性塗料の組成においてメチルイソブチ
ルケトンおよびトルエンの使用量を、それぞれ２００重
量部から４２０重量部に変更した以外は実施例１と同様
にして磁気ディスクをつくった。磁性塗料の粘度は１０
．０ボイズ（温度３５℃、すり速度１０２ｓｅｃ’　）
であった。

比較例２ 実施例１において、第１図に示す装置に代えて第５図に
示すように配向用ロー火磁石の代わりに一対の対向磁石
１１．１２からなる固定磁石を用いた装置を使用し、磁
性粉末粒子をベースフィルムの走行方向（長手方向）に
配向した以外は実施例１と同様にして磁気ディスクをつ
くった。磁性塗料の粘度は８０ボイズ（温度３５℃、す
り速度１０２ｓｅｃ’）であった。

実施例および各比較例で得られた磁気ディスクについて
、記録波長１．０μ、トラック幅５８μでＭ　ｎ　−Ｚ
　ｎフェライトヘッドを使用したときの再生出力エンベ
ロープ写真をとって図示したところ第６図に示すような
エンベロープ曲線が得られた。この第６図において曲線
Ａは実施例１で得られた磁気ディスクのエンベロープ曲
線を示し、曲線　　、Ｂは比較例１で得られた磁気ディ
スクのエンベロープ曲線を示す。また、曲線Ｃは比較例
２で得らレタエンベロープ曲線を示し、これらのエンベ
ロープ曲線から明らかなように、実施例１で得られたも
のは比較例１および２で得られたものに比してエンベロ
ープ曲線の形状がよく出力も高くなっており、このこと
からこの発明によって得られる磁気ディスクは出力レベ
ルの変動が極めて少なく、また高出力が得られることが
わかる。

また、実施例および各比較例で得られた磁気ディスクに
ついて周波数特性を調べた。第７図はその結果を周波数
と出力の関係にしてグラフに表したもので、グラフＡは
実施例１で得られた磁気ディスクの関係を示し、グラフ
Ｂは比較例１で得られた磁気ディスクの関係を示す。こ
れらのグラフから明らかなように、実施例１で得られた
磁気ディスク（グラフＡ）は、比較例１で得られた磁気
ディスク（グラフＢ）に比し、出力が高く、このことか
ら短波長記録特性も一段と向上されていることがわかる
。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の磁気記録媒体の製造方法の一例の概
略を示す説明図、第２図は同要部拡大図、第３図は第１
図および第２図に示す配向用ロール磁石の拡大斜視図、
第４図は同配向用ロール磁石の磁力分布の展開図、第５
図は従来の磁気記録媒体の製造方法の概略を示す説明図
、第６図はこの発明で得られた磁気ディスクおよび従来
の磁気ディスクのエンベロニブ曲線図、第７図はこの発
明で得られた磁気ディスクおよび従来の磁気ディスクの
周波数と出力の関係図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １、ベースフィルム上に磁性塗料を塗着し、次いで、該
   ベースフィルムを挾んで上下に配設され各磁石間で独立
   しかつ相隣る磁石が異極となるように複数の磁石を配置
   してなる磁界発生手段の前記上下方向で各同極の磁石が
   対向するように、該磁界発生手段を回転または無端軌道
   で回転移動させて形成される磁場内に導入させて、塗膜
   中の磁性粉末粒子の無配向処理をした後、乾燥すること
   を特徴とする磁気記録媒体の製造方法