JPS5922360Y2 - 緩衝器の懸架ばね装置

Info

【考案の詳細な説明】オートバイ等の車体懸架に用いられる油圧緩衝器におい
ては搭乗者の体重等によって動作範囲が著しく変化する
。

従ってこの動作範囲を比較的狭い範囲に制限するために
複数個の懸架ばねを直列に配設した装置が用いられる。

本考案は上述のような懸架ばね装置において、そのばね
特性を簡単な構造をもって容易に調節することのできる
装置を提供するものである。

第１図は本考案の実施例で、油を充填したシリンダ１に
図示してないがピストンを摺動自在に嵌合して、そのピ
ストンに減衰力発生機構を設け、かつピストンロッド２
をシリンダ１の一端から引き出して、その端部およびシ
リンダ１に取付環３゜４を設けである。

このような油圧緩衝器におけるシリンダ１の外側にばね
受筒５を嵌合固定して、そのばね受筒の外周面に第１ば
ね受座６を螺合することにより、軸方向の位置を調節し
得るように上記ばね受座を取付けである。

またピストンロッド２の端部に第２ばね受座７を設け、
かつシリンダ１の外周側に摺動自在に嵌合した筒体８に
第３ばね受座９を形威しである。

更に上記筒体８の外周面に螺合することにより軸方向の
位置を調節し得るように取付けられた第４ばね受座１０
を設けて、上記第２ばね受座７と第３ばね受座９との間
に螺旋状の第１懸架ばね１１を張架し、第１ばね受座６
と第４ばね受座１０との間に同様の第２懸架ばね１２を
張架しである。

第２図は上述の装置において取付環３，４の間に加わる
荷重Ｗとその間の距離の変化量りとの関係を示したもの
で、第１および第２懸架ばね１１゜１２のばね特性を直
線ａおよびｂで表わしである。

すなわち荷重Ｗが小さい場合は前記距離りがばね１１、
１２の撓み量の和となって直線ｐで表わされる。

しかし荷重Ｗが増大して上記距離りが筒体８の上端とば
ね受座６との間の距離１゜に達すると、該筒体８の端部
がば７コ受座６に接触して第２懸架ばｊ、ｐ１２の圧縮
が阻止される。

従って荷重Ｗが更に増大すると、距離りは第１懸架ばね
の撓み量だけ増大するようになって直線ｑ。

で表わされる。このように荷重Ｗの変化に対して、取付
環３，４の距離りは折線ｐ−ｑｏに沿って変化するから
、荷重Ｗが大きい場合における緩衝器の動作範囲を比較
的小さくすることができる。

また第１ばね受座６および第４ばね受座１０を回転して
これらを同一距離だけ第１図の上方または下方へ移動さ
せると、第１および第２懸架ばね１１、１２のばね特性
ａ、ｌ）には変化がなく、前記距離１゜のみが１１ま
たは１□に変化する。

従って荷重Ｗと緩衝器の伸縮量りの関係が折線ｐ（ｂ
またはｐ−ｑ２のように変化する。

すなわち上述の調整によって車高を変化することなく、
動作特性のみを変化したものであるが、第１ばね受座６
のみを上方または下方へ移動させるときは動作特性を前
記ｐ−ｑｏに保持して、車高のみを低下または上昇させ
ることができる。

更に第４ばね受座１０のみを移動させると、車高と動作
特性とが同時に変化する。

このように本考案の装置は簡単な構造をもって動作特性
を容易に調整し得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の縦断面図、第２図は第１図の装
置の作用を説明する線図である。なお図において、１はシリンダ、２はピストンロッド、
６、７．９．１０はそれぞれ第１乃至第４は゛ね受座、
８は筒体、１１．１２はそれぞれ第１および第２懸架ば
ねである。

【実用新案登録請求の範囲】