JPS5921834B2

JPS5921834B2 - 船舶の入出渠装置

Info

Publication number: JPS5921834B2
Application number: JP9450082A
Authority: JP
Inventors: 武廣安藤; 秀治三宅; 修村上; 高川端; 茂郎林; 紀靖音成; 豊昭加藤
Original assignee: Hitachi Zosen Corp
Current assignee: Hitachi Zosen Corp
Priority date: 1982-06-01
Filing date: 1982-06-01
Publication date: 1984-05-22
Also published as: GB2123776B; GB2123776A; GB8315097D0; JPS58211991A

Description

【発明の詳細な説明】この発明は船舶の入出渠装置に関する。

船舶を補修する場合、船渠内に船舶を入渠させたのち、
まず船体表面を高圧水により洗浄して塩分、付着物を落
とし、次に踏部をプラストし、最後に塗装を行ない、こ
れら一連の船体表面処理作業が終了したのち、船渠外に
船舶を出渠させる。

そして、このような入出渠作業と表面処理作業が船渠に
おける作業の主なものであり、これらの作業を行なうた
めの装置が船渠設備として不可欠である。

表面処理作業は、従来、船渠の両側壁に設けられた自走
式表面処理台車を使用して行なわれている。

また、船舶の入渠および出渠は、従来、ワイヤーロープ
で船舶を牽引することにより行なわれているが、このよ
うなロープ牽引式の装置では、人出渠時にロープを船に
取付けたり船から取外したりする必要があり、これを多
くの作業者の人力で行なっているため、一時的に作業の
ピークが生じ、かつ安全上問題がある。

また、船渠拡大に伴ない入出渠船も大形になり、ロープ
の径が大きくなるためこの作業のピークがさらに増大す
る。

このため、船渠の側壁に自走成人出渠台車を設け、この
台車で船舶を牽引することにより入出渠作業を行なうこ
とが考えられる。

ところが、船渠における表面処理作業と入出渠作業は両
方同時に行なわれることはなく、片方の作業が行なわれ
ているときには、他方の作業は行なわれない。

したがって、上記のように２種類の自走式台車を別々に
設けると、不経済であり、かつ片方の台車を使用してい
るときに他方の台車が邪魔になることがある。

また、表面処理作業と入出渠作業を１台の台車で行なう
ことも考えられるが、この場合には、入出渠作業時に船
舶を牽引するために台車の重量を大きくする必要があり
、表面処理作業を行なうときにもこのような重い台車全
体を走行させなければならない。

一般に、表面処理作業のために台車を走行させる頻度は
入出渠作業のために台車を走行させる頻度に比べて大き
く、表面処理作業時に重い台車全体を走行させることは
、運転費用の増大を招き、不経済である。

この発明の目的は、上記の問題を解決し、入出渠作業の
省力化と安全性向上を図ることができる経済的な船舶の
入出渠装置を提供することにある。

この発明による船舶の入出渠装置は、船体表面処理装置
を備えた表面処理台車、と進退自在な船体吸着盤を備え
た入出渠台車とが船渠の側壁にこれに沿って略水平力向
に走行しうるように設けられており、これらの台車の連
結および切離しが可能であり、表面処理台車だけに走行
用駆動装置が設けられているものである。

入出渠作業を行なう場合は、表面処理台車と入出渠台車
を連結し、入出渠台車の船体吸着盤で船舶を吸着すると
ともに、表面処理台車の走行用駆動装置で両方の台車を
走行させることにより、船舶を牽引する。

したがって、従来のように牽引用のワイヤロープを使用
する必要がない。

また、表面処理作業を行なう場合は、表面処理台車と入
出渠台車を切離し、入出渠台車を船渠の入口または奥な
どの適当な位置に停止させて、表面処理台車だけを走行
させる。

以上のように、この発明によれば、表面処理台車と入出
渠台車を連結することにより、牽引用のワイヤロープを
使用せずに船舶の入出渠作業を行なうことができ、かつ
作業の自動化も可能である。

このため、従来のように多くの作業者を必要とせず、入
出渠作業の省力化および安全性向上を図ることができる
。

また、表面処理作業を行なうときには、表面処理台車と
入出渠台車を切離して、表面処理台車だけを走行させる
ことができるので、使用頻度の高い表面処理台車の運転
費用を低減でき、経済的である。

さらに、表面処理台車だけに走行用駆動装置が設けられ
、入出渠台車には走行用駆動装置が設けられていないの
で、経済的である。

以下区間を参照してこの発明の詳細な説明する。

第１図に示されているように、船渠１両側の各側壁２に
入出渠装置３が２組ずつ設けられている。

各入出渠装置３は表面処理台車４と入出渠台車５とから
なり、一方の側壁２の船渠入口側の入出渠装置３の詳細
が第２図〜第１１図に示されている。

第２図〜第４図に示されているように、船渠側壁２上部
の水平段部６および側壁２の下部寄りの部分に、側壁２
に・沿って水平方向に伸びる上部レール７およびＨ字形
の下部レール８がそれぞれ設けられており、これらのレ
ール７．８に表面処理台車４が走行自在に取付けられて
いる。

表面処理台車４は、複数の垂直ローラ９および水平ロー
ラ１０を介して上部レール７にのせられた細長い水平部
１１と、水平部１１の船渠奥側の一側部内側面に上部が
固定され側壁２に沿って上下に伸びる垂直部１２とから
構成されており、垂直部１２の下端部が複数の水平ロー
ラ１３を介して下部レール８に受けられている。

表面処理台車水平部１１には、給電リール１４、走行用
駆動装置１５および運転操作室１６が設けられており、
これらにより表面処理台車４は上下のレール７．８に沿
って自走する。

また、表面処理台車水平部１１の内側面の船渠入口側お
よび船渠奥側の２箇所に、船渠１の内側に向かって若干
突出した水平連結板１７が固定され、各連結板１７に連
結孔１８がそれぞれあけられている。

表面処理台車４には、船体表面処理装置１９が設けられ
ている。

この装置１９は、前述の一連の船体表面処理作業を行な
うものであり、次のように公知の構成を有する。

すなわち、表面処理台車垂直部１２の上部には、垂直軸
のまわりを旋回するポスト２０が設けられ、このポスト
２０に俯仰自在に取付けられたジブ２１の先端に、船体
に沿うよう任意に傾きうる表面処理ヘッド２２が取付け
られている。

また、表面処理台車水平部１１には、表面処理用の給水
リール２３、油圧ユニット５４、バグフィルタ付ファン
２４および塗装装置２５などが設けられている。

第５図〜第７図に示されているように、入出渠台車５は
、船渠側壁２に沿って上下に伸びる１対の垂直部２６と
、これらの上下両端部を互いに連結する水平部２７とか
らなり、各垂直部２６の下端部が複数の水平ローラ２８
を介して下部レール８に受けられている。

船渠入口側および船渠奥側の側壁２上部に、側壁２に沿
って水平方向に伸びる入出渠台車待機用中間レール２９
が設けられている。

このレール２９の長さは入出渠台車５の長さより若干長
く、レール２９上面の内側端部全長に、上向きの突起３
０が形成されている。

入出渠台車５の各垂直部２６の外側面に、船渠１の外側
に向かって若干突出した固定用ブロック３１が固定され
、各ブロック３１の下面には、中間レール２９の突起３
０が嵌まる溝３２が形成されている。

入出渠台車５の外側面は表面処理台車水平部１１の内側
面より若干内側に位置しており、人出渠台車各垂直部２
６の上部外側面に、船渠１の外側に向かって表面処理台
車４の連結板１７の上下に突出す水平連結ブロック３３
および水平連結板３４が固定されている。

各連結ブロック３３の中央上面に取付部材３５を介して
下向きに固定された連結シリンダ３６のロッド３７下端
に、ブロック３３を上下に貫通する昇降自在な連結ピン
３８が固定されており、このシリンダ３６の両側の連結
ブロック３３の上面に下向きに固定された２つの押上シ
リンダ３９のロッド４０下端に、ブロック３３を上下に
貫通する昇降自在な押上ピン４１が固定されている。

また、各連結板５４には、連結ピン３８に対応する連結
孔４４があけられている。

入出渠台車両側垂直部２６の対向側面に、上下に伸びる
ガイドレール４２が設けられ、これらの間に昇降体４３
が複数の垂直ローラ（図示路）を介して取付けられてい
る。

入出渠台車上側水平部２７の上部に、昇降体４３を垂直
部２６のガイドレール４２に沿って昇降させる電動ウィ
ンチ４５が説けられ、このウィンチ４５から繰出された
ワイヤロープ４６に昇降体４３が吊下げられている。

昇降体４３に、水平アーム４７の一端が垂直軸を中心に
回動しうるように取付けられており、アーム回動シリン
ダ４８の両端が、アーム４７の中間部と昇降体４３は取
付けられている。

アーム４７の回動端に、船体吸着盤４９が取付けられて
おり、この吸着盤４９は、船体に沿うよう任意に傾きつ
る。

また、昇降体４３の上部には、シリンダ４８駆動用の油
圧ユニット５０および吸着盤４９駆動用の真空ポンプユ
ニット５１が設けられている。

なお、入出渠台車５には走行用駆動装置は設けられてい
ない。

船渠奥側の入出渠装置３も、上記と同じ上下のレール７
．８に同様に取付けられている。

そして、船渠奥側の入出渠装置３は、船渠側壁２と直交
する垂直面に対して船渠入口側の入出渠装置３と対称で
ある。

また、片側の船渠側壁２の入出渠装置３は、側壁２と平
行な船渠１中夫の垂直面に対して反対側の側壁２の対応
する入出渠装置３と対称である。

上記において、入出渠作業が行なわれていないときには
、各入出渠装置３の２台の台車４，５が互いに切離され
、各入出渠台車５が船渠両側壁２の入口部および奥部に
停止して待機している。

すなわち、各入出渠台車５の固定用ブロック３１が対応
する入出渠台車待機用中間レール２９の上にのせられ、
レール２９の突起３０がブロック３１の溝３２に嵌まる
ことにより、入出渠台車５が中間レール２９に固定され
ている。

入出渠作業を行なうときには、次のようにして、各入出
渠装置３の２台の台車４，５を第８図〜第１１図に示さ
れているように連結する。

すなわち、まず、表面処理台車４をその垂直部１２が対
応する入出渠台車５に接近する位置まで走行させる。

表面処理台車垂直部１２が入出渠台車５に接近すると、
表面処理台車水平部１１は入出渠台車５と干渉すること
なくその外側を通って移動し、やがて表面処理台車４の
連結板１７が入出渠台車５の連結ブロック３３と連結板
３４の間に入るので、これらの連結板１７．３４の連結
孔１８．４４が合致したときに表面処理台車４を停止さ
せる。

そして、連結シリンダ３６により連結ピン３８を下降さ
せてこれらの連結孔１８、４４に挿入したのち、押上
シリンダ３９により押上ピン４１を下降させて入出渠台
車５を持上げる。

連結ピン３８を２台の台車４，５の連結板１７、３４
の孔１８゜４４に挿入することにより、２台の台車４，
５は互いに連結されるが、これだけではまだ入出渠台車
５の固定用ブ冶ツク３１が中間レール２９にのっている
ので、入出渠台車５を走行させることはできない。

そして、押上ピン３８で入出渠台車５を持上げることに
よりはじめて固定用ブロック３１が中間レール２９から
上方に離れ、表面処理台車４の走行にともなって入出渠
台車５も中間レール２９と干渉することなく走行しうる
ようになる。

船舶５２の入渠作業は、上記のように各入出渠装置３の
２台の台車４，５を連結した状態で、次のようにして行
なわれる。

すなわち、まず、タグボート（図示路）を使用して船舶
５２を船渠入日付近に導き、その船首部を船渠１内に入
れる。

このとき、船渠両側壁２の４台の入出渠装置３は船渠入
口付近に位置しており、入出渠台車５の昇降体４３は垂
直部２６の上部にストッパ（図示路）によって固定され
、吸着盤４９すなわちアーム４７は第９図に破線で示さ
れているように外側に回動して昇降体４３内に退入して
いる。

船舶５２の船首部がある程度船渠１内に入ったならば、
船渠奥側の２台の入出渠装置３のアーム４７を内側に回
動させて吸着盤４９を船舶５２側に移動させるとともに
、吸着盤４９の傾きを適宜調整して、船首側の船側外板
を吸着盤４９で吸着する。

このように船首部を吸着したならば、タグボートで船舶
５２の姿勢を調整しながら船渠奥側の２台の入出渠装置
３すなわち表面処理台車４と入出渠台車５を船渠奥側に
移動させることにより、船舶５２を船渠１内に引入れる
。

船舶５２の大部分が船渠１内に入ったならば、船渠入口
側の２台の入出渠装置３の吸着盤４９で前記同様に船尾
部の船側外板を吸着し、４台の入出渠装置３を船渠奥側
に移動させることにより、さらに船舶５２を船渠１内に
引入れる（第１図ａ参照）。

船舶５２が所定の位置まで引入れられたならば、４台の
入出渠装置３を停止させるとともに、船尾に繋いだタグ
ボートによって船舶５２を制動、停止させ、各装置３の
アーム４７を適宜回動させることにより、船舶５２の幅
方向の位置決めを行なう。

そして、タグボートを船舶５２から切離し、船渠１の入
口ゲートを閉鎖する。

船渠１の底５３には、船舶５２を引入れる前に、複数の
盤木を所定の位置に配置しておき、入口ゲートを閉鎖し
たのち、船渠１内の水を全速で排水する。

船渠１内の水位が下がるにつれて船舶５２も徐々に下降
するが、昇降体４３を入出渠台車垂直部２６に固定する
ストッパを外しておくとともに、ウィンチ４５のブレー
キをスリップさせることにより、昇降体４３は船舶５２
に追従して下降し、かつ水平面内における船舶５２の位
置が一定に保持される。

そして、船底と中央の盤木との上下間隔が一定値に達し
たときに半速排水に切換え、船底が中央の盤木に達した
ならば、排水を停止し、船舶５２の位置を点検する。

船舶５２が正しく位置決めされていない場合には、船渠
１内に注水して船舶５２を中央の盤木から若干浮かせ、
船舶５２の位置を調整したのち、上記同様の操作を行な
う。

船舶５２が正しく位置決めされている場合には、両側の
盤木の高さを調整して全ての盤木で船舶５２を受け、４
台の入出渠装置３の吸着盤４９を船舶５２から切離して
昇降体４３内に退入させるとともに、□昇降体４３を上
昇させて入出渠台車垂直部２６の上部に固定する。

そして、再び全速で排水し、やがて船渠１内の水を全て
排水して作業を完了し、船舶５２は盤木上に支持される
。

上記の作業は、船舶５２の水平位置および上下位置など
を検出する各種センサならびにマイクロコンピュータな
どを使用することによって自動的に行なうこともできる
し、手動操作によって半自動的に行なうこともできる。

船舶５２の入渠作業が完了したならば、次のようにして
、各入出渠装置３の２台の台車４，５を互いに切離す。

すなわち、まず、４台の入出渠装置３を船渠両側壁２の
入口部および奥部に移動させ、入出渠台車５の固定用ブ
ロック３１が対応する中間レール２９の両端部上方にく
るように各入出渠装置３を停止させる。

そして、押上シリンダ３９で押上ピン４１を上昇させる
ことによって入出渠台車５を下降させる。

これにより、中間レール２９の突起３０が固定用ブロッ
ク３１の溝３２に嵌まり、入出渠台車５は中間レール２
９に固定される。

次に、連結シリンダ３６で連結ピン３８を上昇させて表
面処理台車４の連結板１１より上方に抜出し、２台の台
車４，５を切離す。

これにより、表面処理台車４は入出渠台車５から離れて
自由に走行しうる状態となるので、表面処理台車４だけ
を使用して、従来と同様に船体表面処理作業を行なう（
第１図す参照）。

船体表面処理作業が完了したのち船舶５２を出渠させる
場合には、前記の入渠作業と逆の操作を行なえばよい。

上記実施例では、船渠１両側の側壁２に入出渠台車５が
設けられているが、入出渠台車５は片側の側壁２だけに
設けられることもある。

また、上記実施例では、船渠１の片側の側壁２に入出渠
台車５が２台設けられているが、入出渠台車５は片側の
側壁２に１台だけ設けられるこさもある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の実施例を示し、第１図は入出渠作業時
および船体表面処理作業時の２つの状態を示す船渠の平
面図、第２図は表面処理台車の正面図、第３図は同平面
図、第４図は同側面図、第５図は入出渠台車の正面図、
第６図は同平面図、第７図は同部分切欠き側面図、第８
図は表面処理台車と入出渠台車を連結した状態を示す入
出渠装置の正面図、第９図は同平面図第１０図は表面
処理台車と入出渠台車の連結部分を船渠側壁の外側から
見た部分切欠き拡大図、第１１図は同部分を船渠入口側
から見た部分切欠き拡大図である。１・・・・・・船渠、２・・・・・・船渠側壁、３・・
・・・・入出渠装置、４・・・・・・表面処理台車、５
・・・・・・入出渠台車、１５・・・・・・走行用駆動
装置、１９・・・・・・船体表面処理装置、４９・・・
・・・船体吸着盤。

Claims

【特許請求の範囲】

１船体表面処理装置１９を備えた表面処理台車４と進
退自在な船体吸着盤４９を備えた入出渠台車５とが船渠
１の側壁２にこれに沿って略水平力向に走行しうるよう
に設けられており、これらの台車４，５の連結および切
離しが可能であり、表面処理台車４だけに走行用駆動装
置１５が設けられている船舶の入出渠装置。