JPS5921776Y2

JPS5921776Y2 - 縫合針

Info

Publication number: JPS5921776Y2
Application number: JP7823078U
Authority: JP
Inventors: 久夫荻生; 秀樹下中
Original assignee: オリンパス光学工業株式会社
Priority date: 1978-06-08
Filing date: 1978-06-08
Publication date: 1984-06-28
Also published as: JPS54178988U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、体腔内の出血部分などの組織を縫合するため
、経内視鏡的に使用する縫合針に関する。

従来、経内視鏡的に体腔内の出血部分を止血する方法と
して、クリップによって機械的に出血部を挾んで止血す
る手段と、高周波電流によって出血部分を焼灼凝固させ
て止血する手段が知られている。

しかし、これらの従来方法は、小さな出血部分であれば
有効なものであっても、大規模に開いた潰瘍等の出血部
分であるとその止血が困難となる。

すなわち、高周波電流によって広い面積を均一に焼灼凝
固させることは現実に不可能であるとともに、広い面積
にわたり、有効な止血効果が得られない。

また、クリップによって出血部を挾み込む方法において
は、そのクリップの開度が通常１９ｍｍ以下に制限され
るため、大きな出血部分を挾み込むことができないとと
もに、挟持力が弱く確実に挾めない。

さらに、出血部分の組織が柔らかいと組織がひきちぎら
れて外れてしまう。

このように従来の方法は、いずれも大きな出血部分の止
血には不向きであり、大きな出血部分を経内視鏡的に止
血する有効な手段は、いまだ知られていない。

本考案は、上記事情に着目してなされたもので、その目
的とするところは、体腔内の比較的大きな出血部分など
の組織を経内視鏡的に縫合し、確実に止血するため使用
する縫合針を提供することにある。

以下、本考案の各実施例を図面にもとづいて説明する。

第１図は本考案の第１の実施例を示すもので、同図中１
は縫合針本体である。

この縫合針本体１は密巻きコイルによってパイプ状に形
成されてなり、さらに、通常の内視鏡のチャンネルに挿
通できるように形成されている。

また、密巻きコイルによって形成されているため、その
チャンネルに沿って彎曲可能であり、容易に挿通できる
ものである。

縫合針本体１の先端には、環状の受は部材２が取付は固
定され、この受は部材２には、彎曲部材としての環状の
関節リング３の一端が枢着されている。

また、関節リンク３の先端には、後述する体腔内の組織
に刺通できる刺通針部４が枢着されている。

すなわち、関節リンク３の両端をそれぞれ枢着する枢支
ピン５，６は、中心から下側にずれた位置に設けられて
おり、さらに、上側の接合端縁を切欠して切欠部７，８
を形成することにより、上方へのみ回動するようになっ
ている。

つまり、関節リンク３は上方へのみ彎曲し、刺通針部４
の方向を上向きにすることができる。

しかし、各切欠部７，８の各端面が接合する第２図の状
態以上には彎曲することができない。

また、刺通針部４の末端の彎曲側端面には、操作ワイヤ
９の先端が取着固定されており、その操作ワイヤ９は関
節リンク３および縫合針本体１の内部を通じて縫合針本
体１の手元側端部に達するようになっている。

つまり、手元側においてその操作ワイヤ９を引くことに
より上述したような彎曲動作を遠隔的に行なうことがで
きるものである。

上記刺通針部４は、その先端を尖鋭な細長い部材によっ
て形成され、かつその外径は上記縫合針本体１と外径と
等しく形成されている。

さらに、刺通針部４には上記縫合針本体１側と連通ずる
収納部１０が形成されていて、この収納部１０には、後
述する抜止めチップ１１を収納するようになっている。

そして、この収納部１０の出口１２は、刺通針部４の上
側面、つまり間接リンク３の彎曲側表面部に開口してい
る。

抜止めチップ１１は、たとえば短かい円柱状の部材から
なり、その中間部分には、柔軟な縫合糸１３の先端を縛
り付けるくぼみ１４か形成されている。

しかして、抜止めチップ１１は、第１図で示すように収
納部１０内に装填されるとともに、縫合糸１３は収納部
１０の出口１２から直接に外に出るように装着される。

さらに、縫合針本体１内には、比較的腰の強い棒状部材
からなる押出し操作用部材１５が進退自在に収納されて
いて、その先端は第１図で示すように刺通針部４の収納
部１０内にまで達し、抜止めチップ１１の後端に近接し
ている。

このように押出し操作用部材１５が縫合針本体１から関
節リンク３および刺通針部４にまで達する状態に挿入さ
れているから、通常の外力が加わっても関節リンク３が
彎曲することがない。

しかし、操作ワイヤ９を引き積極的に彎曲させようとす
れば、容易に彎曲するように設定されている。

次に、上記縫合針の使用方法を説明する。

まず、出血部１６のある体腔１７内に内視鏡１８の先端
部を導びき入れる。

そして、内視鏡１８のチャンネルに上記縫合針を挿入し
て第３図で示すようにその先端部を体腔１７内に突出さ
せる。

この後、刺通針部４を出血部１６周辺の粘膜１９に突き
刺すのであるが、このとき、第３図で示すように粘膜１
９の部分が平坦であると、粘膜１９と刺通針部４との角
度を大きくしなければ刺通しにくい。

しかし、先端が彎曲しない場合であると、第４図中点線
で示すように深く突き刺り、先端が再び外に飛び出すこ
とがない。

しかも、場合によっては体腔１７の壁部を貫通してしま
う危険もある。

しかし、上記実施例によれば、手元側で操作ワイヤ９を
引くことにより、関節リンク３を回動し、第４図で示す
ように彎曲させながら刺通するので、深く突き刺すこと
がない。

つまり、適当な深さだけに突き刺り、再び先端が外に飛
び出せることができる。

したがって、刺通困難となったり、体腔１７の壁部を穿
孔させてしまうことがない。

そして、上記刺通針部４を出血部１６の他方の粘膜２０
にも同様に突き刺し、貫通させたところで、押出し操作
用部材１５を手元側において押し込み、収納部１０内の
抜止めチップ１１を出口１２から押し出す。

そして、縫合針を引き抜けば、第５図で示すように縫合
糸１３と抜止めチップ１１がそのまま残る。

そこで、縫合糸１３を第６図で示すように手元側へ引く
と、抜止めチップ１１が粘膜２０に引っ掛りその粘膜２
０を引き寄せる。

したがって、第７図で示すように粘膜１９．２０同志が
寄せ合わされ、出血部１６を閉塞させることができる。

この状態において抜止めチップ１１のない側の粘膜１９
から出た縫合糸１３の部分をクリップ２１によって挾み
、固定させることによって縫合糸１３の引込みを防止し
、出血部１６を閉じた状態に保持することができる。

なお、追分に延びた縫合糸１３０基端部は、たとえば切
り取る。

第８図ないし第１１図は本考案の他の使用例を示すもの
である。

すなわち、第８図で示すように先端を彎曲させた状態で
粘膜２０に突き刺し、第９図で示すように手元側に引く
ことにより、その粘膜２０に突き通す。

さらに、第１０図で示すよう他方の粘膜１９にも突き通
したのち、上述したように抜止めチップ１１を外し、縫
合針のみを引き抜く。

次に、残った縫合糸１３を引けは゛、第１１図で示すよ
うに、粘膜１９．２０同志が引き寄せられ、出血部１６
を閉塞させることができる。

この使用例によると、刺通針部４を突き刺すとき、押し
て突き刺す場合に比べて力の伝達がよいので突き刺し易
い。

また、第１１図で示するうに縫合糸１３を手元側に引い
たとき両側の粘膜１９．２０が出血部を閉じる方向に引
っ張られるため、自然に無理なく閉じさせることができ
る。

本考案は上記実施例に限られるものではなく各種の実施
例が考えられる。

たとえば上記実施例では、縫合針の内部に操作ワイヤを
設けたが、縫合糸１３によって引き彎曲させるときには
、その操作ワイヤを設ける必要がない。

また、第１２図は縫合針に可撓性の外套チューブ２２を
被嵌させたもので、これによって内視鏡のチャンネルに
縫合針を挿入するとき、チャンネル等を傷付けたり、縫
合糸１３が途中で引っ掛り不必要に抜止めチップ１１が
外れることがない。

使用時には外套チューブ２２の先端から縫合針の先端を
突き出せばよい。

第１３図は操作ワイヤ２３の先端を刺通針部４に設けた
ピン２４に回転自在に取り゛付けたものであり、彎曲時
に操作ワイヤ２３にかかる曲げ応力を小さくすることが
できる。

第１４図は彎曲部材をコイル２５によって形成したもの
で、コイル２５の一側部分の素線２６を細くし、この方
向へのみ彎曲可能ならしめたものである。

第１５図は係合片２７・・・・・・を備えた複数の駒２
８・・・・・・を第１６図で示すよう噛み合せて互いに
連結し、彎曲部材２９としたもので、３０は各駒２８・
・・・・・の離脱を防止するワイヤである。

以上説明したように、本考案の縫合針：こよれば、体腔
内の比較的大きな出血部を径内視鏡的に縫合閉塞できる
。

すなわち、従来、経内視鏡的に止血できないとされた体
腔内の比較的大きな出血部を経内視鏡的に有効かつ確実
に止血する安全な手法が実現できることになる。

また、体腔内の組織に刺通する縫合針の先端を彎曲し得
るようにしたから、たとえ刺通しようとする部分が平ら
なものであっても容易に空き刺すことができるとともに
、深く突き刺しすぎ突き抜けたりすることなく、適正な
刺通深さで縫合することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の先端部の側断面図、第２図
は同じくその先端部を彎曲させた状態の側断面図、第３
図ないし第７図はその使用例の説明図、第８図ないし第
１１図は同じくその別の使用例の説明図、第１２図ない
し第１５図はそれぞれ他の実施例を示す先端部の側断面
図、第１６図は第１５図の実施例における駒の保合状態
を示す斜視図である。１・・・・・・縫合針本体、３・・・・・・関節リンク
、４・・・・・・刺通針部、７，８・・・・・・切欠部
、９・・・・・・操作ワイヤ、１０・・・・・・収納部
、１１・・・・・・抜止めチップ、１２・・・・・・出
口、１３・・・・・・縫合糸、１４・・・・・・くぼみ
、１５・・・・・・押出し操作用部材、１６・・・・・
・出血部、１７・・・・・・体腔、１８・・・・・・内
視鏡、１９・・・・・・粘膜、２０・・・・・・粘膜、
２１・・・・・・クリップ、２８・・・・・・駒、２９
・・・・・・彎曲部材。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

内視鏡のチャンネルに挿通可能な縫合針本体と、この縫
合針本体の先端に体腔内の組織を刺通する際彎曲する彎
曲部材を介して取着された刺通針部と、上記刺通針部に
形成され、縫合糸の先端に取着された抜止めチップを抜
出し自在に収納する収納部と、上記縫合針本体に装備さ
れ、刺通針部が体腔内の組織を貫通したとき縫合針本体
の手元側からの操作によって上記収納部内の抜止めチッ
プをその収納部から抜は出させる押出し操作用部材とを
具備した縫合針。