JPS5921516A - 珪素の製造方法 - Google Patents

珪素の製造方法

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JPS5921516A
JPS5921516A JP12940882A JP12940882A JPS5921516A JP S5921516 A JPS5921516 A JP S5921516A JP 12940882 A JP12940882 A JP 12940882A JP 12940882 A JP12940882 A JP 12940882A JP S5921516 A JPS5921516 A JP S5921516A
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JP
Japan
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furnace
silicon
tin
coke
shaft furnace
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JP12940882A
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Inventor
Masao Onozawa
昌男 小野澤
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は従来行なわれていなかつた、純珪素を石炭、コ
ークス等の炭素質燃料の高温の燃焼熱により、シヤフト
炉を利用し、電力を主要な熱源とすることなく製造する
方法に関するものである。
現在98%以上の純度を有する金属珪素は電気炉によっ
て珪石をコークス、石炭、木炭等の炭素質原料で還元す
ることによつて製造されている。
この場合においては反応過程において一酸化珪素SiO
および炭化珪素SiCを中間的に生成するが、SiOは
炉内で吹き抜けが起つた場合、炉内から多量の熱量を持
ち出して損失を招き、また炉内に固着物をつくつて炉内
の均一な通気を阻害する。
SiCは炉内において速やかに消費されない場合、徐々
に反応性のない固着物に変化し、炉内の円滑な反応を阻
害する。このような状況から金属珪素の製造は電炉にお
いても比較的難かしいものとされている。
無論現在の電気炉操業はこの様な問題を製御して操業し
ている訳であるが、珪素の製造には多量の電力を要し、
約13000KWH/tもの電力が必要である。これは
電力費が高い場合には致命的なことである。そこで直接
還元によって珪素を製造するための研究を行なつた。電
力を使わないためにはコークス、石炭を熱源としないシ
ヤフト炉法が考えられる。
シヤフト炉による還元の代表的なものは製鉄溶鉱炉であ
る。更にこの溶鉱炉を適用して珪素30%までの鉄珪素
の合金であるフエロシリコンはつくられたこともある。
しかしこれ以上の濃度のものの製造は非常に困難である
。それは基本的には前述したように反応が中間的に生成
するSiOやSiCを媒介するので、珪素を高めようと
するとこれらの濃度も増加するため、多量のコークスと
空気つまり酸素源を用いるシヤフト炉では反応を制御す
ることが困難なためである。
このような考察から種々の研究を行なつた結果本発明者
は、珪石とコークスをシヤフト炉に装入し、炉下部から
は十分な高温度が形成されるような燃焼支持ガスを吹き
こみ、しかも炉上部からは錫を主成分とする金属を添加
し、錫中に炉内で還元して生成した珪素をとかしこみ、
この錫珪素合金を炉外に取り出し冷却することによつて
珪素を分取し、残つた錫溶湯は若干の精製を行なつて循
環使用するという方法を考案した。
本発明は発明者による既出願の発明を特に純珪素の製造
に適するように改善したものである。先願の発明では純
珪素だけでなくフエロシリコンの製造も目的とした。ま
た錫以外に錫鉛合金等の利用も可能である。更に基本的
には団鉱を使用するものとした。本発明では使用する金
属は原則として循環使用的不可避的に随伴する鉄(Fe
)、アルミニウム(Al)、鉛(Pb)等を含むほかは
、小量即ち夫々数%程度の混入が許容される鉛(Pb)
、インジウム(In)、アンチモン(Sb)を合金して
も差支えないが、基本的には純錫を利用するのが好まし
い。
また先願より稀薄な珪素濃度の合金も対象にすることお
よび使用錫金属の純度向上によつて必ずしも団鉱、酸素
濃度向上によらずして製造可能にしたことである。しか
し本発明の主眼は純珪素製造上一番の不純物である鉄の
混入を防ぐ手法を含めたことが最大の特徴である。
本発明を実施するために用いられる珪石還元用シヤフト
炉は第1図中に示されているように製鉄用高炉と同様な
溶解を行なうシヤフト炉である。
一つ異なる点は好ましくは炉頂部または羽口上部から溶
融した錫合金溶湯を撒布することにある。
第1図でシヤフト炉の上部から、珪石およびコークスを
供給する。コークスは製鉄用溶鉱炉を同じく例えば30
〜50mmとやゝ粗粒に整粒されたものを用いる。また
珪石は例えば10〜20mmと細粒のものを用いる。し
かし後述する理由により石炭またはコークスを破砕し、
同じく破砕した珪石とから製造された団鉱を、要すれば
補助燃料のコークスとともに供給する方が好ましい方法
である。
炉には中部から羽口5を通しコークスや団鉱中の炭素分
を燃焼して十分な高温を発生する様な条件の燃焼支持ガ
スを送りこむ。本方法では燃焼帯は常時1700℃以上
に保たれることが必要である。
この高温によって珪石中の無水珪酸は炭素によつて還素
されSi、SiO、SiCが生成するが、これらはいず
れも最終的に錫合金中に珪素として溶解する。炉頂部か
らは主成分がCOであるガスが発生する。一方炉底部に
は珪素、錫合金が貯まるので間歇的に出湯口から排出し
、溶離炉7に入れ冷却すると純珪素が析出する。この析
出操作は600〜800℃で終了し、冷却棒や浴上に析
出した珪素を除去し更に冷却する。600℃から300
℃の間で鉄錫からなる合金が少量析出するのでこれを除
去し、残つた錫は再度シヤフト炉に供給する。
第1図は本発明製造方法の実例を示すもので、1〜6は
還元シヤフト炉本体7〜10は錫珪素分離および錫循環
系統である。11〜14は団鉱設備、15〜22はコー
クス化シヤフト炉である。
23〜26は炉頂ガス熱回収系統、27は酸素発生設備
、28〜31は排ガス清浄系統である。
1は本発明を実施するシヤフト炉本体で、32に貯留さ
れたコークス化団鉱、又は別途破砕整粒されたコークス
、珪石を装入する。下方の水冷純銅製羽口5からは酸素
発生装置27で製造された純酸素が枕管4を通して炉内
に送りこまれる。その結果炭素分が燃焼帯2で燃焼し、
その高温で珪石から珪素が還元生成せられる。炉頂から
撒布せられた錫はこの珪素を溶解し、湯溜6に溜る。出
滓口3から間歇的に取り出し、冷却器7で水冷銅棒8で
冷却すると珪素が析出する。溶湯が800℃に低下する
と冷却棒を引き上げ析出した珪素を分取する。再度別の
冷却棒を入れて溶湯が300℃程度に低下するまで処理
する。ここまで冷却した溶湯は例えば金網で濾過し錫は
循環槽9に貯留され、ポンプ10を通してシヤフト炉に
戻される。
珪石、石炭粉布を主原料として図示されていない団鉱機
で製造された内層団鉱1Iは主として石炭よりなる外層
混練材12とともに製錠機13で複層タブレットとし養
生コンベア14を経てコークス化シヤフト炉15に装入
される。
炉には燃焼室21が附属し、燃料およびブロア22から
供給された空気により1200℃程度の燃焼ガスをつく
つて炉に供給する。炉上部の乾溜帯16で団鉱は乾溜さ
れる。高温になり、コークス化された団鉱は酸素発生装
置で副生する窒素が18からおくりこまれ冷却帯17で
冷却される。
冷却したコークス化団鉱は取出口19から取り出され、
貯留ホツパ32に貯留される。
シヤフト炉から発生したガスは既述のとおり、大部分C
Oガスである。またコークス化シヤフト炉の炉頂ガスは
コークス炉ガスを窒素で数倍に稀釈した成分であり、い
ずれも多大な燃焼熱を有する。これの有効な利用が本方
法の利点を拡大する。
その一般的な方法が図に示したものである。
23は燃焼室で、還元シヤフト炉炉頂ガスおよびコーク
ス化シヤフト炉の熱分解ガスは、ブロア24から供給さ
れる空気によつて燃焼しその熱はボイラ25で蒸気とし
て回収され、得られる電力は酸素発生装置27および系
内のブロア、ポンプ10、22、24、30およびその
他必要な動力を供給して十分に余りがある。さてボイラ
25を出た排ガスは除塵器28で除廃し、要すれば排煙
脱硫装置29で浄化され、誘引排風機30で誘引され、
煙突31から放散される。
酸素発生装置26は深冷分離装置のほかモレキユラーシ
ーブ型等何を用いてもよいが、一般には系内で窒素を用
いることもあり深冷分離装置がよい。
本システムから錫のロスが生ずるとコストに大きくひび
く、そのため除塵器28のダストは23、25からのダ
ストとともに完全回収し、図示していない精錬炉で錫を
回収する。還元シヤフト炉から若干発生するスラグJや
、冷却溶離炉7から発生した鉄鍋ドロス等も図示されて
いない精錬炉で完全処理し、錫が回収される。
次に本発明の実施例を示す。
実施例1、内径0.8mφ、高さ約4.5mのシヤフト
炉を用い、30〜50mmに整粒されたコークスを32
0Kg/h、10〜20mmの珪石を137Kg/hの
割合で供給する。羽口からは深冷分離装置から供給され
る純酸素を200Nm3/hの割合で供給する。炉頂部
から錫を1220Kg/hの割合で供給する。炉底部に
は還元されて生じた珪素を含む合金溶湯が貯留されるの
で1時間毎に出湯口に開いてこれを取り出す。合金溶湯
は4.0%のSiを含んでいる。得られた高温の珪素錫
合金は円筒状の耐火物容器に入れ、遠心回転を行ないな
がら中心部に水冷金属棒を挿入すると純度の高い珪素が
析出する。溶湯温度が800℃に低下すると冷却棒を引
き上げ、附着した珪素や溶湯面に浮遊した珪素を集め、
鉛溶湯で洗つてのち300℃以上の珪素を遠心分離器に
かけ完全に鉛錫溶湯を分離する。もとの錫溶湯は溶湯溜
に貯留し、再度炉に循環する。少なくとも3回に1回は
溶湯を300℃程度まで冷却すると、溶湯中からFe、
Tiその他コークスに起因する金属、特にFeがSnの
合金として析出する。そこで錫溶湯を濾過し、溶湯溜に
戻す。なおシヤフト炉の上部から放出されるガスは大凡
CO88%、H26%、N23%、CO23%の組成を
有し600Nm3/hの割合で発生する。炉頂部におけ
る温度は約450℃である。
実施例2、強粘結炭を含む数種の原料炭を配分し、10
0メツシユ以下に粉砕し、同じく100メツシユ以下に
粉砕した珪石を重量比で2対1の割合で混合し、5%の
アスフアルト乳剤を配合してよく混練しブリケツト機で
径35nmのマセツク型ブリケツトとする。このブリケ
ツトをシヤフト式コークス化炉に入れ、燃料ガスを用い
て最高1000℃まで加熱してコークス化する。このコ
ークス化ブリケツトを主要な原料として実施例1のシヤ
フト炉に装入する。
シヤフト炉にコークス化ブリケツト346Kg/h、3
0〜50mmに整粒されたコークス90Kg/hの割合
で供給し羽口から熱風炉で1000℃に予熱された熱風
を475Nm3/h、羽口前で純酸素を100Nm3/
h混合し、三本の水冷銅羽口から供給する。それ故酸素
は都合200Nm3/hであり、送風中の酸素濃度は3
4.7%になる。炉頂部から錫を1220Kg/hの割
合で供給すると、炉底部に珪素3.9%を含む合金溶湯
が溜る。これを取り出して実施例1と同様に処理して純
珪素が得られる。
残りの錫溶湯も実施例1と同様に再処理してシヤフト炉
に循環する。なおシヤフト炉の上部から放出されるガス
は大凡CO49.0%N242.0H23.6CO25
.4%の組成を有し935Nm3/hの割合で発生する
。炉頂部のガス温度は700℃前後まで上昇するため炉
頂部は水冷ジヤケツト構造にしなければならないことが
わかつた。
実施例3、実施例2と同一の方法で製造されたコークス
化ブリケツトを原料とする。
シヤフト炉にコークス化ブリケツトを434Kg/h、
生石灰20Kg/h、30〜50mmの整粒されたコー
クスを35Kg/hの割合で供給し、三本の水冷銅羽口
から純酸素を200Nm3/hの割合で供給する。炉頂
部から300℃の溶湯を600Kg/hの割合で撒布す
る。この結果Si88%、Fe0.28%、Al0.2
5%を含む錫合金溶湯が得られる。これを実施例1と同
様に処理して純珪素および循環錫溶湯を再生する。なお
この例ではFe除去のための冷却は2回に1回程度行な
うことが好ましい。シヤフト炉の上部から放出されるガ
スの成分、量は実施例1と大差はないが炉頂ガス温度は
約400℃と若干低下する。
実施例4、実施例2と同様にして1〜3mmの珪砂を重
量比で1,100メツシユ以下の粉砕した石炭を0.6
2の割合で加え、これに5%のアスフアルト乳剤を加え
て混錬し、打錠機で30mmφ×10mmのタブレツト
をつくる。これに更に100メツシユ以下の粉砕した石
炭に5%のアスフアルト乳剤を加えて混練したものを打
錠機で被覆して40nmφ×50mmのタブレツトとし
た。この生タブレツトをおよそ100℃で約1時間乾燥
したのちシヤフト炉に入れ炉下部から燃焼ガスを吹きこ
み最高1000℃に昇温してコークス化複層タブレツト
とする。
シヤフト炉にコークス化タブレツトを435Kg/h、
30〜50mmに整粒されたコークスを42Kg/hの
割合で供給し、三本の水冷銅羽口から純酸素を200N
m3/hの割合で供給する。炉頂部から300℃の溶場
を600Kg/hの割合で撒布する。
この結果実施例3と同様にSi9.9%、Fe0.26
%Al0.30%を含む錫合金溶湯672.5Kg/h
を得る。これを実施例1および3のように処理して純珪
素および循環錫溶湯を再生し、連続して操業を行なうこ
とができる。シヤフト炉の上部から放出されるガスの成
分量は実施例1、3と大差ないが炉頂ガス温度は約33
0℃と著しく低下する。
さて実施例の4例とも純珪素を同様にして得ることがで
きる。得られる珪素の純度は98%以上であり主要な不
純物はSn、Fe、Alである。純度としては一般の用
途に向けることはできるが、Snを固溶のほか、金属粒
として0.2〜0.6%あるいは更に多く含むので、S
n損失を防ぐ意味からも、再溶解またはゾーンメルテイ
ング等によつて精製することがのぞましい。このとき副
生する不純合金は炉から出湯した錫珪素合金に投入すれ
ば容易に製造ラインで回収できる。あるいは実施例中で
も説明した類似の手法により得られた珪素を冷却後破砕
し、粉末を鉛または亜鉛の溶湯中で撹拌して金属錫の部
分を回収できる。このようにして溶解した錫は既知の方
法たとえば鉛中の錫はハリス法によつて錫酸アルカリと
して回収し、工程内に戻すことができる。
本方法を実施する上での一つの上限が系内からの鉄等の
不純物の除去である。実施例3、4にみられるようにコ
ークス中に含まれるFeはSiに対しては2〜3%にな
る。このFeは錫中の濃度が低いうちは問題にならない
が、Si濃度にも関係して0.8ないし1.6%程度に
なるとSnをまきこみながらSiとともに凝固する。そ
のためFeを除去しなければ得られる珪素は(2〜3)
+α%の不純物を常に含むことになる。従つて通常使用
されている98%Siの工業用金属珪素は得られない訳
である。本方法では実施例中にも説明したように、シヤ
フト炉から1600〜1800℃で出湯した錫珪素合金
を、例えば回転する冷却器中で第1段階の下限温度とし
て520〜800℃まで冷却することによつてまず珪素
を析出させこれを分離し、ついで錫溶湯は更に300〜
400℃まで冷却し保持するとFe−Sn金属間化合物
が析出するのでこれを濾過し残溶湯をシヤフト炉に循環
する。この温度は錫を液体として循環させるために必要
な熱量のみできまる。この第2段階の操作は必ずしも毎
回実施する必要はない。例えば実施例3、4ではFeは
0.28または0.26%であつたが危険水準が前述の
ように0.8%であるから3回に1回行なえばよい訳で
ある。本文中に2回に1回としたのは安全のためもあり
、またFe−Sn化合物除去後残留するFe量をも考慮
したものである。
実施例1、2では錫のコークスに対する使用量がより多
いので頻度は少なくて済んだ。いずれにせよ本操作は数
回に度は必ず実施する必要がある。
錫を凝固状態で供給する場合も、例えば3回に2回は第
2段階の操作なしで固め、3回に1回は第2段階の操作
をして凝固させる。また第1段階の下限温度は第2段階
の実施頻度によつてもかわりたとえば毎回二段冷却を行
なえば520℃まで冷却してもよいが、頻度を下げると
800℃までしか冷却できないという関係がある。なお
Feが少量でも490℃以下になるとドロスが析出して
くるようである。この温度は第一段階の冷却温度の下限
であるが、これを高くとめるとSiが回収されず損失と
なる。
さて分離されたFe−Sn化合物はSn65〜85Fe
15〜35%を含む。このドロスは保持炉中で1200
℃で鉛溶湯と撹拌して大部分のSnを回収できる。残つ
たドロスはなお15〜45%のSnを含む。このドロス
は既知の錫精錬法で処理してSnを回収しうる。あるい
は凝固直後の粗珪素をFeと同量程度加えて1300℃
程度に保つとSn2〜3%を含むフエロシリコン溶湯と
錫溶湯に分れる。これらの手法でSn分を回収して系内
に戻すことが可能である。
実施例の4つの例は運転成績としては大巾な違いがある
。そこで主要な成績を第一表にまとめる。
表中に燃料比として示したのは珪素1Kgを得るに必要
な炭素量である。
第一表を一覧して明らかに実施例1、2は燃料比が実施
例3、4に劣る。実施例1は珪石を破砕したまゝでシヤ
フト炉に供給したものである。錫溶湯中の1濃度を高め
ようとすると燃料比を更に高めねばならず、炉頂ガス温
度も上昇する。
第1表 実施例2以降はいずれも珪石を粉砕して団鉱中に保持し
たものである。実施例2は他の例と異なり1000℃の
予熱空気に純酸素を加え酸素濃度34.7%で操業した
ものである。炉頂ガス温度が高く燃料比も高いながらも
とにかく本方法は実施し得る。しかし同様条件で時間当
りの酸素供給率は200Nm3/hとしたまゝ予熱空気
に添加する純酸素量を減らし酸素濃度を下げると更に急
激に炉頂ガス温度も上昇しまた燃料比も上昇する。炉頂
ガスが1000℃をこすと運転上の困難さが増大するの
で好ましくない。
実施例3、4はいずれも本方法を実施する上では好まし
い成績である。特に実施例4は安定した成績を示したが
これは珪石分を内層に閉じこめた二重層団鉱によつて達
成されたものと考えられる。
即ち外層のコークス分の燃焼による高温で珪石から硅素
が還元され、その後で炉底部で錫中に溶解するように好
ましく設計された被還元物といえる。
次に実施例2と3の間を埋めるべく酸素濃度50%およ
び70%で実験を行なつた。詳細を略しこれら実施例5
、6について結果のみを示す。
第2表 これらの成績は明らかに実施例2と3の間を埋めるもの
であるが、明らかに酸素濃度70%は純酸素にかなり接
近しており70%程度から操業は著るしく改善されるこ
とが分る。
以上の実施例から酸素34.7%、860℃予熱に見合
う実施例2および常温の酸素50%の実施例5は本方法
が実施できるほゞ下限と考えられる。
また酸素70%以上の条件が特に好ましいことが分つた
一方原料としては珪石とコークスを原料としても実施で
きることが分る。しかし実施例で示したように破砕した
珪石をコークス中に担持する団鉱を用いるのが好ましい
。更に内層に珪石を増加させ外層をコークスとすると更
にすぐれた成績を収めることも明らかとなつた。これら
団鉱は破砕した珪石粉に、微粉とした粘結炭を含む石炭
粉によつて、ペレツト、ブリケツト、タブレツト等の団
鉱法を用いて得られる。本文中の実施例においてはこれ
ら団鉱はコークス化炉でコークス化してシヤフト炉に装
入された。シヤフト炉における粉化を防ぐにはこのよう
な手順は好ましい。しかし実施例3、4、6のように炉
頂ガス温度も低く安定した操業であればコークス化シヤ
フト炉をやめ、還元シヤフト炉で兼用することも不可能
でない。
設備的に配慮して慎重に団鉱を取扱つて操業し、約5%
の燃料比の増加と30℃程度の炉頂ガス温度の上昇で実
施することができた。また興味あることは珪石について
は必ずしも微粉にすることなく実施例4のような好結果
を得られることである。
溶媒として用いる錫は実施例で述ベて来たように液体で
循環するのが操作上、熱効率上とも最善であるが、第一
段階の珪素除去および必ず数回に一度は実施する第二段
階の処理のあと粒状に凝固させ固体として取扱い、炉上
部から装入することも可能である。用いる材料は原則と
して純錫が好ましいが、はじめ述べたように鉛、インジ
ウム、アンチモンを夫々数%以内含んでも差支えないが
積極的に加える必要はない。また使用中コークス灰分や
造滓材からアルミニウム、カルシウムが若干量溶解する
が、これは差支えない。またコークス灰分および珪石等
の原料から鉄、チタン等は大部分本発明の方法で除去さ
れる。
本発明の原料は珪石、石炭およびコークスであるが珪石
にかえて他の含珪酸原料を用いても差し支えない。特に
ロー石のようなアルミノ珪酸塩を用いることは可能であ
る。このような場合石灰を加えて造滓し、アルミナを流
動化して除去する。
このような場合錫中のアルミニウム含有量がふえるので
、炉から排出後珪酸スラグ例えばCaO−SiO2スラ
グで処理してアルミニウムと珪素を置換することが考え
られる。
実施例中では石灰で造滓する例は実施例3に示したが、
得失がある。石灰で造滓すると珪素の収率は一般に低下
するが、吹抜け等炉操業の不安定度は減少する。珪素お
よびフエロシリコンを製造する電気炉では石灰を加える
ことは珪酸の活量を低下するため有利でないが、本方法
はシヤフト炉であるため運転上の利点が発生する。珪石
等の原料は安価なので一般には操業安定の利点が多い。
燃焼支持ガスとしての酸素は酸素発生装置から空気を原
料とし70〜100%O2のガスは経済的に得られるか
ら一般的にはこれを用いる。時として羽口先の温度が上
りすぎるときは逆にO2濃度を下げることもある。O2
を希釈するガスは空気に限ることはないが、空気が一般
経済的なことは言うまでもない。
本装置を用いて実施例4の方法により、珪素1tを製造
した場合の各種原単位を実験結果より算定すると次のよ
うになる。
珪石2350Kgと石炭4370Kgをタブレツトとし
て装入しまたコークス750Kgを用いて珪素1tを得
る。前述の炉頂ガスから24,000,000kcal
の熱量、コークス化炉からコークス乾溜に使う熱量を差
引いて10,000,000kcalの熱量を得る。こ
れを通常の効率で発電して13,800kwhの電力を
得るが系内の消費電力は3,300kwh程度である。
なお珪素1t当り錫のロスは約4Kgである。余剰電力
は工場内の他の合金製造炉で使用する。
経済的な比較は変動があつて正確にはできないが出願時
においては珪素を従来の電気炉法に比して極めて安価に
製造できる。少なくとも従来の電気が法が多量の電力を
要したのに比し本方法は石炭および若干のコークスのみ
から直接珪素を製造できる手段を提供した点で従来まつ
たく例を見ないものである。更に本方法は工業用金属珪
素製造上随伴しやすい鉄を少なくできる点に特徴がある
本方法は複雑なものであり、各工程において変形手段が
多いことは各項で述べて来たとおりである。そこでこれ
らを改善項目として列記する。
(1)珪酸含有原料と炭素含有原料殊に石炭とを粉砕し
て団鉱を製造し、これを主な原料とし、必要な補助的コ
ークスをシヤフト炉に供給することを特徴とする特許請
求範囲に記載した方法。
(2)珪酸含有原料と少なくとも一部は粘結炭を含む炭
素含有原料とから団鉱を製造し、これをコークス化炉で
乾溜し、これを主な原料としてシヤフト炉に供給するこ
とを特徴とする特許請求範囲に記載した方法。
(3)中心部に珪酸含有原料を多く含ませ、外層部は主
として炭素質からなる団鉱を用いることを特徴とする(
1)(2)に記載した方法。
(4)好ましくは70%以に酸素を含有する燃焼支持ガ
スを用いることを特徴とする特許請求範囲に記載した方
法。
(5)石灰分を配合して造滓を行なうことを判徴とする
特許請求範囲に記載した方法。
(6)第1段階の下限温度として520〜800℃まで
錫珪素合金溶湯を冷却することを特徴とする特許請求範
囲に記載した方法。
【図面の簡単な説明】
第1図は部分的には実験プラントであり、全体的には実
機プラントのフローシートである。 1〜6は還元シヤフト炉本体、7〜10は錫珪素分解お
よび錫循環系統である。11〜14は団鉱設備、15〜
20はコークス化シヤフト炉である。23〜26は炉頂
ガス熱回収系統、27は酸素発生設備、28〜31は排
ガス清浄系統である。 以下は項目のみ示す。 1・・・・・・シヤフト炉、2・・・・・・シヤフト炉
燃焼帯、3・・・・・・出滓口、4・・・・・・枕管、
5・・・・・・羽口、6湯溜7・・・・・・冷却溶離器
、8・・・・・・水冷銅棒、9・・・・・・錫循環槽、
10・・・・・・ポンプ、11・・・・・・内層団鉱コ
ンベア、12・・・・・・石炭混練材ホツパ、13・・
・・・・製錠機、14・・・・・・養生コンベア、15
・・・・・・コークス化シヤフト炉、16・・・・・・
乾溜帯、17・・・・・・冷却器、18・・・・・・冷
却用窒素導入口、19・・・・・・コークス化団鉱取出
口、20・・・・・・バーナ、21・・・・・・燃焼室
、22・・・・・・ブロア、23・・・・・・燃焼室、
24・・・・・・ブロア、25・・・・・・ボイラ、2
6・・・・・・発電機、27・・・・・・酸素発生装置
、28・・・・・・除塵機、29・・・・・・排ガス脱
硫設置、30・・・・・・IDF、31・・・・・・煙
突、32・・・・・・コークス化団鉱ホツパ 代理人 弁理士 秋 沢 政 光 他2名

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)珪石等の珪酸原料とコークス等の炭素質原料をシ
    ヤフト炉に装入し、該シヤフト炉の下部に設けられた羽
    口から高濃度の酸素を含有する燃焼支持ガスを吹きこん
    で高温の燃焼部を形成して前記原料を還元し、かつ羽口
    の上部から錫を好ましくは溶湯として供給し前記の還元
    され生成した珪素を溶解し、かくして生じた錫および珪
    素を主成分とする合金溶湯を炉外に取り出し冷却するこ
    とによりまず珪素を析出させ分離し、残った錫を主成分
    とする溶湯を更に冷却してコークス灰分等から由来する
    鉄その他の不純物を除去し、精製された錫をシヤフト炉
    に循環することを特徴とする珪素の製造方法。
JP12940882A 1982-07-24 1982-07-24 珪素の製造方法 Pending JPS5921516A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009084117A (ja) * 2007-10-01 2009-04-23 Hitachi Zosen Corp 金属状ケイ素の製造方法
JP2009131505A (ja) * 2007-11-30 2009-06-18 Mit:Kk 入浴補助材、及び該入浴補助材を用いた入浴補助器
JP2010052951A (ja) * 2008-08-26 2010-03-11 Central Glass Co Ltd シリコンの製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009131505A (ja) * 2007-11-30 2009-06-18 Mit:Kk 入浴補助材、及び該入浴補助材を用いた入浴補助器
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