JPS5920814Y2 - 炊飯器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は炊飯完了後米飯のむらし加熱所謂炊きしめ加熱を
行なう炊飯器に関し、炊きしめ加熱時間のばらつきを極
力小さく抑え得るようにしたものである。

一般に、この種の炊飯器例えば保温式炊飯器は第１図に
示す如く、外周胴体２及び底蓋３よりなる外装体１と、
該外装体１内に断熱材（図示せず）を介して配設した外
鍋４と、該外鍋４内に出入自在の内鍋５と、この開口を
閉塞する内蓋６と、さらにこの上方を被う断熱性の外蓋
７と、外鍋４の内底部にあって炊飯ヒータ８を埋設した
熱板９と、該熱板９の中央を貫挿して内鍋５の底面に弾
接し、炊飯完了を検出する熱応動機構１０と、該機構１
０に連動する炊飯スイッチ１１と、外鍋４の周側面に配
設した炊きしめヒータ１２及び保温ヒータ１３と、外鍋
４の外底面に熱伝導性の良好な取付アングル１４を以っ
て取付けられた炊きしめ用感熱素子例えばサーマルリー
ドスイッチ１５と、外鍋４の外側面に熱伝導性の良好な
取付アングル１６を以って取付けられた保温用感熱素子
例えばサーマルリードスイッチ１７とからなり、その電
気回路は第２図に示す如く、炊飯ヒータ８及び炊飯スイ
ッチ１１の直列回路を電源に接続し、かつ炊飯スイッチ
１１に対して炊きしめヒータ１２及びサーマルリードス
イッチ１５の直列回路、保温ヒータ１３及びサーマルリ
ードスイッチ１７の直列回路を夫々並列に接続すること
により形成されている。

そして、この保温式炊飯器にあっては、常温で開成状態
にあるサーマルリードスイッチ１５が炊飯動作の途中で
閉成して炊飯完了に伴う炊飯スイッチ１１の開成により
炊きしめヒータ１２による炊きしめ加熱を行ない、炊飯
完了後むらしに適した時間（約１５９程度）が経過した
時の温度を感知してサーマルリードスイッチ１５が開成
することにより炊きしめ加熱を停止するものである。

而して、このようなものにあって、炊きしめ加熱時間の
ばらつきを小さくするためには、炊飯完了後の温度変化
の大きい位置にサーマルリードスイッチ１５を配設する
ことが望ましく、このような位置に配設すればサーマル
リードスイッチ１５の設定温度に少々のばらつきがあっ
ても炊きしめ加熱時間のばらつきを小さく抑えることが
できるものである。

然るに、従来では炊きしめヒータ１２の熱影響を受けず
炊飯完了後の温度変化の比較的大きい外鍋４の外底面に
サーマルリードスイッチ１５を配置し、このリードスイ
ッチ１５を、第３図に示す如く外鍋４の外底面にねじ１
８を以って取着した取付アングル１４の下方に垂直に延
びる他端に支持させていた。

しかし、このようなものにあっては、サーマルリードス
イッチ１５は炊飯動作時炊飯ヒータ８の温度上昇を熱板
９、外鍋４、取付アングル１４を介して適確に感知し、
炊飯途中に確実に閉成動作する反面、炊飯完了後も炊飯
ヒータ８の余熱による熱影響が大きい為、炊飯完了後の
温度変化の大きい外鍋４の外底面に位置するもののサー
マルリードスイッチ１５自身が受ける温度変化は小さく
、炊きしめ加熱時間のばらつきを小さくすると云う面か
らは余り良好なものと称し得なかった。

本案はかかる点に鑑みて考案されたもので、炊きしめ用
感熱素子を外鍋外底面に取付ける熱伝導性の良好な取付
アングルの放熱効果即ち冷却効果を高め、炊飯完了後炊
きしめ用感熱素子に対する炊飯ヒータの熱影響を減少せ
しめ、炊きしめ用感熱素子の炊飯完了後の温度変化を大
きくしたことに特徴がある。

以下第４図及び第５図に示した本案の実施例について詳
細に説明する。

図において、１９．１９’はアルミ等の熱伝導性の良好
な材料よりなり、互にリベット２０を以って連結された
１対の取付アングルで、一方の取付アングル１９の自由
端に切溝２１を形成しかつ他方の取付アングル１９′の
自由端に炊きしめ用感熱素子例えばサーマルリードスイ
ッチ１５を支持する。

而して、上記取付アングル１９は熱板９を外鍋４に取着
するねじ１８により切溝２１を利用して外鍋４の外底面
に取着され、又両取付アングル１９．１９’は途中で共
に折曲することにより取付アングル１９．１９’の外鍋
４外底面からサーマルリードスイッチ１５までの長さｌ
（ｌ］、＋ ｌ ２ ＋ ｌ ３）を、外鍋４の外底
面とサーマルリードスイッチ１５間の距離Ｓより大きく
設定しである。

即ち、底蓋３等との関係により制限を受ける外鍋４外底
面とサーマルリードスイッチ１５間の距離Ｓを大きくす
ることなく取付アングル１９．１９’の長さｌを充分な
長さに設定して、取付アングル１９．１９’の放熱効果
を高めである。

この構成にあっては、炊飯ヒータ８の発熱による炊飯動
作時熱板９の温度上昇を外鍋４、熱伝導性の良好な取付
アングル１９．１９’を介してサーマルリードスイッチ
１５が感知し、該スイッチ１５は炊飯動作の途中で確実
に閉成する。

そして、炊飯が完了して炊飯スイッチ１１が開くと、直
ちに炊飯ヒータ８、炊きしめヒータ１２及びサーマルリ
ードスイッチ１５よりなる回路が形成され、炊飯ヒータ
８は発熱を停止（但し、低電圧による微少の発熱あり。

）すると共に炊きしめヒータ１２は側方より米飯の炊き
しめ加熱即ち高温でのむらし加熱を始める。

一方、サーマルリードスイッチ１５が位置する底部の温
度は急激に降下すると共に、サーマルリードスイッチ１
５の温度も、炊飯ヒータ８の熱影響を受けるものの取付
アングル１９．１９’の放熱効果が高い為、その熱影響
は小さく急激に降下することになり、サーマルリードス
イッチ１５は予め設定された温度（炊飯完了後むらしに
適した時間例えば１５分経過した時の温度）になった時
開成して炊きしめヒータ１２による炊きしめ加熱を停止
する。

第６図は炊きしめ加熱機能を具備する保温式炊飯器の他
側を示す電気回路図であり、炊きしめヒータ１２及びサ
ーマルリードスイッチ１５の直列回路を炊飯ヒータ８及
び炊飯スイッチ１１の直列回路に並列に接続したもので
ある。

このものにあっては、炊きしめヒータ１２が炊飯動作の
途中から発熱を始め、炊飯ヒータ８と共に全周から米飯
を加熱し、むらなく炊き上げることができる。

次に、本案の他の実施例を上げておく。

（１）炊きしめ用感熱素子として、サーモスタット等、
サーマルリードスイッチ以外のものを用いることができ
る。

（２）取付アングルとして一体のものを用いることがで
き、１対の取付アングル１９．１９’を組合せたものに
限定されるものではない。

（３）取付アングルの長さｌを距離Ｓより大きくする為
、取付アングルを湾曲させたり蛇行させたりしてもよく
、又取付アングルを傾斜させたりしてもよい。

（４）炊きしめ用感熱素子を断熱材で被覆すれば、外気
温の影響を小さくでき、感熱素子部分の温度変化をより
安定させることができる。

以上の如き構成の本案によれば、取付アングルの放熱効
果即ち冷却効果を高めて、炊飯完了後炊きしめ用感熱素
子に対する炊飯ヒータの熱影響を減少することができ、
炊飯完了後の炊きしめ用感熱素子の温度変化を大きくす
ることができる。

従って、炊きしめ用感熱素子の設定温度に少々のばらつ
きがあったところで、炊きしめ加熱時間のばらつきを極
力小さく抑えることができ、従来にも増して効果的な炊
きしめ即ち米飯のむらしを行なえ、頗る実用的なもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は一般の保温式炊飯器を示す概略断面構成図、第
２図は同電気回路図、第３図は従来の構造を示す構成説
明図、第４図は本案の要部構成説明図、第５図は同炊き
しめ用感熱素子と取付アングルを示す斜視図、第６図は
保温式炊飯器の他側を示す電気回路図である。 １：外装体、４：外鍋、５；内鍋、８：炊飯ヒータ、１
２：炊きしめヒータ、１５：サーマルリードスイッチ（
炊きしめ用感熱素子）、１９．１９’：取付アングル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外装体と、該外装体内に配設した外鍋と、該外鍋内に出
   入自在の内鍋と、外鍋の内底部に配設した炊飯ヒータと
   、外鍋の周側面に配設した炊きしめヒータと、該炊きし
   めヒータを制御して炊飯完了後の炊きしめ加熱を行なわ
   せる炊きしめ用感熱素子と、該感熱素子を外鍋の外底面
   に取付ける熱伝導性の良好な取付アングルとを有するも
   のにおいて、上記取付アングルの外鍋外底面から炊きし
   め用感熱素子までの長さを、外鍋外底面と炊きしめ用感
   熱素子間の距離より大きく設定したことを特徴とする炊
   飯器。