JPS5916453Y2 - 耐震用扉枠 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は面付錠に取付けられた扉が、地震などの振動
によって扉枠の方に移動されたときにも、扉の開放を支
障なく行うことができる耐震用扉枠に関する。

一般に、面付錠を取付けられた扉と扉枠との関係は、第
１図に示すように、面付錠と扉枠の端面との隙間ａ。

が、開放端側の扉の縦方向端面とこれに対向する扉枠の
端面との隙間Ｃよりわずかに大きくなるように取付けら
れており、小さい方の隙間Ｃは３〜４ｍｍと小さいため
、地震などの振動によって扉と扉枠とが相対的に少い移
動しても両者は容易に接触し、扉の開放を支障なく行う
ことができなくなる欠点があった。

この考案は、面付錠を取付けられた扉において、上記欠
点を解消することができる耐震用扉枠を提供することを
目的とする。

第２図以下に示す実施例について説明すれば、１は内側
に面付錠２を取付けられた扉で、３は扉１の開放端側に
位置する縦方向の扉枠（縦枠）である。

扉１の開放端側縦方向の端面１ａとこれに対向する扉枠
３の縦方向の端面３ａとの隙間ｌは、面付錠２と扉枠３
の別の上下方向の端面３ｂとの間の隙間ａより大きくな
るように形成する。

この場合、面付錠２と扉枠３の端面３ｂとの隙間ａは、
面付錠２から突出するラッチ４の長さｌ′の関係から従
来の場合の隙間ａ。

より殆んど拡げることはできないから、扉１の端面１ａ
と扉枠３の端面３ａとの隙間の増加分（ｌ−Ｃ）は、扉
枠３の折曲げ部３Ｃによって作り出される。

扉枠３の面付錠２に対向する部分にＡＢＣＤで示す開口
３Ａが設けられており、この開口３Ａより幾分広い範囲
にわたって、扉枠３の内部に遮へい用の仕切り部材５が
、扉枠３の端面３ａと室内側の端面３ｄとに溶接その他
の方法によって固着されている。

仕切り部材５は、第４図に示すようにコ形をしており、
その一側面に第３図に示すように遮へい板５ａが一体に
取付けられて、扉枠３がその空間部６に充てんされるモ
ルタルによって輻体に固着される際に、モルタルが仕切
り部材５の内部に入るのを防止する役目を果している。

扉枠３の開口３Ａより内側には、一端が扉枠３の上下方
向と直角に折曲げ片７ａ、７ａを形成された固定蓋金７
，７が設けられており、該固定蓋金７．７は仕切り部材
５の上下両端部で、仕切り部材５と扉枠３の端面３ｂと
に溶接その他の方法で取付けられた裏板８，８に、それ
ぞれ２個のネジ９，９によって一体に結合されている。

固定着金７，７の折曲げ片７ａ、７ａ間の開口台１分に
は、ラッチ４，４用の開口１０ａを設けられた同動蓋板
１０が、その折曲げフランジ部１０ｂ、１０ｂを折曲げ
片７ａ、７ａに当接するように挿通されており、可動蓋
板１０の内面には、ラッチ収納部１２が形成された受は
部材１１のフランジ１１ ａ、１１ ａが当接されてい
る。

１３．１３は受は部材１１の底板部分１１ ｂに設けら
れた取付孔である。

１４はステンレスなどの金属板を台形状に形成した可撓
性折曲げ板で、該折曲げ板１４は、突出平面部１４ａの
部分で受は部材１１の底板部分１１ ｂとネジ１５．１
５などにより薄板１６に取付けられており、傾斜部１４
ｂ 、１４ ｂの一端に形成されたフランジ部１４
Ｃ，１４Ｃは、扉枠３に固設された保持部材１７に対し
て上下方向に摺動可能なように当接されている。

この考案は上記のように構成されているので、地震など
の振動によって扉１が扉枠３の方に移動しても、扉１の
端面１ａと扉枠３の端面３ａとの間の隙間ｌが、面付錠
２の扉枠３の端面３ｂとの隙間ａより大きくなるように
形成しであるので、従来のように扉１の端面１ａが扉枠
３の端面３ａに直接接触しＣ損傷されるのを防止するこ
とができる。

扉１と扉枠３との最初の接触は、扉１が扉枠３の方向に
ほぼ隙間ａに相当する距離だけ移動したときに、面付錠
２が第４図に示す可動蓋板１０に接触する形で起り、引
続き扉１が扉枠３の方向へ移動するときには、面付錠２
は可動蓋板１０を受は部材１１とともに保持部材１７の
方向に移動させるが、この移動は台形状に形成された折
曲げ板１４のフランジ部１４ Ｃ，１４Ｃが、それぞれ
扉枠３に固設された保持部材１７に対する上下方向への
摺動により吸収させることができる。

したがって、折曲げ板１４による扉１の変位吸収長さが
、前記隙間ｌと隙間ａとの隙間差（１−ａ）にほぼ等し
くなるように設定しておけば、面付錠２と扉枠３との隙
間ａが、ラッチ４の長さｌ′や面付錠２の取付中心まで
の距離ｌ。

などの関係から余り大きくすることができない場合にも
、扉１と扉枠３との間に十分な耐震性能を付与すること
ができるため、地震などの振動によって扉１が扉枠３の
方向に移動した場合にも、扉１を支障なく開放すること
ができる。

なお、面付錠２が第４図に示すような円形の場合には、
可動蓋板１０の長さは、面付錠２の弦の長さｍより太く
なるように定めるだけでよいが、長方形の面付錠２を使
用する場合には、可動蓋板１０の大きさは、面付錠２の
高さ方向の寸法（第４図におけるｈの寸法に相当する）
と見込み方向の寸法（第２図におけるｔの寸法に相当す
る）より大きくなるように定めなければ、可動蓋板１０
を折曲げ板１４の弾性作用に抗して仕切り部材５内に移
動させることはできなくなる。

第５図はこの考案の他の実施例を示すもので、′可動蓋
板１０にパツキン挿着溝１８を形成した場合を示す。

このように可動蓋板１０にパツキン挿着溝１８を形成し
た場合には、該パツキン挿着溝１８内にパツキン１９を
取付けることにより、前記効果に加えて扉１の内面と可
動蓋板１０との間のエアタイトをも良くすることができ
る。

この考案は以上説明したように、面付錠を取付けられた
扉の面付錠と対向する扉枠の部分に、扉枠と分離した可
動蓋板を設けて、この可動蓋板を受は部材を介して台形
状に形成された折曲げ板によって保持すること・により
、きわめて簡単な構造で且つ安価に、扉枠に対して耐震
性を付与することができる効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の面付錠取付は扉と扉枠との関係を示す部
分的断面平面図、第２図はこの考案の一実施例の部分的
断面平面図、第３図は開放端側扉枠の部分的左側面図、
第４図は同断面正面図、第５図は他の実施例を示す断面
平面図である。 １・・・・・・扉、１ａ・・・・・・端面、２・・・・
・・面付錠、３・・・・・・扉枠、３Ａ・・・・・・開
口、３ａ、３ｂ、３ｄ・・・・・・扉枠の各端面、４・
・・・・・ラッチ、１０・・・・・・可動蓋板、１０ａ
・・・・・・開口折曲げ７ランジ、１１・・・・・・受
は部材、１１ ｂ・・・・・・底板部分、１２・・・・
・・ラッチ収納部、１４・・・・・・折曲げ板、ａ・・
・・・・面付錠と扉枠との隙間、ｈ・・・・・・面付錠
の高さ方向寸法、ｌ・・・・・・扉と扉枠との隙間、ｔ
・・・・・・面付錠の見込み方向寸法。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 扉枠の縦枠と扉の端面との隙間が、扉枠の縦枠と扉の内
   側に取付けられる面付錠との隙間より大きくなるように
   形成し、面付錠と対向する扉枠の開口部分に、ラッチ用
   開口を有し両端に抜止め用の折曲げフランジ部を形成さ
   れた長さが面付錠の高さ方向寸法より大きな箱形の可動
   蓋板を嵌め込み、該可動蓋板の内面をコ形のラッチ収納
   部を備えた箱形の受は部材と、この受は部材の底板部分
   に固着される台形状に形成された可撓性折曲げ板とによ
   って摺動可能に保持させたことを特徴とする耐震用扉枠
   。