JPS5915827B2 - シルクスクリ−ン印刷機の印刷シリンダ−として用いるのに適した中空円柱体 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 １５この発明はシルクスクリーン印刷機の印刷シリンダ
ーとして用いるに適した比較的軽量で、かつ堅固な中空
円柱体、及びその製造方法に関するものである。

この発明による中空円柱体は、特にシルクスク’０ リ
ーン印刷機（捺染機）の印刷シリンダー（ドラム）とし
て用いるのに適している。

前記シルクスクリーン印刷機のあるタイプ、すなわち往
復動可能になつているドラムと、内部にステンシルが取
り付けられている往復式フレームを実えていて、フ５
前記ステンシルのフレームが前記印刷ドラムの動きに追
随するようになつているタイプにおける印刷シリンダー
やドラムについては、特に厳格な基準があう。このよう
な特殊な分野では、前記印刷機の印刷速度を増大するこ
とが以前から求められ９０ているが、印刷速度を増大す
ることは運動エネルギーの増加を招き、これによつて前
記往復式ドラムの動作に関して、複雑な問題が引き起さ
れる。また、上述したタイプのシルクスクリーン印刷機
は前記ドラムの回転時の速度に関係なく、連続的９５か
つ往復的な印刷サイクルにおいて、前記ドラムが正確に
同一位置に復帰しないという問題点を有している。この
問題点は印刷機における可動部の運動エネルギーに応じ
て顕著になるから、その部分を軽くすることが必要であ
る。また、その部分は作動中に変形して位置変化を生ず
ることがないように十分な剛性をもつべきである。した
がつて、この分野では、以前から前記可動部としての印
刷ドラムの重量を軽減することが考えられ、これによつ
て前記の速動エネルギーを減じて、より大きな印刷速度
で運転できるようにすることが行なわれている。しかし
ながら、前記印刷ドラムの重量を軽減しようとすると、
その関連部品の剛性を維持する上でコスト高を招く。こ
の発明の主たる目的は前記印刷ドラムを軽量で、中空の
円柱体の形態に構成することにより、公知の印刷ドラム
に比しそのドラムの運動エネルギーを小さくできるよう
にすることである。

この発明の他の目的は前記ドラムに連結された真空発生
装置を介して、吸引効果（ＳｕｃｔｉＯｎｅｆｆｅｃｔ
）を前記ドラムに対し均等に作用させられる手段を提供
することである。すなわちこの発明は高速シルクスクリ
ーン印刷機の印刷ドラムとして好ましく用いられる軽量
で中空の円柱体を、好ましくは断面形状が扇形をなす（
ＦＯｒｍＯｆｆｒｕｓｔＯ−ＣｉｒｃｌｅｓｅｃｔＯｒ
）多数のユニツトを横続きに配置しておいて、それらの
ユニツトを前記ドラムの円柱面が形成されるように、互
いに接続することによつて製造することに関するもので
あつて、その特徴とするところは個々のユニツトを押し
出し加工によつて形成し、隣り合せにしたユニツトをに
かわ等で接着し、それらユニツトに形成された１以上の
チヤンバ一がこれを包囲している１以上のユニツト壁に
設けられた通孔を介して、真空発生手段に連絡されるよ
うにしたことである。図面はこの発明の実施例を示すも
ので、この実施例では前記の中空の円柱体は比較的高速
度で運転されるシルクスクリーン印刷機の印刷シリンダ
ーやドラムに適用されている。前述のタイプのシルクス
クリーン印刷機は往復動可能なドラムと、ステンシルが
取り付けられている往復動可能なフレームを備えている
。このフレームは印刷ドラムと連動するようになつてお
り、そのため前記ドラムには歯車を設け、前記フレーム
にはこれと噛み合うようにしたラツクが設けられている
。また、このような印刷機には印刷中に、前記ドラムの
外周に対して前記ステンシルを押し付けるためのスクイ
ージ一および、前記ドラムの復帰動作時にインクを供給
するためのインク供給手段がそれぞれ設けられている。
これらの部品は公知であり、かつこの発明の要部とは関
係がないため図示を省略する。すなわち、本発明による
中空円往体を備えたシルクスクリーン印刷機は、上に例
示した部品を備えた型のものであると理解すべきである
。勿論ここには説明されていないが、前記のような印刷
機には、前記ドラムを往復動させるための数種の駆動装
置が備えられている。第２図は複数の同形のユニツ口Ａ
，ｌｂ，・・・・・・１ｇ・・・・・・から成る中空の
円柱体を示すものである。

前記ユニツトは互いに連続した状態に配置されて、前記
中空の円柱体の円柱面１０を形成するように接続されて
いる。図面の実施例では、前記ユニツトは平坦な側面を
有し、しかも断面形状が扇形をなしていて、たとえばに
かわによつて隣り合うユニツトの側面に接着されている
。このようなユニツトは軽金属を用い押し出し加工によ
つて形成するのが好ましい。前記のユニツトを互いに接
着するために用いられるにかわ等の接着剤としては、ア
ラルダイト（Ａｒａｌｄｌｔｅ）の商品名でスイス・チ
バリミテツドより販売されているエポキシ樹脂接着剤が
好適である。第１図は第２図に示されたユニツトを拡大
して部分的に示している。

それらのユニツトは全て同形であるから、以下において
は符号１ａのものについて説明されている。このような
ユニツト１ａは前記中空の円柱体の完全な円柱面１０の
一部となる第１の壁部分１１を有している。第１の、す
なわち最上部の壁部分１１は側壁部分１３および１４と
連続していて、これらと第２の、すなわち内壁部分１５
とで、図示されたような第１のチヤンバ一１２が形成さ
れている。また、第２の壁部分１５は前述のように、側
壁部分１３，１４と接続していて、これらと第３の、す
なわち中間壁部分１７とで第２のチヤンバ一１６が形成
されている。さらに第３のチヤンバ一１８は前記ユニツ
トの最内側部において、第４の壁部分１９とこれに連続
する前述の側壁部分１３および１４によつて形成されて
いる。このような第３のチヤンバ一１８は前記中空の円
柱体ならびに前記ユニツトに比較的高い剛性を与えるよ
うに設けられている。この発明によるユニツトを横続き
にして形成された中空の円柱体がシルクスクリーン印刷
機の印刷ドラムとして使用された場合、それらのうちの
１以上のユニツトを取り除いて、印刷されるぺーパーシ
ートを把持するための把持手段となる間隙３０を形成す
ることができる。この間隙３０は図面では、２個の端部
壁３１，３２と、各別に設けられた底部壁３３、および
対向している側壁部分１３と１４とによつて区隔されて
いる。これらの側壁部分と底部壁３３は前述の接着剤に
よつてそれらの周辺のユニツトに対して強固に取り付け
られる。前記の端部壁３１，３２および底部壁３３は前
述と同様に、軽金属で形成される。この発明はまた、公
知の印刷ドラムにおけるよりも、より効果的な手法で、
前記印刷ドラムの全長に亘つて吸引効果を生じさせられ
る方法を開示するものである。公知技術例えば、米国特
許第３２４５３４１号の静電プリント技術によれば、印
刷ドラムにはその円柱面の下方に複数の部分的なチヤン
バーが形成されて、これらのチヤンバーは真空発生手段
の作用を連続的に受けるようになつている。印刷される
シートは、印刷中に前記円柱面と前記チヤンバーとの間
に設けられた小孔を介して作用する吸引効果により、前
記円柱面上に支持されている。また、前記真空発生手段
によつてもたらされる吸引効果は前記チヤンバーからチ
ヤンバーへ波及するようになつているが、その際には、
前記シートはある個所、すなわち前記真空発生手段が連
結されているところの、たとえば本発明の実施例につい
ていえば、端部壁３１に近い個所に位置する円柱面の一
部分に対して、より強く押し付けられるばかりでなく、
前記真空発生手段が連結されている前記端部壁から前記
チヤンバーに及ぶ吸引効果の伝達率が低くなつて、前記
チヤンバー上に位置している前記シートの一部分が完全
に印刷される以前に、．前記吸引効果が相対する端部壁
に対して伝えられなくなることが経験的に知られている
。このような欠点を解消するために、この発明において
は、真空発生手段が前記端部壁の１つに連結されていて
も、印刷ドラムの中心部に吸引効果が及ぶように、第２
のチヤンバ−１６を効果的に利用するため、図示のよう
に、印刷ドラムの中央位置における第２の壁部分１５に
多数の開口３４′を形成したものである。真空発生手段
はチヤンバー１６内に部分的な真空を発生するように設
けられていて、その作用は第２のチヤンバ−１６から前
記壁部分１５の中央部における多数の開口３４′を通し
て第１のチヤンバ−１２に伝えられるようになつている
。このようにすると、前記の吸引効果はチヤンバ−１２
の全域に亘つて、均等に伝達される。前記ペーパーシー
トに吸引効果が及ぼされるようにするには、前記ドラム
の円柱面に後述するようにして、吸引用小孔を設ければ
よい。一方、前記第２の壁部分１５に形成される開口３
４′は便宜的に、この発明の印刷シリンダーを製造する
ときに、第３図に示すように、壁部分１１および１５を
通してドリルで穿孔される。壁部分１１における対応し
た通孔３４は、開口３４′を形成する結果として生じた
ものであつて、開口３４／と同一径である。したがつて
、通孔３４はこのままではドラム面のシート吸引用小孔
としては大きすぎることに留意すべきである。ここにお
いて、第１図に示された実施例にあつては、壁部分１１
の通孔３４はこのような中空の円柱体が印刷ドラムに用
いられるときに遮蔽すベきであることが推察されよう。

これは便宜的には次のようにして行なわれる。たとえば
、軽金属製の中空の円柱体の外周面を機械加工によつて
滑らかにした後、これをただちに印刷シリンダーに使用
しないで、予め用意したステンレススチール等の帯状体
からなるケーシング５０により、壁部分１１の通孔３４
を遮蔽するようにする。このケーシング５０には前述し
た吸引用小孔５１を形成して、印刷が施こされるシート
上に吸引効果が及ぼされるようにして、前記シートをケ
ーシング５０からなる印刷シリンダーの円柱面に対して
引き出せるようにする必要がある。そのような小孔５１
は第５図において、明確に示されている。前記ケーシン
グ部材５０は図面では簡略的に示されているが、スクリ
ユ−５２によつて円柱面１０に取り付けられる。前記端
部壁３１にはそれぞれがチヤンバ−１６に連通している
多数の通孔３５が設けられている。

これらの通孔３５は対応するチヤンバ−１６が印刷ドラ
ムの回転に伴なつて、印刷位置付近に移動した時、その
チヤンバ−１６内に適当な負圧を生じさせるための真空
発生部（図示せず）に連絡されている。この真空発生部
には、ナイロンもしくはこれに類するものからなるスラ
イド（図示せず）が設けられ、端部壁３１に圧接してこ
れと摺動するようになつている。したがつて、前記チヤ
ンバ一１６が前記ろラードを越えるにつれて、それらの
チヤンバ一１６内に前記負圧が生じるようになつている
。前記印刷ドラムはシヤフト５３によつて支持されてお
り、このシヤフト５３はフランジ５４やスクリユ一装置
によつて端部壁３１に固着されている。端部壁３２には
前述と同様にして、他のシヤフトが固着されている。こ
のような構成によると、前記印刷ドラムは必要なときに
容易に印刷機から取り出される。前述した中空円柱体か
らなる印刷ドラムを製造するにあたり、この発明は多数
のユニツトを互いに横続きの状態に配置しておいて、そ
れらのユニツトを前記円柱面１０が形成されるように互
いに接続することはすでに述べたとおりであり、各ユニ
ツト１ａ，１ｂ・・・・・・は適宜の接着剤によつて順
次隣のユニツトに接着され、それらのユニツト１ａ，１
ｂ・・・・・・が全体として円柱体を形成すると、前記
端部壁が、その形成された円柱体の両端部に同様に接着
剤で接着される。

印刷ドラムを回転可能に支持している前記シヤフトはそ
の後で、端部壁３１，３２に対して固着される。前記円
柱面１０上に滑らかな面が形成されるように、機械加工
を施すことが必要な場合には、前記ドラムを旋盤にかけ
れば、前記端部壁を機械加工すると同時に、軽金属製の
円柱面を容易に仕上げることができる。通孔３４，３４
′は必要に応じ前記ドラムの中央部に形成される。前述
したステンレススチール等の帯状金属ケーシング部材は
前記円柱面に対して取り付けられて、その後に所望の吸
引用通孔５１が前記部材および円柱面を通して設けられ
る。前記ユニツトは押し出し加工によつて形成するよう
にすると、前記のような断面形状が容易に形成されるの
で、好ましい。いずれのようにしても、この発明は前記
のユニツトを互いに接着することを要旨としているので
中空の円柱体中に熱応力による歪み等の発生を免れるこ
とができる。説明を簡単にするために円柱体において、
壁部分１１の通孔３４ぽケーシング部材５０によつて遮
蔽されるが、壁部分１５の通孔３４／は遮蔽されず、こ
れらの孔を通つてチヤンバ一１６内の部分的真空がチヤ
ンバ一１２にも及ぶようにしたものである。この発明は
種々の実施例を包含するものであるから、図面の実施例
によつて制約を受けることはなく、たとえば前記ユニツ
トを接着剤を用いないで互いに接続したり、前記ステン
レス製のケーシング部材を前記ドラムに接着することに
よつて取り付けたり、それとは無関係に、スクリユ一に
よつて前記ドラムのエツジに取り付けたり、さらにはそ
のようなケーシング部材を用いないで、前記通孔３４を
プラグ等によつて遮蔽し、その上で第１の壁１１にシー
ト吸引用小孔５１を均等に形成したりすることができる
。

また、前述のアラルダイトに代えて、他のエポキシ樹脂
系接着剤を用いることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明による中空の円柱体の一部分を拡大し
て示す断面図、第２図は前記円柱体を全体的に示す断面
図、第３図は前記円柱体の両端部に壁部材が取り付けら
れた状態を示す側面図、第４図は第３図に示された前記
円柱体の斜視図、第５図は第４図に示された前記円柱体
の周囲にシートメタルが巻かれる状態を示す斜視図であ
る。 １ａ，１ｂ・・・・・・ユニツト、１２，１６，１８・
・・・・・チヤンバ一、１１，１３，１４，１５，１９
・・・・・・壁部分。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 中空の円柱体を形成するように、順次隣り合せに配
   列された複数の同一断面形状を有するユニットを備え、
   前記ユニットの断面形状は半径方向に延びる平板状の両
   側壁と、これら両側壁を連結する互いに半径方向に隔た
   つた内側及び外側弧状壁とによつて画成された扇形であ
   つて、前記内側及び外側弧状壁が完成品又は半完成品と
   しての中空円柱体の内周面及び外周面の部分をそれぞれ
   提供するようにし、前記内側弧状壁と外側弧状壁との間
   に少くとも一つの中間弧状壁を設けたことにより、各ユ
   ニット内において少くとも二つの、内側及び外側扇形断
   面チャンバーを画成し、前記外側弧状壁には多数の吸引
   用小孔を形成すると共に、その外側弧状壁に向かいあつ
   た一つの前記中間弧状壁には軸方向に配列された開口の
   列を形成し、さらに前記複数ユニットの配列からなる円
   柱体の両端にはそれぞれ端板を固定支持してその端部を
   覆うようにし、前記端板の一方には前記一つの中間弧状
   壁の内側における扇形断面チャンバーと連通した複数の
   環状配列された開口列を形成したことにより、この環状
   開口列が、前記一方の端板に関連して設けられた真空源
   と整合できるようにしたことを特徴とするシルクスクリ
   ーン印刷機の印刷シリンダーとして用いるに適した中空
   円柱体。