JPS5915265B2 - 直流機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は補極を備えた直流機に係り、特に脈流電源で運
転するに好適な直流電動機に関する。

第１図は従来の直流機の補極部の概略を示す。

継電１に設けた主極鉄心２と界磁巻線２ａとからなる主
極に対して、主極間の中性帯に補極鉄心３とその補極巻
線５とから成る補極を設ける。

なお、４は電機子である。

このような直流機を脈流電源で運転する場合、その結線
を第２図に例示する。

電源は交流電源Ｉの電流を整流器８で整流し、平滑リア
クトル９で平滑することで直流に変換している。

この脈流電源は電機子４と補極巻線５とが直列接続され
た端子に接続する。

さて、第２図において、電機子４と直列に接続された補
極巻線５には電機子電流によって整流磁束を発生するが
、整流磁束は電機子電流に対して時間的に遅れる。

さらに、電機子電流の脈動率に対して整流磁束の脈動率
が減少する。

この関係は第３図に例示するように、電機子電流１１に
対して整流磁束φ、が時間的に遅れかつ整流磁束φ１の
脈動率が小さくなるため、ブラシにより短絡される電機
子巻線に生じるリアクタンス電圧の大きさの変化を整流
磁束φ１ で充分に補償できなくなり、ブラシを流れる
短絡電流が増加し、火花を生じて整流が悪化する。

これを防止するために、従来は補極磁気回路を積層鉄板
で構成する方法または補極鉄心の側面に導電性の板を設
ける方法を採っている。

前者は整流磁束の時間的な遅れと脈動率の大きさの減少
の原因になる塊状鉄心の渦電流を継鉄、補極鉄心を積層
鉄板で構成することで抑制し、整流磁束の脈動成分を通
し易くする方法である。

この方法は有効であるが、継鉄の一部あるいは全てを積
層鉄板とするために、機械的強度が弱くなるし製作も難
しい欠点があった。

後者の導電性板を設ける方法は、補極鉄心の継鉄側を通
る整流磁束の約半分が補極部の側面から漏れるのを側面
に設ける板で抑制し、整流磁束の脈動成分が電機子との
空隙を通るようにするものである。

この方法も有効であるが、導電性の板に流れる渦電流に
よって損失が生じ、補極巻線の温度が上昇するし、導電
性の板の取付けが難しい欠点があった。

本発明の目的は、脈流率の高い脈流電源で運転するにお
いても上述したような欠点がなく良好な整流ができる直
流機を提供するにある。

本発明者等の研究によれば、直流機を脈流電源で運転す
る場合には補極による整流磁束の脈動成分が空隙側で不
足するために整流が悪化することが判った。

そこで、本発明においては、整流磁束の脈動成分の不足
を解消する手段として、補極の空隙側に補極巻線とは別
個に補助巻線を設け、この補助巻線に電機子電流と脈流
周期が同一で、かつ電機子電流の位相より進んだ位相の
電流を流すことにより、整流磁束の脈動成分の時間的遅
れを小さくシ、さらに脈動率を大きくするようにしたも
のである。

以■、本発明の実施例を詳細に説明する。

第４図が第１図と異なる部分は、補極鉄心３には電機子
４の電機子巻線と直列に接続される補極巻線５に加えて
、外部の脈流電源により励磁される補助巻線６が電機子
４との空隙側に設けられる点にある。

このように、補助巻線６は補極鉄心３の空隙側に設けら
れるため、補助巻線６に脈流電流を流すとき生じる補助
巻線磁束は補極鉄心３の空隙側を通り電機子４へ入射す
る。

その結果、ブラシにより短絡される電機子巻線は、補極
巻線５０つくる整流磁束と補助巻線６０つくる補助巻線
磁束とを合成した磁束によって整流補償されることにな
る。

斯かる直流機を単相全波整流電源で運転する場合の結線
を第５図に示す。

なお、第２図と同じものあるいは同じ機能を有するもの
は同１一符号で示す。

電機子４と補極巻線５とが直列接続された端子には脈流
電源が接続される。

補助巻線６には交流電源ＩＡの電流を整流器８Ａ１．Ｆ
−よって全波整流された脈流電源が可変抵抗器１０を介
して接続される。

ここで、可変抵抗器１０は補助巻線６に流す電流の大き
さおよび位相を調整するものである。

このように接続された直流機の整流機の整流磁束は、第
６図に示すように、補極巻線５を流れる電機子電流Ｉｉ
によって生じる整流磁束φ１ と、補助巻線６に流れる
補助巻線電流■２によって生じる補助巻線磁束φ２ と
を合成した合成整流磁束（φ１＋φ２ ）になる。

ここで、補助巻線電流Ｉ２に対して電機子電流■、は時
間的に遅れる。

これは、電機子電流の流れる回路のりアクタンスと抵抗
の比が補助巻線回路のりアクタンスと抵抗の比に比べて
大きいためである。

そのために、補助巻線磁束φ２は整流磁束φ１に比べて
電機子電流に対する遅れが小さくなり、合成した磁束（
φ１＋φｐは遅れが小さくかつ脈動率が大きくなり、電
機子電流の脈流によって生じる電機子巻線のりアクタン
ス電圧の変化を充分に整流補償できる。

換言すれば、補助巻線６を備えることで、従来の直流機
と同じ整流補償をするにおいても電機子電流の脈流率を
高く設定でき、電機子電流の脈流率を抑制する目的で設
けられる平滑リアクトル９の容量の従来のものに比べて
小さくできる。

第１図は、本発明の他の実施例を示すもので、第４図と
異なる部分は補助巻線６を補極巻線５の空隙側の側面に
設けた点にある。

この場合も第４図のものと同等の作用効果を持つ。

第８図は、本発明の他の実施例を示すもので、第５図と
異なる部分は電機子回路の脈流電源を補助巻線６の脈流
電源として共用した点にある。

この場合、補助巻線６のための特別の電源を必要としな
い利点がある。

以上詳細に説明したように、本発明による直流機は、電
機子電流の脈動変化に対して合成した整流磁束の脈動変
化の時間的変化と大きさを改善することができるので、
脈流率の高い脈流電源で運転するにおいても良好な整流
補償ができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の直流機の補極部を示す断面図、第２図は
従来の直流機を脈流運転する場合の一例を示す結線図、
第３図は従来の直流機における電機子電流と整流磁束を
示す波形図、第４図は本発明による直流機の補極部を示
す断面図、第５図は本発明の直流機を脈流運転する場合
を示す結線図、第６図は本発明の直流機における電機子
電流、整流磁束、補助巻線電流、補助巻線磁束、合成整
流磁束の波形図、第１図は本発明の他の実施例を示す補
極部の断面図、第８図は本発明の他の実施例を示す脈流
運転時の結線図である。 １・・・継鉄、２・・・主極鉄心、２ａ・・・界磁巻線
、３・・・補極鉄心、４・・・電機子、５・・・補極巻
線、６・・・補助巻線、７・・・交流電源、８・・・整
流器、９・・・平滑りアクドル、１０・・・抵抗器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 電機子と、補極と、主極とを備えた直流機において
   、ｎＪ記補極のその空隙側の部分に、補助巻線金膜け、
   かつこの補助巻線を、電機子電流と脈流周期が同一で、
   かつ電機子電流の位相より進んだ位相を有する脈流電源
   で励磁するようにしたことを特徴とする直流機。