JPS5914517B2

JPS5914517B2 - 液体洗浄剤組成物

Info

Publication number: JPS5914517B2
Application number: JP13121076A
Authority: JP
Inventors: 統奥村; 輝久皐月; 滋鈴木
Original assignee: Lion Corp
Current assignee: Lion Corp
Priority date: 1976-11-02
Filing date: 1976-11-02
Publication date: 1984-04-04
Also published as: JPS5356202A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は保存安定性に優れた液体洗浄剤組成物に関する
。

一般の中性液体洗浄剤組成物には、界面活性剤のハイド
ロドロープ乃至は可溶化剤として、通常１〜２０ｗｔ％
の範囲の尿素が配合されている。

然るに、この種の液体洗浄剤組成物は、長期に亘る保存
によつて、あるいは比較的高温下での保存によつて、ｐ
Ｈ上昇を来たすのが通例であつて、これは保存期間中に
液体洗浄剤組成物中の尿素が５徐々に分解し、アンモ
ニアを発生するためと考えられている。中性液体洗浄剤
組成物に於ける尿素の分解は、アンモニア臭の発生原因
となるばかりでなく、洗浄剤組成物の耐寒性を劣化させ
る原因ともなるため、好ましくない。１０水溶液中での
尿素の分解を抑え、そのｐＨ上昇を防止する方法として
は、特公昭４６−１１０１０号公報に見られる如く、塩
化アンモニウム、硫酸アンモニウムなどのアンモニウム
塩を添加する方法が公知である。

また、アルカノールアミンにつ１５いても、これが尿素
の分解抑制剤として機能することが知られている。しか
し、これらの分解抑制化は、後記の実施例からも明らか
な如く、その効果が不充分であつて、尿素の分解に起因
するｐＨ上昇を完全には抑えることができない。２０オ
ーストリア国特許第２３７６２５号明細書には、尿素の
分解抑制剤として、中性アミノ酸を用いることが教示さ
れている。

しかし、中性アミノ酸とてもこれ単独では尿素の分解を
充分に抑制することができない。ちなみに、尿素の分解
抑制剤ク５として中性アミノ酸を配合した通常の中性
液体洗浄剤組成物を調製し、そのｐＨの経時的変化を追
試したところでは、中性アミノ酸は保存期間の初期でこ
そｐＨの上昇を抑え得るが、それ以後はｐＨが顕著に上
昇することを認めた。３０さらに付け加えれば、オース
トリア国特許第２１４４６２号明細書には、固体尿素の
安定化に、尿素−ＨＣＨＯ複合体を使用することが提案
されているが、この複合体はアルデヒド臭を伴ううえ、
樹脂状物を形成しやすい点で、実際の液体洗浄剤３５に
は配合することができない。

而して本発明は、ハイドロドロープ乃至は可溶化剤とし
て尿素を含有しているにも拘らず、長期間に亘つて尿素
の分解を生起させることがなく、従つて調製時のＰＨ値
が長期間実質的に上昇することがない液体洗浄剤組成物
を提供するものである。

本発明者らが得た知見によれば、それぞれ単独で用いた
のでは、尿素の分解抑制にそれ程効果的ではない公知の
分解抑制剤も、特定な組み合わせで、具体的にはアンモ
ニウム化合物またはアルカノールアミンとアミノ酸とを
併用する形で使用すれば、液体洗浄剤中の尿素の分解を
、長期間に亘つてほぼ完全に防止することができる。

そしてこの場合のアミノ酸としては中性アミノ酸に限ら
ず塩基性アミノ酸も使用可能であることも確認した。本
発明に係る液体洗浄剤組成物は、上記の如き知見に基づ
いて開発されたものであつて、その組成上の特徴点は、
界面活性剤を５〜４０ｗｔ％、尿素を１〜２０ｗｔ％、
アンモニウム化合物またはアルカノールアミンを０．１
〜５ｗｔ％、中性アミノ酸または塩基性アミノ酸を０．
１〜５ｗｔ％含有する点にある。本発明の液体洗浄剤組
成物に於て、その界面活性剤成分としては、従来の液体
洗浄剤に通常配合されている界面活性剤が何れも使用可
能である。

アンモニウム化合物としては、塩化アンモニウム、硫酸
アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム
、ホウ酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、蓚酸アンモ
ニウム、酒石酸アンモニウムなどを使用することができ
、アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン
、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどを使
用することができる。また、中性アミノ酸としては、グ
リシン、バリン、インロイシンなどが使用可能であつて
、塩基性アミノ酸としては、ヒスチジンなどが使用可能
である。本発明が目差す目的を達成するためには、液体
洗浄剤組成物に対するアンモニウム化合物またはアルカ
ノールアミンの配合量を、合計で少なくとも０．１ｗｔ
％としなければならず、同様にして中性アミノ酸または
塩基性アミノ酸の配合量も合計で少なくとも０．１ｗｔ
％としなければならない。

しかし、何れの場合とも５ｗｔ％以上の配合は、液体洗
浄剤組成物の粘度を著しく増大させるうえ、低温安定性
をも劣化させる結果を紹くため、回避しなければならな
い。既述した通り、本発明で使用されるアンモニウム化
合物またはアルカノールアミンと、中性アミノ酸または
塩基性アミノ酸とが、それぞれ尿素の分解を抑制する作
用を持つことは公知であるが、アンモニウム化合物また
はアルカノールアミンと、中性アミノ酸または塩基性ア
ミノ酸とを併用した場合には、当業者の予想に反して、
個々の尿素分解抑制作用の和を、圧倒的に凌駕する相乗
的な尿素分解抑制作用を発揮する。

而して、本発明に係る液体洗浄剤組成物は、たとえ比較
的高温下に保存されても、長期間に亘つて尿素の分解に
起因するＰＨ上昇を、ほぼ完全に抑制することができる
。しかのみならず、本発明に於て尿素分解抑制剤として
機能する各成分は、何れも液体洗浄剤組成物の洗浄力、
透明性、低温安定性、色調などを損うことがなく、むし
ろ泡立ち性能を向上させるという副次的な効果を発揮す
る。従つて、本発明はアンモニア臭を伴わない商品価値
の高い液体洗浄剤組成物を与えるものである。進んで比
較例と実施例を示して本発明の構成と効果をさらに具体
的に説明する。

比較例下記の如き組成の液体洗浄剤組成物を調製し、これを５
０℃に保持してＰＨの経時変化を測定した。

結果を第１表に示す。第１表から明らかな通り、尿素の
分解抑制剤として塩化アンモニウム、トリエタノールア
ミン、グリシンをそれぞれ単独で使用した場合には、最
も効果があるものでも、１０日間程度ＰＨ上昇を抑制で
きるだけであつて、以後は急激にＰＨが上昇する。

〉！？実施例
１尿素の分解抑制剤として塩化アンモニウムとグリシン
を併用した以外は、比較例に準じた組成の液体洗浄剤組
成物を調製し、５０℃に於けるそのＰＨの経時的変化を
測定した。

結果を第２表に示す。第２表は、塩化アンモニウムとグ
リシンとが相乗効果を発揮して、液体洗浄剤組成物の経
時的なＰＨ上昇を、ほぼ完全に抑制していることを示す
。

実施例２下記の如き組成を有し、調製時のＰＨが７．
０である液体洗浄剤組成物を調製し、これを５０゜Ｃの
温度で２０日間保持した後、そのＰＨそ測定した。

結果を第３表に示す。実施例３第４表に示す組成を有し、調製時のＰＨが７．０である
液体洗浄剤組成物Ａ．Ｂをそれぞれ調製し、各洗浄剤組
成物の起泡力、洗浄力、低温安定性を評価した。

結果を第５表に示す。第５表から明らかな通り、本発明
の尿素分解抑制剤は、液体洗浄剤組成物のＰＨ上昇を抑
えることができるばかりでなく、液体洗浄剤組成物の洗
浄力、低温安定囲を損うこともなく、起泡力については
むしろこれを向上させる効果を発揮する。

実施例４下記の組成の液体洗浄剤組成物を、調製時の
ＰＨが７．０であるように調製してその粘度を測定し、
併せて低温安定性の良否を評価した。

結果を第６表に示す。なお、ＰＨ値及び低温安定性は、
第５表の脚（注−１）及び（−４）に準じて評価した。
第６表は本発明て併用される尿素分解抑制剤の一方の配
合量が０．１ｗｔ％以下であると、ＰＨ上昇を抑制する
ことができず、また一方の配合量が５ｗｔ％以上である
と、粘度増大が著しく、低温安定性も損われることを示
している。

実施例５実施例３で調製した液体洗浄剤組成物Ａ及びＢを、それ
ぞれ保存温度を変えて３０日間保存した後、各組成物の
ＰＨ値を測定した。

結果を第７表に示す。第７表から明らかな通り、本発明
の液体洗浄剤組成物は、その保存温度が比較的高温でも
、殆んどＰＨ上昇を来たさないが、保存温度が室温付近
であれば、尿素の分解をほぼ完全に防止して、調製時の
ＰＨを長時間維持することができる。

Claims

【特許請求の範囲】１界面活性剤を５〜４０ｗｔ％、尿素を１〜２０ｗｔ
％含有し、さらに０．１〜５ｗｔ％のアンモニウム化合
物またはアルカノールアミンと、０．１〜５ｗｔ％の中
性アミノ酸または塩基性アミノ酸を含有する液体洗浄剤
組成物。２液体洗浄剤組成物がアンモニウム化合物として塩化
アンモニウムを含有し、中性アミノ酸としてグリシンを
含有する特許請求の範囲第１項記載の液体洗浄剤組成物
。３液体洗浄剤組成物がアルカノールアミンとしてトリ
エタノールアミンを含有し、中性アミノ酸としてグリシ
ンを含有する特許請求の範囲第１項記載の液体洗浄剤組
成物。