JPS5911197B2 - ウエル内插型予熱ヒ−タ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はウェル内挿型予熱ヒータに関する。

本明細書でウェル内挿型予熱ヒータ（以下単にヒータと
記す）とは予め配管の外表面に添つて設置したウェルチ
ューブ内に挿入して前記配管を予熱するものをいう。こ
のヒータはウェル内に挿入して使用されるため種々の解
決されるべき点がある。

これは、０）配管経路は直線に限らず複雑な経路を通つ
て設置されるため、配管に添つて配設されるウエ５ ル
チユーブも複雑な経路をとり、またその総長も長いため
十分な可撓性を必要とする。（ｃ］）配管の予熱温度は
２００〜３００℃程度が普通であるが、内挿されたヒー
タの温度は４００℃を超えると想定されるため５００℃
以上の耐１０熱度を必要とする。

（）ウェルチューブ内への挿入は勿論であるが、ウェル
チューブに内挿した後、ウェルチューブから容易に引き
抜けることを必要とする。

中 配管長に沿つて温度勾配を有する場合、たと１５え
ば原子炉などのナトリューム用の配管の場合、原子炉容
器側の配管は原子炉からの熱伝導により昇温するが原子
炉容器室外は予熱ヒータによる加熱がない場合常温であ
り、１本のヒータで配管長さ方向に均一に予熱するため
に出力分布２０の調整が可能であることが必要である。

（力 ヒータのウェルチューブ内への挿入、またウェル
チューブからの引出時にはヒータに摩擦力、曲げ応力、
捩り力が加えられるための機械的強度も必要とするなど
の事項が必要となる。２５本発明は上記の要件を満足す
るヒータを提供することを目的とするものであつて、以
下、本発明を実施例により説明する。

第１図ａは本発明の一実施例のヒータの一部断面図であ
る。

３０第１図ａにおいて１は放物椎状のインコネルＸまた
は不銹鋼の先端プラグであつて、先端プラグ１に芯線２
の一端を溶着し、芯線２にマイクロヒータを２本並列に
スパイラルコイル状に形成した加熱体３を被装し、加熱
体３にインコネルＸのワ３５イヤを密着巻きでスパイラ
ルコイル状に形成した外被４を被装し、その一端をプラ
グ１と溶着して構成する。

クハ。

−なお、外被４としては、ワイヤによりスパイラルコイ
ル状により形成するのも成形が容易であるという点では
好都合であるが、機械的強度の点からは、第１図ｂに示
す如き、インコネルＸの細帯体の一部を重ね合せた状態
で密着巻きでスパイラルコイル状に形成する方が優れて
いる。

この場合、第１図ｂから明らかな如く、インコネルＸの
細帯体の幅方向に沿つた断面形状をそのほぼ２等分位置
で厚さ分だけクランク状に折曲した形状とするのが、相
互に隣接した部分間の重ね合せによる外被４の表面の平
滑さを得るのに有利である。

つぎに加熱体３について説明すれば、第２図に示す如く
一本のマイクロヒータの一端から巻回されて先端で折り
返されて次に逆回転に前記巻回マイクロヒータの間に巻
回されて逆方向に戻つて行くように形成されている。

第２図において斜線を施した部分を一端から折り返し部
分迄の巻回とすれば斜線を施してない部分は逆回転に巻
回されて逆方向に戻つて行く部分である。

このマイクロヒータの巻回方法は第３図に示す如くたと
えばチヤツク５にコイリング芯金７を固定しコイリング
芯金７に固定した突起体６に１本のマイクロヒータを折
り返して、その折り返し点を突起体６に掛合させて、２
本となつたマイクロヒータを並列にコイリング芯金７上
に巻回して形成し、一定ピツチに引伸せばよい。

また先端プラグ１は第４図に示す如く先端に球体を有す
るジヨイント９を切欠を有する中空の球体８内に回転自
在に装着して、ジヨイント９に外被４の一端を溶着して
構成してもよい。

上記の如く構成したヒータを配管の外表面に添つて配置
したウエルチユーブ内に挿入して加熱体３に通電すれば
前記配管を予熱することができる。

つぎに本発明の他の実施例につき説明する。第５図は本
発明の他の実施例のヒータの一部断面図である。第５図
に示した実施例においては第１図に示した一実施例のヒ
ータにおいて先端プラグ１と加熱体３との間に空間を設
け、熱接合点をプラグに溶着した第１の熱電対１０と、
熱接合点が前記空間の所定位置になるように第２の熱電
対１１を内挿する。

この様にしたことにより配管内のどの位置までヒータを
挿入するかの判定が容易となる。

これはヒータを挿入するに当つて挿入長が重要事項とな
り、前記の例により説明すればウエルチユーブは原子炉
容器に接合する配管に添わすとき、原子炉容器に至る迄
設けるため、最終端までヒータを挿入すると、配管の原
子炉容器に近い部分はヒータの加熱のみならず原子炉容
器からの熱伝導で温度上昇しているため、その部分は過
熱された状態となる。このような場合に熱電対１０およ
び１１にて温度測定を行うことができ、ヒータの先端位
置を的確に定めることができる。

また熱電対１０，１１の２本が挿入されているためこの
相互位置とそれぞれにて測定した温度により温度分布の
推定にも役立つことになる。

以上説明した如く本発明のヒータによれば初期の目的を
達成することができる。まずヒータに使用している材料
は不銹鋼、インコネルＸ１マイクロヒータ、熱電対であ
り、何れも５００℃以上の温度に充分耐えることができ
る。また外被、先端プラグの材質は不銹鋼、インコネル
Ｘに限らず目的とする温度に耐えるものであればよく、
本ヒータの構成は簡単であり、加工性かくる材料の制約
はない。また、外被および加熱体はスパイラルコイル状
に形成してあるため極めて可撓性に富んでおり、配管の
曲折に従つたウエルチユーブの曲折が多くても充分追従
することができる。

またウエルチユーブ内径とヒータ外被との間の間隙はそ
れ程大きい事を必要としないためウエルチユーブの外径
も小さくすることができる。また可撓性に富むためウエ
ルチユーブ内への挿入も容易である。また先端に先端プ
ラグを設けたことにより、ウエルチユーブ内への挿入が
極めて円滑に行える。発熱体はスパイラルコイル状に形
成されているため、そのコイルピツチを温度分布に従つ
て変化させることにより出力分布を任意に設定すること
ができる。

またヒータをウエルチユーブから引抜く場合、芯線を引
張れば容易に引き抜くことができ、この場合芯線を引張
ることにより先端プラグから引き抜き方向に押し出す力
が加えられるための外被のスパイラルコイルを引き伸し
てしまうような事はなく、引き抜きに際し正常な形状の
ままで引き抜くことができる。

また外被は密着したスパイラルコイル形状であるため機
械的にも強靭である。

【図面の簡単な説明】

第１図ａは本発明の一実施例のヒータの一部断面図、第
１図ｂは外被の他の実施例を示す一部断面図、第２図は
第１図のヒータの加熱体の拡大図、第３図は第１図のヒ
ータの加熱体の製造の説明図、第４図は第１図のヒータ
の先端プラグの他の例の説明図、第５図は本発明の他の
実施例のヒータの一部断面図である。 １および８：先端プラグ、２；芯線、３；加熱体、４；
外被、１０および１１；熱電対。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 先端曲面状をした先端プラグと、一端を先端プラグ
   に固着した芯線と、一本のマイクロヒータを折り返して
   ２本並列に巻回し、スパイラルコイル状に形成し芯線外
   周に被装した加熱体と、金属線または金属細帯体を密着
   して巻回しスパイラルコイル状に形成し加熱体外周に被
   装し、かつ一端部を先端プラグに固着した外被とからな
   ることを特徴とするウェル内挿型予熱ヒータ。 ２ 先端曲面状をした先端プラグと、一端を先端プラグ
   に固着した芯線と、一本のマイクロヒータを折り返して
   ２本並列に巻回しスパイラルコイル状に形成し芯線外周
   に被装した加熱体と、金属線または金属細帯体を密着し
   て巻回しスパイラルコイル状に形成し加熱体外周に被装
   し、かつ一端部を先端プラグに固着した外被と、先端プ
   ラグと加熱体先端との間の空間に熱接合点が位置するよ
   うに外被内に挿着した１本以上の熱電対とからなること
   を特徴とするウェル内挿型予熱ヒータ。