JPS5910968Y2 - 内視鏡 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は処置具を誘導する構造を改良した内視鏡に関す
る。

一般に、鉗子等の処置具を挿通するチャンネルを備えた
内視鏡は、そのチャンネルの先端側の出口から導出する
処置具を所望の向きに向けるため、その出口近傍には誘
導子が設けられている。

すなわち、内視鏡の挿入部におけるチャンネルの先端部
分に誘導子の収納室を形或し、この誘導子を内視鏡の手
元側の操作部から遠隔的に移動操作することにより、上
記収納室の出口から導出する処置具の向きを選定するよ
うになっている。

しかしながら、従来の内視鏡では、収納室の出口が軸方
向に沿って等しい横幅で細長く形戊されており、しかも
、その出口の横幅はチャンネルの内径とほぼ等しく形威
されている。

すなわち、チャンネルから収納室の出口までほぼ同じ横
幅で形或されている。

したがって、この横幅の大きさまでの処置具を使用でき
る利点がある一方で、次のような重大な欠点があった。

たとえば生検紹子のように先端構或部のみが軸部より大
きい処置具では、その先端構或部を収納室の出口から導
出したのちは、その細い軸部が収納室およびその出口部
分に位置するため、その間の隙間が大きく、がたつく状
態にある。

したがって、誘導子を操作し、体腔内の特定個所に向け
ようとしても、その処置具が横に大きくふらつき、正確
に狙いを定めることができない。

また、内視鏡のチャンネルの内径よりも相当に細い、た
とえば造影剤注入用のチューブなどを挿通して使用する
場合にも同様の欠点がある。

本考案は、上記事情に着目してなされたもので、その目
的とするところは、種々の処置具を使用するにあたって
、その処置具の誘導途中でふらつかせることなく狙った
向きに確実に誘導することができる内視鏡を提供するこ
とにある。

以下、本考案の一実施例を図面にもとづいて説明する。

第１図中１は内視鏡の本体であり、この本体１は手元側
の操作部２と挿入部３とからなり、さらに操作部２には
ケーブル４が連結されている。

上記挿入部３は可撓管部５の先端に彎曲管部６を介して
先端構或部７を連結してなり、上記彎曲管部６は操作部
２のアングル操作ノブ８によって遠隔的に彎曲操作でき
るようになっている。

また、操作部２から挿入部３にわたって本体１内には、
処置具、たとえば生検鉗子９を挿通するチャンネル１０
が形或されていて、操作部２の挿入口１１から挿入した
生検鉗子９を先端構戊部７に導くようになっている。

上記先端構戒部７にはチャンネル１０の先端側の開口部
１２に連通し、かつ軸方向に長い深い溝状の収納室１３
が形或され、この収納室１３には処置具を起上して案内
誘導する誘導子１４が設置されている。

すなわち、誘導子１４はチャンネル１０の開口部１２側
に近ずけて底部に設けた軸１５に枢着され、誘導子１４
の先端側部分１６を上下に回動できるようになっている
。

さらに、誘導子１４の先端側部分１６の側面には操作ワ
イヤ１７の先端を連結してなり、上記操作ワイヤ１７は
挿入部３内の案内孔１８を介して操作部２の操作ノブ，
１９に連結されていて、この操作ノブ１９によって操作
ワイヤ１７を押し引きし、誘導子１４を起伏操作するよ
うになっている。

また、誘導子１４の表面には処置具を案内する彎曲状の
案内溝２０が形威されている。

さらに、収納室１３の内部の横幅はチャンネル１０の内
径とほぼ等しい程度の大きさであり、チャンネル１０に
挿通できる大きさの処置具はすべて導入できるようにな
っている。

また、収納室１３の出口２１の先端側部分の範囲ｐはそ
の収納室１３の内部と同じ横幅ａの挿通部位２２を形或
している。

この挿通部位２２は誘導子１４を比較的倒伏させた状態
において、その誘導子１４に処置具を案内誘導させたと
き処置具が通る個所に設けられている。

一方、出口２１の後端側部分の範囲ｑすなわち、処置具
の起上側部分には左右両方ともに突出縁２３，２３を形
戊することにより挿通部位２２よりも狭い横幅ｂからな
る規制部位２４を構或している。

なお、規制部位２４の幅部分はチャンネル１０の中心線
の延長線と平行に設けられ、さらに誘導子１４の案内溝
２０とも一致するようになっている。

また、規制部位２４の幅はたとえば生検鉗子９の軸部９
ａや造影剤を注入するチューブ（図示しない）が密に嵌
まり得る程度に形成されている。

したがって、誘導子１４を起上したときは、その規制部
位２４にそのチューブや生検釦子９の軸部９ａが密に嵌
まり横ぶれすることなく案内されるようになる。

なお、誘導子１４を充分に起上できるようにその先端側
部分１６において、突出縁２３の内側に位置する部分は
起上したとき突出縁２３に当らないように切欠されてい
る。

そして、上記操作ワイヤ１７の先端をその切欠部２５に
取り付けるとよい。

なお、第１図および第３図で示すように先端構或部７に
おいて収納室１３の出口２１の側方部位には、観察窓２
６と照明窓２７が並設されている。

その機能は一般的な内視鏡の場合と同様である。

次に、上記構戊の内視鏡を使用して処置具、たとえば生
検釦子９を導入する場合について説明する。

まず、誘導子１４を先端側に倒した状態で挿入部３のチ
ャンネル１０に生検鈍子９を導入し、押し込む。

しかして、生検釦子９の先端釦子部９ｂはその誘導子１
４の案内溝２０に沿って案内誘導され、斜め上方に進行
することにより、収納室１３の出口２１における挿通部
位２２を通して導出させられる。

このとき、先端鉗子部９ｂはチャンネル１０の内径とほ
ぼ等しい大きさであるが、その挿通部位２２はその生検
鉗子９の通過に対し必要十分な長さと幅をもつように大
きく開口しているため、引っ掛ることなく、なめらかに
導出する。

このようにして収納室１３の出口２１から生検鉗子９を
突き出したのち、その生検卸子９を目的の部位に向ける
ため、誘導子１４を起上すると、第２図および第３図で
示すようにその生検釦子９の軸部９ａは挿通部位２２か
ら規制部位２４に移り、横方向の位置が規制される。

つまり、規制部位２４の横幅ｂは狭く、上記軸部９ｂが
密に嵌まり込む程度であるので、横ぶれを防止できる。

したがって、生検鉗子９を誘導途中でふらつかせること
なく、狙った向きに確実に誘導できる。

なお、上記挿通部位２２と規制部位２４の間は、なめら
かに傾斜する壁面２８によって連結されているので、生
検鉗子９を挿通部位２２から規制部位２４に移行すると
き、引っ掛ることなく、なめらかに行なわれる。

なお、上記実施例の誘導子１４は枢着してなるが、本考
案はこれに限らず、たとえば軸方向に摺動するよう設け
てもよい。

以上説明したように本考案は処置具を導出するための収
納室の出口には、チャンネルの径とほぼ等しいか、又は
上記チャンネルの径より大きい開口幅を有する挿通部位
と、この挿通部位と連続して設けられ、上記挿通部位の
開口より狭い開口幅を有する規制部位とを設けたことを
特徴とする。

したがって、処置具がチャンネルの内径より小さい限り
挿通可能であるとともに、たとえば生検釦子のように先
端構或部のみが軸部より大きい処置具でも、規制部位で
その軸部に案内するため、横にふらつくことなく、正確
かつ確実に対象に向けることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図はその内
視鏡全体の斜視図、第２図は起上状態における先端構或
部の側断面図、第３図は同じくその起上状態における先
端構戒部の平面図、第４図は先端構戊部の断面して示す
斜視図である。 ３・・・・・・挿入部、９・・・・・・生検鉗子、１３
・・・・・・収納室、１４・・・・・・誘導子、２１・
・・・・・出口、２２・・・・・・挿通部位、２４・・
・・・・規制部位。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 挿入部に、処置具を挿通するチャンネルを設け、このチ
   ャンネルの先端部に処置具を起上して案内誘導する誘導
   子の収納室を形或し、この収納室の出口から処置具を導
   出するようにした内視鏡において、上記収納室の出口に
   は、上記チャンネルの径とほぼ等しいか、又は上記チャ
   ンネルの径より大きい開口幅を有する挿通部位と、この
   挿通部位と連続して設けられ、上記挿通部位の開口より
   狭い開口幅を有する規制部位とを設けたことを特徴とす
   る内視鏡。