JPS58968Y2 - 車輛用アンテナのア−ス機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車輌用アンテナのアース機構の考案に係す、車
輌用アンテナにおいて該アンテナの車体に対する取付け
を簡易となすと共に的確なアースの連結関係を構成せし
め、しかも安定にして強固且つ体裁が良好であり、又取
付台の製作が容易で腐食原因などを解消し耐用性の高い
機構を得ようとするものである。

車輌用アンテナにおいてアースをとるためアンテナ素子
を車体に取付けるための絶縁物製取付台の中にアース板
を埋設し、該取付台を車体面に取付けるための螺子を利
用して前記アース板と車体との間でアースをとることが
従来から行われている。

しかしこの機構によるときは小さな螺子によってアース
連結を図るものであるから必ずしも安定した的確なアー
ス連結を得ることができず、殊に上記取付台に対して少
くとも１ｍ以上の如き長さで延出されたアンテナ素子群
がその長大な荷重作用下で車行走行時における振動を受
け、この振動が常にこの取付螺子部分に影響するので該
部分に１ける電気的性能が低下せしめられる傾向が大き
い。

なお上記のような取付台は一般に複数個の取付螺子で車
体に取付けられることとなるのでその取付操作も容易で
なく、又このような取付螺子としては雨露のような湿分
による腐食を受けることのない合成樹脂製又は合成樹脂
被覆の施された取付螺子を用いることが耐用性の高い取
付けを得る所以であるけれども上記したようなアース取
りのためには、斯様な取付螺子を採用できないこととな
り、腐食の可能性も高いこととならざるを得ない。

このため例えば実公昭５０−２４９３号公報における如
く取付台に突設された給電線導入と車体取付孔挿入のた
めの可撓性筒状挿入部に係止鍔を形成して車体取付孔の
孔縁に係止させるようなことも行われているが、この場
合には前記挿入部が可撓性であることから上記係止鍔に
よる係止定着が安定に得られないが、特別な盛上り部と
該係止鍔に形成して該盛上り部を止着に当って圧扁しな
がらビス止めしなければならないので取付は操作が困難
となる不利があり、しかも斯かる係止鍔をも有する合成
樹脂製取付台の製作時における型抜きが煩雑で製作上の
工数も嵩む欠点がある。

勿論取付螺子はアースをも兼ねているので腐食の可能性
が高いことは上記同然である。

本考案は上記したような従来のものの不利、欠点を解消
するように研究して考案されたものであって、その実施
態様を添付図面に示すものについて説明すると、アンテ
ナ素子群１１を伸縮自在に取付けると共に給電線の心線
を接続したアンテナ基筒１０の基端部を絶縁物製取付台
１に取付け、該取付台１の接合面２に給電線３を内装す
るようにされた絶縁筒４を突設し、該絶縁筒４を車体壁
５に形成された挿通孔６に挿入して取付けるようにした
ものに卦いて上記のような取付台１内に給電線３の被覆
導体層と連結されたアース板７を内装させることは従来
のものと同様であるが、本考案においてはこのようなア
ース板７の一端部に屈曲部８を形成して取付台１におけ
る接合面２より外部に突出するように立上らせ、しかも
このような突出部１４の先端を更に屈曲して車体に対す
る係止屈曲部９としたものであり、又上記のように取付
台１内に埋設されたアース板Ｔの他端部に相当した位置
に取付子１２を装着し、該取付子１２により車体壁５に
螺入し固定させるように成っているものである。

図面にかいて１３は取付子１２を挿入するための凹穴、
１５はアース板１に形成された切込みであって、上記し
たような突出部１４はアース板１の一端部中央にこの切
込み１５．１５を以って形成されたものであり、従って
該突出部１４の両側に夫々指状の突部１６が対設されて
いるものである。

上記したような本考案によるときは、前記のように係止
屈曲部９を形成した突出部１４が絶縁筒４と共に車体壁
５の挿通孔６に挿入されることは第１図に示される通り
であり、斯うして係止屈曲部９を車体壁５の内面に係止
させた状態で取付子１２を緊締することにより剛体金属
質の該係止屈曲部９が車体壁５に強固に圧接されること
となり、それによって的確な車体壁５との間のアース連
結関係を形成することができる。

しかもこのような取付は関係は単一の取付子１２による
緊締であっても上記のような係止屈曲部９が車体壁５の
内面に接合し且つその突出部１４が挿入孔６に係止した
関係となるので甚だ強固且つ安定したものとなり、即ち
アンテナ素子群１１を伸長させた長大な荷重条件下で車
輌が走行し振動作用が与えられてもその振動による影響
が殆んどこの取付部に与えられることのない強固な取付
は状態を簡易に形成することができる。

又取付子１２は単なる取付子であってアース連結目的を
有しないものであるから合成樹脂型その他の雨露耐着に
よって腐食することのないものを採用することができ、
それによって耐用性の高い取付けを得しめると共に取付
子１２が１個で足り且つ腐食のないものであることより
して体裁の良好な取付状態を形成することができる。

取付台１の製作に当っても絶縁筒４が単なる筒状でよい
から型抜きが容易で平易に製作し得るし、しかも絶縁筒
４は単純な給電線導入目的だけであるから特別な工作は
不要であると共に導入された給電線に対して好ましい保
護作用を得しめる。

以上のように本考案のものはアース板γ自体を利用して
車体壁に対する取付けを図るものであるから車体壁に対
する取付構造を簡易化し、しかもアース連結を完全にす
ると共に、アンテナ機構の車体壁５に対する取付けを簡
易化して、更には充分な安定性と強固さを確保せしめ、
又取付子１２として合成樹脂質の如きを採用せしめ得て
腐食原因等をも解消し体裁がよく、耐用性の高い装備を
なさしめ得るわけであるから工業的にその効果の大きい
考案である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施態様を示すものであって、第１図は
本考案によるものの車体壁取付状態を示した側面図、第
２図はそのアース板部分の平面図である。 然してこれらの図面に釦いて、１は絶縁物製の取付台、
２はその接合面、３は給電線、４は絶縁筒、５は車体壁
、６はその挿通孔、７はアース板、８はその屈曲部、９
はその係止屈曲部、１０はアンテナ基筒、１１はアンテ
ナ素子、１２は取付子、１４は突出部を示すものである
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. アンテナ素子群を伸縮自在に取付けたアンテナ基筒の基
   端部を絶縁物製の取付台に取付け、該取付台の接合面に
   アンテナ基筒に接続する心線とアース板に接続する外被
   導体とを有する給電線を内装するようにされた絶縁筒を
   突設し、該絶縁筒を車体壁に形成された挿通孔に挿入し
   て取付けるようにしたものにおいて、上記取付台に内装
   されたアース板の一端部に屈曲部を形成して取付台にふ
   ・ける絶縁筒の一側において前記接合面より突出した突
   出部となし、しかも該突出部の先端部を更に外側に屈曲
   して車体に対する係ＩＥ屈曲部を設け、前記アース板の
   他端部には別に車体に対する取付子を設けて戒る車輌用
   アンテナのアース機構。