JPS587787B2 - プレキヤストコンクリ−トバンノ セツゴウホウホウ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はコンクリートプレハブ建築における３枚又はそ
れ以上のプレキャストコンクリート板を接合する方法に
関するものであり、板体に埋込んだ接合用鉄筋に対して
板体建込後に溶接あるいは添え鉄筋等による接合作業を
加えることなく、板体によって形成される閉鎖形空間に
コンクリートを充てんすることによって接合が完了する
方法により、作業を容易とし、かつ機能上、および美観
上すぐれた接合が得られるものである。

従来、プレキャストコンクリート板を接合する場合は第
１図のように板体端面に突設された鉄筋２，２′を溶接
、添え鉄筋等の接合作業をおこなって接続した後、この
部分にコンクリートを充てんして一体とする方法が行な
われている。

しかしこの方法はその部位に作業空間を必要とすること
から接合部３が開放形となり、接合部側面に充てんコン
クリート部分が大きく露出し、接合部の作業性、耐水性
および壁面仕上など機能上、美観上の欠点が多いもので
あった。

また、３枚以上のプレキャストコンクリート板を接合す
る方法においても、従来技術によれば第８ ａ ，８ｂ
図に示す如く板体端面に突設された鉄筋３ ，３’およ
び４，４′を溶接または添え鉄筋等の接合作業をおこな
って接続した後、この部分にコンクリートを充てんして
一体とする寸法が行なわれている。

しかしこの方法はその部位に作業空間を必要とすること
から、接合部５が開放形となり接合部側面に充てんコン
クリート部分が大きく露出し、接合部の作業性、耐水性
および壁面仕上など、機能上、美観上の欠点が多いもの
であった。

更に，プレキャストコンクリート板の接合端に環状鉄筋
を予め設けて、これにより閉ループを形成して閉ループ
内の充てんコンクリートのクサビ作用により接合を行う
ものも公知であるが（例えば特開昭４ ９ −９ ８
０ １ ４ ）、プレキャストコンクリート板を組立時
鉛直に吊降す際に隣接するプレキャストコンクリート板
の環状筋とぶつからないように水平方向にずらす必要が
あり，下部のプレキャストコンクリート板との整列に問
題があった。

本発明の目的は上記従来技術の欠点を改善し、接合部の
作業性、耐水性および壁面仕上など機能上かつ美観上す
ぐれた接合方法を提供することである。

以下本発明の実施例を説明する前に、説明の都合上２枚
のプレキャストコンクリート板の場合について説明する
。

第２ａ，ｂ，ｃ図に示す如く、プレキャストコンクリー
ト板１１の接合端部には凹所２１が形成され該凹所の底
部２２から環状に延びる鉄筋１２が予めプレキャストコ
ンクリート板の接合端部に設けられている。

該鉄筋１２は接合端面２３よりも外方に延びている。

また、図から明らかな如く、鉄筋１２の環状面はプレキ
ャストコンクリート板の板面に平行である。

次に第３図に示す如く２枚のプレキャストコンクリート
板を突合せ鉄筋１ ２ ， １ ２’が重り合う関係に
なる様に配置する。

鉄筋１ ２ ， １ ２’のそれぞれのプレキャストコ
ンクリート板１１，１１’への取付位置は、鉄筋１ ２
， １ ２’が重り合う様な位置に取付られていなく
てはならない。

更にこれらの鉄筋１２．１２’が互いに接触せず図面上
の上下方向にプレキャストコンクリート板１１，１１’
を互いに移動可能になる様な位置に鉄筋１２，１２’を
設けても良く、それによってコンクリート板の吊り下し
か容易となる。

即ち、下方のプレキャストコンクリート板又は基礎等と
整列した状態で吊り下すことができる。

環状鉄筋１ ２ ， １ ２’は重合関係によって第６
図に示す如く環状の閉鎖ループを形成しこの閉鎖ループ
の内部２４に打込まれるコンクリートのくさび作用によ
ってプレキャストコンクリート板１１，１１”を強固に
接続させるものである。

次にそれぞれのグレキャストコンクリート板１１，１１
’の凹所で形成される空間１３に第３図に示す如くコン
クリートを充填する。

第４図及び５図はそれぞれ、一方のプレキャストコンク
リート板の環状鉄筋を二重に設けた列、および、両方の
プレキャストコンクリート板の環状鉄筋を二重に設けた
例を示す。

この様に接続部の厚さ及び必要な接続強度に応じて更に
数を増加させてもよい。

この方法によれば溶接その他の方法による鉄筋接合作業
を行なう必要がないためコンクリート充てん用の接合空
間１３は閉鎖形とすることが可能であり板体の両側面と
も間隙の小さな接合目地となり、コンクリート充てんの
ための型枠を必要とせず作業も容易でありかつ耐水性お
よび壁面美観上からも有利である。

またコンクリート板１１，１１’端部に突設する接合作
用環状鉄筋１２，１２’は図示の如く、コンクリート板
の板面と平行な面内にあり、しかも、水平面内において
相互にずれて配置されているからコンクリート板１１，
１１の吊り下し移動に支障がなく従って板体の建込み作
業が容易である。

更に、該接合用環状鉄筋はコンクリート板の建込配列後
鉛直面間において、相互に対向しかつ重合して閉鎖形を
形成するので、ここに充てんされるコンクリートのくさ
び作用により強固な接合部を形成し、鉄筋同志の接合作
業等を要しない。

以下本発明の実施例を説明する。

第９図は丁字形に接続する場合の実施例を示す。

水来方向の２枚のプレキャストコンクリート板の配置は
前記２枚のコンクリート接続の場合と同様であるので対
応関係にある部分を同一符号で示すことによって説明を
省略する。

ただし、接合端面２３，２３の一方（第９図で上方のも
の）は第三のプレキャストコンクリート板３１を接続す
るためにそれらの間隔が広くなるように設けられている
。

この上部の端面２３，２３’はＴ字型接続の場合ぱ凹所
底部２２と同一面としてもよい。

以下、本実施例の場合の接続方法について説明する。

前記実施例と同様にプレキャストコンクリート板１ １
， １ １’を位置決めした後、本実施例の場合は更
に補助ループ鉄筋１５を項状鉄筋１ ２ ，１２’で形
成される閉ループを横切る様に設定する。

図示の如く、鉄筋１ ２ ，１ ２’の項状面はコンク
リート板１１，１１’の端面に平行である。

更に前記実施例のプレキャストコンクリート板１１と同
様の構造の接続端部を有する第三のプレキャストコンク
リート板３１の環状鉄筋３２を前記ループ筋１５と重合
関係、かつ，それらの間に閉ループを形成する様に設定
する。

本実施例においては、環状鉄筋３２が一個、ループ筋が
２個の場合を示したが、必要強度及びプレキャストコン
クリート板３１の厚さ等の条件によってループ筋を単数
としても良く又それぞれ複数としても良い。

次に第一の実施例と同様に３枚のプレキャスト板の接続
端部間に形成される空間をコンクリートで充填しこれら
の間の接合を行わしめる。

第１０〜第１２図は本発明の更に別の実施例を示し、４
枚のプレキャストコンクリート板を十字型に接続する場
合の実施例である。

この場合は第二の実施例と同様の構成を図面下部にも採
用して十字型とするものである。

対応する部分圧は第９図と同一の符号を示した。

本実施例におけるプレキャストコンクリート板１１，１
１’の下部端面２３，２３間は前記第二実施例と同様第
４のプレキャストコンクリート板４１の接続のために大
きな空隙が存する様になされる。

ループ筋１５ぱ第３のプレキャストコンクリート板３１
と第４のプレキャストコンクリート板４１のために共通
とすることができる。

第４のプレキャストコンクリート板の接続端部の構造は
第３のプレキャストコンクリート板のものと同一でよい
。

接続方法については、前記実施例におけると同じく３枚
のプレキャストコンクリート板を設定した後、第４のプ
レキャストコンクリート板を第３のプレキャストコンク
リート板と同様に設定し、その後、コンクリートの充填
を行う。

Ｔ字型又は十字型の接続において、接続部の中央に竪補
強筋５０を設けて接続部の補強を行ってもよい。

尚図面中には示さなかったが、これは２枚のコンクリー
ト板の接続の場合も同様である。

以上の如く本発明によれば、溶接その他の方法による飲
筋接合作業をおこなう心要がないためコンクリート充て
ん用の接合空間３６は閉鎖形とすることが可能であり、
板体の両側面とも間隙の小さな接合目地となり、コンク
リート充てんのための型枠を．必要とせず作業も容易で
ありかつ耐水性および壁面美観上からも有利である。

ま次第１組のコンクリート板１１，１１′端部に突設す
る接合用環状鉄筋１２，１２’Ｈコンクリート板面と平
行であり、しかも、水平面内において相互にズレて配置
されているからコンクリート板１１，１１’は、隣り合
うコンクリート板が存在していても、下部の基礎等と整
列した状態での吊り下し移動に支障がなく従ってコンク
リート板の建込作業は容易である。

次に第２組のコンクリート板３１，４１の端部に突設す
る接合用環状鉄筋３２，４２ぱ第１組のコンクリート板
建込後重合した環状鉄筋１２． １２′を貫通して別個
だ設置した環状鉄筋１５． １５’（コンクリート板端
面と平行）と重合するもので、第２組の板体も同様に吊
り下し移動に支障がなく建込作業は容易である。

これらの接合用環状鉄筋は板体建込配列後鉛直面内にお
いて相互に対向しかつ重合して閉鎖形を形成するので、
ここに充てんされるコンクリートのクサビ作用により強
固な接合部を形成し、鉄筋同志の接合作業等を要しない
。

【図面の簡単な説明】

第１図は二枚のプレキャストコンクリート板ヲ接続する
従来技術を示す側面図；第２ａ，ｂ及びＣ図は２枚の場
合の接続方法による場合の接続端部の構造を示す、それ
ぞれ側面図、正面図、平面図である。 第３図け企枚の場合の接続の状態を示す側面図：第４図
は本発明による他の２枚接続の側面図：第５図は本発明
による更に他の２枚接続の側面図；第６図は第３図にお
けるＶＩ−Ｖｌ線の断面図；第７図は第６図における■
−■線の断面図；第８ａ図は３枚のプレキャストコンク
リート板をＴ字型に接続する場合の従来技術を示す側面
図；第８ｂ図は４枚のプレキャストコンクリート板を十
字型に接続する従来技術を示す側面図；第９図は３枚の
プレキャストコンクリート板をＴ字型の接続する場合の
本発明による接続方法を示す側面図；第１０図は４枚の
プレキャストコンクリート板を十字型に接続する場合の
本発明による接続方法を示す側面図；第１１図は第１０
図のＸＩ −ＸＩ線断面図；第１２図は第１１図の■−
■線の断面図である。 主要部分の符号の説明、１１，１１’，３１，４１……
プレキャストコンクリート板、２１，２１４……接続端
部の凹所、２２，２２’……凹所の底部、２３，２３’
……接続端部の端面、１２，１２，３２，４２……環状
鉄筋、１５……補助ループ鉄筋。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ プレキャストコンクリート板を接続する方法におい
   て二二枚のプレキャストコンクリート板の接続端部に前
   記端部の端面よりも外方に延びる鉄筋を、該プレキャス
   トコンクリート板の板面と略平行な平面上で環状に、か
   つ、プレキャストコンクリート板が接続されるときに互
   いにずれて重合する様に予め設け 該プレキャストコンクリート板を、それぞれの端面間に
   空隙を設けて配置して、前記鉄筋により該グレキャスト
   コンクリート板の板面と略平行な平面上で閉ループを形
   成させる様になし；前記閉ループに補助環状鉄筋を、そ
   の環状面が該プレキャストコンクリート板の前記端面と
   略平行となる様に、交叉させ； 第三のプレキャストコンクリート板の接続端部にその端
   部の端面よりも外方に延びる鉄筋を、該第三のプレキス
   トコンクリート板の板面と略平行な平面上で環状に予め
   設け、該第三のプレキャスト板を前記二枚のプレキャス
   ト板と略直角方向に配置して、前記補助環状鉄筋の一部
   と前記第三のプレキャストコンクリート板の環状鉄筋が
   互いにずれて重合し、閉鎖ループを形成する様になし；
   次いで、前記三枚のプレキャスト板の端部により形成さ
   れる空間にコンクリートを充填し、三枚のプレキャスト
   コンクリート板をＴ字形に接続することを特徴とするプ
   レキャストコンクリート板の接続方法。 ２ プレキャストコンクリート板を接続する方法におい
   て：二枚のプレキャストコンクリート板の接続端部に前
   記端部の端面よりも外方に延びる鉄筋を、該プレキャス
   トコンクリート板の板面と略平行な平面上で環状に、か
   つ、プレキャストコンクリート板が接続されるときに互
   いにずれて重合する様に予め設け 該プレキャストコンクリート板を、それぞれの端面間に
   空隙を設けて配置して、前記鉄筋により該グレキャスト
   コンクリート板の板面と略平行な平面上で閉ループを形
   成させる様になし；前記閉ループに補助環状鉄筋を、そ
   の環状面が該プレキャストコンクリート板の前記端面と
   略平行となる様に、交叉させ； 第三のプレキャストコンクリート板の接続端部にその端
   部の端面よりも外方に延びる鉄筋を、該第三のプレキャ
   ストコンクリート板の板面と略平行な平面上で環状に予
   め設け、該第三のプレキャスト板を前記二枚のプレキャ
   スト板と直角方向に配置して、前記補助環状鉄筋の一部
   と前記第三のプレキャストコンクリート板の環状鉄筋が
   互いにずれて重合し、閉鎖ループを形成する様になし；
   更に 第四のプレキャストコンクリート板の接続端部にそめ端
   部の端面よりも外方に延びる鉄筋を、該第三のプレキャ
   ストコンクリート板の板面と略平行な平面上で環状に予
   め設け、該第四のプレキャスト板を前記第三のプレキャ
   スト板と反対側に配置して前記補助環状鉄筋の他の一部
   と前記第四のプレキャストコンクリート板の環状鉄筋が
   互いにずれて重合し、閉鎖ループを形成する様になし；
   次いで、前記四枚のプレキャスト板の端部により形成さ
   れる空間にコンクリートを充填し四枚のプレキャストコ
   ンクリート板を十字型に接続することを特徴とするプレ
   キャストコンクリート板の接読方法。