JPS58751B2 - 鋳鉄の浸硫処理法 - Google Patents

鋳鉄の浸硫処理法

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JPS58751B2
JPS58751B2 JP53060789A JP6078978A JPS58751B2 JP S58751 B2 JPS58751 B2 JP S58751B2 JP 53060789 A JP53060789 A JP 53060789A JP 6078978 A JP6078978 A JP 6078978A JP S58751 B2 JPS58751 B2 JP S58751B2
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    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C22/00Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals
    • C23C22/70Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using melts
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は鋳鉄の浸硫処理法に係るものである。
従来、鋳鉄素材を浸硫し、その表面に硫化鉄を主体とす
る硫浸層を形成する浸硫法としてはシアン化ナトリウム
(NaCN )、フェロシアン化カリウム(に4 F
e (CN) 6)、亜硫酸ソーダ(Na25O3)
、チオ硫酸ソーダ(Na2S2O3)、硫酸アンモニ
ウム、(NH4)2SO4、硫酸ソーダ(Na 2SO
4)等を適宜組合わせて570℃付近に加熱して行う高
温浸硫、および150℃付近で行う低温浸硫がある。
しかし、いずれの浸硫法によっても形成されるのは、1
0ミクロン以下という薄い硫化物層、あるいは硫化物と
窒化物を共有する層にすぎず、そのため、耐摩耗、耐焼
付性は良好であるが溶融アルミニウムに対する耐食性が
充分でない。
又、定常的に所要の浸硫層を得ることも困難で作業安定
性に欠けている。
一方、沃素−アルコール溶液で前処理を行う浸硫法によ
れば数十ミクロンの厚い硫化物層を得ることができ、耐
溶融アルミニウム性はすぐれている。
しかし、沃素の使用は公害防止の観点から望ましくなく
、又、アルコールは引火性があるため、作業安全性の観
点から望ましくない。
本発明はかかる不都合を解消し、簡便で安価な方法で、
耐溶融アルミニウム性を付与することを目的とする浸没
処理法を提供するものである。
すなわち、本発明は、鋳鉄の表面を脱脂した後、硝酸水
溶液中を素材に浸漬する前処理工程と、該前処理工程を
経た素材を溶融状の硫黄中に保持せしめて該素材の表面
層を硫化して浸没層を形成せしめる硫化処理工程とから
なることを特徴とする鋳鉄の表面処理法である。
本発明の表面処理法では、取扱いが比較的容易な硝酸水
溶液を使用できること、および得られた浸硫層が極めて
厚く、しかも安定かつ耐食性にすぐれていることの効果
を有する。
本発明の表面処理法は、従来の浸硫処理法で用いられて
いる鋳鉄、鉄鋼、および合金鋼等の素材のなかで、特に
鋳鉄に対する効果が大きい。
すなわち、本発明の表面処理法を鋳鉄に施した場合は他
の鉄鋼や合金鋼に施した場合に比し、格段にすぐれた溶
融アルミニウムに対する耐食性を素材に与えることがで
きる。
しかし、鋳鉄が他の鉄鋼や合金鋼に比しすぐれているこ
との理由は定かでない。
発明者は、鋳鉄の特色でもある黒鉛の存在、および珪素
含有が多いことにその原因があると推察している。
一般に素材に表面処理法を施す場合、素材表面を清浄に
するため素材表面をブラシがけしたり、酸洗い、脱脂し
たりする。
しかし、本発明では特にサビのひどい物等を除いてはブ
ラシがけ、酸洗い等の処理を必要とせず、筒中な脱脂の
みで十分である。
この脱脂としては、トリクレン、リグロイン等の従来公
知の脱脂剤中に素材を浸漬し、素材表面の油脂を脱脂剤
に溶解除去することにより達成できる。
脱脂処理の終った素材は、次に前処理として硝酸水溶液
に浸漬保持される(以下、本処理工程を前処理工程と称
する)。
前処理工程は、次の工程で硫化されて浸硫層となる表面
層を素材表面に形成するものである。
本発明の前処理工程では、鉄の水和化物を主体とする表
面層が形成されると考えている。
発明者等の長年にわたる研究によると、浸硫層の耐食性
はこの前処理工程で得られる表向層の性状に密接に関連
することが明らかになっている。
すなわち、表面層の種類、厚さ、緻密さ、均一さ等が浸
硫後の溶融アルミニウムに対する耐食性に密接に関連す
る。
前処理工程の硝酸水溶液は1〜10%、さらに望ましく
は2〜7%の濃度のものを使用する。
なお、ここで1%の硝酸水溶液とは硝酸1容、と水99
容を意味する(以下%はかかる意味で使用する)。
硝酸水溶液が10%を超えると処理中における素材の溶
解が激しいため、最終的に形成される浸硫層の厚みは充
分であるが、緻密度や均一性が低く、組織中の欠陥も少
なくない。
他方1%未満の硝酸水溶液を使用した場合に形成される
浸硫層は、緻密性は確保できるが、浸硫層の厚さが充分
ではない。
したがって、耐食性は浸硫層の厚さのみならず、浸硫層
の緻密度、欠陥の多少により影響されるので、1〜10
%の濃度の硝酸水溶液を使用した場合を除いては耐食性
は良好とはいえない。
なかでも2〜7%の硝酸水溶液で前処理した場合は極め
て耐食性が良好である。
前処理工程において素材を硝酸水溶液に浸漬する時間は
、20分〜3時間の範囲内で選択される。
当然のことながら硝酸水溶液の濃度が高いほど浸漬時間
は短くてもよく、最適の浸漬時間は、硝酸水溶液の濃度
との関係で具体的に決められる。
しかし、浸漬時間が3時間を超えるともはやそれ以上浸
漬を続けても最終的に生ずる浸漬層の厚さの増加はわず
かで、かえって浸硫層の組織中の欠陥の発生、緻密度の
低下等をまねき、その結果耐食性の悪化を引起こす。
また20分未満の浸漬では、素材の表面層への硝酸水溶
液の作用が充分ではなく、そのため浸硫処理後に生ずる
浸硫層の形成が充分性われない。
なお、濃度の低い硝酸水溶液を使用する場合は、前処理
液に空気を吹き込むことにより、浸硫処理後に形成され
る浸硫層の厚さを増大させ、耐食性の向上を図ることが
できる。
これは空気中の酸素により素材表面の鉄の水和化物層の
形影が促進されるためと考えられる。
したがつて、空気に代えて純粋酸素の吹込みによっても
浸硫層の厚さの増大を図ることができる。
前処理工程の処理温度は常温でよく、特に加熱を必要と
しない。
ただし、常温以上の処理温度を採用することもできる。
このような高い処理温度では反応が促進されるので前処
理時間を短縮化しうる利点がある。
したがって本発明の前処理工程の処理温度は常温に限定
されるものではない。
前処理を終った素材は次に溶融硫黄中に浸漬保持される
(以下、本処理工程を硫化処理工程と称する)。
硫化処理工程は前処理で得られた鉄の水和化物を主体と
する表面層を、FeSあるいはFe S2を主体とする
硫化物層に変えることを目的とするものである。
すなわち、前処理の終つた素材を溶融硫黄中に浸漬する
ことにより鉄の水和化物を主体とする表面層に硫黄を侵
透させると同時に、硫黄と反応させ、硫化鉄を主体とす
る硫化物層に変化させる工程である、この工程の処理温
度は、110〜145℃が好ましい。
110°Cより低い処理温度では硫黄は溶融状にならず
、また処理温度が145℃以上では硫黄の粘性が大きく
なり、素材表面への硫黄の付着が妨げられるので好まし
くない。
さらに145℃以上の高温では硫黄が引火する危険もあ
る。
浸漬時間は1〜5時間の範囲で選択される。
1時間未満の浸漬では硫黄の素材への浸透は充分でなく
、又5時間以上浸漬してももはや浸硫層の厚さの増大、
あるいは浸硫層の質の向上を期待できない。
さらに、以上の前処理工程、硫化処理工程を経た素材に
ついて、一般に公知の技術である拡散処理を施すことは
実用上有益である。
拡散処理は、無酸化雰囲気又は減圧下で150°Cない
し300℃に素材を加熱して一般に行われており、素材
表面に付着している硫黄の除去と、前の工程で形成され
た硫化物の均一化、緻密化に役立つ。
本工程を無酸化雰囲気、又は酸素の少ない減圧中で行え
ば、硫黄と酸素の共存に起因して生ずる素材の腐食を防
止することができて好ましい。
素材に対する加熱は150℃〜300℃で行われる。
150℃より低い温度では硫黄の浸透および反応は遅く
、又素材表面に付着する硫黄の除去も十分でない。
しかし、300℃より高い温度では、形成された素材表
面の硫化物自体も酸化されるので望ましくない。
素材への加熱は2〜5時間の範囲内で行われる。
2時間に満たない加熱では、拡散は進行せず、また5時
間を越えて加熱しても、もうそれ以上拡散は進行しない
このような拡散処理工程は、常に必要とされるものでは
ないが、素材表面の浸硫層の均一化・緻密度を高める効
果を有するので、素材の溶融アルミニウムに対する耐食
性を高めるために非常に有効である。
例えば本発明者は、直径10mm、長さ40mmの鋳鉄
材(JIS FC−25)を、5%の硝酸水溶液に1
時間浸漬する前処理を施し、ついで、130℃の溶融硫
黄中に3時間浸漬して硫化処理を施した素材について、
一方は200℃の減圧下で3時間拡散処理を施し、他方
は上記の拡散処理を施さないものについて両者を溶融ア
ルミニウムに150時間浸漬して、両波処理材の耐食性
を試験してみた。
拡散処理を施さなかった素材は0.07g/cm2の腐
食減量を示したのに対し、拡散処理を施したものは0.
04g/cm2と腐食減量が少なく、素材に拡散処理を
施すことにより素材の耐食性を増大することができるこ
とを示した。
しかし、拡散処理を施していないものも、のちの第1表
に明らかなごとく、他の硫酸、塩酸等の酸による前処理
のものにくらべて、格段に耐食性が良好なことも明らか
になっている。
以上、本発明の構成を中心に説明した。
次に本発明の効果を中心に説明する。
表1は本発明の前処理工程に使用する硝酸水溶液の効果
をそれに類似する他の水溶液および無処理のものと比較
したものである。
すなわち、各種の溶液により前処理を行った場合および
無処理の場合の素材の耐食性を示している。
ここで浸硫層の耐食性を示す指標としては750℃の溶
融アルミニウム(JICAC7A)に素材を150時間
浸漬した場合の素材の単位表面積当りの腐食減量(g/
cm2)を採用した。
なお、この試験では試料として、直径10mm長さ40
mmの鋳鉄材(JIS FC−25)を脱脂して使用し
た。
さらに前処理工程は、5%硝酸水溶液、3%硫酸水溶液
、3%塩酸水溶液、5%酢酸水溶液の一種により常温で
1時間処理した。
硫化処理工程としては、前処理工程で処理した試料をそ
れぞれ130℃の溶融硫黄中に3時間浸漬して処理した
なお、無処理のものには硫化処理を加えていない。
浸硫処理後、さらに、各試料は200℃の減圧空気中で
3時間拡散処理を施した。
そして、その後裔試料について上述した耐食性試験を行
ったものである。
無処理の素材は、100時間に達しない前に試料が完全
に消失した。
これは単位当り腐食減量としては、1.6g/cm2以
上となる。
表1から明らかなごとく、硫酸、塩酸、あるいは酢酸を
使用して前処理を行なったものは、無処理のものと比較
すれば耐食性の向上がみられるが、硝酸を使用して前処
理を行った場合とくらべれば、格段に耐食性が悪く、実
用性が低い。
それに対し、硝酸水溶液による前処理の場合は、溶融ア
ルミニウムに対しての耐食性が非常に良好である。
表2は前処理液の硝酸水溶液の濃度と、当該硝酸水溶液
により処理された素材の溶融アルミニウムによる腐食量
との関係を示し、第1図は表2の結果を、横軸を硝酸水
溶液の濃度、縦軸を硝酸水溶液による被処理材の単位表
面積当りの腐食量(g/cm2)として示したものであ
る。
なお、表2は、前処理液の硝酸濃度を除いては表1の実
験の場合と同一の前処理、硫化処理、および拡散処理を
施した鋳鉄素材を試料とし、かつ表1の実験の場合と同
一条件の下で試料の対溶融アルミニウム耐食性を試験し
たものである。
無処理の鋳鉄試料は表1に明らかなごとく100時間で
腐食量は1.6g/cm2以上にのぼっている。
それに対し、本発明の1%〜10%の硝酸水溶液により
150時間処理した場合は、第1図に明らかなごとく0
、2g/cm22g/腐食量にとどまり、特に2%から
7%の硝酸水溶液による場合は、0.1g/cm2以下
と極めて耐食性にすぐれている。
なおここで、参考までに、3%の硝酸水溶液による前処
理工程を経た試料の表面の断面組織を第2図に、また、
更に硫化処理工程も経た試料の断面組織を第3図に、そ
して、拡散処理工程をも経た試料の表面の断面組織を第
4図に、同一倍率の顕微鏡写真により示す、第3図には
、第2図と異なり良好な浸硫層が形成されていることが
示されており、かかる浸硫層の存在により溶融アルミニ
ウムに対して強い耐食性を発揮するものと考えられる。
さらに、これら一連の実験から素材表面に形成される浸
硫層の厚さは硝酸水溶液の濃度が大きくなるにつれて増
大することが明らかになった。
たとえば、1%の硝酸水溶液で60分前処理した場合は
最終的に20〜30ミクロンの浸硫層が形成され、2%
の硝酸水溶液の場合は約60ミクロン、10%硝酸水溶
液では150ミクロ〉・に達する浸硫層が得られる、−
11〜かし、耐食性は必ずしも浸硫層の厚さに比例する
ものではないことが明らかになった。
すなわち硝酸水溶液の濃度が5%を超えると浸硫層の厚
さは増大するが処理材の腐食量が増大し、耐食性が悪化
する。
ちなみに、10%の硝酸水溶液により、そして、他は第
4図に示された素材の場合と全く同一の処理条件の下で
処理された素材の表面に最終的に形成された浸硫層の組
織の顕微鏡写真を第5図に示す。
第4図および第5図より浸硫層の厚さは、10%硝酸水
溶液で前処理されたもの(第5図)の力が厚い。
しかし、逆に組織中の欠陥(写真中黒色の部分)が多く
、良好な浸硫層の組織になっていない。
また、浸硫層の厚さは硝酸水溶液への素材の浸漬時間が
長くなるにつれても増大する。
たとえば7%硝酸水溶液により前処理した場合で浸漬時
間が20分の場合は、浸硫層の厚みは50〜90ミクロ
ン程度になるが、60分浸漬を行うと、150ミクロン
に達する厚さが得られている。
ところが素材の腐食量は浸硫層の厚さが太きいものでも
必ずしも腐食量は小さくない。
たとえば、150ミクロンの浸硫層を有する被処理材の
腐食量は、0.1〜0.2g/cm2であったが、50
〜90ミクロンの浸硫層のもので、0.05g/cm2
とわずか半分以下の腐食量を示したものもあった。
これらのことから鋳鉄素材の溶融アルミニウムに対する
耐食性は、主として浸硫層の厚さに影響されるが、その
他浸硫層の組織中の欠陥の多少、あるいは組織の緻密度
、密着性1層の厚さの均−性等の種々の条件に関連して
いることが明らかにナラた。
かく1〜で、溶融アルミニウムに対スる耐食性の良い浸
硫層を得るためには1〜10%硝酸水溶液に20分〜3
時間浸漬する前処理を行うことが望ましいのである。
1%硝酸水溶液で前処理した場合に形成される浸硫層の
厚さは20〜30ミクロンであるが、この硝酸水溶液に
空気又は純粋酸素を吹き込みながら処理したものでは約
70ミクロンの厚さの浸硫層が得られ、厚さの増大に相
応した耐食性の向上がみられた。
実施例 1 次に本発明を鋳鉄製のアルミダイキャストマシン用のラ
ドルに実施した例を説明する。
従来このラドルは鋳鉄鋳物で作られ市販の塗型剤を塗布
して使用されていたもので、このラドルの平均寿命はお
よそ2ケ月であった。
ラドルは従来と同じ鋳鉄鋳物(JIS規格FC−25鋳
鉄製、容量的101)を使用し簡単にスケールを削り落
したのちトリクレンで洗浄脱脂した。
次に5%硝酸水溶液に2時間浸漬し、ラドルの表面に表
面層を形成した。
その後130℃の溶融硫黄中に4時間浸漬し表面層を硫
化し硫化物層を形成した。
さらに、その後減圧下で170℃5時間の拡散処理を行
った。
このようにして得られたラドルの表面に従来と同じ塗型
剤を塗布しアルミダイキャストに使用した。
なおアルミはJIS 規格ADC10(AI −9%S
i −3%Cu系)である。
本発明の方法で処理されたラドルは約6ケ月使用するこ
とができ、従来の3倍の寿命をもつことが明らかとなっ
た。
実施例 2 実施例1のアルミダイキャストマシン用のラドルに、実
施例1と同様の条件で前処理、および硫化処理を行った
そして、そのラドルに拡散処理を行なわない状態で表面
に従来と同じ塗型剤を塗布しアルミダイキャストに使用
した。
その結果、このラドルは約4ケ月使用することができ、
従来の2倍の寿命をもつことが明らかになった。
以上詳細に説明したように本発明は、鋳鉄の表面を脱脂
した後に、前処理工程として硝酸水溶液中に浸漬し、し
かる後に素材を溶融硫黄中に保持せしめる硫化処理工程
を行うことにより素材表面に硫化物層を形成させて効果
的に浸硫せしめるものである。
これらの処理工程の操作はきわめて簡易であり、かつ経
済的に厚い浸硫層を形成することができる。
かかる浸硫法により形成された素材表面の浸硫層ば、溶
融アルミニウムに対して、極めてすぐれた耐食性を発揮
する。
さらにかかる硫化処理工程を経た素材を無酸化雰囲気中
は減圧下で加熱する拡散処理を施すことにより、素材表
面に形成された浸硫層の安定化、緻密化を図り、併せて
、素材表面に付着している硫黄を除去して、さらに耐食
性を高めることができる。
かかる効果を有する本発明は、例えばダイカストマシン
の自動給湯装置用のラドル、アルミニウム溶解炉の熱電
対保護管、あるいは低圧鋳造用のストーク等の各表面処
理にきわめて好適のものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、前処理液の硝酸水溶液の濃度と、当該硝酸水
溶液により処理された素材の溶融アルミニウムによる腐
食量との関係を示す。 第2図ないし第5図は、素材表面の断面組織を200倍
に拡大した顕微鏡写真である。 第2図は、3%硝酸水溶液により前処理された素材の断
面組織を、第3図は、第2図の素材に更に硫化処理を施
した後の素材の断面組織を、第4図は、第3図の素材に
更に拡散処理を施した後の素材の断面組織を、そして、
第5図は、10%硝酸水溶液により前処理を行った場合
に最終的に形成された素材の断面組織を示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 鋳鉄の素材を、1%ないし10%の濃度の硝酸水溶
    液中に20分ないし3時間浸漬する前処理工程と、該前
    処理工程を経た素材を溶融状の硫黄中に保持せしめて該
    素材の表面層を硫化して浸硫層を形成せしめる硫化処理
    工程とからなることを特徴とする鋳鉄の浸硫処理法。 2 前処理工程において硝酸水溶液中に空気を吹き込む
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の鋳鉄の浸
    硫処理法。 3 前処理工程および硫化処理工程を経た素材を無酸化
    雰囲気中又は減圧下で、150℃ないし300℃に加熱
    する拡散処理を施すことを特徴とする特許請求の範囲第
    1項記載の鋳鉄の浸硫処理法。
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