JPS587491B2 - カイリヨウサレタシヤリヨウヨウシ−ト - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 車両は、幹線道路を外れたところでは、一般に表面の状
態が悪い道路を走行させなければならない。

このように管理状態の悪い道路では、車両の操縦を適正
に維持していくことはきわめてむずかしい。

さらにこのように上下動する個所を連続して走行させる
と、車両には機械的な疲労が急激に進み、ついにはオペ
レータが重傷を負うような事態も生ずる。

車両の操縦性やオペレータの安楽性、安全性を改良した
シートとしては，従来から種々の構成のものが提案され
ている。

たとえば米国特許第３３２５１３６号明細書には平行四
辺形のリンク仕掛を使ってシートの水平方向のバックス
ラップを限定することが開示されており、また同第３３
５６４１３号明細書には、シートのクッションをオペレ
ータのひざ関節に近接した個所の周りに回動できるよう
にした関節リンク仕掛とローラの構成が示されている。

これらの構成によればオペレータの車両の操縦性が改良
されることは確かであるが、これらの構成は相当複雑で
あるとともにオペレータの安楽性と安全性の点について
はまだまだ不十分である。

この発明はオペレータが、悪い道路を走行する間車両の
操縦を適正に維持することができる程度に安定性のある
、簡単なリンク仕掛と懸架系とを備えた改良された車両
シートを提供することを目的としたもので、このために
シートは、平行四辺形のリンク仕掛と、シートが所定の
パターンを描いて動くようにする揺動リンク仕掛を備え
た制動（減衰）手段とによって支持する。

この発明はまた、衝撃荷重が高い間オペレータの不快感
と傷つく危険性を最小限度に抑えるのに有効な、車両用
シートの懸架系を提供することを目的としている。

さらにこの発明の目的は、シートを上方に動かす間オペ
レータの動きに密接して追従させて、オペレータがシー
トから離れないようにすることのできる、車両用シート
の懸架系を提供することにある。

以下図面を参照してこの発明のシートについて具体的に
説明する。

まず第１図、第２図を参照すると、この発明の原理を具
体化した車両用シ一ト１０は幹線道路以外の道路を走行
する車両の固定フレーム１２に取り付けることができる
ようになっている。

総括して１４で示してシートのベース（組立体）は、そ
の前端縁を前部パネル１８に連結した一対の上方にのび
るブラケット１６、一対の外方にのびるアーム２０、一
対の下方にのびるブラケット２２を備えている。

これらの要素は水平板２４に取り付けられており、水平
板２４は一対の調節可能なトラック組立体２６にスライ
ド可能に取り付けて、シートをフレームに対して縦方向
に調節できるようにしてある。

総括的に２８で示した平行四辺形のリンク仕掛の上部は
二つの上部リンク３０からなっており、各リンクはその
前端をピン３２を介してブラケット１６に枢着され、シ
ートの各側部に沿って後方にのびている。

一方リンク仕掛の下部を形成する二つの下部リンク３４
はそれぞれ前端がピン３６を介して対応するブラケット
１６に枢着されて、実質上上部リンク３０と平行に後方
にのびている。

アーム２０にはそれぞれビン４０を介して二つの細長い
揺動リンク仕掛３８が枢着してありこのリンク仕掛は平
行四辺形のリンク仕掛２８と交叉する状態で、車両用シ
一ト１０の各側部に沿って上方にしかも前方にのびてい
る。

総括的に４２で示した背部支持組立体は，側部が前方に
のびる屈曲フレーム４４と、フレーム４４に連結した背
部クッション４６と、フレームに取り付けたブラケット
４８とを備えている。

このブラケットは、さらにピン５２を介して上部リンク
３０の後端に、またピン５４を介して下部リンク３４の
後端に取り付けた一対のフランジ５０を具備している。

ピン５２と５４とは前方のピン３２，３６と実質上同じ
距離だけ離れている。

上部と下部のリンク３０と３４は長さが実質上等しいの
で、この車両用シート組立体を垂直方向に移動または揺
動する間中背部支持組立体４２を固定フレーム１２に対
して一定の傾斜角αで維持しやすいような平行四辺形の
構造が形成される。

この所望の背部のクッション作用が得られるという特徴
は、第３図と第４図−それぞれシート組立体１０が最低
の位置と最高の位置にある状態を示した図−に最もよく
図解してある。

第１図と第２図に５６で示した座部クッション絹立体は
実質上水平なパネル５８を備えている。

このパネルは、下方に突出する周縁の屈曲リム以外は、
平坦である。

パネル５８の上側にはクツシヨン６０が取り付けられま
たパネルの下側には二つのアーム６２が連結してある。

各アーム６２は各揺動リンク３８の上端にピン６４を介
して枢着されているため、座部クッション組立体５６は
，クッション６０を不純な天候のときに保護するために
用いない場合には、前方に傾斜させておくことができる
。

総括して６６で示したサドルブラケッ は、座部のクッション組立体５６の下部に横方向に設置
した、実質上平坦なパネル６８を備えている。

サドルブラケットの各側部には、上方にのびるアーム７
０が，ピン７１を介して、背部クッションフレームの前
方にのびる部分に枢着されている。

パネル６８に取り付けた一対のチャンネル部材７２によ
り、座部クッション組立体に対する後方の支持面が形成
されている。

パネル６８には、その中央部の開口の各側部に、一対の
上方にのびるブラケット７４が取り付けてある。

またパネル６８には前方にのびるアーム７６が取り付け
てあり、このアームはその各前端が、前記のアーム６２
とともに、ピン６４を介して揺動リンク３８の上端に枢
着されている。

第３図と第４図に最もよく示してあるように、揺動リン
ク３８の特有の構成により、座部のクッション組立体は
平行四辺形のリンク仕掛２８に対して独立して支持する
ことができるとともに、座部クッション組立体を、オペ
レータのひざ関節の位置に近い座部クッションの前端縁
の上部と前部に，ピン７８の周りに回転できるように枢
着することができる。

シート支持・制動用リンク８０は、座部クッション組立
体のブラケット７４に枢着したシリンダ端部８２と、ベ
ースのブラケット２２に枢着したロンド端部８４とを備
えており、このリンクにより車両用シートは支持される
と同時にその動きが制動されるようになっている。

このリンク８０を取付けた構成により、シートをフレー
ム１２に対して移動して、シートのリンク仕掛と支持要
素の物理的な関係を変えなくても、各オペレータのため
に必要な縦方向の調節を行なうことができる。

シ一トの支持と制動用のリンク８０の液圧回路の概要は
第５図に図解してある。

たとえば車両の液圧まだは伝動系からの加圧流体源を形
成する導管８８とシートの液圧回路の導管９０との間に
は、手動の三方弁８６が接続してある。

導管９０によって、シート支持・制動用リング８０の作
動室９２と、弁８６と、三個の逆止め弁９４，９６，９
８の間の流体搬送路が形成してある。

三個の逆止め弁は、導管９０と、流体室１０２とガス室
１０４を備えたアキュムレータ１００との間に、それぞ
れ導管１０６，１０８，１１０を介して並列して連結さ
れている。

導管１０６には逆止め弁９４と直列に接続した固定オリ
フイス１１２が含まれている。

導管１０８には逆止め弁９６と直列に調整オリフイス１
１４が接続してある。

またいま一つの導管１１６には、三方弁８６が貯槽１１
８と連通させて設置してある。

手動の三方弁８６と調整オリフイス１１４は、オペレー
タが調整するが、これらはこの操作に便利なように、シ
ートベースの前部パネル１８に取り付けることができる
。

（第１図，第２図）この発明のシートの動作（操作）は
，上記の説明から容易に理解できると思うが、念のため
その概要を説明すると、シートの高さは三方弁８８によ
って手で調節することができる。

第５図に示したように、この弁を“Ｒ”すなわち上昇位
置に動かすと、供給導管８８が導管９０に連通して、こ
の回路中に流体が入るため、シートが上昇する。

弁を“Ｌ”すなわち下降位置に動かすと、導管９０が貯
槽１１８に通じる導管１１６につながり、これにより流
体が回路から排出されるため、シートが下降する。

普通の操作状態のときには、弁８６は“Ｃ”すなわち閉
鎖位置においておく。

このときには、導管９０は弁８６のところで遮断される
ため、回路中の流体の量は一定である。

この発明のシートを取り付けた車両をでこぼこ道で運転
すると、オペレータは、車両の上下動のため、上下方向
の振動を受ける。

これによりシートには車両か上方に動く間に、付加的な
荷重がかかる。

また車両が下方に動くことにより、シートの負荷が減少
しやすくなる。

以下にこれらの各動作態様について、液圧支持−制動用
回路の作用を説明する。

まず第１の動作態様では、シートは付加的な荷重に応じ
て下がり、これにより、シートの可動要素と車両に固定
したベースとの間に設けたシート支持・制動リンク８０
が収縮する。

これに応じて流体で加圧されるリンク８０の内部の作動
室９２が収縮し、この結果流体が室９２から導管９０と
、定格（公称）の圧力で開くように付勢した逆止め弁９
６を介して押し出される。

この流体は導管１０８と調整オリフイス１１４を介して
，導管１１０とアキュムレータ１００に流れる。

このアキュムレータには、可動部材すなわちピストンに
よって流体室１０２と分離しだ室１０４に、圧縮可能な
流体またはガスが入れてある。

したがってアキュムレータ１００に入る流体により室１
０２の容積が増大するため、室１０４のガスの容積が減
少し、ガスの圧力が上昇する。

一方第２の動作態様においてシートの負荷が減少すると
、この負荷の減少が追加の回路要素に伝導される。

シートの負荷が減少した場合には、室１０４内の上昇し
たガスの圧力により、流体が固定オリフイス１１２と公
称圧力で開くように付勢した逆止め弁９４を介して作動
室９２にもどるため，シ一トはそのもどの位置に復帰す
る。

流体の種類と操作の状態がきまれが、制動回路の流速は
オリフイスの開度と、導管９０と１１０との間の圧力差
の函数で与えられる。

このため、シートの前部パネル１８には、第１図と第２
図に示しだように、手動調整のオリフイス１１４が取り
付けてあり、オペレータは、第１の操作態様に必要な制
動量を選択して調整することができる。

オリフイス１１２はここでは固定のオリフイスとして示
しだが、もどりの流量を手動で調整したい場合には、可
変オリフイスにすることができる。

この発明では、固定のオリフイスにより、もどりの流量
を受容されるように調節して、シートの動きをオペレー
タの動きにほぼ一致させることにより，オペレータがシ
ートから離れないようにすることができることを確認し
ている。

道路の表面の状態が悪い場合には、このシートの液圧系
の普通の動作態様では、十分高い衝撃力を分離すること
ができない。

この発明によれば、このような問題は、作動室９２とア
キュムレータ１００との間に追加の流路を設けて、第１
の動作形態を拡張することによって克服できる。

動作圧力が標準値をこえた場合には、付加的ガ流体は平
行する流路に沿って導管９０を介して導管１１０に、そ
れからアキュムレータ１００に流れることができる。

このような特徴により、高い衝撃荷重が作用する間の制
動力が減少し、このためオペレータはより安全で、かつ
安楽になり、車両の操縦を適正に維持することができる
。

以上から明らかなように、この発明は、オペレータは操
作の条件が悪い場合にも車両の操縦を適正に行なうこと
のできる、改良された車両用シートを得ているものであ
る。

またこの発明は、通常の要求にマツチする調節可能な制
動部材と、高い衝撃荷重が生じた場合に、シートの懸架
部に低い制動力を供給する衝撃安全弁とを備えだ、弾性
の懸架系を提供しているものである。

さらにまたこの発明は、上動する間はオペレータの動き
にほぼ追従することによって、オペレータがシートから
離れないようにするとともに、オペレータが高い衝撃荷
重が作用している間にけがをしないようにするシートを
提供したものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の原理を具体化したシートの普通の運
転状態における側面図、第２図はこの発明のシートの正
面図、第３図はシートの最も下がった状態における側面
図、第４図はシートの最も上がった状態における側面図
、第５図はシートを作動する液圧回路の概略図である。 １２・・・・・・固定フレーム、１４・・・・・・ベー
ス（組立体）、１６，２２，４８，７４・・・・・・ブ
ラケット、２０，６２，７６・・・・・・アーム，２８
・・・・・・平行四辺形のリンク仕掛，３０・・・・・
・上部リンク、３４・・・・・・下部リンク、３８・・
・・・・揺動リンク（仕掛）、４２・・・・・・背部支
持組立体、４４・・・・・・屈曲フレーム、４６・・・
・・・背部クッション，５６・・・・・・座部クッショ
ン組立体、１８，５８，６８・・・・・・パネル，６０
・・・・・・クッション、６６・・・・・・サドルブラ
ケット組立体、８０・・・・・・シート支持・制動用リ
ンク、８６・・・・・・三方弁、９４，９６，９８・・
・・・・逆止め弁、１００・・・・・・アキュムレータ
、１１２・・・・・・固定オリフイス、１１４・・・調
整オリフイス、１１８・・・・・・貯槽。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ベースと、 背部支持組立体と、 座部クッション組立体と、 前記背部支持組立体を前記座部クッション組立体に回動
   可能に連結する手段と、 前記連結手段と前記ペースの間に回動可能に設置され、
   シートの弾性振動を許容する座部支持緩衝手段と、 前記シートと前記背部支持組立体との間に回動可能に連
   結され、前記背部支持組立体が上下に実質上まっすぐに
   振動するように制限する平行四辺形リンク仕掛とを備え
   、前記平行四辺形リンク仕掛は上方リンクと前記上方リ
   ンクに対し間隔を置いて実質上平行に配置した下方リン
   クとからなり、上方リンクの一端は前記背部支持絹立体
   に回動可能に取り付けられ、他端は前記ベースに回動可
   能に取り付けられ、下方リンクの一端は前記背部支持絹
   立体に回動可能に取り付けられ、他端は前記ベースに回
   動可能に取り付けられ、平行四辺形が形成されており、 さらに、前記座席クッション組立体を前記ベースに回動
   可能ｋ連結し、前記座部クッション組立体をシートの上
   に座るオペレータのひざ関節の近くでシートの前方に間
   隔を置いた位置のまわりに回動させて、車輛に対するオ
   ペレータの足の動きを最小限にする細長いリンクからな
   る揺動リンク仕掛を備え、前記細長いリンクは前記シー
   トの後部の下方において前記ベースの一部に回動可能に
   取り付けられ、上方にかつ前方にのびて前記座部クッシ
   ョン組立体に回動可能に連結されており、前記背部支持
   組立体を前記座部クッション組立体に回動可能に連結す
   る手段は前記座部クッション組立体の下方にのびる実質
   上平坦な横部分を含み、前記横部分はその中央に配置さ
   れた開口部を有し、前記開口部のまわりに配置された一
   対のブラケットが前記座部支持緩衝手段に取り付けられ
   、前記横部分の両側から上方にのびるアームが前記背部
   支持組立体に回動可能に取り付けられ、前記横部分の両
   側から前方にのびるアームが前記座部クッション組立体
   および前記揺動リンク仕掛に回動可能に取り付けられて
   いることを特徴とする車両用シート。