JPS586945B2 - イオノグラフイ− - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は放射線により電離する気体を密封した放射線感
光セルを用いたイオノグラフイーに関する。

従来の電子放射線写真としては、Ｓｅ蒸着膜などのＸ線
領域に於いてもわずかの感度を有する光導電物質を用い
カールソン法（或いはその変形プロセスなど）により静
電潜像を形成する方法。

（例えば、米国特許第２６６６１４４号など）またけ螢
光物質などを利用してＸ線を可視光に変換した後通常の
電子写真法により静電潜像を形成する方法。

（例えば、米国特許第２８５６５３５号など）更にイオ
ングラフイーと呼ばれ、気体がＸ線により電離し、この
電荷を絶縁板上に付着せしめて静電潜像を形成する方法
（例えば、米国特許第２９００５１５号、独公開公報第
２２５８３６４号など）が知られている。

本発明はこのイオングラフイーに関連するものである。

イオングラフイーは米国特許第２９００５１５号に記載
されている如く空気のＸ線による電離を利用する方法が
考えられたが、これは非常に感度が悪く、また静電潜像
が作られる絶縁膜が摩擦帯電したり放電図形が出現した
りする欠点があった。

更に独公開公報第２２５８３６４号の如く電離気体をキ
セノンガスとする等の改良を加えＸ線感度を増加するこ
とが行なわれた。

しかし、気体が直接絶縁膜と接触するために絶縁膜を取
出すたびに気体が漏洩し、気体を補充してやらなければ
ならなかった。

また気体を高圧にして使用する場合には気体の漏洩を防
止するために複雑な装置を必要とする。

更に高価な気体を用いると複写コストの増大につながり
、勿論毒性のある気体などは使用不可能であった。

本発明は上記の如き欠点を解決したもので、気体を容器
内に完全に密閉することを特徴とするイオングラフイー
を提供するものである。

また、本発明は気体を補充する必要がなく、高価な気体
も毒性のある気体も使用可能な半永久的に使用できる気
体を密閉した放射線感光セル用いたイオングラフイーを
提供するものである。

更に、本発明は上記放射線感光セルを利用したビデオ信
号を得る方法を提供するものである。

即ち、本発明は一つの面に導電体を有し、これに向いあ
った面に多数の針端を有する密閉されたセルに気体を封
入した放射線感光セルに放射線を照射して気体を電離せ
しめ、針端近傍に配置された絶縁体上に静電潜像を形成
することを特徴とするイオングラフイーにある。

以下本発明を図面により詳述する。

第１図は本発明の動作を説明するための一例を示す。

密閉容器１は単一物質よりなっていてもよいし、又は前
面（放射線東側）、側面、背面が各各異なる物質よりな
っていてもよい。

前者の場合には放射線５に対する透明度がよく、且つ絶
縁物質であることが必要であり、後者の場合には前面は
、例えばべリリウムの様に放射線に対する透明度がよい
こと、背面は絶縁物質であることが必要である。

前面が絶縁物質である場合には、放射線に対して透明度
がよい電極２が内壁にコートされる。

これには、例えば５００Å程度のアルミニューム、蒸着
膜や炭素膜が使われる。

背面には多数の針端４が打ちこれている。

針端の両端は、各々背面内部表面、背面外部表面に出て
いる。

針端はマトリックス状に正方形に並べられていても、ま
たはスリット状に細長く並べられてもよいが、数本１ｍ
ｍの間隔で配列されていることが望ましい。

また、針端の直径は、間隔の数１０％以下であることが
望ましい。

容器内には気体３が封入されている。

この気体は使用される放射線に対して、電離され易いも
のが望ましい。

気体封入に際しては、気体中に粉霧が混入することをさ
ける必要がありまた勿論、容器内壁は十分に、清浄にさ
れていることが必要である。

物体の情報を含んだ放射線束（人体観察に用いられるレ
ントゲン線の様に物体６の、透過濃度に対応するもので
も、又は、結晶解析等で用いられる様にＸ線や、γ線の
回切パターンの様なものでもよい。

）は、容器内の気体を電離する。

電離気体は、電界にひかれて電荷に応じて各々、陰極、
陽極に移動する。

第１図の場合には電荷は針端を通して、陰極７と放電し
、絶縁物質８上に、静電潜像を作る。

これは公知の現像手段により現像され、定着される。

第１図とは逆に前面電極２に■を印加してもよいし、場
合によっては前面電極を接地し、基板電極に電圧を印加
してもよい。

電源電圧Ｅは気体の火花放電が生じない程度の電圧に設
定される。

針端のごく近傍でコロナ放電が生じているか、又は、生
じる直前に対応する様に電源電圧の設定を行なうことが
望ましい。

針端の外部と絶縁物質表面とは通常５０μｍ以下に設定
される。

絶縁物質として静電記録紙が用いられる場合には記録紙
表面の凹凸で適当な間隔を保つことが出来る。

絶縁物質表面が例えば、マイラー膜の様に平滑な場合に
は、例えば第２図の様な容器、背面材を用いて針端４と
、電極７の放電を効率よく生じさせることが出来る。

この様な構造は、例えば、化学的なエッチングや、逆ス
パツター等の手段で針端を短縮することにより行なわれ
る。

同じく第２図に示されている様に、針端の内部端を尖端
とし、近傍の電界の上昇をはかり気体の電離の安定化、
さらに電離増倍の効率を上げることも出来る。

針端は、例えば、タングステンの様な単一物質でもよい
が、例えば、第３図に示す様に針端内部端上に、放射線
がＸ線である場合には、例えば鉛の様なＸ線に対する外
部光電効果の太きいもの９をコートして作られており、
放出される電子による気体の電離を用いてもよい。

勿論光電子放出物質９は針端上にコートされるばかりで
なく、容器背面内部上にコートされてもよいが、針端間
の絶縁を低下させてはいけない。

またさらに第１図に於いて絶縁物質として、サーモプラ
ツチツクフイルム等を用い、静電潜像を物質の凹凸とし
て記録する等の手段も用いられることは言うまでもない
。

また例えば、第４図に示す様に放射線束５が平行束でな
い場合には、密閉容器１を円弧状とし、解像力の劣化を
防止することも有効である。

同、前述した様に針端はマトリックス状に並べてもスリ
ット状に細長く並べられてもよいが、この場合には当セ
ルを走査することにより、潜像を作ることが出来る。

第５図は上述したセルをＸ線用ビジコンに用いた場合を
示す。

電子銃１２より陽極１３を通して発せられた電子ビーム
１０は針端４上を走査し、Ｘ線強度に応じて流れる電流
は、ビデオ出力１１として、容量を通して得られる。

ビデオ出力は通常のビデオ増幅器を得て、時系列信号と
して処理される。

以上の説明より明らかな様に本発明は １）放射線により電離される気体がセル内に密閉されて
いるために、一度封入すれば半永久的に使用出来る。

このため高価な気体も使用勇能となり又、有毒な気体も
使用することが出来る。

２）また、独公開公報第２２５８３６４号の様に絶縁膜
の気体中への出し入れを行なうものではないので気体中
に粉霧が混入することがない。

これによりほこり等に起因する放電図形の発生がない。

３）針端近傍の電界により、コロナ放電による電流増倍
作用を用いることが出来る。

これは火花放電の臨界点に印加電圧を設定するものに比
べて、安定に動作する。

４）針端近傍の電圧が上昇することにより針端物質（又
はコートした物質）の外部光電効果の効率が増加する。

５）イオングラフイーの原理を撮影管に応用することが
可能となる。

等の特徴を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の放射線感光セル及びそれを用いたイオ
ングラフイーの態様を示す説明図である。 第２図、第３図は放射線感光セルの変形例を示す説明図
である。 第４図は本発明の放射線感光セル及びイオノグラフイー
の変形例を示す説明図である。 第５図は本発明のビデオ信号を得る方法及びそれに用い
る撮影管の態様を示す説明図である。 １・・・・・・密閉容器、２・・・・・・前面電極、３
・・・・・・気体、４・・・・・・針端、５・・・・・
・Ｘ線、７・・・・・・基板電極、８・・・・・・絶縁
体、９・・・・・・光電放出物質、１０・・・・・・電
子ビーム、１１・・・・・・ビデオ出力、１２・・・・
・・電子銃、１３・・・・・・陽極。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 一つの面に導電体を有し、これに向いあった面に多
   数の針端を有する密閉されたセルに気体を封入し、該セ
   ルに放射線を照射して気体を電離せしめ、針端側近傍に
   配置された絶縁体上に静電潜像を形成することを特徴と
   するイオングラフイー。