JPS5859Y2 - ドライタイプセパレ−ト形ル−ムエアコン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、除湿機能を有するドライタイプセパレート形
ルームエアコンに関するものである。

この種のドライタイプセパレート形ルームエアコンの除
湿運転は室温を変えずに行なうものである。

従来、除湿機能を有するエアコンの冷媒回路図は種々あ
り、そのなかには除湿用熱交換器と再熱用熱交換器とが
ほぼ同一寸法で簡略に図示されているものも見られるが
、簡略図であるゆえに、寸法仕様の不明確、切換弁およ
びキャピラリーチューブの配置の不明確、接続用配管の
不明確から、本考案で対象とする室温の調整（室温を低
下させない調整）を実現させることのできないものばか
りである。

除湿運転は、圧縮機から吐出された高温ガス冷媒を室外
熱交換器により一部放熱させて、残りを室内の再熱用熱
交換器で放熱させて、同室内の除湿用熱交換器によって
室温が低下するのを防止するように行なわなければなら
ない。

ここで、技術的に因難な問題は、冷房運転と除湿運転と
が、同一冷媒封入量で行なわれなければならないところ
にある。

すなわち、冷房運転時には所定の冷房能力を発揮し、除
湿運転時には所定の除湿量を得て、両運転時とも関係機
器に損傷を与えないような冷媒温度および圧力等の物理
的条件を満たすものにすることである。

従来のドライタイプセパレート形ルームエアコンは、冷
房運転を先行して冷媒封入量を決定し、除湿運転時には
冷媒封入量に見合うまで室外ファンを低速にして室外熱
交換器の放熱量を少なくし、室内の再熱用熱交換器を適
度に大きくすることにより対処している。

しかし、この方法は、ファンモータのスリップ量を大き
くするので、回転速度の不安定、起動不良および効率の
低下などの問題から、低速化には限界があることとあわ
せて、室外熱交換器と再熱用熱交換器とを接続する配管
およびカップリングの抵抗により冷媒温度が低下するこ
とと、室内ユニットの切換弁の配管室に操作用電気品が
設けられているために安全上周囲を密閉しなければなら
ず、切換弁および配管からの放熱が阻止され、再熱のた
めに有効に利用できないことなどの難点がある。

それゆえ、再熱用熱交換器は除湿用熱交換器にくらべて
どうしても１．２〜２倍大きくすることを強いられ、室
内熱交換器の製作および冷媒配管に困難がともない。

かつ原価高となる。

本考案は、同一形式、同一寸法仕様であり、１例パイプ
配置のクロスフィンパイプ形除湿用熱交換器と再熱用熱
交換器との使用を可能とし、室温の低下を防止できるド
ライタイプセパレート形ルームエアコンを提供すること
を目的とするものである。

つぎに、本考案の一実施態様を第１図および第２図によ
り説明する。

１は室外ユニットで、これには圧縮機２、室外熱交換器
３、室外ファン４が内蔵されている。

５は室内ユニットで、これは下記のように構成されてい
る。

６は空気入口側に設置した室内第１熱交換器、７は室内
第１熱交換器６に対してわずかの間隙を与えて後方に設
置した室内第２熱交換器、８，９は側熱交換器６，７の
パイプ部を係合させて一体に支持させたサイドプレート
、１０は室内ファン、１１はファン用ケーシング、１２
はケーシング１１上に設けた側面開口部、１３は配管室
、１４は配管室１３内に設置した三方弁式切換弁、１５
は冷房キャピラリーチューブ、１６は除湿キャピラリー
チューブで、両キャピラリーチューブ１５．１６は配管
室１３内におさめられている。

１８は熱交換器用挿入パイプ、１９は熱交換器用フィン
、２２は室内ファン１０を駆動するファンモータ、２３
は配管室１３の側面開口部、２４は室外熱交換器３と室
内熱交換器６，７とを接続した高圧側配管、２５は高圧
側配管２４同士を連結した高圧側カップリング、２６は
室内熱交換器６と圧縮機２の吸入側とを接続した低圧側
配管、２７は低圧側配管２６同士をたがいにつらねた低
圧側カップリング、２８は周囲を遮蔽した操作用電気品
室、Ａ、Ｂ、Ｃは切換弁１４の冷媒開口部である。

実線の矢印は冷房運転時の冷媒の流れ方向を表わし、点
線の矢印は除湿運転時の冷媒の流れ方向を表わし、第１
図の立体状の矢印は室内空気の流れ方向を表わす。

冷房運転時には、室外熱交換器３で放熱し液化した冷媒
が高圧側配管２４およびカップリング２５を経て室内ユ
ニット５の配管室１３内における冷房キャピラリーチュ
ーブ１５により減圧され、低温となって、室内第２熱交
換器７に入り、そこから切換弁１４の開口部Ｂ、Ｃを経
て室内第１熱交換器６に入り、低圧側配管２６およびカ
ップリング２７を経て圧縮機２に吸いこまれる。

この場合には、室内第１熱交換器６と室内第２熱交換器
７がともに低温となり、室温を低下させる。

除湿運転時には、室外ファン４を低速にし、室外熱交換
器３の放熱を十分に行なわずに、高温の冷媒を高圧側配
管２４およびカップリング２５を通し、配管室１３内に
おける切換弁１４の切換えにより冷房キャピラリーチュ
ーブ１５をバイパスさせて切換弁１４の開口部Ａ、Ｂを
経過させる。

開口部Ｂを経た冷媒は直接室内第２熱交換器７に入り、
ついで除湿キャピラリーチューブ１６により減圧され、
低温となって室内第１熱交換器６に入り、その出口側か
ら低圧側配管２６およびカップリング２７を経て圧縮機
２に吸いこまれる。

この場合は、室内第１熱交換器６によって低温にされた
空気を、室内第２熱交換器７により再熱する従来の方式
に加えて、高温である切換弁１４を室内ユニット５側に
設け、切換弁１４で再熱を補助するに足りる必要風量に
見合う大きさに配管室１３の側面開口部２３とケーシン
グ側面の開口部１２を設けて、切換弁１４を介して室内
ファン１０に直接吸いこませるようにするほか、高圧側
のカップリング２５を１個所に少なく制限し、冷媒温度
の低下を最少限にして室内第２熱交換器の温度を高めた
ので、後述するように１列パイプ形に小形化した室内第
２熱交換器７を設置しても十分に室温の低下を防止でき
る。

室内熱交換器は第１図かられかるように、並置させた室
内第１熱交換器６と室内第２熱交換器７との２個の熱交
換器から構成されており、側熱交換器６，７ともにクロ
スフィンパイプ形熱交換器であり、しかもそのパイプ１
８は同一本数挿入され、同一寸法であり、フィン１９は
同一型で製作した同一形状、同一寸法、同一フィンピッ
チのものであり、サイドプレート８，９で両端を支持し
て一体化されている。

この構造により、製作が極めて簡単となり、かつ、配管
室１３における配管もスペースが大きくなることにより
容易となる。

第３図は、本考案の他の実施態様を示す。

この実施態様は冷房キャピラリーチューブ１５．１５’
を並列にし、冷房運転時には室内第１熱交換器６と室内
第２熱交換器７に並列に低温冷媒を通し、除湿運転時は
低温冷媒を通して蒸発の終了して比較的高温となる室内
第１熱交換器６の出口バイブ１７と三方弁式切換弁１４
の冷媒の流れない開口部Ｃとをパイプにより接続するこ
とにより、切換弁１４の低温化を防止して切換弁１４の
放熱量を高めるように構成されている。

第４図は二方弁式切換弁２９．３０を設置した本考案の
他の実施態様を示す。

すなわち、切換弁２９は室内第２熱交換器７の入口側に
冷房キャピラリーチューブ１５と並列に設けられ、切換
弁３０は室内第２熱交換器７の出口側と室内第１熱交換
器６の入口側との間に除湿キャピラリーチューブ１６と
並列に設けられている。

除湿運転時には再熱用室内第２熱交換器７の入口側に配
置した切換弁２９が低温部との接触をさけて、切換弁２
９の放熱量を高める。

第５図は室内熱交換器の他の実施態様を示す。

室内第１熱交換器６と室内第２熱交換器７とは、上記熱
交換器用ファンと同一材料、同一製法で製作した少数枚
の熱交換器用フィン３３．３４で両端を一体に支持され
ている。

この構造により、原価の低減をはかることができ、かつ
、合計２列のパイプ形化をして、熱交換器の奥行寸法を
小さくでき、フィンを介して十分に支持することができ
る。

なお、第３図ないし第５図において、第１図および第２
図と同じ符号をつけたのは同じものを表わす。

以上説明した本考案によれば、小形の室内熱交換器で除
湿能力を低下させることなく十分な再熱能力を得ること
ができ、室温をほぼ一定に維持する除湿運転を行なうこ
とができる。

また、熱交換器の製作が極めて簡単となり、配管が軽量
となり、その接続作業が容易となす、シたがって、原価
を低減することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるドライタイプセパレート形ルーム
エアコンを示す斜視図、第２図は第１図のルームエアコ
ンの冷媒回路図、第３図、第４図は本考案の他の実施態
様を示す冷媒回路図、第５図は本考案による室内熱交換
器の他の実施態様を示す斜視図である。 １・・・・・・室内ユニット、２・・・・・・圧縮機、
３・・・・・・室外熱交換器、４・・・・・・室外ファ
ン、５・・・・・・室内ユニット、６・・・・・・室内
第１熱交換器、７・・・・・・室内第２熱交換器、８．
９・・・・・・サイドプレート、１０・・・・・・室内
ファン、１１・・・・・・ファン用ケーシング、１２・
・・・・・側面開口部、１３・・・・・・配管室、１４
・・・・・・三方弁式切換弁、Ａ、Ｂ、Ｃ・・・・・・
冷媒開口部、１５．１５′・・・・・・冷房キャピラリ
ーチューブ、１６・・・・・・除湿キャピラリーチュー
ブ、１８・・・・・・熱交換器用挿入パイプ、１９・・
・・・・フィン、２２・・・・・・ファンモータ、２３
・・・・・・配管室の側面開口部、２４・・・・・・高
圧側配管、２５・・・・・・高圧側カップリング、２６
・・・・・・低圧側配管、２７・・・・・・低圧側カッ
プリング、２８・・・・・・操作用電気品室、２９．３
０・・・・・・三方弁式切換弁、３３．３４・・・・・
・フィン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 室外ユニット１に圧縮機２、室外熱交換器３、室外ファ
   ン４を内蔵し、室内ユニット５に除湿用室内第１熱交換
   器６、再熱用室内第２熱交換器７および室内ファン１０
   を内蔵するドライタイプセパレート形ルームエアコンに
   おいて、冷媒方向切換弁１４または２９．３０を室内ユ
   ニット５の配管室１３内に配置し、配管室１３の一部２
   ３とファン用ケーシングの側面側とに冷媒切換弁の放熱
   に十分な大きさを有する通気用の開口部２３．１２を設
   け、前記除湿用室内第１熱交換器６と再熱用室内第２熱
   交換器７を、ともに１列パイプ配置で、同一フィンピッ
   チ、はぼ同一外形寸法のクロスフィンパイプ形熱光換器
   としたことを特徴とするドライタイプセパレート形ルー
   ムエアコン。