JPS5858780B2 - けい光ランプ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はけい光ランプに関し、その目的とするところは
従来のけい光ランプにおける低温始動性を改善すること
、けい光ランプ内部に始動機能を具備させること、グロ
ースタータ形点灯器具においても瞬時始動するけい光ラ
ンプとすることにある。

第１図は従来のけい光ランプを示し、管体１の内面にけ
い光体２が薄く均等に塗られている。

管体１の両端にはステム３が封着され、フィラメント支
持体４によって支持されたフィラメント５に電子放射性
物質（Ｂａ、Ｓｒ、Ｃａ等を主体とする酸化物）を塗布
して電極が形成される。

管体１の両端部は２本の接続ピン６を有する口金７を備
える。

また管内８には排気真空後に水銀粒とＮｅ。Ａｒ、Ｋｒ
等の単体または混合希ガスが封入されている。

今、封入ガスがＡｒ単体と水銀の場合、常温においては
管体１内の水銀蒸気圧は約２〜３朋Ｔ０ｒｒｏｒｒ であり、一方Ａｒ圧は２〜３ である。

Ａｒガスを封入する一つの理由はペニング効果の作用に
よって放電の始動電圧を下げるためである。

しかし低温においてはＡｒ−水銀封入ランプは第２図の
如く放電開始電圧が上昇し、始動性能が低下する。

これは温度が低下すれば、管内のＡｒ圧はほぼ一定であ
るのに対して水銀蒸気圧が低下し、管内の水銀原子の数
が減少しすぎるため、準安定状態にあるＡｒが水銀原子
を電離する確率が著しく低下しもはやペニング効果の作
用がなくなり、従来のけい光ランプでは周囲温度が０℃
以下になると極端に始動性能が悪くなる。

本発明はかかる事由に鑑みなされたものである。

以下実施例として掲げた第３図乃至第６図を参照して本
発明けい光ランプを説明する。

第３図は本発明の一実施例を示し、管体９の内面にけい
光体１０が薄く均等に塗られている。

管体９の両端にはステム１１が封着され、その外側に２
本の接続ピン１２を有する口金１３が装着される。

ステム１１には接続ピン１２の一方と導電する第１フィ
ラメント支持体１４Ａと第２フィラメント支持体１４Ｂ
が立設され、その両者間に第１フイラメント１５Ａが張
架され、その第１フイラメンＮ ５Ａはステム１１の近
傍に配設される。

そして第２フィラメント支持体１４Ｂと第３フィラメン
ト支持体１４Ｄ間に第２フィラメント１５Ｂが張架され
る。

このときによって第２フイラメント１５Ｂは第１フイラ
メント１５Ａよりも他方電極側に配設される。

このフィラメント支持体１４Ｄは絶縁体１６を介してス
テム１４に立設し接続ピン６に導電する支持体１４Ｃに
支持される。

第３フィラメント支持体１４Ｄの一端はバイメタル接点
１７としてあり、このバイメタル接点１７の介挿によっ
て点灯前では常にフィラメント支持体１４ｃと第３フィ
ラメント支持体１４Ｄとが導電接続されている。

そして管体９内には排気真空後に水銀粒とＮｅ 。

Ａｒ、Ｋｒ等の単体又は混合希ガスが封入されるもので
ある。

上記フィラメント支持体１４Ａ、 １４Ｂ 、１４Ｄに
よる第１、第２フイラメント１５Ａ、１５Ｂはその向き
が管長方向に配列されるものであるが、第４図の如く、
第１、第２フイラメント１５Ａ。

１５Ｂの方向を従来のけい光ランプと同じ方向として配
列することもできる。

そしてか＼る各実施例において、その電極構造は管体９
の一端または両端に設けられる。

今、放電管内の気圧をｐ （Ｔｏｒｒ ）とし、電極間
距離をｄ （ｍ）とすると始動電圧Ｖｓ （Ｖ）は、Ｄ
とｄの関数となり、Ｖｓ＝ｆ（ｐ、ｄ）で表わされるパ
ッシェンの法則が適用される。

これを図示したのが第５図であり、Ａ点より右側の部分
では常温においてペニング効果の作用があるために曲線
ａの如く始動電圧が低い。

しかし低温になると管内の水銀蒸気圧が低下するため、
管内には殆んどＡｒ原子のみが存在する状態になりペニ
ング効果による作用がなくなって曲線すの如く始動電圧
Ｖｓが上昇する。

よって同図より低温時におけるけい光ランプの始動電圧
を下げるには両電極間の放電距離を短かくすればよい。

本発明によるけい光ランプを第６図の如く接続してスイ
ッチＳｗを閉じると安定器ｅｃを介して電流が第１フィ
ラメント支持体１４Ａ→第１フィラメント１５Ａ→第２
フィラメント１５Ｂを通り、さらに第３フィラメント支
持体１４Ｄからバイメタル接点１γを通って支持体１４
Ｃを流れ、第１、第２フィラメント１５Ａ、１５Ｂを予
熱することによって熱電子を放出する。

第１、第２フイラメント１５Ａ、１５Ｂの発熱によって
その近傍にあるバイメタル接点１７が動作し、支持体１
４Ｃから離れると同時に安定器Ｃ１Ｃによりキック電圧
が発生し、第２フイラメント１５Ｂを設けたことによっ
て放電距離が短かくなっているために低温であっても容
易に始動する。

最初は第２フイラメンｌ−１５Ｂの先端部を介して放電
が開始し、それによって電極部の温度はさらに上昇する
ため、バイメタル接点１７が対応す。

る第２フィラメント支持体１４Ｂに接触する。

このために第２フイラメント１５Ｂの両端が短絡され、
放電が第１フイラメント１５Ａに移行し、けい光ランプ
は通常の点灯状態で動作する。

このとき従来のけい光ランプの放電距離と同程度となり
、口金１３から第２フイラメント１５Ｂの先端までの距
離が１００〜１５０關であれば、０℃〜３０℃程度の低
温においても定格電源電圧で容易に始動する結果が得ら
れている。

上述するように、本発明によれば、けい光体１０を内面
に塗着し両端を電極とする管体９、その管体９の開口端
に封着するステム１１、管体９の外方に突出する２本の
接続ピン１２．１２を具備し前記スラム１１の外端に装
着される口金１３、ステム１１に立設し接続ピン１２に
導電する短寸の第１フィラメント支持体１４Ａ１同じく
ステム１１に立設する長寸の第２フィラメント支持体１
４Ｂ、ステム１１に立設し接続ピン１２と導電する支持
体１４Ｃ１その支持体１４Ｃにバイメタル接点１７を介
挿して支持された第３のフィラメント支持体１４Ｄ、前
記第１、第２フイラメント支持体１４Ａ、１４Ｂ間に張
架された第１フイラメント１５Ａ、および前記第２フィ
ラメント支持体１４Ｂと第３フィラメント支持体１４Ｄ
間に張架され第１フイラメント１５Ａよりも管体９の他
方電極間に配設された第３フイラメントよりなるけい光
ランプとすることによって、始動時には第１フイラメン
ｌ−１５Ａに他方電極側に配設された第２フイラメント
１５Ｂが接続されることによって電極間距離が短かくな
り、低温始動特性の良好なけい光ランプとなり、始動後
においてはステム１１側の第１フイラメント１５Ａによ
る長い電極間距離、即ち従来のけい光ランプと同じ長さ
に復帰させることによって従来ランプと同じ点灯特性を
与え、そして管体９の内部にバイメタル接点１７よりな
る始動機能を具備することによってグロースタータ、お
よびそのソケットが不用で、そのための外部回路が簡単
となる等所要資材を少なくし、しかもグロースターター
が不用となることは保守において有利である。

さらに電源スィッチを投入すると、瞬時に予熱を開始す
るために、従来のグロースタータ用けい光器具に取付け
ても瞬時スタートする等の効果を有している。

【図面の簡単な説明】 第１図乃至第２図は従来例を示し、第１図はけい光ラン
プの破断正面図、第２図は放電開始電圧と温度との関係
を示す図である。 第３図乃至第６図は本発明けい光ランプの実施例を示し
、第３図は一実施例のけい光ランプの破断正面図、第４
図は他の実施例のけい光ランプの破断正面図、第５図は
電極間距離と放電開始電圧との関係を示す図、第６図は
接続図である。 ９・・・・・・管体、１０・・・・・・けい光体、１１
・・・・・・ステム、１２・・・・・・接続ピン、１３
・・・・・・口金、１４Ａ・・・・・・第１フィラメン
ト支持体、１４Ｂ・・・・・・第２フィラメント支持体
、１４Ｃ・・・・・・支持体、１４Ｄ・・・・・・第３
フィラメント支持体、１５Ａ・・・・・・第１フイラメ
ント、１５Ｂ・・・・・・第２フイラメント、１６・・
・・・・絶縁体、１７・・・・・・バイメタル接点。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ けい光体を内面に塗着し両端を電極とする管体、そ
   の管体の開口端に封着するステム、管体の外方に突出す
   る２本の接続ピンを具備し前記ステム外端に装着される
   口金、ステムに立設し接続ピンに導電する短寸の第１フ
   ィラメント支持体、同じくステムに立設する長寸の第２
   フィラメント支持体、ステムに立設し接続ピンと導電す
   る支持体、その支持体にバイメタル接点を介挿して支持
   された第３フィラメント支持体、前記第１、第２フィラ
   メント支持体間に張架された第１フイラメント、および
   前記第２フィラメント支持体と第３フィラメント支持体
   間に張架され第１フイラメントよりも管体の他方電極側
   に配設された第３フイラメントよりなるけい光ランプ。