JPS585426B2 - 圧力定着性トナ−粉末 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は電子写真法、電子印刷法、静電記録法、磁気印
刷法等に用いられるトナー粉末に関する。

電子写真法は、セレン、酸化亜鉛、硫化カドミウム、ポ
リビニルカルバゾール等の光篤電体の性質を利用して静
電潜像を形成するもので、例えば光導電体層上に一様に
電荷を付与し、画像露光を施して静電潜像を形成し、つ
いで前記静電潜像の電荷とは逆極性に荷電したトチ−粉
末で現像し、さらに必要に応じ転写シートへ転写して定
着するいわゆるカールソンフロセスが挙げられるが、現
在までその他多くの変形法が提案されている。

電子印刷法は特公昭４２−１４３４２号、同４０−７７
１号、同３８−２０１６６号、同４１−８０２４号公報
等で提案されるように電界を利用して荷電トナー粉末を
記録材料上に導き定着して印刷する方法である。

静電記録法は、誘電体層に画像状に電荷を付与し、それ
に荷電トナー粉末を付着させ定着する方法であり、また
磁気印刷法もこれと同様に記録材料上に磁気潜像を形成
し、これを磁性材料を含むトナー粉末で現像し、転写材
料へ転写し定着する方法である。

従来上記のプロセスにおける定着は、溶剤蒸気、熱ロー
ラーを用いてトナーを溶融定着させる方法がよく知られ
かつ実用化されている。

しかし溶剤蒸気を用いる方法では、溶剤蒸気が複写装置
外に必然的にもれてしまい、環境を汚すという欠点を有
する。

また熱ローラ一定着法では、まずトナー粉末を融解させ
るに必要な温度にまでローラーを加熱するに長時間を要
し、そのため複写装置のメインスイッチを常時入れてお
く必要があり電力の消費がはなはだしい。

又装置内で紙ずまりが起ると燃えないまでも焦がすとい
う危険性を有していた。

また高速で連続操作をすると記録材料への熱伝導量が少
くなり、定着性が悪化する傾向があった。

この点特公昭４６−１５８７６号公報等で提案される一
対の圧力加重ローラーの間にトナー粉末画像を担う記録
材料を通過させて定着するいわゆる圧力定着法は、スイ
ッチを入れてすぐに使用することができまた環境汚染等
の問題がなく、また高速で連続操作をした場合、すべて
完全に定着されるという点で有利であるといえる。

この圧力定着法に使用するトナー粉末きして特開昭４８
−７１６４８号、同４８−７５０３２号公報において、
マイクロカプセルトナー粉末が提案されているが、マイ
クロカプセルトナー粉末は、その被覆樹脂がキャリアー
粒子との摩擦帯電性向及び製造技術の両方の面から制約
され、望ましいものは末だ得られていない。

またマイクロカプセルの製造法は複雑でコストも高くな
るという点で好ましいものではない。

そこで本発明は安価に製造され、かつ圧力により普通紙
上にも十分に定着されるトナー粉末を提供するものであ
る。

すなわち本発明は、樹脂成分として低分子量ポリオレフ
ィンとアルキル変性フェノール樹脂とを含有するトナー
粉末を提供するものである。

本発明に用いられる低分子量ポリオレフィンとしては重
量平均分子量約１００００以下、好ましくは約１０００
〜５０００のポリエチレン、ポリプロピレンが挙げられ
る。

ポリエチレンの方が圧力定着効果が高く有利である。

ポリオレフィンは樹脂成分の１０〜５０重量％、好まし
くは２０〜３５重量％含有される。

上記下限以下では定着性が悪くなり、上限以上では製造
上の粉砕が困難になる。

また低分子量ポリオレフィンと併用されるアルキル変性
フェノール樹脂は、アルキル置換フェノールとアルデヒ
ドとの縮重合反応物又はアルキル置換フェノールと非置
換フェノールおよび／またはアリル置換フェノールとを
アルデヒドと縮重合反応せしめて得られる共縮重合物で
あり、分子量が約５００〜１０００程度のものが好まし
い。

アルキル変性フェノール樹脂は例えばヒフノール１５０
１、ヒフノール５５０（以上日立化成社製）ＰＰ−５１
２１（群栄化学社製）等の名で市販されている。

またアルキル変性フェノール樹脂は、全樹脂成分の５〜
８５重量％を占めるのが好ましい○ 本発明のトナー粉末には前記の樹脂以外のものが摩擦帯
電特性等を考慮して併用することができる。

併用樹脂はこの分野で公知の樹脂であればいずれでもよ
いが、例えばポリビニルナフタリン、ポリ塩化ビニル、
ポリ酢酸ビニル、アクリル系樹脂、ロジン変性フェノー
ル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、ポリウレタン
樹脂、セルロース樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂
、マレイン。

酸樹脂、スチレン樹脂等が用いられる。

また本発明のトナー粉末には従来公知の着色材料、例え
ば、カーポジブラック、アニリンブラック、チャンネル
ブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、ビク
トリアブルー、ファーナル。

ブルー、パーマネントブルートナー、ニゲ）シンベース
等が含有される。

さらにまた磁気印刷用のトナー粉末とする場合には磁性
粒子等を助剤として加えることができる。

これらの材料を使って公知の製造方法によって製造する
本発明トナー粉末の平均粒径は５〜２０μのものが適当
である。

製造したトナー粉末はガラス粒子、鉄粉粒子等のキャリ
ア粒子と混合され、カスケード法あるいはマグネットブ
ラシ法等公知の現像法で静電潜像を現像するのに用いら
れる。

また静電印刷法あるいは磁気印刷法には本発明トナー粉
末をそのまま供することができる。

記録材料上に形成されたトナー粉末画像は次いで圧力を
負荷されて互いに密着する一対の回転ローラーの間を通
過させられて定着される。

この定着装置に関しては特公昭４４−１２７９７号公報
、米国特許第３，２６９，６２６号、同第３．６１２，
６８２号、同第３，６５５，２８２号および同第３，７
３１，３５８号明細書に提案されており、いずれも本発
明に利用しうるものである。

記録材料に普通の紙を用いる場合約２００〜５００ｋｇ
／Ｃｍの圧力が負荷されることが好ましく、また酸化亜
鉛感光紙を記録材料として用いる場合は上記圧力よりや
や低い圧力が負荷される。

以下に実施例を示す。

実施例 １ カーボンブラック ２０重量
部サンワックス１６５Ｐ ３０
〃（低分子量ポリエチレン、三洋化成社製）ＰＰ−５１
２１３０〃 （アルキル変性フェノール樹脂、群栄化学社製）オリゴ
スチレン ４０ 〃を熱二
本ロールミルでよく混練して冷却し、ついで粉砕、分級
し、平均粒径約２０μのトナー粉末を調製した。

このトナー粉末を鉄粉キャリアと重量比で１：１００の
割合で混合してマグネットブラシ現像法用現像剤を得た
。

このときトナー粉末は負に荷電された。

次にセレン感光体上に正帯電、画像露光により静電潜像
を形成し、マグネットブラシ法で現像した。

これを転写紙上へ転写した後３００ｋｇ／ｆｆｌの圧力
が負荷され、周速１５ｃｒ／ｓｅｃで回転している１対
の金属ローラー間を通過せしめて定着させたところ爪で
こすっても剥れないほど非常に強固に定着された。

実施例 ２ ヒフノール１５０１ ４０重量部（
アルキル変性フェノール樹脂日立化成社製）サンワック
ス１６５Ｐ ２０ 〃スチレン−
ｎ−プチルメククリレ ４０重量部−ト共重合体 カーボンブラック １０ 〃を用いて
実施例１と同様の方法でトナー粉末を調製した。

このトナー粉末とガラスキャリアとを重量比で５：１０
０の割合で混合してカスケード現像用現像剤を製造した
。

このときトナー粉末は負に荷電された。

次にセレン感光体上に形成した正荷電潜像をカスケード
法により現像したのち転写紙上へ転写し、実施例１と同
じ定着装置で定着したところ強固に定着された複写画像
が得られた。

実施例 ３ ヒタノール１５０１ １０重量部低分子量ポ
リエチレン ３０重量部（分子量５０００
） 石油系樹脂 ６０ 〃カーボン
ブラック ２０ 〃四三酸化鉄粉
７０ 〃を用いて実施例１と同様に
してトナー粉末を調製した。

次に磁性インクで画像を印刷して作成した印刷用マスタ
ーを帯磁させ、上記トナー粉末をふりかけて現像し、こ
れに転写紙を重ねてその上から磁界をかけてトナー粉末
画像を転写紙上へ転写した。

この転写紙を実施例１で用いた定着装置を通過させたと
ころ非常に強固に定着された複写画像が得られた。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 樹脂成分として低分子量ポリオレフィンとアルキル
   変性フェノール樹脂とを含有することを特徴とする圧力
   定着性トナー粉末。