JPS5852376Y2 - 燃料噴射式エンジンの燃料供給装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、燃料噴射式エンジンの燃料供給装置の改良に
関するものである。

一般に、燃料噴射式エンジンの燃料供給装置は、吸入空
気量に応じた燃料を燃料噴射弁を用いて吸気通路に噴射
するため、気化器に比べて一層エンジンの負荷に適合し
た燃料供給量の制御ができ、燃費の向上および排気ガス
中に含すれる有害ガスの低減ができるという利点がある
。

しかしながら、かかる燃料噴射式エンジンの燃料供給装
置に釦いては、低負荷運転時の如く吸気絞り弁の開度が
小さい時には吸気通路内の吸気流速が小さいため燃料噴
射弁から噴射された燃料の霧化および空気との混合が充
分に行なわれず、燃費の向上釦よび有害ガスの低減が充
分に達成できないという欠点がある。

そこで、従来より上記燃料噴射弁から噴射される燃料に
対して空気を噴出させるエアブリードを設け、この噴出
空気によって燃料の攪拌霧化を促進する一方、上記燃料
噴射弁から噴射される燃料に対向する衝突板を設けると
ともに該衝突板に多数の孔を穿設し、上記噴出空気によ
って霧化しきれない燃料を衝突板によって飛散霧化し、
燃料の霧化、混合を向上させるようにした燃料噴射式エ
ンジンの燃料供給装置が既に提案されている。

しかしながら、上記エアブリードと多孔衝突板とを併設
したものにおいては、衝突板に穿設した孔によって霧化
した燃料が再凝縮して液化し、霧化の促進を阻害する恐
れがある。

つまり、燃料噴射弁から噴射された燃料の中心部分は、
エアブリードからの噴出空気の影響を殆ど受けて釦らず
液状であって、この液状の燃料が勢いよく衝突板に衝突
し、該衝突板に穿設された小径の孔を通じて流下するこ
とにより微粒化されて霧化が促進するが、燃料噴射弁か
ら噴射された燃料の外周部分はエアブリードからの噴射
空気の影響を受けて若干霧化が進行しており、この霧化
した燃料が上記衝突板に衝突すると燃料の一部が衝突板
に付着して凝縮液化し、孔を塞ぐことになり、しかも周
辺部の燃料はエアブリードによる霧化の進行に併ってそ
の流速は低減して訣り、孔に凝縮した燃料を飛散させる
に十分な流速がなく、上記凝縮を助長する結果となって
、上記エアブリードの噴出空気による霧化効果を半減さ
せることとなる。

本考案は、かかる点に鑑み、上記衝突板に外方になるに
したがって径の大きくなる多数の孔を穿設することによ
り、上記した従来の問題を解消した燃料噴射式エンジン
の燃料供給装置を提供することを目的とするものである
。

以下、図面に示す実施例に沿って本考案を具体的に説明
する。

１は燃料噴射式エンジンの吸気通路であって、該吸気通
路１は吸気マニホールド２およびシリンダヘッド３によ
り形成されている。

４はシリンダヘッド３の外側から吸気通路１にかけて穿
設した装着口５にその筒部４ａを挿尺した状態でネジ６
．６により装着された筒状のソケットであって、該ソケ
ット４にはシール７を介して燃料噴射弁８が装着されて
いる。

９は上記ソケット４にその開口方向が上記燃料噴射弁８
から噴射される燃料Ｆに向くように穿設されたエアブリ
ードの噴出口であって、該噴出口９は上記装着口５とソ
ケット４の筒部４ａとの間に設けた環状空間１０および
シリンダヘッド３と吸気マニホールド２とにわたって設
けたエアブリード通路１１に接続され、エアクリーナ（
図示せず。

）を介して大気に開放されている。したがって低負荷運
転時の如く吸気流速の小さいときには、吸気通路１内の
強い吸気負圧によって上記エアブリード通路１１．環状
空間１０を介して噴出口９から空気が噴出さｎ、この噴
出空気によって噴射された燃料Ｆの攪拌霧化が行なわれ
る。

さらに、１２ば、上記ソケット４の先端にステー１３を
介してその面１２ａが噴射される燃料Ｆに対向するよう
にしてソケット４と一体に設ケられた衝突板で、該衝突
板１２により上記噴出空気によって霧化しきれなかった
燃料を飛散霧化する。

上記衝突板１２は円形であって、該衝突板１２には、第
２図に示す如く、同心状に多数の孔１４が穿設され、該
孔１４は、中心部が小径で外方になるにしたがって径が
大きくなるように設けられている。

なお、図中１５は吸気マニホールド２とシリンダヘッド
３との間に介在させたガスケット、１６は吸気パルプ、
１７は燃料噴射弁に燃料を供給する燃料供給パイプであ
る。

上記実施例の作用を説明すると、燃料噴射弁８より噴射
された燃料Ｆは、エアブリードの噴出口９からの噴出空
気によって攪拌霧化されるとともに、衝突板１２に衝突
し、多数の孔１４を通過して飛散霧化される。

その際、噴射された燃料Ｆの中心部の霧化の進行してい
ない燃料Ｆ は、流速も大きく衝突板１２の中心部の小
径の孔１４を通過することによって十分に飛散霧化され
る一方、エアブリードによって霧化の進行した周辺部の
燃料Ｆ は、流速も遅く孔１４によって凝縮しやすいが
衝突板１２の周辺部の孔１４は径が大きいことにより凝
縮が進行することなくこの孔１４を通過し、全体として
均質良好に霧化、混合した燃料Ｆが吸気通路１に供給さ
れる。

また、上記実施例においては、燃料噴射弁８を装着した
ソケット４をシリンダヘッド３に穿設した装着口５に装
着する構造であるため、吸気通路１の構造が複雑になる
こともなく、またソケット４に代えてプラグ（図示せず
。

）などを用いて装着口５を塞ぐようにしたり、予め装着
口５を加工しないようにすればシリンダヘッド３が気化
器方式のエンジンにも共用できるものである。

なお、上記実施例に釦いては、ソケット４をシリンダヘ
ッド３の吸気通路１に対して装着したが、吸気マニホー
ルド２の吸気通路１に対して装着するようにしてもよい
。

以上述べた如く１本考案の燃料噴射式エンジンの燃料供
給装置によれば、衝突板に外方になるにしたがって径の
大きくなる多数の孔を穿設したことにより、エアブリー
ドの霧化効果と相俟って、更に一層燃料の霧化混合を促
進することができ、低負荷運転時にも良好な混合気を得
て燃費の向上訃よび有害ガスの低減効果を十分に遠戚で
きるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は要部断面図、
第２図は衝突板の平面図である。 １・・・・・・吸気通路、２・・・・・・吸気マニホー
ルド、３・・・・・・シリンダヘッド、４・・・・・・
ソケット、８・・・・・・燃料噴射弁、９．・・、・・
噴出口、１０・・開環状空間、１１・・・・・・エアブ
リード通路、１２・・・・・・衝突板、１４・・・・・
・孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 吸気通路にのぞ筐せた燃料噴射弁から噴射される燃料に
   対して空気を噴出させるエアブリードを設ける一方、該
   エアブリードより燃料噴射方向下流に、上記燃料噴射弁
   から噴射される燃料に対向する衝突板を設けた燃料噴射
   式エンジンの燃料供給装置に督いて、上記衝突板に外方
   になるにしたがって径の大きくなる多数の孔を穿設した
   ことを特徴とする燃料噴射式エンジンの燃料供給装置。