JPS5845499Y2 - 回転電機の電機子 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は偏平形状導体を使用する回転電機の電機子に関
するものである。

捷ず従来の回転電機の電機子について第１図乃至第４図
で説明する。

図中、１はシャフト、２はこのシャフト１に圧入され、
外周部にスロットを有する電機子コア、３は同じくシャ
フト１に圧入された整流子、３０はこの整流子の導電部
であるセグメント、３Ａは電機子コイルを接続する上記
セグメントのライザ部、３Ｂはこのライザ部３Ａに設け
られた電機子コイル接続用の溝である。

４゜５は上記電機子コア２のスロットに巻装された電機
子コイル、４Ａはこの電機子コイル４の下口側日出部、
５Ｂは上起別の電機子コイル５の上口側日出部で、これ
らは第２図１．第３図に示す通り、上記ライザ部３Ａに
設けられた溝３Ｂに挿入の上、ろう付け、溶接などの方
法で接続される。

第２図は第１図の■−■線に於ける断面図で、６は上記
整流子３を構成するモールド樹脂環状体である。

第３図は第１図の■−■線に於ける断面図、第４図は電
機子の結線図である。

この従来構造の電機子では周知の通り、別工程で製作さ
れた整流子３をシャフト１に圧入し、電機子コイル２に
挿入された電機子コイル４の下口側日出部４Ａを第１図
に示す様に所定の角度だけ円周方向に捻曲させ、次に別
の電機子コイル５の上口側日出部５Ｂを同じ角度だけ反
対方向に捻曲させこれらを同一のライザの溝３Ｂに挿入
し、カシメの上、ろう付は又は溶接等の方法で固定して
いた。

この従来方法では整流子３の製造工程が数十にも及ぶ工
程で作られるため、高価であること、電機子コイル４，
５の口出部４Ａ、５Ｂとライザ部３Ａの接続に際しては
この部分に溝３Ｂを加工する必要があり、又、ろう付け
や溶接時に溝３Ｂから日出部４Ａ、５Ｂが移動しない様
、この部分をあらかじめかしめる必要があるなど使用中
の遠心力、高温、振動等に耐えられる様、特に入念な作
業が要求されるなどの欠点があった。

この考案は上記のような従来のものの欠点を除去するた
めになされたもので、電機子コイルの一対の日出導体部
を互いに略直交する如く配設して。

その直交した外側の日出導体部が整流子にあ−ける樹脂
環状体の外周面に沿う如く樹脂環状体の外周部に固着し
て整流子の導電部を形成させることにより、従来、別工
程で製作していた整流子の導電部を不要とし、さらに入
念な作業を要求されていた電機子コイルと整流子の導電
部との接続作業を除去し、安価にして信頼性の高い回転
電機の電機子を提供することを目的としている。

以下、この考案の一実施例を図について説明する。

第５図は本考案の要部を示す図で４１Ａは電機子コイル
４の目出導体部である日出部を軸方向に延長した電機子
コイル４の下口側日出部、５１Ｂは電機子コイル５の日
出導体部である日出部を軸方向に延長した別の電機子コ
イル５の上口側目出部である。

５１Ｂ−Ａは上記上口側目出部５１Ｂを９０°捻転させ
ることにより得られた整流子の導電部であるセグメント
である。

第６図は第５図のＶＩ−ＶＩ線に於ける断面図、第７図
は同じく第５図■−■線に於ける断面図で、６．７は絶
縁性樹脂で作られた樹脂環状体で、樹脂環状体γはリン
グ状に形成されている。

本考案の電機子は上記上口側日出部５１Ｂのみを先端か
ら所定の長さだけ９ ｏｉ’ａ転させ、整流子の導電部
５１Ｂ−Ａを形成させる。

しかる後、従来品と同様に日出部４１Ａ、５１Ｂを円周
方向に捻曲させる。

この状態で整流子の導電部５１ Ｂ −Ａと下口側日出
部４１Ａは略直角状態で対向する事になるが第６図ａに
示す隣接する整流子の導電部５１Ｂ−Ａ間の距離が所定
の寸法になる様、これらの目出部を軸の中心線と平行に
軸中心に向けて竪型し、この状態で直角状態で対向して
いる整流子の導電部５１Ｂ−Ａと下口側日出部４１Ａを
超音波溶接などの方法で一体化する。

この状態ではその断面形状かられかる通り回転中の遠心
力に対し、補強された極めて合理的な形状となる。

な釦、この場合、回転中の遠心力で、整流子の導電部５
１Ｂ−Ａが浮き上がるのを防止するため。

第７図すに示すように下口側日出部４１Ａを上口側日出
部５１Ｂよりあらかじめ長くしておく。

即ち、こうすることにより下口側日出部４１Ａにおける
樹脂環状体６との係合面接が太きくなるので、下口側日
出部４１Ａの樹脂環状体６との係留効果が犬となり、よ
って下口側日出部４１Ａと一体に固着される上口側日出
部５１Ｂの耐遠心力性が向上し得るものである。

次に別に用意した耐熱性。機械的強度に優れたアスベス
トフェノール、ガラスフェノールなどの樹脂で作られた
外周部に下口側日出部４１Ａを収納する溝を設けた樹脂
環状体６及びリング状樹脂環状体７をシャフト１にその
軸端側から圧入すれば整流子が完成する。

なお、上記ではあらかじめ用意した樹脂環状体６．７を
シャフト１に圧入する場合について説明したが、圧入に
依らずにシャフト１と一体的にモールドしても同じもの
が得られることに云う１でもない。

以上のようにこの考案は電機子コイルにおける偏平状の
一対の目出導体部を互いに略直交する如く配設してその
直交した外側の日出導体部が樹脂環状体の外周面に沿う
如くその樹月旨環状体の外周部に固着し整流子の導電部
を形成するようにしているので、従来、別に用意してい
た高価な整流子のセグメントが不用となるばかりか、特
に入念な作業を要求されていた電機子コイルの日出導体
部と整流子のセグメントとの接続作業を廃止する事が出
来、安価にして信頼性の高い回転電機の電機子が得られ
る利点が生じる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の電機子の要部を示す正面図、第２図は第
１図の■−■線に於ける断面図、第３図は同じく第１図
の■−■線に於ける断面図である。 第４図は従来の電機子の結線図である。 第５図は本考案になる電機子の要部を示す正面図、第６
図は第５図のＶＩ−ＶＩ線に於ける断面図、第７図は同
じく第５図の■−■線に於ける断面図である。 図に於て、１はシャフト、２は電機子鉄心、３は整流子
、３Ａはライザ部、３Ｂはライザ部に設けた接続用溝、
３０はセグメント、４，５は電機子コイル、４Ａは電機
子コイルの下口側日出部。 ５Ｂは別の電機子コイルの上口側日出部、５１１３Ａは
前記５Ｂより形成される整流子の導電部、６は外周部に
前記下口側日出部４Ａを収納する溝を有する樹脂環状体
、Ｔは前記整流子の導電部５１Ｂ−Ａを固定するための
リング状樹脂環状体である。 なオー、各図中同一符号は同一部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転電機のシャフト、このシャフトに固着され外周部に
   スロットを有する電機子コア、このコアのスロットに各
   々巻装され上記スロットに応じて各々一対の偏平状の日
   出導体部を有する電機子コイル、及び上記シャフトに固
   着され、上記各口出導体部と各々接続され給電用ブラシ
   が摺接し得る導電部とこの導電部と一体的に固着された
   樹脂環状体とを有する整流子とからなるものにかいて、
   上記偏平状の一対の日出導体部を互いに略直交する如く
   配設してその直交した外側の日出導体部が上記樹脂環状
   体の外周面に沿う如く上記樹脂環状体の外周部に固着し
   上記導電部を形成するようにしたことを特徴とする回転
   電機の電機子。