JPS5843734B2 - 写真用樹脂コ−テイング紙 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は写真用樹脂コーテイング紙に関するものである
。

更に詳細にはプリント画像の解像力が高い写真印画紙用
樹脂コーテイング紙に関するものである。

近年、写真用印画紙の現像処理の迅速化に伴ない、紙基
体の上に硫酸バリウムの層を設けたバライタ紙に替わっ
てポリオレフィン樹脂コーテイング紙が写真印画紙用支
持体として使用されるようにナラてきた。

このポリオレフィン樹脂コーテイング紙の写真乳剤側の
ポリオレフィン樹脂中には、高い白色度と隠蔽力を耐重
させる目的で、酸化チタン顔料を含有させるのが通例で
あった。

上記の目的に使用される酸化チタン顔料としては、粒子
表面の被覆処理がない酸化チタン顔料、或いはシリカ、
アルミナ等の無機物質が粒子表面に被覆処理されている
酸化チタン顔料がよく知られているが、これらの酸化チ
タン顔料が含有されたポリオレフィン樹脂コーテイング
紙を写真印画紙用支持体として使用した場合、プリント
画像の解像力が低く、製品として満足できるものではな
かった。

又ポリオレフィン樹脂中に酸化チタンを配合する際、酸
化チタン顔料の分散性を向上させる目的で、ステアリン
酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛等の金属石鹸に代表さ
れる界面活性剤を添加する方法が一般によ（知られてい
るが、この方法で得られたポリオレフィン樹脂コーテイ
ング紙を写真印画紙用支持体として使用した場合でも、
プリント画像の解像力が界面活性剤を添加してないもの
に比較して、若干高くなるものの、未だ満足できるレベ
ルではなかった。

本発明はプリント画像の解像力が高い写真印画紙用樹脂
コーテイング紙を提供することを目的とするものである
。

本発明者は上記目的を達成するため、種々の研究を重ね
た結果、２乃至４価のアルコールで、粒子表面が被覆処
理された酸化チタン顔料を含むポリオレフィン樹脂の熔
融コーテイング紙を写真印画紙用支持体とすることによ
り、プリント画像の解像力が顕著に高くなることを見出
した。

本発明における２乃至４価のアルコールとしては、エチ
ンングリコール、プロピレングリコール、１・３−ジヒ
ドロキシブタン、１・４−ジヒドロキシブタン、ペンタ
メチレンクリコール、２・５ジヒドロキシヘキサン、２
・４−ジヒドロキシ−２−メチルペンタン、ヘプタメチ
レングリコール、ドデカメチレングリコール等の１分子
中に２個のヒドロキシル基を有するもの、トリメチロー
ルエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、２・
４−ジヒドロキシ−３−ヒドロキシメチルペンタン、１
・２・６−ヘキサンドリオール、２・２−ビス（ヒドロ
キシメチル）−３−ブタノール等の１分子中に３個のヒ
ドロキシル基を有するもの、ペンタエリトリトール等の
１分子中に４個のヒドロキシル基を有するもの、が使用
しうる。

１分子中に、１個のヒドロキシル基を有するもツノ場合
、或いは５個以上のヒドロキシル基を有するものの場合
は、いずれも写真印画紙のプリント画像の解像力が向上
しなかった。

本発明の写真用樹脂コーテイング紙を印画紙に使用した
場合、プリント画像の解像力が向上するのは、ポリオレ
フィン樹脂中における酸化チタン顔料の分散性が向上し
、ポリオレフィン層の隠蔽力が大きくなるためと考えら
れる。

本発明の写真用樹脂コーテイング紙は、前述の効果以外
にカブリが少なく、印画紙用として極めて適しているこ
とがわかった。

多価アルコールの被覆処理量は、酸化チタン顔料に対し
て約０．０１乃至１０重量％程度が好ましい。

更に好ましくは０．１乃至１．５重量％である、０．０
１重量％未満では写真印画紙のプリント画像の解像力を
殆ど向上させることができず、被覆処理量が多くなれば
解像力は向上するものの、１０重量％を超えると、熔融
押出時において、煙が増加したり、或いは臭気が強くな
るなど作業環境が悪化し、好ましくない。

本発明における多価アルコールには、１分子中に２乃至
１８個の炭素原子を有するものが使用しうるが、その中
でも１分子中に２乃至４個のメチロール基を有し、且つ
１分子中に２乃至６個の炭素原子を有するものが好まし
い。

更には１分子中に３個のメチロール基を有し、且つ１分
子中に４乃至５個の炭素原子を有するものが好ましく、
その中でも、特にトリメチロールエタンで粒子表面を被
覆処理した酸化チタン顔料を用いた場合に、写真印画紙
のプリント画像の解像力が最も向上する。

この場合の被覆処理量は解像力の向上の他、作業環境の
維持等を考慮すると、とくに０．１乃至１．５重量％が
好ましい。

多価アルコールを酸化チタン顔料の粒子表面に被覆処理
するには、多価アルコールを溶剤に溶解したものの中に
酸化チタンを浸漬してから溶剤を蒸散、乾燥する方法、
溶剤に多価アルコールを溶解したものを酸化チタンに噴
霧してから溶剤を除去、乾燥する方法、或いは多価アル
コールを液状に熔融して酸化チタンに混和させる方法等
があるが、その中でも、とくに多価アルコールを酸化チ
タンに混合して粉砕する方法が好ましＬ・。

具体的には酸化チタンをマイクロナイザーあるいはジェ
ットミル等の流体エネルギー粉砕機で粉砕する際に多価
アルコールを添加することが行なわれる。

またヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の高剪断
力混合機を用いて均一に混合して、酸化チタンの表面に
被覆する方法も行われる。

本発明において、酸化チタンとしてはルチル形、アナタ
ース形のいずれのものでも使用できる。

また粒子表面の被覆処理がないもの、或いはシリカ、ア
ルミナ等の無機物質が粒子表面に被覆処理されているも
の、のいずれもが使用できる。

その中でも特にアルミナが被覆されているものが望まし
く、その被覆量は０．５％未満が望ましい。

このような酸化チタンを用いた場合、写真印画紙のプリ
ント画像の解像力が向上すること以外に、光・熱による
プリント画像の変色が少ない或いはカブリが少ない等の
利点が認められた。

本発明に使用される酸化チタンは、３００℃にて３時間
加熱した場合の減量が０．８重量％以下であることが好
ましい。

０．８％以上だと解像力が低下する。酸化チタン顔料の
添加量は流動性を考慮すると、ポリオレフィン樹脂に対
して１乃至４０重量％、とくに５乃至２０重量％である
ことが望ましい。

粒子表面が多価アルコールで被覆処理された酸化チタン
顔料はマスターバッチを作り、それを熔融押出時にポリ
オレフィン樹脂で希釈して使用する。

マスターバッチ中のポリオレフィン樹脂に対する酸化チ
タン顔料の濃度は、約２０乃至６０重量％程度、とくに
１０乃至４０重量％が望ましい。

マスターバッチの製造法はいかなる方法によっても良い
が、例えば、混練用押出機、加熱線りロール、バンバリ
ーミキサ−ニーダ−等の熔融混合法が最適である。

本発明におけるポリオレフィン樹脂としては、低密度ポ
リエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン及び
それらのブレンド品が使用できる。

コーティングの厚さは約５乃至２００μ程度であり、と
くに１０乃至４０μが好適である。

又これらの樹脂には、所望に応じて、公知の螢光増白剤
、酸化防止剤、帯電防止剤、剥離剤などを添加して使用
しても良い。

本発明で使用する紙には、天然パルプ、合成パルプ、或
Ｌ・はそれらの混合物より成るものが利用できる。

その厚さは約２０乃至４００μ程度であり、とくに７０
乃至２５０μが好適である。

その坪量は、約１５乃至３５０１／７７１２程度であり
、とくに５０乃至２００Ｐ／ｍ”が好適である。

又これらの紙には、所望に応じて公知の紙力増強剤、サ
イズ剤、着色剤、螢光増白剤などを添加して使用しても
良い。

本発明において、熔融押出コーティングとは、押出機か
らダイを通してフィルム状に熔融押出したポリオレフィ
ンを走行している紙基体にコーティングする方法を指す
。

グイ中におけるポリオレフィンの熔融温度は約２５０乃
至３５０℃程度、好ましくは２８０乃至３２０℃であり
、紙基体の走行速度は約５０乃至約５００ ｍ／分程度
、好ま埼１しくは８０乃至２５０ ｍ／分が用いられる
。

本発明の効果をより一層明確にするため、以下に実施例
を示す。

なお実施例中で行なわれた解像力の測定方法は次の通り
である。

ポリオレフィン樹脂コーテイング紙に写真乳剤を塗布し
た後、解像力測定用桁線チャートを焼付け、桁線プリン
ト画像の光学的濃度差をユニオン光学■製ミクロフォト
メーターを使用して測定し、以下の式で示される値を解
像力とした。

この値は肉眼観察の結果とよく相関しており、この値が
大きい程解像力が高いことを示す。

実施例 ＬＢＫＰ１００％、坪量１７５Ｐ／ｍ”、厚さ１８０μ
の原紙を用い、密度０．９２０ ？ ／ｃｃ、メルトイ
ンデックス５．Ｃ１／１０分のポリエチレンを厚さ３０
μで熔融押出コーチイブした。

ポリエチレン中の組成は次に示す通りであった。

（Ａ） アナタース形酸化チタン顔料だけが添加され
たもの。

（Ｂ） アナタース形酸化チタン顔料と分散剤として
ステアリン酸カルシウムが添加されたもの。

（ｑ アナタース形酸化チタン顔料と分散剤としてステ
アリン酸亜鉛が添加されたもの。

（１１２・４−ジヒドロキシ−２−メチルペンタンをエ
タノールに溶解したものの中にアナタース形酸化チタン
顔料を浸漬した後、エタノールを蒸散、乾燥することに
より、粒子表面を２・４ジヒドロキシ−２−メチルペン
タンで被覆処理されたアナタース形酸化チタン顔料が添
加さ☆Ｙ れたもの。

（均トリメチロールプロパンとアナタース形酸化チタン
顔料をジェットミルで混合粉砕することにより得られた
、トリメチロールプロパンで被覆処理されたアナタース
形酸化チタン顔料が添加されたもの。

トリメチロールエタンとアナタース形酸化チタン顔料を
ジェットミルで混合粉砕することにより得られた、トリ
メチロールエタンで被覆処理されたアナタース形酸化チ
タン顔料が添加されたもの。

なお、酸化チタン顔料はポリエチレンに対して各々１０
重量％添加した。

このようにして得られたポリエチレン樹脂コーテイング
紙の表面をコロナ放電処理した後、・・ロダン化銀写真
乳剤を塗布し、解像力測定用桁線チャートを焼付け、解
像力を測定した。

結果は第１表に示す通りであった。

（Ｆ′） 実施例 ２ 実施例１に示すポリエチレン中の組成のうち、（Ａ）、
（Ｃ）、（Ｆ″）のマスターバッチを、ニーダ−（東伸
産業■製加圧式ニーダ−ＴＤ３−５型）で作った。

マスターバッチ中の酸化チタン顔料はポリエチレンに対
して各々４０重量％であり、ステアリン酸亜鉛、トリメ
チロールエタンの添加量或いは被覆処理量は酸化チタン
顔料に対して各々０．５重量％である。

次にマスターバッチを、酸化チタン顔料がポリエチレン
に対して１０重量％になるように希釈し、ＬＢＫＰ１０
０％、坪量１７５ｆｔ／ｍ、厚さプ・１８０μの原紙に
熔融押出コーティングした。

ポリエチレン層の厚さは３０μであり、ポリエチレンは
密度０．９２０ ｐ／ｃｃ、メルトインデックス５、Ｏ
ｆ／１０分のものを使用した。

このようにして得られたポリエチレン樹脂コーテイング
紙の表面をコロナ放電処理した後、ノ・ロダン化写真乳
剤を塗布し、解像力を測定した。

結果は第２表に示す通りで、トリメチロールエタンで被
覆処理された酸化チタン顔料を使用した場合、ニーダ−
での混合が短時間でも高い解像力が得られることがわか
った。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １２乃至４価のアルコールで、粒子表面が被覆処理され
   た酸化チタン顔料を含むポリオレフィン樹脂を紙基体に
   熔融押出コーティングして戒る写真用樹脂コーテイング
   紙。