JPS5842060B2 - 懸垂車両のロ−リング静定装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は索道上を走行する懸垂車両のローリングを静定
するための装置に関するものである。

従来、ワイヤロープ等の索道上を走行するロープウェイ
等の懸垂車両にあっては、走行してきた車両をステーシ
ョン部において停止させるに際し、プラットフォームに
衝突する危険を防止するために車両のローリング（車両
の進行方向に直角な方向の揺動）を静定させる必要があ
る。

このため、一般には地上側ステーションにラッパ状剛体
部を設け、走行してきた車両をこのラッパ状剛体部内に
導くことによりローリングする車両をラッパ状剛体部に
衝突させ、該ローリングを抑制乃至停止させる装置が用
いられている。

そして、この種装置では車両とラッパ状剛体部との衝突
時におけるショックを緩和しかつ車両を保護するために
車両にバンパあるいはパンパラバーを設けている。

しかしながら、この装置ではローリングの激しいときに
はパンパラバーによってもラッパ状剛体部との衝突ショ
ックを充分吸収することは困難であり、このため実際に
は車両がラッパ状剛体部に進入する直前で車両を微低速
乃至停止させてローリングを成る程度まで減少させるよ
うにしており、車両の高速発着・高速通過運行上の障害
となっている。

また、前述したような構成では、例えば、荷物運搬用に
複数台の車両を使用するには、各車両毎にバンパやパン
パラバーを配設しなければならずコスト高、車重増加に
なると共に、前記した運行上の障害が更に著しいものと
なる。

本発明は上記に鑑みなされたもので、その目的とすると
ころは車両のローリングを静定するステーションにラッ
パ状に配設したアレスタラッパを車両の進行方向に対向
して設けると共に、このアレスタラッパを車両のローリ
ング方向に対してスプリングやショックアブソーバ等に
て支持させる構成とすることにより、車両ローリングの
静定時における衝突ショックをアレスタラッパ側にて吸
収して車両のショックを有効に防止し得ると共に、ロー
リング静定時に車両を一々微低速乃至停止させる必要が
なく円滑な高速発着、高速通過運行を可能にするローリ
ング静定装置を提供することにある。

以下、図面に示す実施例により本発明を説明する。

第１図は本発明のローリング静定装置の一実施例図であ
り、図において１は自走式で例示する懸垂車両、２０は
ステーション２１の近傍に配設して車両のローリングを
静定するための静定装置である。

前記車両１は、索道を構成するワイヤローブ２上に転架
した車輪３，３を回転駆動する駆動ユニット４，４を有
し、車両車体５はこれら駆動ユニット４，４に懸垂支持
されている。

該駆動ユニット４，４はワイヤロープ２と平行に沿設し
た給電線６，６から集電カート７にて集電する。

８はブレーキ付モータ、９は速度指令センサ、１０はレ
スキュ用ハツチ、１１はドアである。

また、前記車両車体５の底面には、第２図に示すように
、前後位置に夫々横アレスタローラ１２，１３を設け、
中央位置には車両左右方向に対向配置した一対の縦アレ
スタローラ１４．１４を略コ字状の枠体１５にて支持し
ている。

一方、車両１が停屯するステーション２１の直前位置に
設けた前記静定装置２０は、車体に設けた縦アレスタロ
ーラ１４．１４と略同−高さ位置に、一対のアレスタラ
ッパ２２．２２を車両の進行方向に対してラッパ状に配
設しである。

これら各アレスタラッパ２２．２２は後端位置を支点２
３．２３として車両の横方向に回動できるよう支持され
ると共に、ショックアブソーバ２４及びスプリング２５
にて各外側方向から弾性支持されており、各アレスタラ
ッパ２２．２２は外側方向への力が作用したときにスプ
リング２５等を撓めながら外側方向へ回動し、このとき
該作用力を吸収乃至減衰させるようになっている。

２６は前記アレスタラッパ２２，２２の更に後方位置に
おいて車両車体５の走行路中央線に沿って設けたアレス
タレールであり、車体側に設けた前記縦アレスタローラ
１４，１４間に係合するようになっている。

以上の構成になる本実施例装置の作用を次に説明する。

第３図に示すように、車両１がローリング（進行方向と
直角な方向に揺動）しながらステーション２１に接近す
ると、縦アレスタローラ１４゜１４は車両車体５と共に
横方向に揺動しながらアレスタラッパ２２．２２間に進
入し、そのローリングの振幅の程度に応じてアレスタラ
ッパ２２゜２２の内側面に衝突する。

この衝突によりアレスタラッパ２２．２２はスプリング
２５を撓めて外側方向へ回動し、車体５へのショックを
緩和すると共に、ショックアブソーバ２４の作用により
衝突力を吸収乃至減衰させる。

一方のアレスタラッパ２２．２２の作用のみでは充分で
ないときには、縦アレスタローラ１４．１４は次に他方
のアレスタラッパ２２．２２に衝突し、前述と同様の作
用が行なわれる。

この作用を複数回繰返すことにより車両車体５は次第に
ローリングが抑制され、静定されてアレスタラッパ２２
．２２部位を通過するのである。

なお、アレスタラッパ２２．２２を通過した車体５は、
次に縦アレスタローラ１４．１４がアレスタレール２６
に係合することにより、その後のローリングの発生は確
実に防止されるようになる。

また、車両が進行方向に揺動するピッチング現象が車両
の急ブレーキ等により生じたとしても、第４図に示すよ
うに車両１がアレスタラッパ２２゜２２内に進入したと
きに横アレスタローラ１２゜１３がアレスタラッパ２２
．２２の上面に接触し、ピッチングを抑制することがで
きるのである。

ここで、アレスタラッパを弾持する構成としては、第５
図に示すように複数本のスプリング２７゜２７を用いて
アレスタラッパ２２’、２２’が車両の外側方向に平行
移動する構成としてもよい。

しかしながら、第１、第３図に示した回動形の構成とす
れば、アレスタラッパ２２．２２における縦アレスタロ
ーラ１４．１４との衝突位置が車両の進行に伴なってア
レスタラッパの先端側から後端側に移行するにつれてア
レスタラッパのレバー比が変化することになり、前述し
た衝突力の吸収・減衰作用を小から犬へ漸増させ、車体
へのショックを少なくすると共に、アレスタラッパ通過
前に確実にローリングを抑制できる。

いう効果を奏する。以上の説明から明らかなように本発
明の懸垂車両のローリング静定装置は、車両の進行方向
に対向してアレスタラッパをラッパ状に配設すると共に
、このアレスタラッパを車両のローリング方向に変位可
能に弾持する構成としたことにより、口−リング静定時
における車両車体とアレスタラッパとの衝突ショックを
吸収乃至減衰して車体へのショックを軽減すると共に、
ローリング静定時に車両速度を微低速乃至停止させずと
も前述のショックの軽減を図ることができ、車両の運行
上の障害を回避することができる等の効果を奏するので
ある。

なお、先の説明ではステーション部で停止又は通過する
時を例に採り説明したが、索道の支柱近傍を通過する際
の車体のローリングを予め静定する場合にも用いること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明装置を施した懸垂車両の斜視図、第２図
は車両車体の底面部の斜視図、第３図は一実施例の平面
図、第４図は作用を説明するための側面図、第５図は他
の実施例の要部平面図宅ある。 １・・・・・・懸垂車両、２・・・・・・ワイヤロープ
、５・・・・・・車両車体、１２，１３・・・・・・横
アレスタローラ、１４・・・・・・縦アレスタローラ、
２０・・・・・・静定装置、２１・・・・・・ステーシ
ョン、２２，２２’・・・・・・アレスタラッパ、２４
・・・・・・ショツクアプブーバ、２５・・・・・・ス
プリング、２６・・・・・・アレスタレール、２７・・
聞スプリング。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 索道上を走行する懸垂車両の走行方向に対向して、
   懸垂車両の少なくとも一部を横方向から挾む様にラッパ
   状にアレスタラッパを配設すると共に、このアレスタラ
   ッパを車両ローリング方向に変位可能にスプリングやダ
   ンパ等により弾持したことを特徴とする懸垂車輌のロー
   リング静定装置。 ２ アレスタラッパはその後端部を支点として横方向に
   回動可能に弾持してなる特許請求の範囲第１項記載の懸
   垂車両のローリング静定装置。 ３ アレスタラッパは懸垂車両の下方に突設したアレス
   タローラを挾むように構成してなる特許請求の範囲第１
   項又は第２項記載の懸垂車両のローリング静定装置。 ４ アレスタローラは、逆Ｕ字状に配設されアレスタラ
   ッパの後方位置に沿設したアレスタレールに、係合する
   よう構成してなる特許請求の範囲第３項記載の懸垂車両
   のローリング静定装置。