JPS5842049Y2 - 自動塗装ガンヘツド - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は一丁の塗装ガンにより複数種の塗料を必要に応
じて選択的に切替えて塗装することができる自動塗装ガ
ンヘッドに関するものである。

一般に自動塗装をするには、単式ノズルを用いた塗装装
置により種々の物品に対して塗装がなされているが、被
塗装物によっては種類、色もしくは粘度の異なる複数の
塗料を使い分けながら塗布する必要がある。

例えば自動車のタイヤハウスまたは床裏などの防錆塗装
に当っては、その防錆仕様に従って塩ビゾルを塗布する
かまたは瀝青質デドナーを塗布しなければならない場合
があり、しかも流れ作業による同一ライン内で短時間の
内に塗装を完了させなければならない。

この場合は塗装ロボットに自動塗装ガンを装備してこれ
を行うのであるが、その自動塗装ガンは塗料の種類が異
なるために単式ノズルの２丁の自動塗装ガンを用いるか
、或は１丁の自動塗装ガンで２種類の塗料を切換えて塗
布作業をしなければならない。

前者の２丁の自動塗装ガンを用いる場合は、塗装ロボッ
トを含めて２倍の装備をしなければならず装置全体が大
げさなものとなって多大の設備費を要し不経済である。

又後者の１丁の自動塗装ガンを切換えて２種類の塗料を
塗布する場合には、塗料容器までのホースと塗料移送ポ
ンプとを取換えなければならず、ホース及び移送ポンプ
内に溜っている多くの塗料が切換え毎に吹き捨てられて
損になるばかりでなく、塗料の粘度が異なるとスプレー
パターンが異なり自動塗装ガンの動きから変えなければ
ならず、この切換えのための操作及び作業が厄介であり
、作業能率が著しく低下すると云う欠点がある。

本考案はこれらの欠点を除去するためになされたもので
あって、その目的は単式ノズルの１丁の自動塗装ガンで
数種類の塗料及び粘度の異なる塗料を選択的に且つ瞬時
に切換えて同一スプレーパターンで塗装することができ
、塗料の無駄をなくすと共に作業能率を著しく向上させ
た自動塗装ガンヘッドを提供しようとするものである。

この目的を達成するためになされた本考案は、ダイヤプ
ラムを備えた空気室と、該ダイヤフラムの前後動によっ
てノズルを開閉するニードルと、該ニードルの先端が位
置するニードル弁室と、ノズルチップを備えたノズル先
端とからなる自動塗装ガンにおいて、前記ニードル弁室
に連通させて複数個のチャツキバルブを取付けたことを
特徴とする自動塗装ガンヘッドであって、前記チャツキ
バルブを介して別系統からの異なる粘度及び種類の塗料
が移送されるパイプが夫々連結され、これらパイプから
選択された塗料が粘度に合った圧力で供給され吹付塗布
されるのである。

次に本考案を図示の実施例により更に詳しく説明すると
、１は自動塗装用のガンヘッドであり、該ガンヘッドは
後端側（図において左側）に空気室２が設けられ、該空
気室内にはダイヤフラム３が取付けられ、該ダイヤフラ
ムは後端側からスプリング４によりバネ付勢されている
。

このスプリング４は押圧力を調節ネジ５により調節可能
な状態に配設され、この調節ネジはスプリング４の押圧
力を調節して後述するノズルの開放状態を調節し、それ
によって塗料の吐出量を調節するのである。

前記ダイヤフラム３の前面側にはニードル６の＼ 基部が取付けられ、該ニードルの先端はノズル７のニー
ドル弁室８に臨んでいる。

このニードル弁室８に連通させて、上下もしくは左右か
ら複数個のチャツキバルブ９，９ａが取付けられ、ノズ
ル７の先端にはノズルチップ１０を備えたノズル先端１
１が取付けられている。

チャツキバルブ９，９ａは、内部に逆流防止用のボール
１２と該ボールを押圧するスプリング１．３とが配設さ
れ、一方の端部１４はノズル７に取付けられ他方の端部
１５は塗布すべき塗料が供給されるパイプが取付けられ
る。

従って、チャツキバルブ９においては矢印ａで示した方
向に一方的に塗料が移送されるのである。

尚、図中符号１６は空気室２に圧縮空気を送り込んで弁
の開閉を行うための空気通路、１７．１８はパツキンで
ある。

上記構成のガンヘッドは、例えば第３図に示される自動
塗装装置の回路中に組込んで使用される。

この回路において、ガ゛ンヘッド１のチャツキバルブ９
，９ａに夫々別の塗料が移送されるパイプ１９．１９’
が接続され、該パイプの途上に切換バルブ２０．２１が
設けられると共に、これらパイプの端部には塗料を移送
し、該塗料の粘度によって吹付圧（吐出圧）が調整され
た移送ポンプ２２ 、２３が連設されている。

更に、ガンヘッド１の空気室２、即ち空気通路１６にダ
イヤフラム３を駆動し弁操作するためのパイプ２４が接
続され、前記切換バルブ２０．２１にも、それらを切換
操作するためのパイプ２５．２６が接続され、これら各
パイプは、夫々ソレノイドバルブ２７．２８．２９を介
してエアー主管３０に接続されている。

尚エアー主管３０にはエアフィルタ３１、減圧バルブ３
２及び圧力計３３が取付けられている。

上記の通り組込まれた本考案の自動塗装ガンのヘッドは
、例えば一方のチャツキバルブ９からは塩ビゾルが吐出
するように移送ポンプ２２を塩ビゾル容器に投入もしく
は接続させ、他方のチャツキバルブ９ａからは瀝青質デ
ドナーを吐出させるべく移送ポンプ２３を瀝青質デドナ
ー容器に投入もしくは接続しておく。

使用される塩ビゾルの粘度は２００００〜４００００
ｃｐｓ ２０℃、瀝青質テ゛ドナーは５０００〜１５０
００ ｃｐｓ ２０℃である。

そこで、ガンヘッド１から塩ビゾルを塗布する場合、ソ
レノイドバルブ２８を開けてエアーを矢印すで示したよ
うに切換バルブ２０に与えて開にし、同時にソレノイド
バルブ２７を開けて矢印Ｃで示したようにエアーをガン
ヘッドの空気室２に与え、ダイヤフラム３を後退させる
ことにより三ドル６も同時に後退させ、ニードル弁室８
からノズル先端１１への通路を開き、移送ポンプ２２で
汲み上げられた塩ビゾルがチャツキバルブ９のボール１
２をスプリング１３に抗して押し下げ、ニードル弁室８
を通ってノズル先端１１から被塗装物に対して吹付けら
れる。

この場合の吹付圧は５ ｋｇ／ｃｍ２である。

塩ビゾルに変えて瀝青質テ゛ドナーを塗布する場合には
、ソレノイドバルブ２７ 、２８を閉め、ソレノイドバ
ルブ２９を開けて切換バルブ２１を開にし、ソレノイド
バルブ２７を開けて前記同様にニードル弁室８とノズル
先端とを連通させるとチャツキバルブ９ａから瀝青質デ
ドナーが供給され吹付けられる。

この場合の吹付圧は３ ｋｇ／Ｃｆｆ１２である。この
切換を行うに当り、複数個のチャツキバルブ９，９ａが
選択的に切換えられても、チャツキバルブ内にはスプリ
ング１３で押圧されたボール１２が存するために、吹付
圧が異なっても逆流は全く生じないばかりでなく、切換
時に吹捨てられる塗料の量はニードル弁室８以降ノズル
先端１１に至るまでのわずかな量である。

そして色及び粘度が異なる多種類の塗料を吹き付けても
、吹付圧を変えることによって同一パターンの吹き付け
ができるのである。

以上説明したように本考案に係る自動塗装ガンのヘッド
は、ニードル弁室に連通させて複数個のチャツキバルブ
を取付けた構成であるため、一丁の単式ノズルであって
も、多種類の塗料が選択的に切換えて吹き付は塗布でき
、特に狭い場所への塗布の場合に、一丁の塗装ガンで多
種類の塗料の吹き付けができることは、その作業能率を
著しく向上させるものであり、しかも構成が簡単で安価
に提供できると云う優れた効果を奏するのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るガンヘッドの縦断側面図、第２図
は同ガンヘッドに組込まれるチャツキバルブの拡大断面
図、第３図は同ガンヘッドが組込まれる自動塗装装置の
略本的回路図である。 １・・・・・・ガンヘッド、２・・・・・・空気室、３
・・・・・・ダイヤフラム、４・・・・・・スプリング
、５・・・・・・調節ネジ、６・・・・・・ニドル、７
・・・・・・ノズル、８・・・・・・ニードル弁室、９
，９ａ・・・・・・チャツキバルブ、１０・・・・・・
ノズルチップ、１１・・・・・・ノズル先端。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ダイヤフラムを備えた空気室と、該ダイヤフラムの前後
   動によってノズルを開閉するニードルと、該ニードルの
   先端が位置するニードル弁室と、ノズルチップを備えた
   ノズル先端とからなる自動塗装ガンにおいて、塗料が供
   給される端部を備えると共に塗料の逆流防止用のボール
   と該ボールを押圧するスプリングとを備えたチャツキバ
   ルブを前記ニードル弁室に連通させて複数個取付けたこ
   とを特徴とする自動塗装ガンヘッド。