JPS5841931B2 - 鋳造用鋳型 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は保温剤を使用した鋳造用鋳型に関するものであ
る。

従来、鋳物の歩留り向上と鋳仕上工数の低減のために鋳
型の肌砂に発熱性保温剤、断熱性保温剤などが使用され
ている。

このうち発熱性保温剤としては保温剤自体が発熱し、溶
湯の冷却を防止する作用をなすものでテルミットなどが
使用されているが、このテルミット反応は高熱を発生す
るため、これを使用した個所の鋳物にガス欠陥やＡ１、
Ｓｉなどが溶湯への拡散により鋳物の硬化や鋳物材質が
不均一になる欠点があり、その使用は限られている。

また断熱性保温剤はそれ自体により溶湯よりの放熱を防
止する作用をなすもので、珪藻土などが使用されている
が、例えば珪藻土などを肌砂に使用することは鋳物工場
では困難なため、予め尋問工場で鋳型の保温個所の形状
に底形し、乾燥したものを鋳物工場に運び肌砂として使
用しなげればならない。

またその保温効果が悪く、かつ鋳肌も悪（なる欠点があ
る。

本発明者等はこのような欠点のない鋳型を造らんとして
保温剤について種々研究を行った結果、安定化ジルコニ
アの中空球状小粒子（以下安定化ジルコニアバブルと＼
・う）を粘結剤と混練し、鋳型の保温個所に肌砂として
使用することが最も好ましいことを知見した。

本発明はこの知見に基くものであって、鋳型の保温個所
に肌砂として安定化ジルコニアバブルを使用した鋳造用
鋳型である。

本発明に使用する安定化ジルコニアバブルの成分は次の
如きもので、 径は１，０〜２．５ｍｍ程度の中空球体が好ましい。

この安定化ジルコニアバブルを種々の粘結剤と混練し、
鋳型の保温を必要とする個所の肌砂に使用する。

例えばこのバブルを水硝子と混練し、図に示す如き鋳型
への溶湯注入口附近の模型面に３〜５關の厚さに入れ、
その上に普通のＣＯ２砂を入れて搗固め、ＣＯ２を通気
して硬化せしめる。

硬化後はその表面に塗型することが好ましい。

図において１は生砂で造った鋳型、２は鋳物製品、３は
押湯であり、また４は押湯附近の肌砂に使用した安定化
ジルコニアバブル、そして５はＣＯ２砂搗固め層である
。

本発明の鋳造用鋳型は鋳物工場で製作することができる
ばかりでなく、本発明の鋳型を使用すれば、安定化ジル
コニアバブルが高耐火性で、溶湯その他鋳物砂との反応
がなく、熱伝導性が低く、かつ熱容量が小さいため、鋳
物のガス欠陥、溶湯へのＺｒの拡散もない鋳物を造るこ
とができる。

また本発明により、ダクタイル鋳鉄を造る場合には、安
定化ジルコニアバブルを鋳型の保温個所に使用するだけ
で、従来の発熱性保温剤と同等の作用をなさしめること
ができるが、鋳鋼を造る場合には、使用条件によっては
、安定化ジルコニアバフルに適当な発熱剤を混合するこ
とが望ましい。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一態様を示す断面図である。 図において１・・・・・・生砂で造った鋳型、２・・・
・・・鋳物製品、３・・・・・・押湯、４・・・・・・
安定化ジルコニアバブル、５・・・・・・ＣＯ２砂であ
る。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 鋳型の保温個所に肌砂として安定化ジルコニアの中
   空球状小粒子を使用した鋳造用鋳型。