JPS5840067B2 - 制動弁 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は制動弁に関し、管系においてポンプの前又は
後に取付けら札ポンプ起動時その圧力又は吸引力に抗し
ながら自動的に除々に開く制動弁に関するものである。

管系に流体を流すためには、例えば、ポンプによって流
体を送給するが、このポンプによる送給を、例えば、ポ
ンプの起動等により、急激に行なうと、流れに急激な圧
力変動が生じ、また、ときとしては、瞬時ではあるが異
常に大きな圧力を生ずることがある。

その結果、管系に設けられている油圧シリンダ等の作動
機器や、圧力又は方向等の各種制御弁、又は、アクチュ
エータ等の各種油圧機器に種々の悪影響を及ぼす。

すなわち、大きな圧力による機器部分の変形、異常摩耗
、又は、ウォータハンマー等による機器作動の異常等が
発生し、流体システムを不具合いにするという欠点が、
従来の管系にはあった。

この発明は、このような従来の管系における欠点を除去
し、急激な流れの変化に基づく大きな圧力変動の発生を
防止し、緩慢に変化させてなめらかに定常流を生じさせ
る制動弁を提供することを、その目的とするものである
。

以上の目的を達成するために、この発明の制動弁は、流
管と接し仕切板を介して設けられた制動室と、流管と制
動室との間の境界を形成する仕切板に流管軸に直角に延
びて自由に回転するように支持された軸と、この軸に固
定されて流管の中に突き出た弁体、と、上記軸に上記弁
体と同じ位置でほぼ反対側に固定されて制動室の中へ突
き出た制動羽根とを備えることを特徴とし、制動室内へ
突き出た制動羽根の制動作用により流管内に流体が流れ
始めると弁体は閉の状態から流れに抗しながら徐々に開
き、急激な流れの変化に基づく大きな圧力変動の発生を
防止するように作用する。

以下に、図示する実施例に関してこの発明の詳細な説明
する。

第１図はこの発明の一実施例を示す断面概略図であって
、この発明は、管系において管路の一部となる流管１と
、流管１と接し仕切板７を介して設けられた制動室２と
、流管１と制動室２の境界に支持され自由に回転する軸
３と、軸３に固定され流管１の中に突き出た弁体４と、
同じく軸３に固定され制動室２の中へ突き出た制動羽根
５とから構成されており、制動羽根５と制動室内壁との
間には小間隙６が形成されると共に、流管内の流体が静
止している場合においては、第１図に示す状態になるよ
うに、弁体４と制動羽根５との重さが決められている。

また制動室２の中には、流管１の中の流体が、軸３と仕
切板７との隙間８を通って入り、充満するようにされて
いる。

上記のように構成された弁を備えた管路において、ポン
プが起動した場合弁体４は圧力又は吸引力を受は軸３を
支点として右又は左に開こうとするが、同じ軸３に固定
された制動羽根５は、制動室２に流体が充満しているた
め、制動羽根５の両側の流体が、流体抵抗の大きい小間
隙６を通って移動する速さに応じた速度でしか動き得な
い。

従って、軸３を介して制動羽根５に結合されている弁体
４もまた、流管内のポンプ等により吐き出された大きな
流れにもかかわらず、この流れに抗しながら徐々に開く
ことになる。

このように、この発明の制動弁によれば、管路のポンプ
起動時の急激な流れの変化を押えて徐々に流量を増加さ
せて急激な圧力変動を防止し、なめらかに定常流に移行
させることができる効果をこの発明は有している。

以上、第１図に示したものは流管１のどちら側からの流
れに対しても制動弁の働きをするものを示したが、第１
図では流管１のどちら側からの流れに対しても制動弁の
働きをするが、流れの方向が一方向の場合は第２図のよ
うに制動室２の内壁側面形状は１／４円形でよいことに
なる。

又同じく流れが一方向の場合、第３図のように弁体４と
制動羽根５が直角になるように軸３に固定すれば弁体４
と制動羽根５の重さに関係なく流管内の流体が静止して
いる状態では弁体４は自重により自動的に閉の状態にな
る特徴を持っている。

第４図は仕切板７及び７′が軸３を中心として作る角度
を適当に選ぶことにより弁体４が制動羽根５の動く角度
を９０° より大きくしたことを特徴とするもので、第
１図乃至第３図に示す制動弁に比しさらに定常流へのな
めらかな変化を得ることができる。

第５図は弁体４及制動羽根５が個々に軸３′を持ち、そ
の間を各々の軸３′に固定された歯車９で連結したこと
を特徴とするもので、例えば、弁体側の歯車と制動羽根
側の歯車の比を１対２とすれば、弁体４が閉から開へ９
０°動くためには制動羽根５を１８０°動かさねばなら
ないことになり、第４図のものよりもさらに定常へのな
めらかな変化を得ることができる。

第２図乃至第５図の制動弁は逆向きの流れに対しては逆
止弁の働きをすることができる。

第６図は流管内の流れを監視する装置の一例で、軸３に
直結された外部指針１０の動きにより流管内の流れを監
視できる。

なお軸３の回転を磁気接手により外部指針１０に伝える
こともできる。

また第７図には監視装置の目盛板と外部指針の一例を示
す。

また、のぞき窓を設は直接内部の弁体４又は制動羽根７
を見ることにより流管内の流れを監視できる。

尚上記実施例では弁体４及制動羽根５は流管１の中の流
体が静止している状態では自重により自動的に閉になる
ことを示したがスプリングを備えることにより閉の位置
に戻すことができることはいうまでもない。

この発明は以上説明した通り、管系においてポンプが起
動する際に弁体が制動力を受けなから除徐に開くので、
管系に与える衝撃や圧力変動をやわらげ、なめらかに定
常流にする効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図はこの発明の制動弁の実施例を示す
管軸に沿った概略断面図、第６図はこの発明の制動弁に
使用できる流れ監視装置の部分断面図、第７図は第６図
の流れ監視装置の正面図である。 図において１は流管、２は制動室、３，３′は軸、７．
７′は仕切板、９は歯車、１０は外部指針を示す。 尚、各図中の同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 流管と接し仕切板を介して設けられた制動室、流管
   と制動室との間の境界を形成する仕切板に流管軸に直角
   に延びて自由に回転するように支持された軸、この軸に
   固定されて流管の中に突き出た弁体、および上記軸に上
   記弁体と同じ位置でほぼ反対側に固定されて制動室の中
   へ突き出た制動羽根を備えた制動弁。 ２ 弁体と制動羽根とを軸を対称に一直線上に固定した
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の制動弁。 ３ 制動室形状を軸を中心とする半円形としたことを特
   徴とする特許請求の範囲第２項記載の制動弁。 ４ 弁体と制動羽根を軸を中心に直角に固定したことを
   特徴とする特許請求の範囲第１項記載の制動弁。 ５ 制動室形状を軸を中心とする１／４円形としたこと
   を特徴とする特許請求の範囲第２項又は第４項記載の制
   動弁。 ６ 制動室を形成する仕切板が軸を中心として９０°と
   １８０°との間の角度で配置され、弁体及び制動羽根が
   動く角度を９０°と１８０°との間の角度としたことを
   特徴とする特許請求の範囲第１項記載の制動弁。 ７ 流管内の流れが停止した場合に弁体及び制動羽根で
   重力により自動的に一定位置に復帰するよう弁体又は制
   動羽根のどちらかをより重くしたことを特徴とする特許
   請求の範囲第１項乃至第６項のいずれかに記載の制動弁
   。 ８ 流管内の流れが停止した場合に弁体及び制動羽根が
   自動的に一定位置に復帰するよう弁体及び制動羽根を偏
   倚するばね装置を備えたことを特徴とする特許請求の範
   囲第１項乃至第６項のいずれかに記載の制動弁。 ９ 弁体の動きを外部に対して示す監視装置を備えたこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項ないし第８項のい
   ずれかに記載の制動弁。 １０流管及びこれと接し仕切板を介して設けられた制動
   室、流管軸に直角に延び、流管内で仕切板中央近くに自
   由に回転できるように支持された第１軸、この第１軸に
   固定され流管内に延びる弁体、流管軸に直角に延び制動
   室内で仕切板中央近くに自由に回転できるように支持さ
   れた第２軸、この第２軸に上記弁体と軸方向同位置に固
   定され上記弁体とほぼ反対側に制動室内に延びる制動羽
   根、及び弁体が固定された第１軸と制動羽根が固定され
   た第２軸とを作動的に連結する歯車を備えた制動弁。 ′１１ 第１軸と第２軸を作動的に連結する歯車の比が
   ２：ｌであることを特徴とする特許請求の範囲第１０項
   記載の制動弁。 １２ 弁体の動きを外部に対して示す監視装置を備えた
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１０項あるいは第１
   １項に記載の制動弁。 １３監視装置が、弁体の軸を流管の外に封止して延長し
   て出し、これに指示針を備えたことを特徴とする特許請
   求の範囲第１２項記載の制動弁。 １４監視装置が、弁体の動きを磁気接手によって外部の
   指示針に伝える装置であることを特徴とする特許請求の
   範囲第１２項記載の制動弁。 １５監視装置が弁体の状態を直接目視できるのぞき窓を
   備えたことを特徴とする特許請求の範囲第１２項記載の
   制動弁。