JPS5838662Y2 - 押釦同調器のガイドシヤフト取付機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は押釦同調器のガイドシャフト取付機構に関する
。

押釦同調器は、押釦に連動するコアをコイル内部に進退
させて同調を行うものである。

その一例を第１図によって説明すると、まず、同調器の
背面側にはアッパープレート１が配設され、このアッパ
ープレート１の前端縁にコイル取付板２が垂直に連設さ
れている。

コイルは、このコイル取付板２の背面に水平方向に固定
されており、コイル取付板２にはこのコイルの中心開口
部に臨むコア挿入孔３が穿設されている。

一方、同調器の前面には、コイル取付板２と平行にフロ
ントパネル４が配設され、このコイル取付板２とフロン
トパネル４とをかけ渡すようにガイドシャフト５が設け
られている。

このガイドシャフト５上にはコアスライド板６が摺動自
在に装架されており、このコアスライド板６のアッパー
プレー１−１側には、コア７が水平方向に取付けられて
いる。

そして、このコア７は、コイル取付板２に設けた挿入孔
３を通って、取付板背面のコイル内に挿入されている。

また、コアスライド板６の端部には、回動クランクの側
板８の上端に設けた突片１３が係合している。

このような構成の押釦同調器において、選局用の押釦を
押すと、これに接触している回動クランクが回動し、そ
の側板８も回動する。

すると、側板８に係合しているコアスライド板６が、ガ
イドシャフト５に案内されて前後動し、それに伴いコア
スライド板６に取付けられたコア７がコイル内部を進退
して、同調が行なわれるのである。

ところで、この種の押釦同調器に於いて、ガイドシャフ
ト５をフロントパネル４とコイル取付板２とに固定する
には、従来では、ガイドシャフト両端を、コイル取付板
２及びフロントパネル４に対しカシメ結合により固定し
ていた。

その結果、このガイドシャフト５は、前後方向並びに回
転方向の両方向に対し、固定的に取付られていたのであ
る。

しかし乍ら、このようにカシメ結合により固定されてい
ると、ガイドシャフトが若干でも斜めに固定されてしま
った場合には、コアスライドの移動方向とガイドシャフ
ト５の方向とがずれてしまい、コアスライドの摺動が円
滑に行われなくなる欠点があった。

又、このようにガイドシャフトの両端をコイル取付板２
やフロントパネル４にカシメ結合により固着してしまう
と、コアの交換やコアスライドの交換の際、このカシメ
結合部分をはずさない限りコアスライドをガイドシャフ
トがら取はずすことができず、部品の交換等が面倒とな
る欠点もあった。

本考案はこのような従来型ガイドシャフトの取付機構の
欠点を解消せんとして提案されたものであって、その目
的とする処はガイドシャフトを、コイル取付板とフロン
１〜パネルの間に回転方向には移動可能に軸方向には固
定して取付けることによって、たとえガイドシャフトの
取付精度が狂っていた場合であっても、コアスライドの
前後動の際にはガイドシャフトがその回転方向に移動し
、これによって両者の摺動が円滑に行え得るようにした
押釦同調器におけるガイドシャフトの取付機構を提供す
ることにある。

以下、本考案を第２図以下に示す実施例に基いて具体的
に説明する。

第２図は本考案の１実施例であって、符号４はフロント
パネルである。

このフロントパネル４に置けるガイドシャフト５の取付
部分にはガイドシャフトの係止孔４Ａが穿孔されている
。

一方、２はコイル取付板であって、このコイル取付板２
におけるガイドシャフト５の取付部分には、ガイドシャ
フト５の外径よりも大きな内径を有するガイドシャフト
挿入孔２Ａが穿孔されている。

ガイドシャフト５のフロントパネル４側の端部には、ガ
イドシャフト５よりも径が細くなった嵌合部５Ａが形成
されている。

そして、この嵌合部５Ａは前記フロントパネル４の係止
孔４Ａに嵌合するものである。

又、ガイドシャフト５におけるコイル取付板２側の端部
には、その端面よりコイル取付板２の肉厚骨だけフロン
トパネル側に寄った位置に、ガイドシャフトの円周方向
に沿った溝５Ｂが形成されている。

そして、このような構成のガイドシャフト５は、コイル
取付板２の挿入孔２Ａを通ってコアスライド６のガイド
孔６Ａ内に挿入され、さらに、その先端部に設けた嵌合
部５Ａがフロントパネル４の係止孔４Ａ内に嵌合される
。

また、ガイドシャフト５の他端は、コイル取付板２の挿
入孔２Ａ部分によって指示されるが、このコイル取付板
２のフロントパネル４側には、ガイドシャフト５の溝５
Ｂが位置しており、この溝５Ｂ部分にＥ−リング等の係
止金具５Ｃがはめ込まれる。

即ち、この溝５Ｂ内にはめ込まれた係止金具５Ｃがコイ
ル取付板２の前面に係合して、ガイドシャフト５の引抜
き方向の移動を阻止している。

もちろん、ガイドシャツｌ−５の挿入方向（手前方向）
の移動は、このフロントパネル４の係止孔４Ａ内にガイ
ドシャフト先端の嵌合部５Ａが嵌着していることによっ
て阻止されるのである。

この実施例によれば、ガイドシャフト５は、フロントパ
ネルとＥ−リングとによってその前後方向の移動は規制
されるが、回転方向には自由に移動可能である。

そのため、ガイドシャフトが偏心していたり、あるいは
、取付角度が若干狂っていたり、更には、ガイドシャフ
トが湾曲していた場合であっても、このガイドシャフト
とフロントパネル及びコイル取付板との間には遊びがあ
る。

従って、コアスライドの移動時にコアスライドとガイド
シャフトとが強く噛み合うようなことがあっても、ガイ
ドシャフトが回転し逃げが生ずるため、コアスライドと
ガイドシャフトとは円滑に摺動することが可能となる。

又、コアスライド或いはこれに取付けたコアの交換のた
めにガイドシャフトを引抜く場合には、Ｅリングを取り
外すだけでガイドシャフトの取り外しが可能となり、コ
アスライドやコアの交換が簡単に行える。

なお、本考案と同様に、ガイドシャツＩ・をフレームに
回転自在に取付ける手段としては、第３図及び第４図の
如きものがある。

第３図の手段では、ガイドシャフトの先端側は、第２図
の第１実施例と同様にしてフロントパネル４に嵌合させ
る。

一方、ガイドシャフト４の基端部はＥリングを用いるこ
となく固定する。

即ち、コイル取付板２にはガイドシャフト５の挿入孔２
Ａを穿孔しておく。

そして、この挿入孔２Ａ内にガイドシャフト５を挿入し
た状態で、コイル取付板の背面側にコイルケース１４を
固定し、このコイルケース１４の端面を、コイル取付板
２の挿入孔２Ａを塞ぐように位置させることによって、
挿入孔２Ａからのガイドシャフト５の引抜きを防止する
ものである。

尚、この場合、コイルケース１４は、コイルケース１４
の背面側に設けた端子板１５との間に挟持され、且つ、
この端子板１５とコイル取付板１１とはネジ１６によっ
て締付けることによって固定される。

この手段に於いても、ガイドシャフト５はキック方向に
は移動不可能に規制されているが、回転方向には自由に
取付られている。

従って、コアスライドとガイドシャフトとの間には逃げ
が生じ、コアスライドの円滑な摺動が可能である。

又、この第２実施例に於いて、コアスライドを取はずす
場合には、まず、端子板１５をネジ１６をはずすことに
よってコイル取付板からはずし、そして、コイルケース
を取りはずして、コイル取付板２の挿入孔２Ａ内からガ
イドシャフト５を引き抜くので゛ある。

次に、第４図に示す手段は、ガイドシャフト５の両端に
それぞれ径の細い嵌合部５Ａ、５Ａを形成したものであ
る。

そして、フロントパネル４とコイル取付板２とには、こ
の嵌合部５Ａ、５Ａが嵌合する係止孔４Ａ、２Ｂを穿孔
しておく。

この実施例に於いて、ガイドシャフト５をフロントパネ
ル４とコイル取付板２との間に固定するには、あらかじ
めガイドシャフト５にコアスライド６を取付けて置く。

そして、このガイドシャフト５をフロントパネル４とコ
イル取付板２との間にはさみ込み、両端の嵌合部５Ａ、
５Ａをフロンツバネルとコイル取付板の係止孔４Ａ、２
Ｂ内に嵌合させる。

このように、フロン１へパネル４とコイル取付板２とに
よってガイドシャツ１へ５を挾持した後は、フロントパ
ネル４とコイル取付板２とを押釦同調器の左右の側板等
によって固定し、その間隔が広がらないようにする。

このようにすると、ガイドシャフト５はフロン）・パネ
ル４とコイル取付板２との間において軸方向にはスライ
ド不可能に、しかも回転方向には自由な状態に取付けら
れるのである。

この第４図の手段に於ては、コアスライドの移動時に、
コアスライドとガイドシャツ１〜５との間の逃げは確保
されるので、コアスライドの円滑な摺動は可能である。

しかし、ガイドシャフトはコイル取付板や、フロンＩ・
パネルに対し、引抜き可能に設けられていないので、コ
アスライドを後からガイドシャフトに挿入することがで
きず、従って、コアスライドやコアの交換は、第１．第
２実施例に比較するとむずかしくなる。

本考案は以上のような実施例に示す如き構成を有するも
のであるが、必ずしもこれ等に限定されるものではない
。

例えば、第２図の実施例は、コイル取付板側に挿入孔を
設け、係止孔をフロントパネル側に設けたがこれを逆に
設け、フロントパネル側からガイドシャツｌ〜を挿入す
ることも可能である。

以上の実施例に示す通り本考案によれば、ガイドシャフ
トに対し、遊びを設けることが可能となるので、コアス
ライドの摺動が極めて円滑になる。

その結果、コアスライドを移動させる押釦の押圧力が軽
減し、押釦同調器の同調操作を簡単に行える様になる。

又、第２図の実施例のようにガイドシャフトをフロント
パネル又はコイル取付板に対し、挿入自在に取付けた場
合には、コアスライドをフレームの組付後にガイドシャ
フトに取付けることが可能となるので、コアスライドの
組付工程が簡略化し、又、コアスライドやコアの交換も
容易になる利点か゛ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は押釦同調器におけるコアスライド及びそのガイ
ドシャフト部分を示す斜視図、第２図は本考案のガイド
シャツＩ・の取付機構の第１実施例を示す平面図、第３
図及び第４図はそれぞれガイドシャフトをフレームに回
転自在に取付ける他の手段を示す断面図である。 ４・・・・・・フロントパネル、４Ａ・・・・・・係止
孔、２・・・・・・コイル取付板、２Ａ・・・・・・ガ
イドシャフト挿入孔、５・・・・・・ガイドシャツｌ−
１５Ａ・・・・・・嵌合部、５Ｂ・・・・・・溝、５Ｃ
・・・・・・係止金具、６・・・・・・コアスライド、
６Ａ・・・・・・ガイド部、１４・・・・・・コイルケ
ース、１５・・・・・・端子板、１６・・・・・・ネジ
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コアスライドのガイドシャフトを、押釦同調器のフレー
   ムに対し回転方向には移動可能に且つ軸方向には固定的
   に取付けた押釦同調器において、ガイドシャフトを取付
   けるフレームが、押釦同調器のフロントパネルとコイル
   取付板とから構成され、フレーム一方にはガイドシャフ
   トの先端に形成した嵌合部が嵌合する係止孔を設け、フ
   レーム他方にはガイドシャフトの挿入孔を設け、更にガ
   イドシャフトには溝を形成してこの溝にはめ込んだ係止
   金具をコイル取付板の前面に係合させて、ガイドシャフ
   トの軸方向の移動を規制したことを特徴とする押釦同調
   器のガイドシャフト取付機構。