JPS5837551Y2 - 工作物搬出装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は加工済み工作物を搬出アームの上昇旋回運動に
て加工位置より搬出する工作物搬出装置に関するもので
ある。

従来におけるこの種の装置は、加工済み工作物を加工位
置から搬出するために設けられ、作業者の手作業による
工作物搬入搬出を補助するようになっているが、加工位
置より搬出された工作物を搬出アーム上から取除いてや
らないと搬出アームを回動復帰させることができない。

しかも搬出アームの回動復帰前に加工位置に工作物を搬
入すると搬出アームは工作物が邪魔になって加工位置下
方の復帰位置に戻ることができなかった。

このため、作業者が行う工作物の搬入搬出手順としては
、先ず搬出アームにより加工位置から搬出されこれに保
持された加工済み工作物を機外に取出し、その工作物を
所定位置に置いた後、搬出アームを回動復帰させ、その
後未加工の工作物を取りにいてもそれを加工位置に搬入
しなければならず、作業者の手の動きは加工位置と機外
との間を２往復するにも係られず、何も把まない手の動
きが２回もあり無駄が多いばかりでなく時間的にも長く
かかつていた。

これに対し未加工工作物を加工位置に搬入した後におい
ても搬出アームが加工位置下方に回動復帰できるように
すると、作業者が行う工作物の搬入搬出手順は次のよう
にできる。

即ち、搬出アームの上昇旋回により加工済み工作物が加
工位置から搬出されると、作業者は未加工工作物を把ん
で加工位置に搬入し、帰る手で搬出アームに保持された
加工済み工作物を把んで機外に取出せば良く、作業者の
手の動きは加工位置と機外の間を１往復するだけとなり
無駄な動きをなくすることができる。

その上、未加工工作物の搬入が済めば機械の運転を開始
させることができサイクルタイムの短縮化にも役立つこ
とになる。

本考案はかかる点に鑑みて、搬出アームを屈折可能に構
成するとともに未加工工作物の搬入後における搬出アー
ムの回動復帰時のみ搬出アームの一部が屈折されて未加
工工作物に阻止されることなくその下方位置に復帰でき
るようにしたもので、作業者の搬入搬出手順を簡素化し
、搬入搬出に要するアイドルタイムの短縮化を達成する
ことを目的とする。

以下本考案の実施例を図面によって説明する。

第１図、第２図、第３図において、１０は研削盤のベッ
ド、１１はこのベッド１０上に形成された案内面、１２
はこの案内面１１に摺動案内されたトラバーステーブル
、１３はトラバーステーブル１２上に設けられたスイベ
ルテーブル、１４はスイベルテーブル１３上に設置され
た主軸台、１５は心神台で・、この主軸台１４及び心神
台１５に装架されたセンタ１６．１７にて工作物Ｗはそ
の両端が回転軸承される。

主軸台１４には回転面板１８が軸承されており、この回
転面板１８に突設された駆動金１９が工作物Ｗに突設さ
れたピン２０と係合しこれを回転駆動する。

工作物Ｗには加工個所としてのジャーナル部Ｊ１．Ｊ２
．Ｊ３．Ｊ４が軸方向に離間して配列されており、各ジ
ャーナル部Ｊ１〜Ｊ４を順次砥石Ｇに対応させるべくト
ラバーステーブル１２は図示省略の位置決め手段により
移動位置決めされる。

このため、砥石Ｇにて研削される各ジャーナル部の加工
径を測定するために、定寸装置２１がベッド１０に植設
された支柱２２の上端に固着された支持台２３に設置さ
れている。

この定寸装置２１は一対の測定子２４．２５を装架する
測定ヘッド２６と、この測定ヘッド２６を進退可能に案
内せしめる支持体２７とより構成され、この支持体２７
にはシリンダが内蔵され、このシリンダのピストンはピ
ストンロッド２８、連結プレート２９を介して測定ヘッ
ド２６と連結されている。

これによって測定ヘッド２６は第３図における実線位置
と２点鎖線で示す位置に移動できる。

３０は工作物Ｗの撓みを防止するレスト装置で、スイベ
ルテーブル１３上に設置され、前記定寸装置２１及びそ
の支持台２３に対して干渉しないようになっている。

このレスト装置３０にはレスト軸３１が摺動可能に挿通
案内され、その一端部には略水平方向に工作物Ｗを押圧
するレストシュー３２が固着されている。

工作物Ｗを路上方に押圧するレストシュー３３はレスト
装置３０に突設された支持突起３４に枢軸３５にて回動
可能に枢支されており、レスト軸３１の先端部と調整ボ
ルト３６を介して係合し、レスト軸３１の進退に連動し
て回動される。

３７はレスト軸３１の押し量を設定する操作ノブであり
、３８はレストシュー３２ 、３３を自動送りするシリ
ンダとの連結状態を入切するクラッチノブである。

自動送り用のシリンダはブロック３９内に内蔵され、ラ
ックピニオン機構及びねじ機構を介してレスト軸３１を
自動送りする。

このレスト装置３０にはレスト軸３１の軸線よりも下方
に位置して工作物軸線方向に貫通する穴４０が穿設され
、この穴４０に一対の搬出アーム４１゜４１が固着され
た駆動軸４２が挿通されている。

この駆動軸４２の一端側はスイベルテーブル１３上に固
着された支持ブロック４３に回転可能に軸承され、他端
側は旋回駆動用シリンダブロック４４に軸承されている
。

このブロック４４にはシリンダ４５が穿設され、シリン
ダ４５に嵌合するピストン４６に突設されたピストンロ
ッド４７にはラック４８が刻設されており、このラック
４８は駆動軸４２上に形成されたピニオン４９と噛合し
ている。

５０．５１はピストン４６又はピストンロッド４７と当
接しピストン４６のストローク端を規制するストッパね
しである。

前記駆動軸４２の両端に固着された搬出アーム４１．４
１は加工位置に支持された工作物Ｗと干渉することなく
回動できる第１旋回アーム５２と、この第１旋回アーム
５２の先端に枢軸５３にて枢支された第２旋回アーム５
４にて構成されている。

第２旋回アーム５４の一端には、工作物Ｗを保持する彎
曲受面５５ ａ 、５５ ｂ及び突起５６．５７が形成
され、一方の突起５６は加工位置にある工作物Ｗに干渉
しないが他方の突起５７は工作物Ｗに係合するように駆
動軸４２中心に対する有効半径が異っている。

第２旋回アーム５４の他端は第１旋回アーム５２に突設
されたストッパ５８と当接する当接部５４ ａが設けら
れ、第３図において時計方向の回動が阻止されている。

この当接部５４ ａをストッパ５８に押圧せしめるべく
第１旋回アーム５２上の突出部５２ ａとの間にスプリ
ング５９が張設されている。

ストッパ５８は加工位置より工作物Ｗを搬出する場合に
おいて第２旋回アーム５４の屈折を阻止する作用をなし
、回動復帰時にはスプリング５９を伸張させて屈折を許
容する。

搬出アーム４１の旋回上昇端近傍においては、彎曲受面
５５ ａから５５ ｂに工作物Ｗが移動するので工作物
Ｗの自重により第２旋回アーム５４がストッパ５８から
離間する方向に回動するのを阻止する回動阻止カム６０
がシリンダブロック４４に突設されている。

このカム６０を設けることによりスフ。ノング５９の撥
力を小さく設定することができ、搬出アーム４１の回動
復帰時における第２旋回アーム５４の屈折を容易にする
。

前記レスト装置３０には工作物Ｗの仮受台６１が突設さ
れ、センタ１６．１７中心に工作物Ｗ中心がほぼ一致す
るように工作物Ｗを支持する。

したがって未加工工作物をこの仮受台６１に支持させて
心神台１５のセンタ１７を前進させると、この工作物Ｗ
は両センタ１６．１７にて支持される。

また、加工完了に伴い心神台１５のセンタ１７を後退さ
せても工作物Ｗは加工状態とほぼ同じ位置に保たれる。

上記構成による動作を次に説明する。

両センタ１６．１７に支持された状態で工作物Ｗはジャ
ーナル部Ｊ ２． Ｊ ３． Ｊ ４． Ｊ 、の順序
で加工される。

加工が完了すると砥石Ｇ及び測定ヘッド２６が後退し、
第１図に示すようにジャーナル部Ｊ２が砥石Ｇに対応す
るようにテーブル１２が割出され、主軸台１４の面板１
８の回転が止められる。

その複心押台１５のセンタ１７が後退し、工作物Ｗは仮
受台６１に支持される。

この状態よりシリンダ４５が作動されピストン４６が前
進するトラック４８、ピニオン４９を介して駆動軸４２
が回転され、搬出アーム４１を上昇旋回動作させる。

仮受台６１にて支持された工作物Ｗは第２旋回アーム５
４の彎曲受面５５ ａに支持され、加工位置から搬出さ
れる。

搬出アーム４１の旋回上昇端近傍に達すると第２旋回ア
ーム５４の当接部５４ ａが回動阻止カム６０に係合し
、工作物Ｗが受面５５ ａから５５ ｂに移動してもス
プリング５９に抗して第２旋回アーム５４が反時計方向
に旋回するのを阻止する。

上昇旋回端に達すると第３図の２点鎖線で示す状態とな
る。

これより作業者は未加工工作物を把んで加工位置に搬入
し、仮受台６１に支持させ返えす手で搬出アーム４１に
保持された加工済み工作物Ｗを把んで機外に搬出する。

これより運転を再開すると心神台１５のセンタ１７が前
進し、仮受台６１に支持された工作物Ｗをセンタ支持す
る。

この後搬出アーム４１は旋回復帰される。

第２旋回アーム５４が工作物Ｗに当接するとスプリング
５９に抗して回動され、搬出アームは屈折され、その有
効半径が短縮される。

その結果第２旋回アーム５４は工作物Ｗから逃げるよう
にして加工位置よりも下方の原位置に復帰することがで
き、第２旋回アーム５４が工作物を通り越すとスプリン
グ５９の作用により第３図実線で示すように屈折状態か
ら伸長状態に復帰する。

この間に面板１８が駆動され、砥石Ｇの前進が開始され
る。

適当な時期に測定ヘッド２６、レストシュー３２．３３
が前進され、所定寸法になるまで研削加工される。

ジャーナル部Ｊ２の加工が終了するとテーブルがインデ
ックスされ、ジャーナル部Ｊ３が砥石Ｇと対応され研削
が行われる。

このようにして全てのジャーナル部の研削が終了すると
前記のように工作物の搬入搬出が繰返される。

以上述べたように本考案によれば、搬出アームを屈折で
きるように構成したため、搬出、アームを回動復帰させ
る前に加工位置に未加工工作物を搬入することができ、
このため作業者は未加工工作物を放したその手で加工済
み工作物を把んで機外に搬出することができ、手の動き
としては１往復で済み無駄な動きをなくすことができ、
搬入、搬出に要するアイドルタイムを短縮することがで
きる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は要部を断
面した研削盤テーブルの平面図、第２図は第１図におけ
るＩＩ−ＩＩ矢視断面図、第３図は第１図におけるＩＩ
Ｉ−ＩＩＩ矢視断面拡大図である。 １３・・・・・・スイベルテーブル、１４・・・・・・
主軸台、１５・・・・・・心神台、４１・・・・・・搬
出アーム、４２・・・・・・駆動軸、４４・・・・・・
シリンダブロック、４５・・・・・・シリンダ、４９・
・・・・・ピニオン、５２・・・・・・第１旋回アーム
、５４・・・・・・第２旋回アーム、５４ａ・・・・・
・当接部、５８・・・・・・ストッパ、５９・・・・・
・スプリング、Ｗ・・・・・・工作物、Ｇ・・・・・・
砥石。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. センタにて支持される工作物の下方に位置し工作物の保
   持部を一端に有し、加工が完了すると上昇旋回運動にて
   加工位置から工作物を保持して搬出する搬出アームを備
   えた搬出装置において、この搬出アームは、加工位置に
   支持された工作物と干渉しない長さを有し固定部に旋回
   可能に枢支され旋回駆動源に連結された第１旋回アーム
   と、この第１旋回アームの先端に第１旋回アームと同一
   旋回平面内で屈折可能に枢支され加工位置に支持された
   工作物を保持する保持部を一端に有し他端に一方向の回
   動阻止作用をなす当接部を突設した第２旋回アームと、
   この第２旋回アームの保持部上昇方向の旋回運動を阻止
   しかつ保持部上昇方向の旋回運動を許容すべく前記当接
   部と係合する第１旋回アーム上のストッパと、このスト
   ッパに第２旋回アームを係合せしめるべく第１旋回アー
   ムと第２旋回アーム間に張設されたスプリングとを有し
   、前記固定部には前記第１旋回アームの上昇端近傍にお
   いて前記当接部の背面と係合し前記ストッパから当接部
   が離間するのを阻止するカムを突設してなる工作物搬出
   装置。