JPS5833091B2 - 内向きの屈曲縁部をもつ合成樹脂製品の製造法およびその装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は主として自動車用ウレタンバンパのような内向
きの屈曲縁部をもつ合成樹脂製品の製造法およびその装
置に関するものである。

内向きの屈曲縁部をもつ合成樹脂製品を製造するには、
一対の金型と内向きの屈曲縁部を成形させるスライドコ
アとを型締めしてキャビティ部を形成し、該キャビティ
部に合成樹脂成形材料を射出成形した後スライドコアを
移動させて型開きして離型する成形方式が採用されてい
るが、最近急速に普及されつつある自動車用ウレタンバ
ンパのような極めて粘度の低い高圧反応成形用のポリウ
レタン樹脂等を成形材料として使用する場合には、低粘
度の含酸樹脂成形材料が金型とスライドコアとの接合面
に形成される微細な細隙に侵入して製品にばりが生じ、
ぼり取り作業を必要とするばかりでなく前記の微細な細
隙に侵入した合成樹脂成形材料が金型面に強固に接着し
てスライドコアの移動ができなくなり、これを防止する
ための金型清掃作業が必要となって良質の製品を量産し
難いという問題点がある。

本発明はこのような問題点を解決する目的の下に完敗さ
れた内向きの屈曲縁部をもつ合成樹脂製品の製造法およ
びその装置に関するもので、以下、図示の製造装置を実
施例として詳細に説明する。

第１図に示す第１の実施例において、１，２は製品の主
体部を成形する一対の金型で、型凹部を有する一方の金
型１と型凸部を有する他方の金型２とよりなり、該金型
１，２は図示されない型取付板等に固着されている。

また、この他方の金型２の立上り面には製品の内向きの
屈曲縁部を成形させる凹部３が形成されて該凹部３に対
応する型面５を形成したスライドコア４が一方の金型１
と他方の金型２の間に形成される切欠部に介装されてい
て該スライドコア４は一方の金型１の外側に固着した支
持部材６に取付けられている押圧装置７により金型１，
２の軸線方向すなわち型締め方向と直交する方向に移動
可能になっている。

なお、この押圧装置７は前記の支持部材６に取付けた流
体圧作動のシリンダ８により進退勤するピストン９の先
端に設けた係止頭部１０をスライドコア４に形成される
係合溝１１内に嵌入係止させたもので、また、スライド
コア４にはその下面から型面５にわたる切欠部１２が形
成されていて該切欠部１２の水平面と一方の金型１の上
端の水平面とがスライドコア４と一方の金型１との接合
面１３を形成している。

さらに、他方の金型２の上面には流体圧作動のシリンダ
１５が取付けられ、該シリンダ１５により上下方向に進
退勤するピストン１６の下端部は他方の金型２に透設さ
れる孔を通じてスライドコア４の上面に臨ませてあり、
該シリンダ１５とピストン１６がスライドコア４をその
移動方向に直交する方向に加圧して該スライドコア４と
一方の金型１との接合面１３を密接させる押圧装置１４
を構成している。

なお、図中１７は連結棒１８をもって他方の金型２の上
方に連結される取付板、１９は型締時に一対の金型１，
２とスライドコア４により形成されるキャビティ部であ
る。

このように構成されたものは、他方の金型２を一方の金
型１の方向に移動させるとともに抑圧装置７のピストン
９を進出させてスライドコア４を移動させて３者を型締
めし、型締め後に押圧装置１４のピストン１６を進出さ
せてスライドコア４と一方の金型との接合面１３を密接
させれば、一対の金型１，２とスライドコア４との間に
形成されるキャビティ部１９は該一対の金型１，２によ
り形成される主体部の上端に他方の金型２とスライドコ
ア４の型面５により形成される内向きの屈曲縁部が連設
されて製品と同一形状のものとなるから、この状態でキ
ャビティ部１９内に低粘度の合成樹脂成形材料として例
えば高圧反応成形用Ｃポリウレタン樹脂の成形材料を射
出すればこの種成形材料は低粘度のものであるに拘らず
スライドコア４が型締め用の押圧装置７により加圧され
ていることは勿論のこと該加圧装置７の加圧方向すなわ
ちスライドコア４の移動方向とは直交する方向に加圧す
る抑圧装置１４により加圧されて該スライドコア４と一
方の金型１との接合面１３は密接された状態を保持して
いるため、キャビティ部１９に射出された成形材料はこ
の接合面１３に侵入することなく成形固化されるから、
その後押圧装置１４のピストン１６を後退させたうえ押
圧装置７のピストン９を後退させてスライドコア４を後
方に移動させ、次いで、他方の金型２を上昇させてキャ
ビティ部１９内で成形されて内向きの屈曲縁部が他方の
金型２の凹部３に残されたままの状態で型開きし、最後
に上昇した他方の金型２に残された製品を押出ピンその
他一般に行われている離型手段により離型すればよく、
この離型後の製品には接合面１３が密接されているため
殆んどばりが見られず、また、スライドコア４や金型１
゜２に成形材料が付着してスライドコア４の移動が妨げ
られることは全くない。

他方、第２図に示す第２の実施例はスライドコア２４が
型凹部を有する一方の金型２１内に位置するように設け
られて該スライドコア２４が型凸部を有する他方の金型
２２の面上を摺動しうるように構成されたもので、一方
の金型２１の立上り面には製品の内向きの屈曲縁部を成
形させる凸部２３が形成され、また、該凸部２３の型面
および他方の金型２２の型面に対応する型面２５がスラ
イドコア２４に設けられ、該スライドコア２４は他方の
金型２２に植設した支持部材２６に取付けられる抑圧装
置２７により一対の金型２１，２２の軸線方向すなわち
型締め方向と直交する方向に移動可能になっている。

なお、この押圧装置２７は前記の支持部材２６に取付け
た流体圧作動のシリンダ２８により進退勤するピストン
２９の先端に設けた係止頭部３０をスライドコア２４に
形成される係合溝３１内に嵌入係止させたもので、また
、スライドコア２４の下端の水平面と他方の金型２２の
上端の水平面とがスライドコア２４と他方の金型２２と
の接合面３３を形成している。

さらに、スライドコア２４の上面にはシリンダ形成用の
穴が穿設されていて該穴を流体圧作動のシリンダ３５に
形成し、前記のシリンダ３５により上下方向に進退勤す
るピストン３６の上端部には移動板３９が固着され、該
移動板３９は連結棒３８を介して他方の金型２２と連結
された取付板３７の下面に接しており、ピストン３６の
下方より圧油を供給すればピストン３６の上端部に固着
された移動板３９が取付板３７に圧接するから、ピスト
ン３６の加圧力は金型２２とスライドコア２４との接合
面３３にも加わって該シリンダ３５とピストン３６がス
ライドコア２４をその移動方向と直向する方向にカロ圧
して該スライドコア２４と他方の金型２２との接合面３
３を密接させる加圧装置３４を構成している。

なお、図中４０は型締時に一対の金型２Ｌ２２とスライ
ドコア２４により形成されるキャビティ部である。

このように構成されたものは、他方の金型２２を一方の
金型２２の方向に移動させるとともに押圧装置２７のピ
ストン２９を進出させてスライドコア２４を移動させて
３者を型締めし、型締め後に押圧装置３４に流体圧を作
用させてスライドコア２４と他方の金型２２との接合面
３３を密接させれば、一対の金型２１，２２とスライド
コア２４との間に形成されるキャビティ部４０は該一対
の金型２１．２２およびスライドコア２４の大部分との
間に形成される主体部の上端に一方の金型２１の凸部２
３の型面とスライドコ゛７２４の型面２５により形成さ
れる内向きの屈曲縁部が連設されて製品と同一形状のも
のとなるから、この状態でキャビティ部４０に前記第１
の実施例の場合と同様低粘度の合成樹脂成形材料を射出
すれば、スライドコア２４が型締め用の抑圧装置２７に
より加圧されていることは勿論のこと該加圧装置２７の
加圧方向すなわちスライドコア２４の移動方向とは直交
する方向に加圧する抑圧装置３４により加圧されて該ス
ライドコア２４と他方の金型２２との接合面３３は密接
された状態を保持しているため、キャビティ部４０に射
出された成形材料はこの接合面３３に侵入することなく
成形されるから、その後押圧装置３４のシリンダ３５を
移動板３９側に後退させたうえ抑圧装置２７のピストン
２９を後退させてスライドコア２４を移動板３９ととも
に支持部材２６側に移動させ、次いで、他方の金型２２
を取付板３７共々上昇させてキャビティ部４０内で成形
された製品を一方の金型２１の型凹部に残されたまま移
動型開きし、最後に一方の金型２１に残された製品を一
般に行われている離型手段により離型すればよく、この
離型後の製品には射出時に接合面が密接されているため
殆んどばりが見られず、また、スライドコア２４や金型
２１，２２に成形材料が付着してスライドコア２４の移
動が妨げられるようなことは全くない。

しかも、この第２図に示す第２の実施例の製造装置は抑
圧装置２７が他方の金型２２と取付板３７の間に内蔵さ
れたものであるため、型全体の外形を小さくすることが
できる特長を備えている。

なお、図示の２実施例に示す製造装置はいずれも一対の
金型を横割りとしているが、縦割りとしてもよいことは
勿論である。

本発明は前記実施例による説明によっても明らかなよう
に、低粘度の合成樹脂成形材料を使用して成形される製
品にはりを生ずることがなく、ぼり取り作業を簡略化で
きるうえに低粘度の合成樹脂成形材料が接合面に付着し
てスライドコアの移動を妨げることがないから、型の清
掃を頻繁に行う必要がなくて連続作業が可能となり量産
が容易となるうえに型の製作が容易となる管種々の利点
があり、高圧反応成形用のポリウレタン樹脂を成形材料
とする自動車用バンパ等の製造に適した内向きの屈曲縁
部をもつ合成樹脂製品の製造法およびその装置として業
界にもたらすところ極めて犬なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の製造装置の第１の実施例を示す一部切
欠正面図、第２図は同じく第２の実施例を示す一部切欠
正面図である。 １．２；一対の金型、４；スライドコア、１３；接合面
、１４：押圧装置、１９；キャビティ部、２１．２２；
一対の金型、２４；スライドコア、３３；接合面、３４
；押圧装置、４０：キャビティ部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １一対の金型と内向きの屈曲縁部を成形させるスライド
   コアとを型締めしてキャビティ部を形成し、該キャビテ
   ィ部に合成樹脂成形材料を射出成形した後スライドコア
   を移動させて型開きして離型するようにした内向きの屈
   曲縁部をもつ合成樹脂製品の製造法において、型締め後
   にスライドコアをその移動方向と直交する方向に加圧し
   て一対の金型とスライドコアとの接合面を密接状態とし
   て形成されるキャビティ部に低粘度の合成樹脂成形材料
   を射出することを特徴とする内向きの屈曲縁部をもつ合
   成樹脂製品の製造法。 ２一対の金型と内向きの屈曲縁部を成形させるスライド
   コアをもってキャビティ部を形成して内向きの屈曲縁部
   をもつ合成樹脂製品を成形するようにした内向きの屈曲
   縁部をもつ合成樹脂製品のＨ造装置において、スライド
   コアをその移動方向に直交する方向に加圧して該スライ
   ドコアと金型との接合面を密接させる押圧装置を設けた
   ことを特徴とする内向きの屈曲縁部をもつ合成樹脂製品
   の製造装置。