JPS5832735Y2 - 排出ダストの飛散防止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は集塵装置から排出されるダストを飛散させない
様に集積する排出ダストの飛散防止技術に関するもので
ある。

焼却炉等から排出される排ガス中のダストはサイクロン
や電気集塵器等の集塵装置によって捕集されているが、
特に電気集塵機で集塵されたダストは超微粉状でフライ
アッシュと称されることもある程であるから、大気中へ
著しく飛散しやすい。

従ってこれらダストを上記集塵装置から取り出すときに
、粉塵となって舞い上り新たな環境汚染原因となること
がある。

特に集塵装置の下部排出口からダストを落下させる様な
方式では、無風状態でも上記飛散が顕著に発生し、改善
が求められていた。

本考案は以上の様な事情に着目してなされたものであっ
て、集塵装置等の底部に設けられるダスト排出口の大気
接触面周辺に噴射ノズルを取り付け、ここから水を斜め
下方に旋回させる様に噴出させて、大気と水とによる混
合加湿流体を旋回させ、ここに形成される旋回気流によ
ってダストを旋回させつつ落下させると共に、当該噴射
ノズルから噴射される加湿流体によってダストを湿潤さ
せ、大気中への飛散を防止する様にしたことを要旨とす
る。

以下図面に基づいて本考案の構成及び作用効果を説明す
るが、下記実施例は具体例にすぎず、もとより前・後記
の趣旨に従って噴射ノズルの形状及び数等を適宜変更す
ることは、いずれも本考案の技術的範囲に含まれる。

第１図は公知の集塵機に本考案のダスト飛散防止装置を
取り付けた状態を示す側面図で、１は集塵機本体、２は
排ガス導入ダクト、３は排気ダクト、４はダストシュー
トを示し、導入ダクト２がら流入してくる含塵気流を、
集塵機本体１内で清浄空気とダクトに分離し、排気ダク
ト３から清浄空気を、又ダストシュート４からダスト５
を夫々排出する様に構成する。

そしてダスト５はロータリーバルブ６を経てダスト排出
ロアから投入され、後述する本考案装置で飛散を防止し
ながらダスト運搬車８に集める。

即ち本考案のダクト飛散防止装置は、上記の様に構成さ
れる集塵機のダスト排出口の周辺に設ける複数の噴射ノ
ズル９を本体とするもので、ポンプ１０から圧送されて
くる加湿流体をダスト排出ロアから斜め下方に向けて噴
射する様に構成される。

そして噴射ノズル９は、例えば第２図（要部拡大図）に
示す如く、ダスト排出ロアの外周面にブラケット１５を
介して固定的に取り付けられ、噴射ノズル９の噴出孔９
ａを斜め下方に向けるが、より具体的にはダスト排出ロ
アの外周線に対して接線方向となる様に偏向する（第３
図）。

尚噴射孔９ａからは高圧（０・１〜１０ｋｇ／ｍ２）の
加湿流体（空気と水）１１を噴射する。

従って加湿流体１１は矢印Ａで示す様に、排出ロアの外
周線に沿って旋回すると共に下方へ向かう気流を形成し
、他方排出ロアの内部はこの高速旋回気流の為に負圧と
なり、排出ロア内のダスト５は上記旋回気流に吸収され
つつうす巻き状態になって、徐々に下方へ落下する。

その為ダスト５は外側を取り巻く旋回気流によって外気
からしゃ断され、該気流がエアーカーテンとしての機能
を発揮するので、ダストが大気中へ飛散することはない
。

又うす巻き状態で落下するダスト５は特に周辺部におい
て加湿流体１１の一部と接触するので、ダスト５自身も
適度な加湿を受け、更に運搬車８上へ次々に集積された
ダスト５は噴射ノズル９から噴出される加湿流体によっ
ておおわれる様に次々と加湿される。

即ちダストは落下中或は落下後にも加湿を受けるので、
運搬車８から取り出す段階での大気への飛散も防止され
る。

尚図は４本の噴射ノズル９を設けて旋回気流を作る様に
構成した例であるが、これら噴射ノズル９の数並びに形
状等は特に限定されない。

噴射ノズル９から噴出する加湿流体は予め空気と水を適
当に混合したものが利用されるが、その他空気専用並び
に水等用の各噴射ノズル９を夫々独立して設け、噴出直
前又は直後にこれらを混合し、ノズル内又は旋回気流中
で加湿流体を形成してもよい。

第４，５図はこの様な噴射ノズルの実施例を示す側面図
で、第４図は、空気吹込み管１２の側面に注水管１３を
継ぎ足したもので、ノズル９内において加湿流体１１を
形成する場合を示す。

又第５図は、空気吹込み管１２と注水管１３を近接させ
て２流体ノズル１４を形成したもので、空気吹込み管１
２から空気流１２ ａを形成すると共に注水管１３から
水流１３ａを噴出して、これらを旋回気流中で混合する
様に構成している。

この様に噴射ノズル９の構成は自由に設計でき、要はダ
スト排出口より下方に向けて旋回気流を形成できるもの
であれば如何なるものであっても採用できる。

尚噴射ノズル９の噴射角度θ（ダスト排出口の軸心との
角度）は加湿流体の性状並びに噴出圧力によって適宜決
められる。

第６図は第３図に対応するダスト排出ロアの他の形状を
示す説明図で、排出ロアを四角形で形成している。

この様な場合には噴射ノズル９を各辺に１個づつ設けて
、安定した旋回気流を形成する様に構成する。

本考案は以上の様に構成されているので、ダスト排出口
から排出されるダストが適度に加湿されると共に、旋回
気流に包まれて落下する。

従って落下中又は落下後に大気中へ飛散することはない
。

尚ダスト運搬車等に堆積したダストを適当な湿潤状態で
貯留しておくことができるので、貯留中或は再取り出し
に当ってダストが飛散することもない。

この様にダスト飛散による環境汚染を可及的に防止でき
る様になった。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のダスト飛散防止装置の設けられる集塵
機を示す側面図、第２図は要部拡大説明図、第３図はＩ
ＩＩ−ＩＩＩ線矢視図、第４，５図は本考案の他の実施
例を示す説明図、第６図は第３図に対応する説明図であ
る。 １・・・・・・集塵機本体、２・・・・・・導入ダクト
、３・・・・・・排気ダクト、４・・・・・・ダストシ
ュート、５・・・・・・ダスト、６・・・・・・ロータ
リーバルブ、７・・・・・・ダスト排出口、８・・・・
・・ダスト運搬車、９・・・・・・噴射ノズル、１５・
・・・・・ブラケット。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 集塵装置等の底部に設けられるダスト排出口の大気接触
   面周辺に、該ダスト排出口周辺を取り巻く様な下向き旋
   回気流を形成する複数の噴射ノズルを配置し、大気と水
   の混合加湿流体を噴射させる様に構成したことを特徴と
   する排出ダストの飛散防止装置。