JPS5829187Y2 - 手芸用基材 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は新規な手芸技法による製品創作に使用する手芸
用基材に関するのである。

従来の手芸は通常、大小２個の木枠を使用し、両木枠の
重合間隙に布地を挟持して布地を緊張させ、その面に糸
を通した手芸針を順次刺通して種々の刺しゅう模様を形
成する、所謂、刺し手芸が一般的なものとして広く行な
われてきたが、近時、合成樹脂製の網枠を芯材としてこ
れに手芸糸を編みつけ又は刺し通したり、あるいはビー
ズを通して網枠芯と一体に利用する技法とか、各種モチ
ーフ類を使用し、これらをつなぎ合せて製品を作成する
手芸技法、更には種々の形状に裁断された小さなパッチ
ワーク布を厚紙等を芯としてはぎ合わせ、その後、厚紙
等の芯材を除去してミシンやステッチで仕上げを行なっ
たり、表裏画布の間に芯布を挾んでランニングステッチ
で縫い上げたり、或いはアップリケの型紙を使用して布
を裁断し、これを土台布に縫いつけるパッチワーク技法
等の手芸技法が斬新さを求める時代の風潮と相俟って各
方面で広く注目されている。

殊に、パッチワーク技法はその起源は古いが、近代的感
覚に合致する技法として最近種々の手芸製品の製作に応
用され、手芸の楽しみ、自己の趣向の発現に対する欲望
を満足させている。

しかしながら、このような各種手芸技法の多様化にも拘
らず、創作に対する人間本来の欲望の発露から斬新な、
かつ変化のある手芸製品への創作意欲は昂より手芸操作
の容易化、製品の多様性等を目指してなお一層の努力が
重ねられている。

本考案は、かかる現状に鑑み、前記各手芸技法を更に発
展させ、製品ならびに手芸操作の多様性をもたらし、よ
り一層、多彩な手芸製品を提供することを目的として考
案されたものである。

即ち、本考案は前記目的の下にパッチワーク製品を作成
するに好適なパッチワーク部材を提供するものであり、
その特徴とするところは、任意の形状をなし、かつ周辺
部より中心部に向かい漸次上面側に突出した形態に成形
された合成樹脂製芯材にシート状覆装材を一体に重着し
てなると共に周縁部に糸挿通用孔を形成せしめた手芸用
基材の構成にある。

以下、本考案を添付図面により更に詳述する。

第１図及び第２図は本考案手芸用基材１の１例であり、
図において夫々１は芯材、２は前記芯材１に重着された
織布、絹布、フェルト、不織布などの布地或いは天然又
は人造皮革などのシート状覆装材である。

芯材１は通常合成樹脂素材からなり、全面に角型、丸型
、菱型その他任意形状の多数の孔を有する網目状成形体
でも、また一部に孔を有するか、又は孔を有しない無孔
の構造体でもよく、その形態は四角、円形あるいは花鳥
図柄などの形状のものでもよい。

そして、この芯材は周辺部より中心部に向かい漸次、上
面側へ突出し立体的な形状として成形される。

なお、その硬さは剛性のあるもの、柔軟なものの如何を
問わない。

これらは前記覆装材２と重合して手芸用基材として使用
し得るものであれば充分であり、適宜の接合手段によっ
て一体に接合され、本考案における手芸用基材Ｍとして
構成される。

この場合、該基材は１つのパッチワーク部材をなしてお
り、従って、これを互いに継ぎ合わせて１つの製品とす
るため、周縁の巾広無孔部３には糸がかり用、はぎ合わ
せ用などの糸挿通孔４が穿設されている。

第３図は、本考案手芸用基材の他の実施例であり、欠球
状の椀形形状として構成されるものである。

この場合も、中心部は周辺部より漸次中心部に向かい突
出した形状をなしており、欠球状の芯材１の表面にシー
ト状覆装材２が重着されている。

なお、本実施例における芯材１は前記例と同じく合成樹
脂製素材からなり、又、覆装材も布帛、皮革、その他の
各種シート材の使用が可能である。

そして、前記実施例と同様、周縁部には糸挿通用の孔４
が設けられている。

更に本考案手芸用基材は芯材１とシート状覆装材２とを
基本構成素材として、これに他の素材、例えば発泡樹脂
薄板などを組み合わせ結合して使用することもできる。

本考案基材は斜上の如き構成をもって作られており、次
にその利用態様を説明すると、基材が第１図及び第２図
に示す如き芯材１と布地などのシート状覆装材２からな
る四角形中心突出形状のものであるときは、その−面に
従来の手芸技法に従ってクロスステッチ、キルテイング
、アップリケなどを施す外、ビーズ手芸、編み手芸、刺
し手芸貼り付は手芸等を適宜施すことができ、室内装飾
用製品などを容易に製作することができる外、該基材を
一単位としてその複数又は多数を上下、左右その他、方
向性を持たせ、あるいは不定方向に適宜つなぎ合わせる
ことによって広がりのある立体的な製品が得られる。

第４図、第５図は本考案基材を上記の如く単位材に使用
して手芸製品とした例であり、第１図及び第２図に示し
た如き四角形状の基材Ｍを縦横にその周縁の糸挿通孔を
利用してつなぎ合わせ、広がりをもつパッチワーク製品
に似た製品に作成している。

殊に、このような本考案基材のつなぎ合わせによる手芸
技法は、立体的な各種物品、例えば第５図に示す如き手
さげバッグなども容易に製作出来、手芸の分野を拡大す
ることができる。

そして、上記各単位基材のつなぎ合わせに当って、中心
部が突出した中高形状のものは、平面形状に比べて基材
の保持、糸の挿通が容易で、取扱い上、頗る便利である
。

以上のように本考案によれば、従来の布地を主体とした
刺し手芸、パッチワークあるいは合成樹脂製芯材を使用
した編み手芸、ビーズ手芸などと異なる斬新な手芸技法
を展開することができると共に、芯材と覆装材との一体
重合により手芸操作時において基材の取扱いならびに糸
挿通、刺通などの操作が容易となり、しかも、パッチワ
ーク手芸の如く、シつけ並びに芯材の取り出しなどの煩
わしさもなく、また、芯材を中心中高形状とすることに
よって各種立体的製品に及ぶ広汎な手芸製品を作威し得
る等、種々の特長を有する。

しかも、本考案基材では、特に芯材を中心に向かい漸次
突出した中高形状としたことにより、手芸操作時におけ
る指の使い勝手が良好となり、パッチワーク製品作成を
容易ならしめる利点がある。

なお、芯材として特に保形性の良好なものを使用すれば
手芸操作中は勿論、製品としても形態安定性の良好な製
品が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案基材の１例を示す斜視図、第２図は第１
図のＢ−Ｂ断面図、第３図は本考案の更に他の実施例を
示す断面図、第４図及び第５図は本考案基材を使用した
手芸製品例を示す図である。 １・・・・・・芯材、２・・・・・・シート材、４・・
・・・・糸挿通孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 任意の形状をなし、かつ周辺部より中心部に向かい漸次
   上面側に突出した形態に成形された合成樹脂製芯材にシ
   ート状覆装材を一体に重着してなると共に周縁部に糸挿
   通用孔を形成せしめたことを特徴とする手芸用基材。