JPS5826487B2 - 液体燃料燃焼装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、液体燃料を気化して燃焼する液体燃料燃焼
装置に係り、とくに気化したベーパや燃料が気化器から
洩れることを防止した液体燃料燃焼装置に関するもので
ある。

第１図は従来の液体燃料燃焼装置を示す。

同図において、１は燃焼用送風機、２は燃焼筒、３は燃
焼筒または燃焼用送風機１のケーシングに支持された気
化器、４は気化器３の一端部に取付けられたバーナ、５
は気化器固定ねじ、６は気化器３の取付板、７は気化器
３と取付板６との間に介在されたバッキング、８は気化
器３の反バーナ４側の空気入口端より送風機１の送風フ
ァン１ｂ側に配置されて送風機１のケーシング内に固定
された空気案内板、９は燃焼用送風機１のモータ軸１ａ
に取付けられた霧化器、１０は燃料の供給パイプ、１１
は気化器３を加熱するヒータ、１２は混合気を案内する
その案内器、１３は燃焼用送風機１と燃焼筒２との間の
シール用バッキングである。

以上の各部から構成された従来の液体燃料燃焼装置は、
ヒータ１１で加熱された気化器３内に燃料がその供給パ
イプ１０から霧化器９に供給され、燃焼用送風機１の送
風ファン１ｂと霧化器９が高速回転されることにより、
燃料が微粒化されて気比容３の内周面に衝突して気化さ
れ、前記送風機１によって送られる空気と混合してバー
ナ４に送られ燃焼される。

この場合に、送風機１によって送られる空気は、この送
風機１に取付けられた空気案内板８で気化器３の中心部
と外周部とに分けられ、外周部の空気はエアタイトの機
能をもたせ、気化器３で攪乱している混合気の洩れを抑
制しようとするものであるが、空気案内板８からバーナ
４までの容積が気化器３の容積となり、気化器３外でも
混合が行なわれ、一度気化した燃料が空気案内板８で結
露してバッキング１３へ流れて侵透し、機外に流出した
り、混合気がバッキング１３部から洩れ、さらに前記送
風機内の空気出口近くなどにタールや液体燃料が溜まる
などの欠点があった。

この発明は、気化器の空気入口部に密着しかつ空気導入
口を有するベーパ洩れ防止板を具備させることにより、
前記従来の欠点を解消して、気化器内の混合気の逆流と
ベーパや燃料の洩れを少なくした液体燃料燃焼装置を提
供することを目的とするものである。

以下この発明の実施例を図面に基いて説明する。

なお、各実施例とも前記第１図に示す従来のものと同一
または相当部分には同一符号をつけて説明を省略する。

第２図は第１実施例を示し、気化室３の空気入口端と空
気案内板８の間に、空気導入口１５を中心部に有するベ
ーパ洩れ防止板１４が配設され、このベーパ洩れ防止板
１４は、これと空気案内板８の間に介在させたスプリン
グ１６によって気化器３の空気入口端に密着され、かつ
空気案内板８と離間され、さらにベーパ洩れ防止板１４
の外周と送風機１のケーシング内周との間にも間隔が形
成されている。

前記のように構成された第１実施例の液体燃料燃焼装置
は、ヒータ１１で加熱された気化器３の空気人口側に、
空気導入口１５を有するベーパ洩れ防止板１４をスプリ
ング１６によって常に圧力を加えて密着させ、ベーパ洩
れ、燃焼洩れを防止し、また気化器３からの熱伝達でベ
ーパ洩れ防止板１４を高温にしてベーパの結露およびタ
ールの生成を防止している。

さらに、ベーパ洩れ防止板１４の空気導入口１５で径を
絞り気化器３に供給される空気の流速を大きくして気化
器３の混合気の攪乱による洩れをきわめて少なくしてい
る。

第３図は、スプリング１６の位置を気化器３の中心側に
配置したものであるが第２図のものと実質的に同様な効
果が得られる。

第４図は燃焼用送風機１に固定した空気案内板８にベー
パ洩れ防止板１４をスプリング１６を介して段付ねじ１
７によって係止して組立易くしたものである。

第５図は空気案内板８にスプリング１６の位置決め用の
ピン１８を設けて組立易くしたものである。

第６図は第２実施例を示し、気化器３の空気入口部に、
空気導入口１５を中心部に有するベーパ洩れ防止板１４
が、この防止板１４と空気案内板８との間に介在させた
スプリング１６によって密着され、空気案内板８に固定
した円筒１９が気化器３の空気入口部を包むように気化
器３側に突出し、ベーパ洩れ防止板１４の外周側を経て
気化器３の溝部２０に遊挿されている。

前記のように構成された第２実施例の液体燃料燃焼装置
は、スプリング１６でベーパ洩れ防止板１４が気化器３
の空気入口部に常に加圧されて密着しているので、ベー
パ洩れ、燃料洩れを防止し、またベーパ洩れ防止板１４
が高温になりベーパの結露およびタールの生成を防止す
ると共に、ベーパ洩れ防止板１４の空気導入口１５で気
化器３に供給される空気の流速を太きくシ、気化器３の
混合気の攪乱による洩れをきわめて少なくしていること
は、前記第１実施例と同様である。

さらに、ベーパの若干の洩れを空気案内板８に固定した
円筒１９を気化器３の溝部２０に遊挿してラップさせ、
空気上流側の圧力を上昇させると共に、ラップする部分
の空気が通る面積を小さくしてエアタイト効果をもたせ
、機外へのベーパ洩れを確実に防止したものである。

第７図は円筒１９の先端部を気化器３の空気入口部外周
に嵌合させたものであるが、気化器３に溝部２０を設け
てないので構成が簡単である。

第８図は第３実施例を示し、ベーパ洩れ防止板１４の気
化器３の空気入口部に密着する部分より外周側に穴２１
を設けた以外は第７図のものと同構成である。

前記のように構成された第３実施例のものは燃焼用送風
機１から供給される渦流または乱流の空気をベーパ洩れ
防止板１４の外周部の多数の穴２１により整流し、ベー
パ洩れ防止板１４の中央部の空気導入口１５から気化器
３に導入する。

従って、空気がほぼ均一な流速となり、混合気の逆流が
防止される。

また、第２実施例のものとほぼ同様に、気化器３の空気
人口部外面がエアタイトにされ、ベーパ洩れを防止し、
２重の洩れ防止を行なったものである。

第９図はベーパ洩れ防止板１４の外周と円筒１９との間
に金網２２を設けたものであり、金網２２は第３実施例
の穴２１と同様にすぐれた整流機能を有するので、第３
実施例のものと同様の効果が期待できる。

第１０図は空気案内板８に設けた円筒１９に多数の穴２
３を設けたものであり、円筒１９が整流機能を有するの
で、第３実施例のものとほぼ同様の効果を期待できる。

なお、第１０図のものはベーパ洩れ防止板１４を気化器
取付板６と一体に形成しである。

第１１図は第４実施例を示し、気化器取付板６と一体に
形成したベーパ洩れ防止板１４と気化器３の空気人口部
とを、これらの間に耐熱性の弾性物質からなるバッキン
グ２４を介在させて密着させ、前記バッキング２４はア
ルミニウム箔などの非鉄金属を断面Ｕ字形にしたバッキ
ングカバー２５で被覆させである。

前記のように構成された液体燃料燃焼装置は、バッキン
グ２４の弾力性とバッキングカバー２５の塑性変形によ
るなじみを利用して気化器３とベーパ洩れ防止板１４と
の間のシールを行なっていることにより、気化器３、ベ
ーパ洩れ防止板１４の密着部の寸法精度および接合面の
精度が要求さ。

れなくなり、ごみなどもバッキングカバー２５のなじみ
で多少の介在が許され、気化器３側面にバッキングカバ
ー２５が設けられるためバッキング２４が露出しない利
点がある。

そしてバッキング２４によってベーパや燃料の洩れを確
実に防止できる。

第１２図はバッキング２４を包むようにＬ字形にしたア
ルミニウム箔などの非鉄金属のバッキングカバー２５を
用い、このカバー２５をベーパ洩れ防止板１４の空気導
入口１５・周縁部にカーリングしたものであり、第４実
施例のものとほぼ同様な効果が期待できる。

以上説明したように、この発明は、燃焼用送風機のケー
シングまたは燃焼筒に支持されかつバーナを一端部に取
付けた気化器と、この気化器の反バーナ側の空気入口端
より送風機の送風ファン側に配置されて送風機のケーシ
ング内に固定された空気案内板とを備え、送風ファンに
よって送られる空気を前記空気案内板で気化器の中心部
と外周部に分けるようにした液体燃料燃焼装置において
、中心部に空気導入口を有するベーパ洩れ防止板を、気
化器の空気人口端と密着させ、かつ空気案内板と離間さ
せて、気化器と空気案内板の間に設けたので、気化部と
送風部がベーパ洩れ防止板と空気案内板で２重に仕切ら
れ、かつ空気案内板は前述した従来のものと同様な機能
を失なうこともないため、従来の気化部と送風部とを１
重に仕切っているだけのものに比べて、気化器内の混合
気の送風機側への逆流および燃料や燃料ベーパの外部へ
の洩れを防止する効果が著しく向上すると共に、送風機
のケーシング内の空気案内部などの空気出口近くにター
ルや液体燃料が溜るのを防止することができるという効
果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の液体燃料燃焼装置を示す側断面図、第２
図はこの発明の第１実施例を示す側断面図、第３図はそ
の一変形例を示すスプリング取付部の断面図、第４図は
他の変形例を示すスプリング取付部の断面図、第５図は
さらに他の変形例を示すスプリング取付部の断面図、第
６図はこの発明の第２実施例の一部を示す側断面図、第
７図はその変形例の要部の断面図、第８図は第３実施例
の一部の側断面図、第９図はその一変形例を示す要部の
断面図、第１０図は他の変形ψ１ｊを示す要部の断面図
、第１１図は第４実施例を示す要部の断面図、第１２図
はその変形例を示す要部の断面図である。 １・・・・・・燃焼用送風機、２・・・・・・燃焼筒、
３・・・・・・気化器、４・・・・・・バーナ、６・・
・・・−気化器取付板、８・・・・・・空気案内板、１
４・・・・・・ベーパ洩れ防止板、１５・・・・・・空
気導入口、１６・・・・・・スプリング、１９・・・・
・・円筒、２１，２３・・・・・・穴、２２・・・・・
・金網、２４・・・・・・バッキング。 なお、図中同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 燃焼用送風機１のケーシングまたは燃焼筒２に支持
   されかつバーナ４を一端部に取付けた気化器３と、この
   気化器３の反バーナ４側の空気入口端より前記送風機１
   の送風ファン１ｂ側に配置されて送風機１のケーシング
   内に固定された空気案内板８とを備え、送風ファン１ｂ
   によって送られる空気を前記空気案内板８で気化器３の
   中心部と外周部に分けるようにした液体燃料燃焼装置に
   おいて、中心部に空気導入口１５を有するベーパ洩れ防
   止板１４を、気化器３の空気入口端と密着させ、かつ空
   気案内板８と離間させて、気化器３と空気案内板８の間
   に設けたことを特徴とする液体燃料燃焼装置。 ２ ベーパ洩れ防止板１４と燃焼用送風機１に固定され
   た空気案内板８との間にスプリング１６を介装したこと
   を特徴とする特許請求の範囲第１項記載の液体燃料燃焼
   装置。 ３ 空気案内板８の気化器３側に円筒１９を突出させ、
   この円筒１９によってベーパ洩れ防止板１４を包囲した
   ことを特徴とする特許請求の範囲第２項記載の液体燃料
   燃焼装置。 ４ 空気案内板８の気化器３側に円筒１９をベーパ洩れ
   防止板１４と近接させて突出させ、ベーパ洩れ防止板１
   ４、円筒１９またはこれらの間に穴２１、金網２２のよ
   うな整流手段を設けたことを特徴とする特許請求の範囲
   第１項記載の液体燃料燃焼装置。 ５ ベーパ洩れ防止板１４を気化器取付板と兼用させ、
   ベーパ洩れ防止板１４を気化器３にバッキング２４を介
   して密着させたことを特徴とする特許請求の範囲第１項
   記載の液体燃料燃焼装置。