JPS5824645Y2 - モ−ルデイング取付用のボルト付リテ−ナ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、主にモールディング類の取付けに使用するり
テーナーに関する。

近年、樹脂化の進んだりテーナーにボルトを埋込む方法
として熱カシメ、機械カシメによる方法が多く用いられ
てきた。

ところが、上記２つの方法はそれぞれ樹脂部分の熱変形
、樹脂部分のヒビ割れ等の問題が生じやすい欠点が挙げ
られていた。

本考案の目的は、上記熱カシメ、機械カシメによる方法
を用いずに樹脂リテーナ−にボルトを埋込むことを可能
となすことにより上記欠点を除去し、さらには強度面に
おいても、コスト面にむいても実用上有効なモールディ
ング取付用のボルト付リテーナを提供することにある。

以下、本考案をその実施例に従って詳述する。

先づ第１図に示す実施例について説明すると、本実施例
のリテーナは、金属製のボルト１と樹脂製の台座２と樹
脂製のボルト押え３と３つの部材から成り、ボルト１０
頭部を台座２とボルト押え３とによって挾み込んだもの
である。

台座２はほぼ正方形の板状に形成され、その中央下部に
は前記ボルト１の挿入される貫通孔４が形成され、また
中央上部にはボルト１の頭部１ａが回動不能に係合する
ための係合凹所５が上記貫通孔４と同芯的に形成されて
いる。

なお、係合凹所５はボルト１の頭部１ａの厚みとほぼ同
−深さをもっており、係合された頭部１ａの上面と台座
２の上面とがほぼ同一平面となるように設定されている
。

そして本実施例では、ボルト１の頭部１ａが円形を平行
な２直線で縁取りした形に形成され、−力係合凹所５が
ボルト１の頭部１ａに対応した形状に形成された場合と
して図示しであるが、要はボルト１を回り止めできる形
状であれば差支えない。

ｌた上記台座２は、対向する２辺がコの字状に凹設され
るとともにこの凹部には係止片６が形成され、さらに台
座２の他の１辺にはモールディング１２に対する位置決
め用の膨出部分をもつ弾発片７が設けられ、スリット８
によって適宜弾力が付与されている。

一方、台座２の上面に重合することによってボルト１の
頭部１ａを挟着保持するボルト押え３は、台座２の上面
に密着する長方形状の抑圧部９を中央に持ち、該押圧部
９の両組辺部の下面には、台座２に附設された凹部に嵌
合するとともに係止片６と係脱可能の係止爪１０が突設
され、逆に、押圧部９の両組辺部の上面には平板状の把
手１１が相対して立設されており、この把手１１を指で
内向き挟圧することにより抑圧部９０弾力を利用して係
止爪１０を外側へ拡開できるようＫなっている。

上記把手１１は対象とするモールディング１２の保持体
としての機能も併わせ持つもので、モールディング１２
内面形状に対応した輪郭を持つ。

以上３個の部材よりなる本実施例のリテーナは次の如く
組合わされる。

１ず、ボルト１を台座２の貫通孔４に挿入するとともに
、ボルト１の頭部１ａを台座１の係合凹所５に回動不能
に嵌合させる。

つづいて、この状態を維持しながらボルト押え３の把手
１１を撮むことによって両係止爪１００間隔を広げたる
のち、ボルト押え３の押圧部９を台座２の上面に重合さ
せるとともに、係止爪１０を台座２の凹部に嵌合すると
ともに係止片６に嵌合させる。

このようにして、ボルト１の頭部１ａを台座２とボルト
押え３とによって挟着保持せしめることによってリテー
ナ−としての機能を有することになる。

しかして、上記の如く組付けられたリテーナは、第３図
に示すようにモールディング１２に対して、該モールデ
ィング１２０両縁を内側へ折曲げて形成したフランジ部
分１５に台座２の下面縁部が係止するようにモールディ
ング１２に挿入することによって取付けられるものであ
り、このとき台座２の１辺に形成された弾発片１がモー
ルディング１２の内面に適宜弾力をもって圧接するため
、リテーナは位置決め後において不用意に動くことがな
く組付は上至極便利である。

なお、リテーナを介してのモールディングの車体への取
付けは、ボルト１に座金１３を介してナツト１４により
締着することによってなされる。

なお、リテーナのヘッド部の形状、すなわち台座２なら
びにボルト押えの形状は、車体に取着されるモールディ
ング１２の形状に適合するように必要に応じて種々に変
更される性質のものである。

以上、詳述したように本考案のリテーナはボルトの頭部
を台座とボルト押えとによって挾み込むようにしたので
従来の熱カシメや機械カシメによるボルト埋込み形式に
見受けられるヒビ割れや変形といった歩留會りの低下の
問題を解決することができる。

普た、ボルトに加わる回転トルクは係合凹所によって阻
止されるものであり、さらに第６図に示す如く、ボルト
のネジ部から頭部に向かって加わる荷重Ｐがボルトの頭
部によるボルト押えの抑圧部の押し上げる力として作用
し、このことによって、ボルト押えの係止爪が台座の係
止片に対してその結合を一層増加し、台座とボルト押え
との結合強度を高める意味から有効である。

さらにまた、本考案は、従来リテーナの製作過程におけ
るカシメ工程を省略し、ボルト押えをもってその役割を
代替させたものであり、リテーナの製作に要するコスト
においても従来品に何ら劣るものではない。

加えて組付けの際には、両把手が、撮みとしての機能と
、モールディングに対するリテーナとしての機能を発揮
することができ、さらには弾発片がモールディングの内
面に自らの弾発力をもって圧接するため、位置決め後に
容易に変位することが規制される。

従って本考案に係るボルト付リテーナは、歩留渣り、強
度面、コスト面において秀れ、実用上極めて有益なもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す分解斜視図、第２図は組
立てた断面図、第３図はモールディングへの取付は状態
図、第４図は作用説明図である。 １・・・ボルト、１ａ・・・ボルト頭部、２・・・台座
、３・・・ボルト押え、４・・・貫通孔、５・・・係合
凹所、６・・・係止片、７・・・弾発片、９・・・押圧
部、１０・・・係止爪、１１・・・把手。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ボルト１と、それぞれ合成樹脂材にて形成された台座２
   およびボルト押え３とからなるリテーナであって、方形
   板状に形成された前記台座２には、ボルト１の軸部を挿
   通しうる貫通孔４が貫通されるとともに、その上面には
   該貫通孔４を含みかつボルト１の頭部１ａを回動不能に
   嵌合してボルト１の頭部１ａの厚みとほぼ同−深さの係
   合凹所５が凹設され、またその両側線には一対の係止片
   ６゜６が形成され、さらに他の側縁の少なくとも一方に
   はモールディング１２の内面に対し自らの弾発力にて位
   置決めをなしうる弾発片７が形成される一方、台座２上
   面に重合することによってボルト１の頭部１ａを挟着保
   持する前記ボルト押え３は、台座２上面に密着する抑圧
   部９が具備され、該押圧部９の下面には前記両様止片６
   ，６に係脱可能に係合する一対の係止爪１０．１０が形
   成され、逆に抑圧部９の上面にはモールディング１２の
   内面形状に適合し得かつ相互を内向きに挟圧することに
   より両様止爪１０，１０を拡開させつる板状の把手ＩＬ
   １１が離隔対設されることを特徴とするモールディング
   取付用のボルト付リテーナ。