JPS5823014Y2 - バッテリ−式内燃機関用点火装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、バッテリ一式内燃機関用点火装置に関するも
ので、確実な点火動作を行なうバッテリ一式内燃機関用
点火装置を得るのを目的とするものである。

現在、内燃機関用点火装置は、種々の理由により内燃機
関の回転動作を利用して永久磁石の磁力により誘起電圧
を発生させ、この誘起電圧を電源として利用するいわゆ
る高圧磁石発電機形式の点火装置がほとんどで、バッテ
リーを電源として使用する点火装置はほとんどない。

しかしながら、限られた使用範囲ではあるが、バッテリ
一式内燃機関用点火装置が必要とされているのは現実で
、このため確実なかつ安定した動作のバッテリ一式内燃
機関用点火装置の出現が望１れている。

従来、この種のバッテリ一式内燃機関用点火装置は、あ
るにはあったのであるが、動作が不安定であるという欠
点の他に、点火装置を半導体を利用した無接点形式のも
のにした場合、各半導体素子のターンオフ・オンの制御
が難しく確実な動作が得られない欠点があった。

これは電源が直流であるために、一旦ターンオンした半
導体素子をターンオフさせるのが面倒となると共に不確
実となり易いためである。

本考案は、上記した如く、動作の安定性に不安のあるバ
ッテリ一式点火装置における欠点を解消し、安定したか
つ確実な点火動作を行なうことのできるよう考案された
もので、以下本考案の一実施例を図面に従って説明する
。

本考案によるバッテリ一式内燃機関用点火装置は、直流
電源としてのバッチＩＪ−ＥとスイッチＳとの直列回路
と並列に、抵抗Ｒ１とトランジスタ回路ＴｒＣ１とコン
デンサＣとダイオードＤ２を並列接続した抵抗Ｒ４との
直列回路と、高い抵抗値をもつ抵抗Ｒ２とゲート回路を
トリガコイルＴＧにより構成したサイリスタＳＣＲとの
直列回路と、２次巻線Ｔ２にプラグＰを接続した点火コ
イルＴの１次巻線ＴＩとトランジスタ回路ＴｒＣ２との
直列回路を接続し、トランジスタ回路ＴｒＣ１のエミッ
タをベース抵抗としての抵抗Ｒ３を介してトランジスタ
回路ＴｒＣ２のベースに接続し、またトランジスタ回路
ＴｒＣ１のベースをサイリスタＳＣＲのアノードに接続
し、さらにコンデンサＣのプラス極すなわちトランジス
タ回路ＴｒＣｘのエミッタをダイオードＤ１を介してサ
イリスタＳＣＲのアノードに接続して構成されている。

なお、図示実施例において、両トランジスタ回路ＴｒＣ
１，ＴｒＣ２はダーリントン回路となっているが、それ
ぞれ１つのパワートランジスタであっても良いことは言
う１でもない。

會た、コンデンサＣはサイリスタＳＣＲのターンオン保
持用のものであるが、このコンデンサＣのマイナス電極
との間に挿入された抵抗Ｒ４とダイオードＤ２との並列
回路は、コンデンサＣへの充電動作時にはダイオードＤ
２を作用させ、コンデンサＣの放電動作時には抵抗Ｒ４
を作用させるためのものである。

次に上記の如き構成となった本考案装置の動作を順を追
って説明する。

スイッチＳを投入すると、抵抗Ｒ２を通ってトランジス
タ回路ＴｒＣ１のベースに電流が流入するので、トラン
ジスタ回路ＴｒＣ１はターンオンする。

トランジスタ回路ＴｒＣ１のターンオンによって、この
トランジスタ回路ＴｒＣ１及び抵抗Ｒ３を通ってトラン
ジスタ回路ＴｒＣ２のベースに電流が流入してトランジ
スタ回路ＴｒＣ２をターンオンすると共にバッテリーＥ
→スイッチＳ→トランジスタ回路ＴｒＣ１→コンデンサ
Ｃ→ダイオードＤ２→バッチＩＪ−Ｅの経路でコンデン
サＣへの充電回路を形成し、コンデンサＣに所定量の電
荷を充電する。

このコンデンサＣへの充電は極めて短時間に行なわれる
ものである。

トランジスタ回路ＴｒＣ２のターンオンにより１次巻線
Ｔ１に１次短絡電流が流れる。

この状態から内燃機関を回転させると、図示省略したフ
ライホイールが回転して、このフライホイールに取付げ
られたトリガパルス発生用の永久磁石の作用によってト
リガコイルＴＧにトリガパルスが発生し、サイリスタＳ
ＣＲをトリガする。

このサイリスタＳＣＲのターンオンによって、トランジ
スタ回路Ｔ ｒ Ｃ１のベースはマイナスに落されるの
で、トランジスタ回路Ｔ ｒ Ｃ１ｔｒｉターンオフし
、！たこのトランジスタ回路Ｔ ｒ Ｃ１のターンオフ
によってベース電流を遮断されたトランジスタ回路Ｔｒ
Ｃ２もターンオフし、これによって１次巻線ＴＩに流れ
ていた１次短絡電流は急激に遮断され、プラグＰに火花
放電を発生させて点火動作を行なう。

また、ターンオンしたサイリスタＳＣＲは、ダイオード
Ｄ１によってコンデンサＣの放電回路を閉路することに
なるので、サイリスタＳＣＲはコンデンサＣと抵抗Ｒ４
とによって決定される時定数すなわちコンデンサＣの放
電が完了するまでそのターンオン状態が保持されること
になる。

コンデンサＣの放電が完了するとサイリスタＳＣＲはタ
ーンオフし、このサイリスタＳＣＲのターンオフによっ
て、トランジスタ回路ＴｒＣｘはターンオン可能な状態
に復帰したことになるので、抵抗Ｒ２を通って流入する
ベース電流により再びターンオンして、点火動作を繰返
す。

所で、コンデンサＣの放電時間すなわちコンデンサＣ及
び抵抗Ｒ４の値は、内燃機関の回転速度は、より正確に
言うならばフライホイールの回転速度に適合して設定さ
れるもので、トリガコイルＴＧトリガパルスが発生した
時点から、次のトリガパルスが発生する時点普での間に
充分に余裕をもって放電が完了する値に設定されること
は言うまでもない。

このように、本考案装置は、１次短絡電流の遮断制御を
するトランジスタ回路ＴｒＣｚの導通制御をサイリスタ
ＳＣＲで行ない、このサイリスタＳＣＲのターンオンを
コンデンサＣの放電で保持すると共にこのコンデンサＣ
の放電完了によってサイリスタＳＣＲをターンオフさせ
ると同時に各トランジスタ回路ＴｒＣ１＋ ＴｒＣ２を
トリガできる状態に復帰させるので、各半導体素子のタ
ーンオン、ターンオフ動作が確実に行なわれ、これによ
って確実な点火動作を得ることができる。

また、コンデンサＣの放電時間の設定により点火時間を
自由に設定することができ、それゆえ充分な燃焼時間を
得ることができる。

以上の説明から明らかな如く、本考案によるバッテリ一
式内燃機関用点火装置は、その点火動作が安定しかつ確
実なものとなり、かつ種々の時間の設定が簡単にかつ自
由に行なうことができるので最良の点火性能を得ること
ができ、さらに構成も比較的簡単で実施が容易である等
多くの優れた作用効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案装置の一実施例を示す電気結線要領図で
ある。 符号の説明、Ｅ・・・バッテリー、Ｓ・・・スイッチ。 ＴｒＣｌ、ＴｒＣ２・・・トランジスタ回路、Ｔ・・・
点火コイル、ＴＩ・・・１次巻線、Ｔ２・・・２次巻線
、Ｐ・・・プラグ、ＳＣＲ・・・サイリスタ、ＴＧ・・
・トリガコイル、Ｃ・・・コンデンサ、Ｒｉ 、Ｒ２＞
Ｒ３＞Ｒ４・・・抵抗、Ｄｌ、Ｄ２・・・ダイオード。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 直流電源としてのバッテリーＥとスイッチＳとの直列回
   路と並列に、抵抗Ｒ１とトランジスタ回路ＴｒＣ１とコ
   ンデンサＣとそしてダイオードＤ２を並列接続した抵抗
   Ｒ４との直列回路と、高い抵抗値をもつ抵抗Ｒ２とトリ
   ガコイルＴＧをゲート回路に有するサイリスタＳＣＲと
   の直列回路と、そして２次巻線Ｔ２にプラグＰを接続し
   た点火コイルＴの１次巻線ＴＩとトランジスタ回路Ｔｒ
   Ｃ２との直列回路とを接続し、前記トランジスタ回路Ｔ
   ｒＣ１のベースを前記サイリスタＳＣＲのアノードに接
   続すると共に前記トランジスタ回路ＴｒＣ２のベースを
   抵抗Ｒ３を介して前記トランジスタ回路ＴｒＣ１のエミ
   ッタに接続しさらに前記コンデンサＣのプラス側の極を
   ダイオードＤ１を介して前記サイリスタＳＣＲのアノー
   ドに接続して成るバッテリ一式内燃機関用点火装置。