JPS5820083Y2

JPS5820083Y2 - 歩行型田植機におけるフロ−ト

Info

Publication number: JPS5820083Y2
Application number: JP1976086628U
Authority: JP
Inventors: 石田伊佐男; 仲弘和
Original assignee: 井関農機株式会社
Priority date: 1976-06-30
Filing date: 1976-06-30
Publication date: 1983-04-26
Also published as: JPS535416U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、田植機本体の下部に配設したフロートの改良
に関するものである。

従来、この種のフロートは、田植機本体の下部にあって
、機体を安定維持するという観点から、その前後にわた
るほぼ全面が円面に接地するよう構成されているが、こ
のようにすると、接地面積が広くなり機体が安定する反
面、その前部で泥土を押し出して滑走抵抗が大きくなる
ため車輪がスリップを起し易くなり、充分な機体の安定
が図れないと共に、フロートの上下動により車輪を上下
動させる場合に、その接地面積が大きいため、これに作
用する接地圧も分散されて上下動の動作が純くなり、・
耕盤の深浅に応じて上下動する車輪の動き、捷た田面の
凹凸、起伏等に迅速かつ確実に順応して上下動すること
ができず、従って、車輪をフロートの上下動により確実
に自動制御することが困難であるという欠陥もあった。

本考案はかかる事情に鑑みなされたもので、その目的と
するところは、車輪の駆動反力は田植機の後部に強く作
用することに着目し、整地機能ならびに機体安定機能を
損わない範囲でフロートの前部の接地面積を減らし、円
面の泥土の押出しを少クシ、機体をより安定維持できる
ようにすると共に、フロートに作用する接地圧に対する
反力が総合的に強く車輪付近に作用するようにして、フ
ロートが、耕盤の深浅に応じて上下動する車輪の動き、
捷た田面の凹凸、起伏等に迅速かつ確実に順応して敏感
に上下動し、車輪を確実に上下動させて機体を安定した
状態に維持し、精度の高い田植作業が実施できるように
した歩行型田植機における自動制御用フロートを提供す
るにある。

この目的を達成するため本考案のフロートは、車輪の車
軸位置周辺よりも前方に位置するフロートの前半部分を
田面から離間させ、フロートの後半部分のみを田面に接
地させるようにすると共に、前半部分に車輪を上下動さ
せる感知機構を配設したことを特徴とするものである。

以下、図面を参照して本考案の実施例を説明する。

図において、符号１は田植機本体で、左右両側に車輪２
が、下部にフロート３が配設され、寸た前部にはエンジ
ン１が搭載され、後部には植付装置５が装備されている
。

上記車輪２は、チェーンケースを兼ねる揺動アーム６の
遊端側に軸支され、該アーム６の基端側は田植機本体１
に軸７を介して回動自在に軸支されている。

揺動アーム６には、連繋アーム８の一端が固定されてい
て、このアーム８の他端は連杆９を介して油圧装置１０
のピストンロッド１０ａに連結され、ピストンロッド１
０ａの伸縮により揺動アーム６を回動させ、車輪２が上
下動調節されるようになっている。

またフロート３は、田植機本体１の下部に前後方向に設
けられていて、上記車輪２の車軸１１とほぼ対応する中
間部で、その前半部分３ａが斜め上方に向くよう折曲形
成されていて、上記前半部分３ａは円面に接地せず、後
半部分３ｂのみが円面に接地すると共に、その後端部は
、その幅が狭く形成されている。

フロート３の後部は、これに立設したブラケット１２を
介して軸１３で田植機本体１に回動可能に枢支され、ま
たフロート３の前部は、上下に拡縮し上下動感知機構を
兼ねるリンク１４を介して、前記油圧装置１０のポンプ
を駆動するベルト伝動系１５に転接するテンションロッ
ド１６に連結され、フロート３の上下動に応じて油圧装
置１０を作動し、車輪２を上下に調節するようになって
いる。

前記植付装置５は、ハンドル１８に沿うよう傾斜して設
けた苗載せ台１９、この苗載せ台１９の傾斜下端にあっ
て図示しない苗取出口を備えた苗受板２０および上記苗
取出口に臨んで上下動し、苗取出口から苗を１株状に切
り出して円面に植え付ける植付体２１を具備する。

上記苗載せ台１９はハンドル１８に設けたガイドレール
２２上に支持されていて、移動棒２３より動力を受けて
田植機本体１の左右方向に所定のストロークで往復移動
し、収容した苗を順次苗取出口に臨１せてゆくようにな
っている。

このような構成では、車輪２を耕盤に、フロート３を円
面に接した状態で車輪２を駆動して走行し、植付装置５
により植付作業が行なわれる。

その際、フロート３のうち、前半部分３ａは上向きに傾
斜していて、円面から離れて釦す、フロート３の後半部
分３ｂのみが円面に接触する。

これによりフロート３の接地面積はほぼ半減し、田面の
泥土の押出し、特に機体旋回時の押出しが少くなって滑
走抵抗が少なくなり、昔た車輪２の駆動に伴って田植機
本体１に生じる反力、即ち田植機本体１の後部側への力
はフロート３の後半部分３ｂで的確に受は止められ、機
体の安定を損うことがない。

勿論、機体が前側に傾斜したような場合は前半部分３ａ
も円面に接地してこれを支える。

また、耕盤の深浅に応じて車輪２が耕盤から離れ、ある
いは円面から機体が高く持ち上った場合や円面に凹凸、
起伏がある場合には、これに応じてフロート３が軸１３
を中心に前端部３ａが上下に揺動し、リンク１４ち−よ
びテンションロッド１６を介して油圧装置１０のポンプ
が駆動され、または停止されて、ピストンロッド１０ａ
が伸縮され車輪２が耕盤に沿うよう下部に調節されるこ
とになるが、本考案においては、フロート３は、上記の
ように接地面積が半減しているところから、その接地圧
は、耕盤の深浅に応じて車輪が上下動する際、寸た田面
の凹凸に敏感に反応し、しかも、フロートの後半部分の
後端部は、その左右方向の幅が狭くて面積も小さく、上
記接地圧によるフロトへの反力が車輪付近を中心として
総合的に強く作用することなどから、フロートは、上記
車輪の上下動、また田面の凹凸、起伏等に迅速かつ確実
に順応して上下動し、車輪を所定の高さに確実に移動し
、機体を安定した状態に維持して安定した植え付は作業
が行われる。

以上の如く本考案にあっては、フロートは車輪の車輪に
対応する位置から前半部分が円面から離れ、後半部分の
みが田面に接地するから、フロートの接地面積が小さく
、泥土の押出しが少くなり、また、滑走抵抗が非常に少
なくｍ、車輪のスリップ等を防止でき、機体が安定して
保持されると共に、フロートは、車輪付近を中心とする
接地圧に対する総合的反力の強い作用により、車輪の上
下動、円面の凹凸、起伏等に順応して迅速、確実に上下
動し、感知機構を介して車輪を所定の高さに自動的に制
御し、精度の高い田植作業を実施することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す田植機の側面図、第２図
は第１図の底面図である。１・・・田植機本体、２・・・車輪、３・・・フロート
、３ａ・・・前半部分、３ｂ・・・後半部分、４・・・
エンジン、５・・・植付装置、６・・・揺動＼ム、７・
・・軸、８・・・連繋アーム、９・・・連杆、１０・・
・油圧装置、１０ａ・・・ピストンロンド、１１・・・
車軸、１２・・・ブラケット、１３・・・軸、１４・・
・リンク、１５・・・ベルト伝動系、１６・・・デンシ
ョンロツド、１８・・・ノ１ンドル、１９・・・苗載せ
台、２０・・・苗受板、２１・・・植付体、２２・・・
ガイドレール、２３・・・移動棒。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

田植機本体の下部に、その前後方向に延び、かつ単一体
からなるフロートを上下動可能に配設し、このフロート
の上下動との関連で上下動可能な車輪を田植機本体に設
け、該車輪を駆動して上記フロートで円面を滑走してゆ
く歩行型田植機において、上記フロートは、上記車輪の
車輪位置周辺よりも前方に位置する前半部分を円面から
離間させ、フロートの後半部分のみを田面上に接地させ
るように形成すると共に、このフロートの前半部分に、
車輪を上下動させる感知機構を配設してなることを特徴
とする歩行型田植機における自動制御用フロート。