JPS58161945A - 低反射強化ガラス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は表面での反射を低下させ光透過率を高めた特に
太陽熱集熱器のカバーガラスとして有用な強化ガラスに
関する。

近年省エネルギー政策のため太陽熱を有効に利用する研
究が盛んに行なわれ、太陽光を受光し、これを熱に変換
せしめる平板型、パイプ型等種々の太陽熱集熱器が開発
されている。

太陽熱集熱器の製作では、集熱効率を向上させることが
大きな課題となり、この課題を達成するために、第一に
集熱部材で発生した熱を装置外部に逃がさないようにす
ること、第二に集熱部材に直接照射供給される太陽光を
増加させることを図る必要がある。前記第一の点につい
て透明ガラスカバーを多層化構造としてカバーガラス間
に断熱空気層を設けている。

一方、断熱性向上のためにガラス製部材が集熱器内に追
加されるとガラス表面による集熱器内に入射された太陽
光の反射およびガラス内での太陽光吸収が増大するため
に集熱部材に直接照射供給される太陽光の量が減少して
前記の第二の条件を満すことができず、このため集熱効
率自体はさほど向上しなくなるという結果になる。特に
ガラス表面における太陽光の反射による損失は、ガラス
一枚で太陽の全照射エネルギーの７〜ｇ％ガラス二枚で
は／−〜／４（％にも達する。

ガラス表面での反射を低下させる手段として弗化マグネ
シウム等の低屈折率薄膜をコーティングする方法もある
が、この場合蒸着・スパッタリングス板は処理できず、
また処理品出し入れの都度、排気に多くの時間を要して
大量生産ができないという問題がある。

また広く使用されている平板型集熱器の大きさはほぼ／
ｍＸ、２ｍであり、ガラス板は３〜１７　ｍｍ厚みのも
のが使われている。従ってガラス重量は／ｍＸ２ｍの大
きさで３　ｍｍ厚味のものを使用すると一枚あたり約／
３Ｋｇとなり二枚では３０Ｋｇで集熱器重量としては一
台あたり約≦ＯＫｇ以上となる。集熱器の設置時の作業
性や架台の設計を考え、集熱器の重量をできるだけ軽く
することが効率の向上と同時に大きな要求として存在し
ていた。

本発明は上記の問題を解決し、表面での反射がほとんど
無くて透過率が高く、シかも強度が大な特に太陽熱集熱
器の第二層目以下の断熱ガラスとして好適な一ガラスを
提供する。

上記の目的を達成する本発明のガラスは、化学強化ある
いは熱強化により表面に圧縮歪層を設けた強化ガラスの
少なくとも片面に、圧縮歪層を一部残してガラス成分の
一部を選択的に溶出除去した微細な多孔層を設けたもの
である。

すなわち本発明者らは、ガラスの低反射処理に関して研
究実験を進めた結果、ガラスを珪弗化水素酸のシリカ過
飽和水溶液に浸漬処理すると表面のガラス成分中Ｎａ２
Ｑ　ｌ　Ｏａ　Ｑなどの金属酸化物成分が溶出除去され
てあとに大部分がシリカからなる多孔層が形成され、こ
の多孔層は厚みがおよそ１０００オングストロームと極
めて薄い層で大きな透過率向上効果が得られ、したがっ
て強化処理したガラス板に適用しても実質的にガラス表
面の圧縮歪層に悪影１を及ぼさないことを見い出した。

本発明はこの知見に基づいて完成したものである。

以下本発明を図面に示した実施例について詳細に説明す
る。第１図は本発明ガラスの拡大横断面図であり２、−
は強化ガラス基板である。

この強化ガラスとしては化学強化による強化ガラスおよ
び加熱急冷による熱強化ガラスのいずれも使用できる。

化学強化はアルカリ会−を含むガラスにおいてそのアル
カリ金属の一部をそれより大きいイオン半径を有するア
ルカリ金属とイオン交換することによってガラス表面に
圧縮力を与えて強化する方法であり、一般にはガラスを
溶融カリウム塩に浸漬してガラス中輪ナトリウムイオン
を溶融塩中のカリウムイオンと交換することにより表面
から１０μないし５０μの範囲に圧縮歪層３を形成する
。

この化学強化は熱強化ではガラスに変形を生じて強化処
理が困難な厚みがおよそ７．３１１１ｊｌ以下、特に１
．ｉ　ｍｍ以下のガラスに適している。

また熱強化ではガラスを軟化点近くに加熱した後表面を
急冷することにより表面からガラス肉厚のおよそ６分の
／の深さ範囲に圧縮歪層３が形成される。

この強化ガラスの基材２を濃度がＯ８！ないし３．０モ
ル／ｌ望ましくは７．０ないし２．５モル／ｌのシリカ
を飽和または過飽和させた珪弗化水素酸の水溶液中Ｋ２
Ｏ分ないし７５０分程度浸漬する。

これにより、ガラス成分中のアルカリおよびアルカリ土
類金属酸化物が表面から選択的に溶出除去されて主とし
てシリカからなる極微細の多孔層ダが形成される。

このシリカ多孔層りは孔径が数百オングストロームで孔
深さはおよそ１０００オングストロームであり、バルク
のガラス部分に比較して屈折率が低いシリカで構成され
ていることに加え空孔中の空気の存在により見かけ上の
屈折率が非常に低く、このため多孔層ダを表面に設けた
透明ガラスは無処理のものに比べて太陽光線透過率がｊ
襲前後向上する。

また多孔層ダは厚みが１ｏｏｏオングストローム＜ｏ、
ｉμ）前後と極めて薄いため、熱強化ガラスはもちろん
圧縮歪層３厚みがこれ憐より小さい化学強化ガラスに上
記処理を施しても圧縮歪層の厚みは実質的に変化せず肉
厚の薄いガラスでも高い強度が得られる。

本発明の低反射強化ガラスの使用例を第一図に示す。

第２図は典型的な平板型太陽熱集熱器であり、偏平な箱
体ｊ内に熱放散防止のためにガラスウール等からなる断
熱材乙の層を設けるとともに熱交換用流体の導通路７を
もつ集熱板ざを設置し、開口部を透明カバーガラス９で
覆い、このカバーガラス闇から一定間隔をおいて内側に
もう一層のカバーガラスｌＯを設け、間に空気層／／を
おいてこれら二重ガラス層夕、１０で集熱器内に高い温
室効果をもって熱を蓄積するようにしている。

このような平板型集熱器において外側カバーガラス９は
外部からの種々の機械的衝撃に対して十分耐え得るよう
に厚みが２〜ダｍ／’ｎ＋の熱強化ガラス板の表面にシ
リカ多孔層ダを設けた低反射強化ガラス板ｌを使用し、
内側カバーガラス１０として厚みがほぼ／　ｍ／ｍの化
学強化ガラスの表面にシリカ多孔層を設けた低反射強化
ガラス板／を使用している。

第３図に本発明ガラスの他の応月例を示す。

本例は内部を熱交換流体が通る集熱Ｗ／コの外側を覆っ
てこの管ｌ−と同心状に内側カバーガラス管／３および
間隔をおいて外側に外側カバーガバーガラス管ｌダを配
置し、内部空間を真空にし−た管状集 熱器であり、この内側カバーガラス管／３として肉厚が
／　ｍ／ｍ前後の化学強化ガラスからなる透明ガラス管
の内外面にシリカ多孔層を設けた低反射強化ガラス管を
使用している。

以上本発明を太陽熱集熱器について説明したが本発明に
係る低反射強化ガラスはこれ以外にも太陽光電池のカバ
ーガラス液晶等のディスプレーパネルガラス、照明器具
のカバーガラスなど極めて広範な用途に使用できる。ま
た形状についても何ら制限するものではない。本発明に
よれば表面反射による光量ロスを減少して透光量を増大
でき、また、ディスプレーパネル等では表面反射による
見にくさが解消され、同時にガラス肉厚を薄肉化できて
その分ガラスによる光の吸収損失を低減できるとともに
軽量化を図ることができる０

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す断面図、第一図は本発
明に係る低反射強化ガラスを用いた平板型太陽熱集熱器
の断面図、第３図は本発明に係る低反射強化ガラスのパ
イプを用いた管状集熱器を示す断面図である。 ｌ・・・・・・・・低反射強化ガラス　−・・・・・・
強化ガラス基板３・・・・・・・・圧縮歪層　　ｑ・・
・・・・・・シリカ多孔層特許出願人　日本板硝子株式
会社

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 ｌ）強化ガラスの少なくとも片面に、圧縮歪層を残して
   ガラス成分の一部を選択的に溶出除去した微細な多孔層
   を設けた低反射強化ガラス。 ２）圧縮歪層は化学強化によって形成されている特許請
   求の範囲第１項記載の低反射強化ガラス。