JPS58155Y2 - 核燃料集合体 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は軽水炉、重水炉又は高速炉の核燃料集合体に係
るものであり、その核燃料集合体は格子の交点に平行関
係に一組のグリッドによって保持された一束の被覆燃料
ピンを備えており、前記の一組のグリッドには燃料ピン
をグリッドに押しつける部材を設けである。

本考案を主として適用できる燃料集合体は、燃料ピンの
格子の交点に一様な間隔で配置している燃料ピンと同直
径のタイロッド又は控え棒により固定した２枚の端プレ
ートによりしつがつと支持された構造体で゛ある。

この場合スペーサグリッドは控え棒へしつかり接続され
てはおらず、控え棒の上を滑動できるようにスペーサグ
リッドは、控え棒を支えるスプリングによるが、又はグ
リッドが支えそして控え棒が自由に内側で滑動するスリ
ーブによって配置されている。

スプリングの場合には、控え棒の数よりも燃料ピンの数
の方が多いので運転中の熱膨張の差から生じそして控え
棒に沿う滑動となる燃料ピンの動きにつれてグリッドは
動く。

利点としては、スリーブ等の形をした衝合部材を異なる
グリッド間の控え棒に設けてこれらのグリッドのある限
界を越えての移動を制限する。

実際の設計では、通常垂直方向に延びる燃料ピンの束を
底部プレートにのせ、グリッドは燃料ピンと共に控え棒
に沿って上部プレートに向って滑動させるようにする。

この様になっているので特に燃料集合体が実際にそうで
あるが４ｍ程度の長子寸法を有している場合、燃料ピン
の伸長は無視できなくなる。

上方へのグリッドの滑動は過度となり、燃料ピンの束を
案内し且つ支持することが問題となる。

本考案はこれらの欠点を解消する核燃料集合体に関する
。

燃料ピンの束が控え棒にしつかり固定された一つの支持
グリッドと組合され、その他のグリッドは前記の一つの
支持グリッドの両側で燃料集合体に沿って垂直方向に均
一の間隔で配置され、燃料どンの伸長が前記の一つの支
持グリッドから底部プレートと上部プレートとに向って
生じるようにして上記の欠点を解消している。

本考案を以下に添付図に示した一実施例を参照して詳細
に説明する。

垂直の控え棒によって連結された上部プレートと底部プ
レートとを備えそして燃料ピンの束のための中間スペー
サグリッドが設けられている従来の燃料集合体では、控
え棒に対してこれら全てのグリッドを固定できるように
しており、特にグリッドの空胴内に配置したスリーブ、
差し込みリング等を使用することによって控え棒にグリ
ッドを固定している。

このやり方では温度や照射の影響により生じる燃料ピン
の膨張がグリッド内で燃料ピンの相対的な滑動を生じさ
せ、このため燃料ピンのジャミングや変形やそして特に
燃料ピンの被覆の摩耗の危険性を伴なうこと１なる。

これとは全く異なるやり方が提案されており、それでは
燃料ピンの組立体全体が燃料集合体の控え棒に沿ってグ
リッドと共に自由に滑動し、グリッドの両側のストッパ
部材即ち衝接部材が異常膨張の場合の燃料ピンの異常な
移動を制限するようにしている。

この型式の燃料集合体では、燃料ピンが底部プレートに
のせられ、そして燃料ピンの全ての伸長は上向に生じる
。

添付図面は本考案が特に関与する構造の形態を示してい
る。

燃料集合体１は、垂直軸を持ち且つ平行関係に置かれた
被覆燃料ピンの束から成る。

燃料束はジルコニウム合金で被覆された酸化ウランＵＯ
２の２６４本のピンから成る。

この束は底部プレート３と上部プレート４とを構成する
２つの水平プレート間に設置される。

これら２つのプレートは燃料ピン２の東向で、特に格子
の所定の交点に位置した中空の控え棒５によって支えら
れる。

２４本の控え棒５の直径を燃料ピンと実質的に同一の直
径とし、堅固な支持構造体を構成するようにすみ肉溶接
部６によってエンドプレートに固定するのが都合がよい
。

更にこれらの控え棒は制御素子５ａのためのガイドとし
ても使用できる。

この制御素子は炉心内の反応度を変更するために控え棒
内を滑動する。

上部プレート４と底部プレート３との間で控え棒５に対
し燃料ピン２の束は平行グリッド７によって支持される
。

グリッド７は８個ありそして垂直方向に燃料ピンに沿っ
て適当な間隔で配置されている。

各グリッド７は２組のシートメタル部材８及び９によっ
て良く知られたやり方で構成され、これらの部材８及び
９は方形断面の一連の空胴を限定し、各空胴に燃料ピン
の１つが垂直方向に通っている。

グリッド７は弾性の保持連結によって燃料ピンにしつか
り固定されている。

この目的のため、グリッドのプレート８，９にかなりの
巾の中央空胴１０を設けている。

これら空胴の上縁及び下縁はバネを構成する波状ストリ
ップ１１によって連結され、そしてこのストリップの中
央部には突出リブ１２を設けている。

このリブ１２は燃料ピンと、或いは空胴を通る控え棒と
接触状態になる。

プレート８，９の上部及び下部にはボス１３が設けられ
ており、燃料ピン２はストリップ１１によりボス１３に
押し当てられる。

これらの構成は燃料ピンの束に対するグリッド７の適当
な位置保持を確保しつつ燃料ピン間の滑動連結を可能な
らしめている。

事実これらの連結により、燃料ピン２の束に固定された
グリッド７は、ピンが異なった膨張作用で移動する時に
ピンに追従し、控え棒５に対して滑動する。

然しながら、グリッドの相対的な移動は控え棒５に取り
付けられた衝接スリーブ１５によって制限される。

この衝接スリーブ１５はグリッドとエンドプレートとで
以って自由スペースを定める様に決定した長子寸法を有
しており、この自由スペースは充分な大きさではあるが
グリッドの移動が所定値を越えないようなものである。

このようにして構成した燃料集合体は本考案に従って中
央グリッド１６を備えている。

この中央グリッド１６はこれ以外のスペーサグリッドと
対照的に、２つのスリーブ１７．１８によって控え棒５
へしつかり固定されている。

これらのスリーブ１７゜１８はスポット溶接１９により
グリッド１６を形成するプレート８，９へ永久的に固定
されている。

中央グリッド１６は弾性接続１１．１３によりすべての
燃料ピン２を支持する。

これらの燃料ピンは集合体の中央部から吊下げられてい
て、それらの端キャップ２０．２１とプレート３，４と
の間に自由空間を残しており、この自由空間は２つのプ
レートに向って上方と下方との両方で燃料ピンが同じよ
うにのびることを保証している。

斜上から明らかなように、本考案による燃料集合体は、
燃料ピンの膨張から生じる滑動の結果としての変形、ジ
ャミング又は摩耗に関連している問題を軽減する。

中央グリッドの両側に伺程度に燃料ピンはのび、中央グ
リッドは控え棒と端プレートにより形成された剛性フレ
ームに対して固定されている。

垂直方向に燃料ピンに沿って中央グリッドの両側に配置
されたその他のグリッドは控え棒と燃料ピンとへ簡単な
弾性接触子により固定されている。

燃料ピンの数は控え棒の数よりかなり多いので、グリッ
ドは燃料ピンの膨張運動に追従し、控え棒に沿って滑動
する。

控え棒上の摩擦は燃料ピンの被覆の摩損とは係わりはな
い。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本考案による燃料集合体の軸方向部分断面図
である。 １・・・・・・燃料集合体、２・・・・・・燃料ピン、
３・・・・・・底部プレート、４・・・・・・上部プレ
ート、５・・・・・・控え棒、７・・・・・・グリッド
、８，９・・・・・・シートメタル部材、１０・・・・
・・中央空胴、１１・・・・・・波状ストリップ、１２
・・・・・・突出リブ、１３・・・・・・ボス、１５・
・・・・・スリーブ゛、１６・・・・・・中央グリッド
、１７．１８・・・・・・スリーブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. １．被覆燃料ヒ９ンに支持グリッドを適用する部材を有
   している一組の支持グリッド゛により格子状にして平行
   関係に支持された燃料ピンの束と、燃料ピンと実質的に
   同じ直径の控え棒により燃料ピンの束から離して固定さ
   れている平行な上部プレートと底部プレートとを備える
   核燃料集合体において、１つの支持グリッドだけが前記
   の控え棒に固定されており、そしてその他の支持グリッ
   ドは前記の１つの支持グリッドの両側に垂直方向で燃料
   ピンに沿って一様な間隔を置いて配置されていて、それ
   により前記の１つの支持グリッドから前記の上部プレー
   トと下部プレートに向って燃料が伸長できるように保証
   したことを特徴とする核燃料集合体。 ２、前記の１つの支持グリッドは核燃料集合体のほぼ半
   分の高さに位置している実用新案登録請求の範囲第１項
   に記載の核燃料集合体。 ３、前記の１つの支持グリッドの両側で前記の控え棒の
   周りに配置されているスリーブを前記の１つの支持グリ
   ッドと控え棒とへ溶接してその支持グノツドを控え棒へ
   固定した実用新案登録請求の範囲第１項に記載の核燃料
   集合体。