JPS5815596B2 - ドア−・クロ−ザにおける閉扉速度調整装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はドアー・クローザにおける閉扉速度調整装置に
関するものである。

一般に、ドアー・クローザは、シリンダ内に収容したピ
ストンを油液により制御させながら移動させることによ
り、開放後の扉を自動的に始めは早く閉扉直前には遅く
閉るように構成されている。

ところで、従来、この種ドアー・クローザは、第１図及
び第２図に示す如く、油液を充満させたシリンダ１内に
、扉の回動力を伝達するためのピニオン２と噛合するラ
ック３を凹欠部に刻設したピストン４を収容し、このピ
ストン４の両側に、ピストン４の後端とシリンダ１の内
壁間に圧縮間在させたスプリング５のバネ力により圧縮
室ａと非圧縮室すとを形成し、この両室ａとｂとを、シ
リンダ１の周壁に設けた第１速度通路６及び第２速度通
路７で連通ずると共に、当該通路６，７に速度調整弁８
，９を夫々設けた構造が一般的である。

そして、第１図は、ドアーが全開の位置より閉扉動作に
入った状態を示しているが、このときは圧縮室ａと非圧
縮室すとは第１速度通路６によって連通され、油液はす
みやかに流通し扉も速く閉じるが、第２図の如く閉扉直
前の状態になると、第１速度通路６は遮断され、第２速
度通路７により圧縮室ａと非圧縮室すとが連通され、ピ
ストン４により押し出される油量が絞られ、その結果、
閉扉速度が制御され、扉は緩やかに閉じる。

しかしながら、上記の閉扉速度調整装置によると、風圧
等の強い外力が閉扉直前に扉に加わると、扉は急速に全
閉し、これが為、扉並びにその他の附属品が損傷するお
それがあった。

また、人手を挾む等の恐れもあり極めて危険であった。

本発明は、上記の欠点に鑑み、これを改良したもので、
風圧等の強い外力が閉扉直前に扉に加わっても、扉の閉
速度を常に緩速に維持し得る様にしたドアー・クローザ
における閉扉速度調整装置を提供せんとするものである
。

以下本発明の構成を図面に示す実施例にしたがって説明
すると次の通りである。

第３図において、１１はヒンジを中心として回動する扉
（図示省略）に取付固定されるドアー・クローザ、１２
．１３は連杆で、この連杆１２゜１３の夫々の先端は枢
着すると共に、連杆１２の基端は壁面等に固定された支
持ブラケット（図示省略）に枢着する。

１４はケース１５内の側壁１５ａ側の所定位置に回動可
能に起立軸支した回動軸で、その上端１４に、扉の回動
が伝達可能なる様に上記連杆１３の基端を係止し且つワ
ッシャー１６を介してボルト１７で締付固定する。

１８は上記回動軸１４の中間部分に嵌装固着したピニオ
ンである。

１９はピストンロッドで、これは、その一端を、上記ケ
ース１５の側壁１５ａと対向する側壁１５ｂに設けたケ
ース座板２０にボルト締めし、回動軸１４側に向けて水
平に突設する。

２１はピストンロッド１９の先端に螺着したピストンで
、このピストン２１の一部に、軸方向に貫通した油液通
路２２を穿設すると共に、該通路２２はロッド１９側を
若干量径とし、この部分に弁座を構成させて弁球２３を
収容する。

２４はピストン２１に摺動自在に嵌装せしめ且つ油液を
充満させたシリンダで、これは、回動軸１４側の外端面
２４ａに、上記ピニオン１８と噛合するラック２５が、
ケース１５の側壁１５ａに向けて突設されている。

２６はシリンダ２４のロッド１９側の外端面２４ｂとケ
ース１５の側壁１５ｂ間に圧縮介在させた復帰用スプリ
ングで、このスプリング２６のバネ力により、ピストン
２１の両側に圧縮室ａと非圧縮室すとを形成すると共に
、第３図においてシリンダ２４を左方に常時附勢して、
ピストン２１をシリンダ室内の右端に位置させる。

この状態で扉は開状態になる。

２７及び２８はシリンダ２４の周壁に形成した油液通路
で、この通路２７，２８は、閉扉時に油液が通流するも
のである。

上記油液通路２７は、その両端開口部２９．３０を、シ
リンダ２４のラック取付側内端面２４ａ′近傍と開状態
にある上記ピストン２１の端面２１ａ近傍とに開口させ
てあり、且つ該通路２７の途中には第１速調整弁３１が
組込んである。

また、油液通路２８は、閉扉直前ｂｐち、油液通路２７
の開口部３０がピストン２１によって閉塞された後、圧
縮室ａと非圧縮室すとを連通するための通路であって、
その一端開口部３２は、開状態にあるピストン２１の端
面２１ｂとシリンダ２４のロッド側内端面２４ｂ′間に
開口させ、且つ他端開口部３３には、シリンダ２４の中
央部付近に開口させると共に、該通路２３の途中には第
２速調整弁３４が組込んである。

３５は上記第２速調整弁３４より上流側において油液通
路２８に組込んだ油液の流量を調整するための流量調整
弁である。

この流量調整弁３５の構成を第４図及び第５図に示すと
、図面において、３６はシリンダ２４の周壁に穿設した
孔で、その先端部分３６′は、上記油液通路２８と交差
させである。

３７は上記孔３６に螺挿した調整螺子、３８はＯリング
である。

３９はバイパス油液通路で、その一端開口部（図示省略
）は、非圧縮室すに油液通路２８の開口部３２と周方向
にずれた位置で近接して連通させると共に、他端開口部
３９は乱光端部分３６′に連通させる。

４０は上記油液通路２８を開閉するためのピストンで、
これは、該油液通路２８と交差する乱光端部分３６′に
摺動自在に挿嵌し、その一端縁部４０は台形形状に形成
されていると共に、中心部には、孔３６を介して油液通
路２８とバイパス油液通路３９とを連通ずる貫通孔４１
が形成されており、しかも、当該貫通孔４１は調整螺子
３７側が小径に且つバイパス通路３９側が大径に形成さ
れている。

４２は上記調整螺子３７とピストン４０との間に圧縮介
在させたスプリングで、このスプリング４２のバネ力に
より通常はピストン４０をバイパス油液通路３９側に附
勢して、油液通路２８を開状態にし、バイパス油液通路
３９をピストン４０の貫通孔４１を介して油液通路２８
に連通させると共に、風圧等の強い外力を扉が受けた場
合は、そのバネ力に抗してピストン４０が油液により押
圧されて油液通路２８を閉状態とし、更に上記の強い外
力を受けたままの状態が続けば、スプリング４２のバネ
力が、バイパス油液通路３９側の加圧された油圧に徐々
に打勝ってピストン４０を少しずつ通路３９側に押圧す
る様に、構成されている。

而して、金属（図示省略）が開かれると、この扉の開動
作に伴なって、回動軸１４に嵌装固着したピニオン１８
が右回りに回転し、その結果、ピニオン１８と噛合した
ラック２５が右方に移動しシリンダ２４は、復帰用スプ
リング２６の附勢力に抗して第３図の矢印方向に移動し
、図示一点鎖線の位置に位置せしめられる。

このとき、油液法圧縮室ａからピストン２１の油液通路
２２を経て非圧縮室すに速やかに流入して、シリンダ２
４は円滑に移動し、扉が全開となる。

次に、扉が閉じ始めようとすると、シリンダ２４は、復
帰用スプリング２６の附勢力により押圧され、図示一点
鎖線の状態から左方に移動する。

このとき、ピストン２１の油液通路２２は弁球２３によ
り閉塞するので、油液は、非圧縮室すと圧縮室ａとを連
通する油液通路２７を介して、第１速調整弁３１で流量
が調整されながら非圧縮室すから圧縮室ａに流入し、こ
れにより、シリンダ２４が図示矢印方向と反対方向に比
較的速やかに移動して、扉は閉扉直前まで閉じられる。

こうして閉扉直前になると、上記油液通路２７の開口部
３０がピストン２１により閉塞され、非圧縮室すと圧縮
室ａとは油液通路２８及びバイパス油液通路３９によっ
て連通せしめられる。

すると、油液は、第２速調整弁３４によって流量を調整
されながら非圧縮室すから圧縮室ａに流入し、これによ
り、シリンダ２４の移動速度が遅くなり、扉は緩やかに
閉じる。

このとき油液通路２８と交差させて配設したピストン４
０は、第４図の如く、スプリング４２のバネ力によりバ
イパス油液通路３９側に附勢され、油液通路２８は開状
態に保持されている。

そして、この閉扉直前における緩速閉扉時に、風圧等の
強い外力が扉に閉方向に加わると、その外力は回動軸１
４のピニオン１８及びラック２５を介してシリンダ２４
に伝達され、該シリンダ２４を、第３図の矢印方向と反
対方向に急速に移動せしめようとする。

すると、非圧縮室すの油液が加圧され、これによって、
油液通路２８と交差させて配設した上記ピストン４０が
加圧されたバイパス油液通路３９の油液により第５図の
如くスプリング４２の附勢力に抗して調整螺子３７側に
押圧され、油液通路２８を閉状態として、非圧縮室すか
ら圧縮室ａへの油液の流れを遮断し、閉扉動作を停止さ
せる。

そして、こうした油液の加圧状態が継続すると、バイパ
ス油液通路３９側の油液は、ピストン４０の貫通孔４１
を介して孔３６側に流入するので、孔３６内の油圧と上
記通路３９側の油圧とが徐々に同圧となり、その結果ピ
ストン４０は、スプリング４２の附勢力により次第にバ
イパス油液通路３９側に押圧されて、油液通路２８は少
しづつ開き、非圧縮室す側の油液（瓜その流出量が制御
されながら圧縮室ａ側に流入し始める。

すると、シリンダ２４は、扉に風圧等の強い外力を受け
ているにもかかわらず、ゆっくりと第３図の矢印方向と
反対方向に移動し、扉は緩速度を維持して全閉する。

この緩速閉扉時に再び扉に強い外力が加わると、非圧縮
室すと圧縮室ａとを連通する油液通路２８がピストン４
０で上記要領にて開閉され、扉は緩速度を維持しながら
閉じる。

以下扉の開閉時には同じ動作を繰り返す。以上の様に、
本発明はドアーの開放によりスプリングを圧縮してシリ
ンダとこのシリンダ内に設けたピストンとを相対的に移
動させ、このスプリングの蓄勢力でドアーを自動的に閉
止させ、この閉扉時、特に閉扉端面前でシリンダ内のピ
ストン両側の室に充満させた油液をシリンダ周壁に設け
た油液通路の途中に設けた速度調整弁で絞って閉扉速度
を減速させ、静穏に閉止させるようになされたドアー・
クローザにおいて、上記速度調整弁を設けた油液通路の
途中に、該通路と交差した孔を設け、この孔内に該通路
と交差状に摺動して該通路を開閉するピストン型の流量
調整弁を設け、この流量調整弁の一端に作用させたスプ
リングにより、常時、該流量調整弁を前記通路が開放す
る状態に保持させ、上記流量調整弁の他端をバイパス路
を介して前記シリンダ内のピストン両側室のうちの閉扉
時に油液が圧縮されて押し出される側となる室に連通さ
せてこの室内の圧力を上記流量調整弁の他端に前記スプ
リングと対向させて作用させ、閉扉時、ドアーに閉扉方
向の風圧等が作用するとき、上記流量調整弁を上記スプ
リングに抗して前記通路が閉鎖される方向に移動させる
ようになし、しかも、上記流量調整弁にこの弁の両端へ
通じる小径の貫通孔を設けて上記弁による上記通路の閉
鎖時、上記弁の両側の油液圧力を平衡化させ、上記スプ
リング力で上記弁を開方向に作動させるようになしたか
ら、閉扉時において、ドアーに閉扉方向の突風や強い風
圧等の外力が作用した場合、流量調整弁が一旦、油液通
路を自動的に完全に遮断し、ドアーが閉じるこ吉を一旦
、中断させ、しかる後、小径の貫通孔を通して上記流量
調整弁の両側の油液圧力が平衡に近づき、スプリング力
が打ち勝って上記流量調整弁を徐々に開放させ、上記通
路の油液流量を増加させるように調整作動し、ドアーを
再び閉止方向に移動させ、静穏かつ安全に閉鎖端へ到達
させることができる。

したがって、扉並びにその他の附属品が損傷したり、或
いは人手を挾む等の恐れはなくなり、極めて安全である
。

また、特に風圧等の強力な外力が扉に加わった状態が持
続しても、扉は停止状態から徐々に緩速度で閉扉するの
できわめて便利である。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来のドアー・クローザの作動を説
明する縦断面図、第３図は本発明装置を施したドアー・
クローザの縦断面図、第４図及び第５図は本発明装置の
横断面図で、第４図はピストンの作動前を示し、第５図
はその作動後を示ず。 １１・・・・・・ドアー・クローザ、２１・・・・・・
ピストン、２４・・・・・・シリンダ、２６・・・・・
・復帰用スプリング、２７．２８・・・・・・油液通路
、３２・・・・・・開口部、３９・・・・・・バイパス
油液通路、３９′・・・・・・開口部、４０・・・・・
・ピストン、４１・・・・・・貫通孔、４２・・・・・
・スプリング。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ドアーの開放によりスプリングを圧縮してシリンダ
   とこのシリンダ内に設けたピストンとを相対的に移動さ
   せ、このスプリングの蓄勢力でドアーを自動的に閉止さ
   せ、この閉扉時、特に閉扉端直前でシリンダ内のピスト
   ン両側の室に充満させた油液をシリンダ周壁に設けた油
   液通路の途中に設けた速度調整弁で絞って閉扉速度を減
   速させ、静穏に閉止させるようになされたドアー・クロ
   ーザにおいて、上記速度調整弁を設けた油液通路の途中
   に、該通路と交差した孔を設け、この孔内に該通路と交
   差状に摺動して該通路を開閉するピストン型の流量調整
   弁を設け、この流量調整弁の一端に作用させたスプリン
   グにより、常時、該流量調整弁を前記通路が開放する状
   態に保持させ、上記流量調整弁の他端をバイパス路を介
   して前記シリンダ内のピストン両側室のうちの閉扉時に
   油液が圧縮されて押し出される側となる室に連通させて
   この室内の圧力を上記流量調製弁の他端に前記スプリン
   グと対向させて作用させ、閉扉時、ドアーに閉扉方向の
   風圧等が作用するとき、上記流量調整弁を上記スプリン
   グに抗して前記通路が閉鎖される方向に移動させるよう
   になし、しかも、上記流量調整弁にこの弁の両端へ通じ
   る小径の貫通孔を設けて上記弁による上記通路の閉鎖時
   、上記弁の両側の油液圧力を平衡化させ、上記スプリン
   グ力で上記弁を開方向に作動させるようになしたことを
   特徴とするドアー・クローザにおける閉扉速度調整装置
   。