JPS5812403B2 - 道床薬液注入機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は道床に薬液を注入させ、道床の安定化を行う道
床薬液注入機に関するものである。

主要幹線では列車運転密度が著しく高く、道床作業に必
要な作業時間帯を充分に確保することができないので、
道床作業は列車の運行数が比較的少なくなる夜間ないし
は列車の運行を一部変更して行うために、充分な作業が
できないばかりか、人力に頼るところが多く、労力と経
費がかさむのが現状である。

本発明はかかる欠点を除去し、多くの労力と経費の軽減
をはかり、短期間に、安全かつ能率的で安価に道床の安
定化作業が行えることを特徴とした道床薬液注入機であ
る。

以下本発明の実施例を図に従って具体的に説明する。

第１図は道床薬液注入機の側面図で、注入管１には薬液
噴射用ノズル２と回転継手３とかさ歯車４が取付けられ
、注入管可動支持部５Ａ（以下可動支持部５Ａと称す）
に固定されたアーム６Ａには駆動モータ７が設置され、
駆動モータ７はかさ歯車４と連結され、注入管１は可動
支持部５Ａに固定されたアーム６Ａの先端に設けられた
軸受８Ａと、注入管支持部５Ｂ（以下支持部５Ｂと称す
）に固定されたアーム６′Ｂの先端に設けられた軸受８
Ｂを介して回転する。

可動支持部５Ａは凸状、支持部５Ｂは凹状で、両者間に
設置された注入管貫入用シリンダ９（以下貫入シリンダ
９と称す）によって可動支持部５Ａは支持部５Ｂに対し
て摺動運動を行い、注入管１は可動支持部５Ａを介して
貫入シリンダ９のストローク量だけ上下に運動する。

また、注入管１は支持部５Ｂと横移動台車１１とにピン
継手によって結合された注入角度可変用シリンダ１０（
以下注入角シリンダ１０と称す）によって注入角シリン
ダ１０のストローク量の範囲内で任意の注入角を設定す
ることができる。

横移動台車１１はその下に具備されたローラ１２によっ
てレール走行台車１３に付けられたガイド部１４とレー
ル走行台車１３との間をレール長手方向に対し直角に移
動し、任意の位置に停止させることができ、かつ注入管
１の貫入時にかかる反力をガイド部１４で支える。

レール走行台車１３は車輪１５を有し、レール上を自由
に走行することができ、レールクランプ１６を備えたト
ロッコ構造の台車である。

第２図は注入管軸受部の断面図で、可動支持部５Ａに困
定されたアーム６Ａの先端部に設置してある軸受８Ａは
注入管１に取付けられたつば１９により注入管１に固定
され、可動支持部５Ａの上下の動きと一体となって、注
入管１を動かす。

支持部５Ｂに固定されたアーム６Ｂの先端に設置してあ
る軸受８Ｂは注入管１の上下運動と回転運動に対してガ
イドするのみである。

上記のごとく、軸受８Ａ，８Ｂを設けることにより注入
管１の左右の振れを防止し、安定した上下運動を可能に
する。

次に本発明の道床薬液注入機の操作方法を具体的に説明
する。

第３図はまくらぎ間における注入状態を示した断面図、
第４図は注入個所がまくらぎ下に位置した場合の注入状
態を示した断面図で補修すべき箇所へ、道床薬液注入機
のレール走行台車１３をモータカー又は人力で移動させ
た後、レール走行台車１３をレールクランプ１６でレー
ル１７に固定させ、注入箇所によって注入角シリンダ１
０により注入管１の注入角度を調整し設定する。

注入箇所がまくらぎ１８間であれば、貫入シリンダ９に
よって注入管１を垂直に下降させて道床内に貫入する。

また、まくらぎ１８下に注入する場合には注入角シリン
ダ１０によって注入管１の注入角度を設定した後、貫入
シリンダ９によって注入管１をまくらぎ１８下に薬液噴
射用ノズル２が達するように貫入する。

注入管１が所定の位置まで貫入される間に、駆動モータ
７を駆動させて注入管１を回転させながら、第１図に示
した薬液注入ポンプ２０によってホース２１を介して薬
液を注入管１に流入し、薬液噴射用ノズル２から道床内
に薬液が噴射される。

薬液注入ポンプ２０は、レール走行台車１３上もしくは
専用台車上に設置されるようにして、注入機がレール上
を移動する時は一諸に移動できるようになっている。

第５図は薬液の注入範囲を示す断面図で、注入箇所がま
くらぎ間と、まくらぎ下の場合における注入範囲２２を
示したもので、貫入シリンダ９により可動支持部５Ａを
上下に摺動させ、注入管１を回転させながら所定の位置
に貫入するまでに、注入管１を中心とした円柱状に薬液
が分布されるが１回の貫入による注入範囲２２は限定さ
れるため、まくらぎ下だけを注入する場合は、注入管１
を傾けて、薬液噴射用ノズル２が完全にまくらぎ下に貫
入されるようにする必要がある。

第６図は道床薬液注入機の移動範囲を示す平面図で、ま
くらぎ長手方向には横移動台車１１を左右に、レール長
手方向にはレール走行台車１３を前後に移動させながら
任意の注入位置に薬液の注入を行う。

以上の説明のごとく、本発明による道床薬液注入機によ
る道床安定化作業は多くの労力と経費の削減をうながす
とともに、短時間に能率的かつ効果的に作業が行える。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による道床薬液注入機の側面図、第２図
は注入管軸受部の断面図、第３図はまくらぎ間における
注入状態の断面図、第４図はまくらぎ下における注入状
態の断面図、第５図は薬液の注入範囲を示す断面図、第
６図は道床薬液注入機の移動範囲を示す平面図。 図において、１…注入管、２…薬液噴射用ノズル、３…
回転継手、４…かさ歯車、５Ａ…注入管可動支持部、５
Ｂ…注入管支持部、６Ａ，６Ｂ…アーム、７…駆動モー
ク、８Ａ…注入管可動支持部側軸受、８Ｂ…注入管支持
部側軸受、９…注入管貫入用シリンダ、１０…注入角可
変用シリンダ、１１…横移動台車、１２…ローラ、１３
…レール走行台車、１４…ガイド、１５…車輪、１６…
レールクランプ、１７…レール、１８…まくらぎ、１９
…つば、２０…薬液注入ポンプ、２１…ホース、２２…
薬液注入範囲、２３…道床。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ レール走行台車上に設けられ、かつ、レール長手方
   向と直角方向に移動可能な横移動台車上に、ビン継手を
   介して注入管支持部を設けるとともに該注入管支持部と
   前記横移動台車を注入角可変用シリンダで結合し、前記
   注入管支持部に対して注入管可動支持部を摺動運動可能
   に設けるとともに、前記注入管可動支持部と前記注入管
   支持部との間に、前記注入管可動支持部を前記注入管支
   持部に対して摺動運動させる注入管貫入用シリンダを設
   置し、さらに、薬液噴射用ノズルを備えた注入管を前記
   注入管可動支持部と前記注入管支持部に固定された２個
   のアームを介して回転かつ上下運動可能に支持するとと
   もに前記注入管に回転機構およびホースを介して薬液注
   入ポンプを接続したことを特徴とする道床薬液注入機。