JPS5812032B2 - ダンセイタイノ ソウニユウホウホウ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、弾性体の挿入方法、具体的には金属製の野
球用バット等の中空物体内に、その小さい開口部を通じ
て、消音材としての体積の非常に大きい弾性体を挿入す
る方法に関するものである。

一般に金属製野球用バットの中空部内には、打球時の金
属音を抑えるため、消音材としてウレタンフオーム等の
発泡性合成樹脂などからなる弾性体が挿入される。

しかしバットの先端部の孔は小さく、これに比して挿入
すべき弾性体の体積は著るしく大きいため、容易には挿
入できず、従来は押込棒で突込んだり、弾性体をねじ込
んだりして人手で挿入していたが、このような方法では
多くの労力を要するとともに押込力が一定しないため、
バット内への弾性体挿入量および挿入位置にバラツキが
多く、バットの重量およびバランスが一定しないという
欠陥があった。

この発明は、かかる状況に鑑みなされたもので一定の力
で常に弾性体を一定位置にバランスよく簡単に挿入でき
るようにした弾性体の挿入方法を提供することを目的と
する。

以下図面に示した実施例にもとづき具体的に説明する。

図中１は金属製の中空筒状のバット本体で、グリップエ
ンドおよびキャップ（図示せず）を装着する前の状態で
、バット本体１の太径部分の先端部および細径部分の基
端部には、それぞれキャップおよびグリップエンドで閉
鎖されるべき開口部３．２が開口しており、開口部３の
径はバット本体１の径より小さくなっている。

このようなバット本体１は、これを縦向きにしてその基
端部の開口部２を、台４上に開口するパイプ５の一端に
接続具６を介して気密に接続する。

パイプ５の他端は真空ポンプ（１００ｍｍＨｇ以上、能
力５ｍｍＨｇ１５ｍｉｎ）等の減圧装置に連結してあり
、バット本体１が前記接続具６を介してパイプ５の一端
に接続されると同時に、図示しないスイッチ装置がこれ
を感知し、減圧装置が作動して直ちに吸引が開始される
。

一方バット本体１の先端部における開口部３には、バッ
ト本体１をパイプ５に接続したのち、あるいは接続に先
立ってロート状のテーパ部を具える誘導管７を、その端
部を前記開口部３の周縁に形成したキャップ用係止段部
８の内側に嵌め込むように押し当て、予じめ用意した封
人材９で包んだ弾性体１０を前記誘導管７内に落し込む
。

弾性体１０は、ウレタンフオーム等の発泡性合成樹脂、
ゴム、その他消音効果のある弾性材料によって、通常角
柱状（密度０．０４７ｇ／ｃｍ３、重量は多い場合で４
０ｇ）に形成し、この弾性体１０を、予じめ摩擦係数が
小さく滑り性のよい、例えば軟質のポリエチレンフィル
ム（厚さ０．１ｍｍ）等合成樹脂製の袋状封人材９内に
収容しておく。

弾性体１０は必らずしも一塊状のものでなくてもよく、
同種、異種のものを大小とりまぜて封人材９内に収容し
てもよい。

また封人材９は弾性体１０を収容したあと口部を溶着し
て密封してもよいし、また単に折り畳んで止めておくだ
けでもよい。

誘導管７内に落し込まれた弾性体１０は、その封人材９
の滑り性によって誘導管７の底に落ち、開口部３を塞ぐ
。

開口部３が塞がれると、真空ポンプが作動しているから
バット本体１内の負圧が漸次高まってゆき、バット本体
１の内外の圧力差が一定以上になると、まず封人材９が
その差圧によって破裂し、封人材９内が瞬間的に大きく
減圧され、封人材９の内外に加わる差圧のため弾性体１
０が開口部３で強く圧縮され、封人材９の滑り性と相俟
って封人材９とともに開口部３からバット本体１内に挿
入され、その先端が細径部分のほぼ上端位置で係止され
て順次圧縮、変形されて太径部分上端部までほぼ均等に
詰込まれることとなる。

なお、弾性体１０の量が多いときは作業効率上補助的に
押込棒を使って弾性体１０を軽く押し込むようにしても
よいが、通常真空ポンプの能力を大きくしておけば、弾
性体１０が開口部３を閉じている時間が長くなるほどバ
ット本体１内の負圧がそれだけより高められてゆくから
ほとんどの場合押込棒の使用を要しない。

弾性体１０の量が少ないときは、封人材９が破裂する前
に、バット本体１内外の差圧によって封人材９もろとも
バット本体１内にそのまま挿入されてしまう。

また一本のバットに必要な弾性体１０の量は一つの封人
材９内に収容して一度に挿入してもよいが、複数個の封
人材９に分けて数回にわたり挿入するようにしてもよい
。

さらに弾性体１０自体の外表面を滑り性のある平滑面に
形成しておけば封人材９を使用する必要がない。

第２図に示すものはこの発明の別の実施例で、弾性体１
０に圧力を加えて挿入する方法を示すもので、バット本
体１の先端部における開口部３に、誘導管７を具える圧
力室１１を接続し、前記圧力室１１はパイプ１２を介し
コンプレッサー等の加圧装置に連結してあって、投入口
１３から誘導管Ｔ内に封人材９で包んだ弾性体１０を送
り込み、圧力室１１内の圧力を高めて弾性体１０を圧縮
し、封人材９の滑り性を利用しつつこれをバット本体１
内に挿入する。

この場合バット本体１の基端部における開口部２は、通
常開放しておくが、前記したように減圧装置に連らなる
パイプを接続しておくようにしてもよい。

なお弾性体１０の挿入態様については前記した吸引式の
場合とほぼ同様であるので説明を省略する。

以上の如くこの発明にあっては、長い太径部分と細径部
分とより成り、太径部分の先端に開口した太径部分の径
より小さい径の開口部にロート状の誘導体を押し当てた
状態で、中空物体の内外に差圧を形成し、弾性体をその
差圧で圧縮、変形させつつ中空物体内に移入させるよう
にしたから、弾性体を、自動的に効率よく中空物体内に
収容でき、しかも、弾性体の挿入圧力がほぼ均一に保持
されるので、弾性体は中空物体内に偏在することなくほ
ぼ一定密度で均一に収容され、例えば、野球用バット内
に打球時の金属音の消音材としての弾性体を挿入する場
合に利用すれば、製品であるバットの重量およびバラン
スが一定となり、バラツキのない消音効果の優れた製品
を容易に製作することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の実施態様を示す断面図、第２図はこ
の発明の他の実施態様を示す要部の断面図である。 １・・・バット本体、２，３・・・開口部、４・・・台
、５・・・パイプ、６・・・接続具、７・・・誘導管、
８・・・段部、９・・・封入材、１０・・・弾性体、１
１・・・圧力室、１２・・・パイプ、１３・・・投入口
。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １４長い太径部分と細径部分とより成る金属製の中空物
   体内に、その外部に通ずる開口部から該開口部の面積よ
   り大きい断面積をもつ弾性体を挿入する方法において、
   前記太径部分の先端部に太径部分の径より小さい径の開
   口部を設け、この開口部にロート状の誘導体を押し当て
   、前記中空物体の内外に差圧を生じさせる装置を設ける
   と共に、該装置によって生ず名前艶差圧により前記弾性
   体を、前記誘導体を介して開口部において圧縮、変形さ
   せつつ前記中空物体内に移入させることを特徴とする弾
   性体の挿入方法。 ２ 長い太径部分と細径部分とより成る金属製の中空物
   体内に、その外部に通ずる開口部から該開口部の面積よ
   り大なる断面積をもし弾性体を挿入する方法において、
   前記太径部分の先端部に太径部分の径より小さい径の開
   口部を設け、この開口部にロート状の誘導体を押し当て
   、前記中空物体の内外に差圧を生じさせる装置を設け、
   該装置によって生ずる前記差圧により前記弾性体を、前
   記誘導体を介して開口部において圧縮、変形させつつ前
   記中空物体内に移入させると共に、前記弾性体は、摩擦
   係数が小さい滑り性のよい封入材で被覆するか、あるい
   はその外表面を滑り性のよい面に形成しておくことを特
   徴とする弾性体の挿入方法。